進撃の剣人   作:カムカム@もぐもぐ

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クリスマス投稿!!ぎりぎりですが…w

ネタなんで気楽に見て楽しんでください!どうぞ!


番外編 クリスマス

「…何だそれは。」

「だから、クリスマス。」

「…。」

「もしかして、知らないの?」

「知らん。」

 

訓練が終わり、食事をとっているとアルミンに話しかけられた。何やら嬉しそうに話しかけてくるので聞いてみればどうやら、明日はその“クリスマス”という日らしい。

俺が住んでいた村ではそのような行事は聞いたことがない。シガンシナ区のような大きな町ではそのような物があったのだろうか。

 

「えっとね、クリスマスっていうのは…」

「…。」

 

話し半分で食事を進めながら聞いて行くが、どうやら昔の偉い人の生まれた日だか何だか…。

アルミンは説明しだすと多くの情報を一気に喋る癖があるため、情報が入ってきにくい。

つまり、よくわからん。

 

「ハンク、聞いてる?」

「聞いてはいる。」

「でね、」

「そんな説明はどっちでもいい。だからどうした。」

「もう…。だから、明日小規模だけどパーティーしようって話しだよ。」

「…。」

 

よくわからん。なぜ、そんなどこの誰ともわからない奴…しかも古人のためにそこまでするのだろう。

しかもチラッと聞こえた情報によれば、何かよくわからないがそれは嬉しい事らしい。

まるで意味が分からん。どういうことだ。

 

「興味がない。」

「えー。みんな参加するんだよ?」

「だからどうした。俺には関係がない。」

「もう!またそうやって輪から外れてくんだから!ライナーが心配するのも分かるよ。」

「心配など要らん。俺に必要なのはそのような物ではない。」

「うーん。」

 

ばっさり切り捨てると、考え出してしまった。

何か俺を懐柔する手段でも考えているのだろうか。

まぁ、現状俺がクリスマスとやらに参加することはないだろう。

よくわからないことに一日もかけるのは時間の無駄だ。

適度に会話をしつつ食事をしていたら食べ終わってしまった。それと同時に食事終了の鐘が鳴り、多くの訓練兵にとって安らぎの時間が終わる。

 

「では、俺は行く。」

「あ、ちょっと!」

「そのクリスマスとやらに参加することで、メリットがあるというのなら考えよう。だが現状ではそんなよくわからないことに参加する気はない。」

 

とっとと食器を持って立ち上がり、片付けに行く。

あまり時間をかけても無駄だ。話すことなど無い。

 

 

 

 

 

「どうしたんだ、アルミン。」

「んー。ハンクが明日のクリスマス会参加しないって…。」

「またあいつかよ。」

「…いつものこと。」

「結構酷いよ、その言い方。」

「悪い悪い。」

「…。」

 

アルミンがうんうん唸っていると、そこに現れたのはエレンとミカサだ。

アルミンが考え事をしていること自体は対して不思議ではないのだが、二人ともアルミンの頭の良さは知っている。

大抵のことはすぐに結論を出してしまうアルミンがそこまで唸っている事は何だろうと、近づいたのだ。

 

「でも、ハンクだろ?あいつはいつもオレ達から離れていくからな。なかなか難しいな。」

「だよね。本人が嫌がってるのに無理やりってわけにも…。ミカサはどう?」

「ライナーは?」

「あー。確かにあいつそういうの得意そうだもんな。」

「そうだね。ハンクが輪に混じってる時は大体ライナーが引っ張って来てるしね。」

 

ハンクは自らの意思で騒いでいる輪に入ったりはしない。

仮に入っていることがあれば、それは明確な目的のある第三者の意思なのだが…それは十中八九ライナーである。

ハンクは結構本気で嫌がっているのだが、ライナーの目的が100%好意であることが分かるため無下にできずなんだかんだで引っ張って連れて行かれてしまうのだ。

 

「じゃあさっそくライナーにお願いしよう!」

「おう。」

 

 

 

 

