進撃の剣人   作:カムカム@もぐもぐ

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独自解釈…というかハンクが存在することで見解を深めた回。
何言ってんだこいつ。みたいなところとか文章が変なところがあったら教えてください。


11話

馬に乗った俺たち調査兵団は壁外調査へと出かける。

周りでは調査兵団の兵員が大声で叫びまくっているのが印象的だ。ちょっとうるさいと思ってしまうが、実際うるさい。

壁から出るとそこは地獄だ。まるで地獄。

全てが荒れ果てさせられ、無残にも砕かれた建物の多くがそこにある。ついでに言うと、ちょくちょく討伐し忘れていたらしい巨人に遭遇するのも俺の中ではマイナスだ。

適当な仕事しやがって。

 

今回の遠征は“表向きは”言って帰ってくること。その実態はまた違う。

…というよりも、あまりにも不自然なタイミングだ。

新兵が入ったからと言ってそんなに急に実勢経験を踏ませる必要性をまるで感じない。

たしかに最初の遠征で生き残った兵士は大成するみたいな言葉があるが、このタイミングではまるで“使える兵士”と“使えない兵士”で振るいに掛けているようなものだ。

だが、調査兵団の上の連中にきっとそんな真意はないだろう。あくまで偶然。

何も話されていなければ反感の一つでも湧いたのかもしれないが、今回は事前に打ち明けられていた。

それに、俺は出ていなかったがエレンの事を法廷で近日中の壁外遠征で見極めるとか何とか言って連れ帰ってきたらしいし仕方のない部分も多いだろう。

とはいってもどこかで大きな経験を踏ませて成長させなければ永遠に巨人に怯えているだけになってしまうのも分かる。

特に俺を含めた104期生は巨人と対面したことがあるのだ。俺は別に今までと変わりないが、兵団を決めたあの日の夜の夕食時は調査兵団志望組のテンションが死ぬのではないかと思った位低かった。

俺にだけ話してあるというのはどこかで俺を含め104期生を試したようだが、合格者は俺一人とのこと。

いつそのような事をされたのか全く記憶にない事だが、結果的に良い方向へ行っているようでなによりだ。

 

 

 

俺の居る位置は、次列中央。つまり指揮だ

頭を使うのがそこまで得意でもない俺をここに置く意味などあまり感じないが、信頼されているということにしておこう。

まぁ、いいけど。

 

飛んでくる信煙弾を見て、エルヴィン団長が指揮を出す。俺たちはそれについて行く。

長距離索敵陣形の中で重要でありながらも、かなり退屈な場所だ。

しかし、今回の遠征が命がけの遠足なだけではないことを知っている分多少の緊張が体に走るのを感じる。

 

 

 

 

どれだけ進んだだろうか。かなり走ったと思うが、壁にたどり着くにはまだまだのようだ。

すると、エルヴィン団長がこちらに合図を出してきた。

その合図を皮切りに、周りの兵士が同じ方向を向く。そちらからは黒い信煙弾が複数飛んでいるのが確認できる。方角的には、アルミンが居るはずの方向だ。

若干の嫌な予感がしつつも極めて冷静に指示を待つ。

 

「森だ。この先に森がある。そこに運んできたトラップを仕掛け、捕獲する」

「了解」

 

今回の遠征の目標は、往復の確認の遠征に見せかけた壁の中に居るであろう人類の敵の確認及び捕獲。

どうやら物凄い金額をつぎ込んだトラップをいくつも持ってきたらしいし、それだけ今回の遠征に本気だというのが窺える。

 

 

 

 

森につくと、開けた場所に敵を誘い込むとのことで外では今多くの兵士がそれをやっているらしい。

エレンの巨人体を見た限り、意志を持った巨人の戦闘力は尋常ではない。あのサイズでまともに思考し、馬とほぼ同速で走り圧倒的な力で敵を粉砕する。そして極めつけはあの超回復力。誘導するのにも多くの人命が消えるはずだ。これが誘導ではなくもっと違う作戦なら被害は少ないのだろうが…誘導となると色々な方法を用いなければならない。

まずぱっと思いつくのはエレンを餌に誘導すること。だが、これはリスクが高すぎる。エレンを攫われたら人類に明日はないのだ。ともなると、少なからずダメージを与えて意識を自分に向けさせるとか。…ただ、これも理性の無い通常の巨人ならまだしもまともな思考が出来るとなると効果は薄そうだ。目的意識があるのならば、それだけ冷静に物事を運んでくるはず。ちょっと邪魔だからと言って怒りに身を任せるような奴がこんな任務をしているとは思えないからな。

となるとだ、結局エレンを上手く利用しつつそのほかの兵士に上手い事誘導してもらうしかなさそうだな。…あぁ、これは死ぬな。たぶん、壊滅するんじゃないかっていうくらい死ぬ。

俺の頭程度で思いついた作戦だから何とも言えないが、本当にこんな作戦ならばほとんど死ぬだろう。しかも、エルヴィンのあの口ぶりからすると誘いこむということを念頭に置いている奴はほぼいないと言っていいはずだ。

