~200階 バトルステージ~
カストロはヒソカの右腕を文字通り切り裂いていた
「クリティカル!カストロ選手合格7ポイント!」
ヒソカは笑みを絶やさない
「なるほど…能力はキミのダブルか◆」
「やっとわかったか」
スウウ、と分身するカストロ
"おおっとーーー!ヒソカ選手の腕が千切られたと思ったら今度はカストロ選手が二人にー!?これはどういうことだーーー!!"
アナウンサーの解説もヒートアップする
「あれが言ってたダブル、分身さ」
キルアが指を指してゴンに言う
「本当に…二人いる…」
ゴンも真剣な眼差しでカストロを見る
「あんなもの対した技ではない。せいぜい目眩まし程度だな」
腕を組みながらしかめっ面のべジータ
「なんで?すごいと思うんだけど…」
不思議がるゴンにべジータは説明を始める
「自分のオーラで分身を作り出すんだ。作り出したオーラが半分になるなら、元々の自分から見たら力が半分の者が二人出てくるだけだ」
なるほどね、とキルアは頷く
「格下相手ならいいが、同格の相手にあれを使うなどあり得んな。たぶん本人もわかっているだろうがな」
「え?わかってる、って?」
まだよくわからない感じのゴン
「最初の攻撃、あれはダブルを使っていない。ダブルを見せたのは単身攻撃とフェイントのダブル攻撃があるのだ、とわからせる為だろう」
「はぁー、凄いや」
感心しきるゴン
「これからが本番だ。どちらも本気を出すぞ」
クイッ、と顎で舞台に注目しろとべジータは促した
「じゃぁ、ボクも本気でいこうかな◆」
落ちた腕を拾い上げるヒソカ
「少し遅かったんじゃないのか?」
余裕の笑みを見せながらダブルを戻すカストロ
「流石、自分の能力の使いどころをわかってる、ということか◆」
今度はヒソカがカストロを驚かせる番
スウ…ピタ
ヒソカが千切れた腕を自身の肘に合わせた瞬間
傷がなくなり腕が元通りになる
クイックイッ
更に動かしてまでみせる
「ど、どうなっている!?」
カストロは慌てる
確かに切断したはずだ、と
指先に手応えが残っている
ククク、と笑うヒソカ
「キミの攻撃は効かないから好きにさせていたんだよ◆」
「く、くそぉおおお!!!」
カストロはヒソカに飛びかかるが、ヒソカはトランプを目眩ましの様にばらまいて避ける
だがカストロは追い縋り技を繰り出す
「虎咬風風拳!!!」
ハイ ハイ ハイ グオー!!
雄叫びと共に繰り出された技は、寸でのところで全てトランプに威力を削がれてヒソカに届かなかった
そして最後の攻撃をしゃがんでかわしたヒソカは、足元に鋭い回転蹴りを食らわせ、倒れるカストロの顎を左拳で打ち据える
「あ…」
カストロは混濁する意識の中、倒れ込む
「キミの敗因は未完成な技で挑んできたこと。完成された技なら最初から使うはずだからね◆足元が留守になっているのを直したら…また再戦しよう◆」
そう言ったあと、カストロに近づき蹴り上げるヒソカ
ドゴォオオオオン
カストロはべジータの席の隣まで飛んでいた
「次は…キミの番◆」
そう言い残してヒソカは会場をあとにする
"か、カストロ選手KO!ヒソカ選手の逆転勝ちです!"
ワァーーーーーー
大歓声と共にカストロとヒソカの戦いは終わった
カストロ選手、師を仰ぎ強くなっていましたが、一歩及ばず!
もう師が誰かは皆さんにバレたかも!?
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