「お前らは俺を一体なんだと思ってるんだ…?」

「え?そりゃあアレだよ。」

「アレ?」

「お人よし?」

「良い人。」

「お節介。」

「オイコラ待て、アルミン除く他二名。」

「…なんだよ。」

 

ライナーは自室でベルトルトと喋っていた。

この二人は同じ村が出身ということもある仲が良い。

そしてハンクとは違い、クリスマスの事をしっかり知っていた。

そんな二人はしっかり明日のクリスマス会には出るため、そこにアルミン達はお願いしに来たのだ。

 

「いや、いい。俺のことをどう思っているかは置いておこう。」

「いいんだ。」

「本当はよくねぇよ。クリスタの気持ちが誰に向いているかと同じくらいには良くないが…まぁこの場ではいいだろう。」

「オレはハンクって言われたら納得しちまうけどな。」

「…ヤメロ。」

「あ、あはは…。」

「……………………………でだ、」

「長い間だったな。」

「でだ!!…本人には聞いたんだよな?」

「うん。」

「で、出たくはないと。」

「うん。」

「どんな感じに誘ったんだ?」

「えっとね、」

 

アルミンは一部始終を話した。

食事中に明日のクリスマス会に参加するか聞いたこと。ハンクがクリスマスの事を知らなかったこと。そして、自らがクリスマスについて知っていることを説明した事。

その話を聞いて、ライナーは思った。

 

―ハンクはきっと、クリスマスについて何も理解していないのでは?

 

アルミンには悪いが、アルミンの説明は分かりやすいところは分かりやすいがうんちくが入ってきたりしていてどちらかと言えばあらかじめ予備知識を持っている人向けの説明である。

分かる人には分かる。まさにその言葉の通りの説明だ。

 

「たぶんだけどな、ハンクはクリスマスについて何も理解していないと思う。」

「えぇ!?あんなに説明したのに?」

「まぁ、説明がどうとかいう話ではなくてだな…。ハンクは何をするか何も分からないから、参加する意義を見いだせないんじゃないか?あいつ妙に理屈でものを考えるし。」

 

な?とライナー。

うんうんとアルミン以外の3人。

あ、ベルトルト居たの?とミカサ。

酷過ぎる!?とベルトルト。

3人の目的がライナーだっただけに空気になっていたベルトルトは仕方がない。

誰も悪くないのだ。あえて悪者を上げるとすれば、どこにいるともしれない神様だろう。

 

「じゃあ、どうすればいいの?」

「ちゃんと説明すれば来るんじゃねぇか?入団初期のあいつならともかく、今のあいつなら断りはしないだろ。」

「分かった。ありがとう、ライナー。」

「おう。」

 

 

 

クリスマス、何だそれは。

まるで理解が出来ん。アルミンの言っていたことを思い出して見て考えているのだが、不思議で仕方無い。

 

『古人の…誕生日……祝って…………昔はその人のことを崇めたり……』

 

つまり、宗教か。

なるほど、性質の悪い洗脳のようなものか。

新手のウォール教の教えかもしれん。

いやはや、知らないうちにこんなところまで教えが広まっていたとはな。

宗教と言うのは恐ろしいものだ。

ん?

 

「サンタさんって本当に居るのかなー?」

「どうなんだろうねー。」

 

女たちの会話が聞こえて来た。

サンタ?誰だ。

クリスマスとは宗教的な儀式の事だとすれば…教祖?

しかし本当にいるとは何だ?どういうことだ。

明日儀式を行うのであれば、教祖自ら来るはずだろう。

いや待てよ。他の区でも同じ儀式が行われているという可能性はないだろうか。

すると、教祖であるサンタは年に一度どこかの区に現れては儀式に参加して行くということか。

しかもアルミンのあの喜びよう。相当な人物に違いない。

 

「ハンク。」

「…アルミンか。」

「明日の事なんだけどね、」

「案ずるな。その前に聞きたいことがある。」

「え?何?」

「サンタとは誰だ?いや、事前情報として凄い人物だとは聞いている。」

「うーんとね、」

 