ということは“結果として誘導していた”事にするだけで、兵士は基本的にエレンを守るために全力で巨人を殺しに行くはずだ。殺せればそれでいいが、そうはいかない。

…全く、外道ここに極めたりと言ったもんだな。だが、きっとそれが正しい。

馬面に賛成するわけではないが、命は金貨だ。エレンのように貴重な存在ほどレートが高く、俺たちのような使い捨ては使い捨て同然。エレンの命を守り、人類の未来のための情報を買うために…命の金貨を使うんだ。

あぁ、馬面よ。少しお前の気持ち分かったかもしれない。死にたくないよなぁ。俺だってそうだ。でもな、結局いつだって生き残る奴っては迷わない奴だ。

本当に何かを成し遂げたいなら一瞬でも迷うな。迷えば、後悔してもしきれない物まで失うかもしれないんだからな。まぁ、それでも俺は謝らないけどな。

なぁ、エレン。こいつは責任重大だぜ?お前の知らないところでそれだけの命を吸って生きてるんだ。お前の存在価値は計り知れなく高い。吸った命の分だけお前は何かしなきゃならないしな。あーあ、ご苦労な事だ。

………………まぁ、俺もなんとかしてみるさ。

 

 

 

トラップを開けた場所に入ってきた獲物を全方位から狙い撃ちにして磔にするように配置する。

罠の詳細は大砲の様な物から射出される、鉤爪と矢の中間のような鏃に超強力なワイヤーを付けたものだ。理屈はわからないが理論上一度刺さればよほどのことがない限り身動きはとれなくなるらしい。どうやら先端は過去の人類が壁の外で使っていた碇というものに酷似しているらしいが、俺には興味がない。

捕まえて尋問なりなんなりで目的を吐かせてやる。

 

「やぁ、ハンク」

「…」

「んー、相変わらず冷たいなぁ。私の何が気に入らないっていうんだい?」

 

気を抜いていたわけではないが、少し考え事をしていた俺に話しかけてきたのはハンジ分隊長。

正直俺の苦手な人だ。まず、性別不詳。次に巨人の事を喜々として話す。巨人の実験で巨人の事をまるで家族のように扱う。

性別不詳はまぁいい。アルミンだってそれっぽい恰好をすればそう見えなくもないし気にするようなことでもない。ただ、隠し事が多いと信用しにくい。

次に巨人についてだ。何が楽しくて巨人について楽しく会話しなくてはならないんだ。俺は別に巨人に興味がないわけではない。だから巨人について多くの知識を持っているこの人と話すこと自体は無益だとは思わないが、楽しそうに話されるとやり辛い。

最後に、一つ前と通じる事だが俺は巨人が嫌いだ。殺してやりたい。視界にだって入れたくない。だが、実験などをすること自体は無駄ではないことも理解している。

だが、それはそれ。これはこれだ。

目撃した時は衝撃だった。巨人を槍で突き刺し、絶叫している。いや、巨人の叫びに合わせて号泣していた。

引いたとか引かないの話しではない。

俺は少し、軽蔑した。

別に俺だけが巨人を憎んでいるとか、そういったことなど思っていないしエレンや他の兵士だって同じように思っているはずだ。

だが、それでも巨人の気持ちになって泣くなどあり得ない。憎くないのか?悔しくないのか?

なんのために、生きているんだ?

もしかしたら、俺には分からない体験をしているのかもしれない。俺には到底理解できない考えを持っているかもしれない。

聞けば答えてくれるかもしれないそんな疑問を、俺は聞けない。

ただの食わず嫌いなのかもしれない。だけど、俺が俺であるために認められない。

だから、嫌いだ。

 

「…」

「…やれやれ。無視は辛いんだけどなぁ…」

 

なんて落ち込むそぶりを見せてくるハンジ分隊長。

 

「で、なんですか?」

「お。いやいや、君は色んな新しい発想を持ってきてくれるからね。今回の巨人についても何か考えがあるんじゃないかと思ってね。どうだい?」

「…」

 

そんなことを言われても困るだけなのだが。とも思うが顔色には臆面も出さないようにする。別に巨人談義する分にはちょうどいい相手だ。

 

「さぁ?とりあえず俺の知り合いにはいないと思いますが」

「知り合い…っていうと104期生かい?」

「…えぇ。全員の顔と名前は覚えてはいませんが…とりあえず今回出てくるであろう巨人は俺の知り合いには“絶対に”いません」

「へぇ、凄い自信だね。どうしてだい?」

「まず、壁の中に巨人が入り込んでいるとして人間に化けているという前提で今回の作戦が立てられているのは知っているな?…じゃない、御存じですね?」

「敬語苦手なら無理しなくていいよ。私もエルヴィンにはタメ口だし」

 

敬語を使わなくていいと言ってくれるのはありがたい。少し気が楽になったので思っていることを話し始める。

 

「じゃあ、遠慮なく。作戦上では敵は何かしろの理由でエレンを狙うために、巨人による犠牲が出ても全て内部とは無関係に出来る壁外調査に合わせて狙ってくること前提で多くの作戦を組んだ」

