５０階まで上がる為にエレベーターに乗り込む３人
「わ、忘れ物をした！」シュッ
ドアが閉まる瞬間に降りるべジータ
ゴンとキルアだけを乗せてエレベーターは上がっていった
べジータはすぐに階段で１階へ下りてさっきのホールの舞台Bへ向かう
シュタ
舞台に降り立つべジータ
「き、君はさっきの…王子選手だったか？何の用だね」
係員が睨むような眼差しでべジータを見る
「余程ぶっ飛ばされたいらしいな」
「どういう意味だい？いまは他の選手の試合中だ」
ほぅ、とべジータは舞台にいる２人の選手を見る
大柄のレスラータイプの男と、相撲取りのような大柄の男
ちょうどいまから対戦しようとしていたところのようだ
ドゴドゴッ
べジータはその２人を場外の壁まで吹き飛ばす
「これでもオレ様は２０階クラスか？」ニヤリ
「…ッ！」
驚愕する係員
「５０階、そうだな？」
詰め寄るべジータ
「わ、わかった。訂正しておこう」
「はじめからそうしやがれ！」
それだけ言うとべジータはホールから飛び出して行った
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その頃ゴンとキルアは
チンッ
５０階に着いていた
「べジータさん、何を忘れたのかな？」
「さぁ、サスペンダーじゃない？」
そんな会話をしていると、目の前に胴着を来た男の子が目に入る
互いに視線が合う
「押忍。自分はズシと言います。お二人は？」
「オレはゴン。よろしくね」
「キルア、よろしくな」
歳が近く見えるせいか、すぐに仲良くなる３人
「さっきの試合拝見しました。流石っす！」
「見てたってことはズシも１階から５０階にいきなり？」
「へぇー、やるじゃん」
同じく一気にクラスアップしたことがわかり、更に会話は弾む
「いやいや、自分なんかまだまだっす！お２人の流派はなんすか？自分は心源流拳法っす！」
「うーん、あえて言うなら亀仙流…かな？」
「あのエロ仙人の流派って思われたくないけどな」
アハハハハ ２人で苦笑いするゴンたち
「亀仙流…どこかで聞いた気が…」
考え込むズシたちに声がかかる
「亀仙流はあの武天老師と呼ばれる武道の達人の流派ですね」
「あ！師範代！」
ズシに師範代と呼ばれた男性は、眼鏡をかけたなんとも頼りない感じの男性だった
「ズシ、よくやりました。ちゃんと教えを守っていたね」
ズシに労いの言葉をかけながらゴンたちにも声をかけてくる
「で、そちらのお２人が武天老師様のお弟子さん、かな？」
「うーん、教えてもらったのは修行の仕方だけだから弟子って言えるのかな？」
困るゴンにキルアは首を振る
「流石に弟子とまでは呼べないんじゃね？」
そんな２人の悩み顔に、師範代と呼ばれた男性は
「それでもあの武術の達人に教えを乞いただけでも素晴らしいことです。そういえば自己紹介をしていませんでしたね。私はウイングと申します」
「ゴンです」
「キルア」
「まさかズシ以外に子供が来ているとはね」
と、そんなことを話していると
チンッ
エレベーターが開き、べジータが降りてくる
「ふん、待たせたな」
「じゃぁ連れも来たし、またな」
「ウイングさん、ズシもまたね！」
ゴンとキルアは挨拶をしてべジータと合流する
「んじゃ早速ファイトマネー貰いに行こうぜ」
キルアの案内で５０階の受付へと向かう３人
「はい！こちらが先程のファイトマネーです」
ジャラジャラ
受付員が小銭を３人に渡す
「１５２ジェニー…」
少なさにゴンが驚く
「１階のファイトの金額はな。ここ５０階で勝てば５万はもらえるぜ」
ククク
べジータが急に笑いだす
（お金を稼げるとはな。これでブルマにもニートだと呼ばれずに済む）ニヤリ
５万という金額で喜んでいるのだと勘違いしたキルアは更に話を続ける
「１００階なら１００万。１５０階なら１０００万。１９０階で２億くらいだったかな」
「金額はどうでもいい！１ゼニーでも稼げたらな…」ニヤッ
（び、貧乏だったのかな…？）
憐れむゴンとキルアを無視して終始べジータはにやつき、１５２ジェニーを握りしめていた
「ジェニー」＝「ゼニー」です。
地域によってちょっと発音が違うだけという感じにしようと思ってます。
（ドル＝ダラー、みたいな感じで）