赤い服を着て、白い口髭を蓄え、鹿に似た生命体“トナカイ”にソリを引かせ、寝ているうちに枕もとに何かを置いて行く。

そして、伝承曰くそのトナカイとソリは宙を浮くらしい。

何だそれは。

摩訶不思議などと言うレベルではないぞ。

巨人か?空中を飛行する巨人など、どうやって討伐すればいいんだ。

それに“トナカイ”。

こいつはなんだ。巨人の能力ではなくトナカイとやらの能力で空中を飛ぶのであれば、是非捕獲して戦力に加えるべきだ。

空中を自由に移動できるなど、立体起動以上の戦力になるに違いない。

そして問題はここだ。

寝ているうちに枕もとに荷物だと?どうやら鍵を閉めても置いて行くらしい。

教祖で巨人、そして透過能力に空中を駆ける不思議鹿型生物。

なるほど、世界は広い。

巨人の先にある世界の神秘が見えてきた気がするぞ。

 

―クリスマス。凄い日だ…。

 

「わかった?ハンク。」

「理解した。」

「じゃあ明日は?」

「参加を約束しよう。」

「本当!?」

「あぁ、だが俺にはこれから準備がある。先に戻って寝ると良い。」

「え?準備って何を…?ちょっと!ハンク!!」

 

俺はアルミンの言葉を聞かずに飛び出していた。

明日は人類の存亡を賭けた決戦の日になるだろう。

教祖で巨人はその場で殺す。巨人は駆逐せねばならない。

エレンに動きがないのが気になるが、洗脳されているのだろう。

ということは当然ミカサも駄目だな。

そして、鹿型不思議生命体を確保。

そしてそいつを調査兵団に届けることが出来れば、人類は大きく前へ進めるだろう。

 

つまり、俺の行動に人類の存亡がかかっている…っ!!!

 

 

 

 

「ハンク、来ないね。」

「クリスタ…あんな奴ほっとけばいいんだよ。」

「ダメ!ハンクは本当はいい人なんだよ。ユミルもそんなこと言わずに仲良くしようよ!」

 

顎の少し下で両手の握り拳を構えるクリスタとそれを呆れた様子で見るユミルは、クリスマス会の会場でも目立った存在だった。

…というよりも、クリスタの恰好がいつもよりもセクシー路線で尚且つ似合っているため注目度が段違いなのだが。

 

「お前さぁ、あいつの事好きなのかよ。」

「え?…えぇ!?」

「何だよその反応は…。」

 

両手のひらを広げ、ガビン!!とでも効果音の出るような驚き方をするクリスタ。

そんな姿を遠目に見ているライナーは、『そういうのも可愛いな。』と思ったらしい。

なんにせよ、クリスタの反応はハンクの事が好きと言っているようなものだがそのような気持は一切ない。

 

「違うよ、ユミル。」

「あ?」

「友達だよ、友達。」

「…そうかい。」

「もう!と・も・だ・ち!!」

「分かった分かった!くっ付くな!」

 

ぽかぽかとユミルを叩くクリスタとユミルはまるで姉妹のようだった。

 

 

「よう、アニ。楽しんでるか?」

「…別に。」

「そっけねぇな。ハンクがいないのが不服か?」

「は?…ライナー、一回病院で見てもらった方が良いよ。良い病院は知らないけど心配してあげる。私が蹴り過ぎたせいでそうなったのなら、少し可哀想だし。」

「…容赦ねぇな、おい。」

 

アニはジュースを飲んで遠目に眺めていた。

特に理由はないが、特別騒ぎの中心になるような性格でもない。

なら、参加するだけして面倒事を増やさないようにしようと思っていたのだが面倒事の方からやってきた。

訓練兵団のほとんどの連中はライナーにそのような感情を抱いていないだろうが、アニからすればライナーはどちらかと言えば面倒事を持ってくるタイプだ。

ほっといてほしいアニに、ライナーのお節介は毒でしかない。

 