 

うんうんと頷くハンジ。

 

「そこで重要なのは、どうしてエレンを狙うか。これは俺の友人の推論であることはこの前エルヴィン団長にも話した通りだ」

「本来であれば殺し切れていたはずの人類が生き残っていること。超大型とともに現れて内扉を破壊することが可能な鎧が現れなかったことだね」

「エレンが巨人化したことで、それどころではなくなったという事実が人類存亡にも繋がっている可能性の高さ。これは団長含めて賛同を貰った通りだ」

 

俺は木に凭れかかり、話を続ける。

 

「なら、兵団の中のどこかに…あの時の現場に居合わせた中に犯人が居る可能性は極めて高い。いや、確実だ。だが、104期だとして調査兵団に居る奴がそのまま動くのは怪しすぎるとも思う。もちろん絶対ではない。しかし、人間が人間のサイズでエレンを攫うのには無理がある。壁外ともなればなおの事のはず」

「対象が壁外で行動を起こすとなると、極めて自然な流れで巨人体で襲いかかってくるってことだね。ここもこの前の会議で話したね」

「あぁ。あくまで俺の知り合い…つまり104期に限った話になるが仮にこの中に巨人の仲間が居て情報を伝えていてもその中に行動の実行犯がいるとは考え辛い」

「ちょっと希望的観測のように聞こえるけどね」

「確証はないが、自信はある」

「と言うと?」

「巨人の姿になるというのは言うのは簡単だが、実際はそれどころの騒ぎじゃないだろ。調査兵団に居るのならば一人だけ隊を外れるわけにもいかない。仮に外れたとして、それが目撃されれば実行犯であると言わんばかりだ。さらに言えば変身時の蒸気も隠しきれない。長距離索敵にまぎれて変身し、その組みを全滅させたとしてもだ…なぜ一人だけ生き残る?確かに運良くなどというのは簡単だ。ただ、疑念などは残ってしまう」

 

ふぅ、と一息つき言葉を繋げる。

 

「本気で事を起こそうとしているなら、少しの疑念も残したくないはずだ」

「たしかにそうだね。でも、それだと104期生の潔白にはならないんじゃない?」

「別に俺は104期生の中に内通者が居ないとは思っていない」

「え?」

「そんなに不思議な事を言ったつもりはないが…あくまで推測の域で言えることは、エレンは白。それ以外は全員が黒の可能性が残っている。ただ、今回の実行者が104期生に居ないというのには自信がある。新人であり、かつ大した研修期間も無く実戦に駆り出された俺たちは多くの熟練者とともに居る。俺があんたたち分隊長、エレンが兵士長、アルミンは名前は忘れたが俺たちに長距離索敵陣形の教習をした人。他もそれぞれ熟練者に囲まれていることだろう。…そんな中あからさまに怪しい行動を取って見ろ。“多少の疑念”どころか“実行犯扱い”だ」

「なるほどね。“新人だから”付けた補助の兵士が結果的に監視にもなってるってことだね」

「そういうことだ」

「…たしかにそうだ。でも、“絶対”は言いすぎじゃないか?」

「…」

 

たしかに。この世に絶対など無い。

 

「もっともな意見だ」

「もっと厳しい人だって、聞いてたけど…意外だね」

 

にこにこと笑う顔に更なる苛立ちを覚えるが、我慢する。

ただでさえ俺の身勝手で嫌っているのだ。堪えろ。

 

「……か」

 

一言、呟く。

 

「え?今なんて?」

 

聞こえて無かったらしいハンジは聞き返してくる。

今日の俺はよく喋る。どこでブレ始めたのだろうか。いや、いつもこんなものか?

…まぁ、いいや。

 

「はっ。なら、俺が甘くなったのか」

 

別に聞かれて困るような内容ではないので、しっかりと聞こえるように言ってやる。

背後でどんな表情をしているかわからないが、今の俺の顔は赤くなっている気がする。

何に照れてるんだ、馬鹿らしい。ただ、俺の顔の熱は中々治まらなかった。

 

 

 




ここまでの原作のとの違い。
1、アニが調査兵団に入っている。
2、すでにライナーたちと協力関係及び人類を滅ぼす気がない。


ハンクの考察は人間が巨人化するデメリットに基づいて考えてます。まず、蒸気が半端じゃなかったりとかそういうの。調査兵団内に巨人化してエレンを連れ去ろうとするやつがいる可能性の低さを語ってます。本人は絶対と言っていますが正直穴がないわけではないのでやはりハンクが甘くなってきているという変化の表れとか。
優しくなったとは言いません。今後の展開に期待(ステマ)

というわけで、正直文章がおかしいところがある可能性も高いです。
なので、誤字脱字、感想評価など待ってまーす!!あと、クウガとFateのクロスオーバーも見てくれるとうれしいです!でわでわー。

最近リリなのボーン頑張って修正したりしてます。期待してくださっている方がいらっしゃれば幸いです。
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