ベルがサイヤ人なのは間違っているだろうか   作:ケツアゴ

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スーパーマリオランしながら返信してたらミス連続・・・俺はおこったぞぉおおおおっ!!ww


第九話

「そう言えばさ、気ってそもそも何なの?」

 

 殺到するモンスターの群れを鎧袖一触に蹴散らしながら進んでいた時、ふとティオナの口からそんな疑問が投げかけられる。普段なら誤魔化すベルだが、生来のお人好しもあってか今日までの付き合いでティオナへの警戒が薄れていた。

 

「えっと、元々はエネルギーとか戦闘力って呼んでたんだけど、色々あって母星……実家と同じ言葉を使うのが嫌で、元気とか気合いからとって気って呼ぶようにしたんだ。体内エネルギーの事で、精神的な物も影響するからピッタリかなって……」

 

 更に付け加えるなら気を増幅爆発させる事で身体能力を急上昇させる事も出来るのだが、サイヤ人やフリーザ一味には使える者は珍しいタイプと認識されている事から方法は伝わっていない様だ。

 

「何かよく分からないけどあたしにも使えるの?」

 

「僕は王子だから早い段階で使えるようにって刷り込みで使い方を覚えたから、使い方を教えるのは……壁? 植物みたいだけど……」

 

 ティオナの問いに少し申し訳なさそうに答えながら重要な部分をうっかり話してしまった時、二人の前に地図には存在しない壁が立ちふさがる。どうやら植物で構成されているようで、入り口らしき物は閉じてしまっていた。二人でベタベタ触って調べ、道を変えても壁が存在する。完全に食料庫(パントリー)への道が塞がれていた。

 

 知識にない事態であり、此処から先は未知の領域だ。警戒して引き返し、ギルドに報告するのが通常である。

 

 

「はぁっ!!」

 

 だが、二人はそんな普通な考えなど頭に浮かばず、ティオナが大双刃(ウルガ)で切りかかるも分厚くて意味がないのでベルが気功波で吹き飛ばす。ティオナが警戒もせず、ベルがオドオドしながら中に入ると壁に開いた穴が塞がった。

 

「うわぁ! 壁も天井も変なので覆われているよ。案外巨大なモンスターの体内だったりして」

 

「テ、ティオナさーん! 怖いこと言わないで……来ますっ!」

 

 内部は壁と同質の物で覆われており、興味深そうにティオナは手を当てて騒いでいる。そんな彼女の言葉にベルが弱音を吐こうとした時、前方から食人花の群れが襲いかかってきた。

 

 

「確か打撃に強いんだよね? なら……せやっ!」

 

 まず、先頭の一体に跳躍からの振り下ろしで頭部を両断し、敵中に飛び込んでの振り回しで切り刻む。高威力の武器と高い腕力に任せた豪快な戦法に感心しながらもベルは右手に気を集中させる。気功波を放つのではなく、手刀の構えから手首から先に纏い刃のようにする。

 

「はっ!」

 

 刀身は三十センチ程だが切れ味は鋭い。食人花を容易く切り裂き、速度で翻弄しながら次々にしとめていく。次々と新手が現れるも二人の進撃は衰えるどころか勢いを増していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……また侵入者か。レヴィスはアリアの確保に向かい、あの者共も残りのゴミの掃除に向かわせた。さて、どうするか。食人花(ヴィオラス)程度では足止めにもならんし……仕方ないな」

 

 大樹の迷宮の奥に出現した謎の壁の内部にて仮面の男が監視カメラの様に映し出された内部の映像を見て忌々しそうに呟くと先にアイズと共に入り込んだ冒険者が目指す食料庫(パントリー)へと向かう。そして彼が指を鳴らすとモンスターの餌である栄養素が流れ出す大主柱に絡みついていた巨大な食人花の一体が蠢いた。

 

「行け、巨大花(ヴィスクム)。侵入者を押し潰して来い」

 

 

 

 

「……げっ。マジ……?」

 

 散らばった死体から極彩色の魔石を回収していた時、突如地響きと共にそれは現れた。ティオナ達と比べれば蛇と蟻程の体格差を持つ巨大。当然、通路に入りきらないので強引に突き進む。天井や壁を強靱な外皮で削りながら二人へと突き進んできた。

 

「ティオナさん!」

 

「了解っ!」

 

 回避は不可で逃走は困難。躊躇は一瞬で、詳しい指示は不要。二人は即座に腰を落として構え、巨体の猛進を正面から受け止める。超重量高速の突進によって弾き飛ばされそうになるのを踏ん張って堪え、押し込まれ足で地面を削りながらも体勢は崩さない。徐々に、だが確実に速度は落ちていく。

 

「っ! だらぁあああああああああっ!!」

 

「はぁあああああああああああああっ!!」

 

 二人同時に気合いを入れて腕と足に更に力を込める。背後に壁が迫り、押し潰される寸前で巨体の動きが停止し、ベルの手に気が溜まると同時にティオナが跳ぶ。瞬時に放たれる気功波が頭部を破壊しながら巨体を押し戻し、壁を蹴って内部に飛び込んだティオナは武器を振りかぶって頭部の奥に存在する魔石に向かって投げつけた。核である魔石を真っ二つに割られ崩壊する巨体は灰になって通路を埋める。数秒後、灰の中から二人が頭を出した。