「ハンクが来てないのは想定内でしょ。アイツがこんなことに参加しないことに不思議なんて無いよ。」

「昨日はアルミンが説得に成功したって騒いでいたんだがな。」

「なら、その場だけ誤魔化してどっかに行ったんじゃない?」

「…かもな。」

「…と思ったけど、来たみたい。」

「ん?…っておいおい、何でフル装備なんだあいつは!?」

 

ライナーの視線の先、そこにいたのは完全に戦闘態勢に入っているハンクだった。

すでに抜刀済みで、いつでも斬りかかれる状態にある。

 

「な、何やってんだ!ハンク!」

「…ライナーか。サンタとやらはどいつだ。いや…」

 

「サンタ!!!!前へ出ろ!!!!出てくれば楽に殺してやる。抵抗するならば、切り刻む。」

 

ハンクは刃先を正面へ向け、威嚇する。

ハンクは本気だと分かるくらいに殺気を出している。

死んでいる光のないハンクの目で決意のオーラを出しているのが、そこはかとなくシュールではある。

誰も笑えないのだが。

 

「おいおい、ハンク。どうしたんだよ。」

 

ハンクの言葉に全員が動揺しながらも前へ出たのは、サンタのコスチュームに身を包んだトーマスだった。

トーマスは気のいい奴で、友達思い。そんな彼はライナーほどではないにしろ、ハンクの事を気に掛けていたのだ。

 

だが、タイミングが悪かった。

 

(知らない奴だ。…それに赤い服装に口髭。容姿からして若いようだが、こいつがサンタか。)

 

そしてハンクは興味のない奴の事を、覚えていない。

哀れトーマス。君はハンクの高感度が足りなかったようだ。

 

「よく前へ出てきたな。ならば話は早い、トナカイという生命体を連れてこちらへ来い!!」

 

誰も彼もが言葉を失っているが、ただ一つ理解していることがあるとすればこれだ。

 

―なんかとんでもない勘違いをしてらっしゃる…っ!!!!!

 

空気が重い。

刃物を持ったハンクの強さは尋常ではない。

実際訓練中でも、強盗役をハンクにやらせてはいけないという暗黙の了解が出来ているほどだ。

とはいっても、アニの時はいつも強盗役をハンクがやっているのだが。

 

「…馬鹿なの?」

「…?」

 

沈黙を破った声は、ハンクには聞きなれたものだった。

 

「…アニか。」

「アニか、じゃないでしょ。馬鹿につける薬はないとは言うけど、あんたは筋金入りね。」

「なんの問題もない。サンタは危険だ。そして人類の存亡を…っ!」

 

回った。回数で言えば4回転はしただろうか。

回ったのは…当然ハンクだ。

 

「ぐっ!何を…!~~~~~~~!!!!」

「…はぁ。動かないで。折れるよ。」

 

からの関節技。

アニは一瞬でハンクを拘束したのだ。ちょっとでも動くたびにハンクは声にならない声を上げる。

 

「よくやった、アニ。」

「そういうの良いから、早く変わって。」

「嬉しいくせに。」

「あんたも宙を舞う?」

「…謹んで遠慮する。変わろう。」

 

 

 

そのあとハンクはライナーに拘束され、縄で縛られ、宙に吊るされ、どうしてこんなことをしたのか尋問された。

初めは抵抗の意思を見せていたハンクだったが、クリスマス会をぶち壊された訓練兵たちの力は恐ろしくその中の一人が呟いた一言でハンクは観念した。

 

―質問はすでに、拷問に変わってるんだぜ?

 

このときの事を後にハンクはこう語る。

「人の悪意とは恐ろしい。それこそ人一人を簡単にどうにかしてしまうほどに。俺は強いつもりだった。だが、その時学んだ。本当に恐ろしいのは、人間だと。彼らはそれを身を持って教えてくれた。」

「…なんであんたがそんなに綺麗に纏めるのよ。」

 

 

「クリスマス…恐ろしい行事だ。」

 

これは、過去の記憶。

クリスマスの思い出。

 

 

 

 

「…メリークリスマス。」

 




どうでしたでしょうか。

とりあえず、メリークリスマス!!

では、誤字脱字感想待ってまーす!!でわでわー!
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