 

 

 

「ぷふぁー! 危ない危ない。生き埋めになっちゃったよ」

 

「大きかったですね。まさかこんなのが他にも居るんじゃ……」

 

 灰と天井の間の僅かな隙間に頭を出して息を吸う二人は顔を見合わせハイタッチ。灰の中を進むのは難しいので再びティオナがベルに掴まり、飛んでこの巨大なモンスターが来た場所へと向かった。

 

 

 

 

「アスフィさんに汚い手で触るんじゃねぇ!」

 

 この日、ヘルメス・ファミリアの団員であるルルネは主神の方針で行っているランク詐称をバラすと脅され、仲間と共に食料庫(パントリー)まで辿り着いた。途中、同行したアイズが分断され、待ち受けていたのは自爆覚悟の白装束の集団と大量の食人花(ヴィクラム)、そして仮面の男。

 

 爆発する性質を持った火炎石を装着した死兵に敵味方関係無しに襲い掛かるモンスター。状況打破のため、団長であるアスフィが奥の手である飛翔靴(タラリア)を使い、それぞれを指揮する二人に迫る。白装束の指揮官を潰し、仮面の男に切りかかったが短剣を奪われ、逆に体に突き刺された。

 

「この程度では死なぬのはわかっている。だが、これで容易に全快はすまい」

 

「あ…ぐっ……あああああああああああ!!」

 

 

 抉るように短剣を動かしアスフィに深手を負わせた男はトドメを刺そうとするが、団員であるキークスの目眩ましによってアスフィを放す。だが、高位回復薬(ハイ・ポーション)を投げ渡そうとした彼の体を食人花(ヴィオラス)が貫いた。仲間が固まる中、脱力した彼は壁に叩き付けられ地面に落ちる。

 

 そして、瀕死になりながらもアスフィに薬を投げ渡そうとする彼の頭を踏み潰そうと仮面の男が足をあげた。

 

「潰れろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何を……してるんだぁああああああああああああっ!!!」

 

「ぐおっ!?」

 

 だが、キークスの頭が踏み潰される寸前、猛烈な勢いを付けたベルの蹴りが仮面の男の脇腹に叩き込まれる。片足をあげた体勢では踏ん張れず蹴り飛ばされる男だが、即座に着地し、着地寸前のベルに拳を振るう。だが、命中の寸前でベルは上に飛翔し、大きく空振って無防備になった背後に降り立った。

 

 

「飛んだだとっ!? くっ!」

 

 体を回転させながら猛烈な速度で拳を振るうが、ベルはそれを屈んで避け、顎を蹴り上げる。男の体はのけぞり、更に叩き込まれたベルの拳によって壁まで殴り飛ばされた。

 

 

激怒兎(デストロイヤー)!? なんで此処にっ!?」

 

「はいはい、話は後で。ほら、早く飲んで」

 

大切断(アマゾン)まで!?」

 

 キークスの口に高位回復薬(ハイ・ポーション)が流し込まれる。数本飲ませ一命を取り留めさせたティオナは続いてアスフィの所に向かいながらベルに視線を向けた。

 

「……うーん。さっきから強くなってない」

 

 

 

 

 

 

「ぐっ! この糞餓鬼がぁっ!!」

 

 怒りから余裕をなくした仮面の男が拳を振るう。先程からのダメージで精彩を欠いているがLv.5に匹敵する身体能力でベルに襲い掛かるがベルは男と互角に……いや、徐々に押し始めた。

 

(やっぱりだっ! 何となくだけど僕の戦闘力が上がっている!)

 

 始まりはアポロン・ファミリアとの戦い。仲間を襲われ侮辱され、怒りがこみ上げてくると同時に力が湧いてくるのも感じていた。それから何となくだが戦闘力のコントロール、気を増幅させ爆発させて力を高める事が出来るようになった。同じく実戦で身に付けた兄のベジータのそれと比べればお粗末で稚拙。だが、それでも確かな成長だった。

 

 

 

 

「調子にのるなぁああああっ!!」

 

 目の前の未熟そうな少年に押される事実は彼にとって許し難く認めがたい。拳を受けながらの踏み込みからの強引な一撃をベルの顔面めがけて振るう。だが、易々と受け止められた。

 

 

「……答えて下さい。何故、あの人を殺そうとしたんですか? いえ、そもそも貴方は何ですか?」

 

 ベルは状況を理解した訳ではない。ただ、男によってアスフィやキークスが死にかけ、何となくだが男が普通の人の気を持っていないと感じ取ったのだ。

 

「何故殺そうとしたかだと? 彼女のためだ!! 私が誰かだと? 彼女に第二の命を与えられた者だ!」

 

 男が叫んだ時、先程からの戦闘の影響で仮面に罅が入り砕け散る。壁の一部が外から弾け飛び、黒髪のエルフとレフィーヤを連れたベートが現れたのはその直後であった。

 

 

「あぁっ? 何でテメェが……」

 

「馬鹿な……」

 

 ロキの頼みでアイズを探しに来たベートはベルを見て怪訝そうにし、黒髪のエルフは仮面の男の素顔を見て固まる。

 

 

 

 

 

 

「『白髪鬼(ヴェンデッタ)』オリヴァス・アクト……」




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