ウイングのオーラに当てられてゴンとキルアの体からエネルギーが迸る
「そのままです!そのまま体外に出た分を体の表面に留めて下さい!」
スウウウ
ゴンとキルアは座禅姿になり、エネルギーの発散を抑えて体に纏わせた
(こんな一瞬で…座禅は気を高めるときの格好か…)
「どうですか?オーラが体を覆っているのがわかるはずです」
ウイングは目を開けるように言う
「ほんとだ!すごいや!気を出してる時とは比べ物にならないくらいの力を感じる!」
「あぁ、これが兄貴やヒソカの力ってことか」
それぞれが感想を述べながらウイングの指示を待つ
「まずはそれを維持できるようになりましょう」
「いや、気のコントロールのときと感覚は同じだからもう大丈夫。だよな、ゴン」
「うん、もう覚えたよ」
余裕で笑って見せる2人
(恐ろしい才能…)
「…まだ、時間に余裕がありますね。今日はもう少しだけ念について話をしましょう」
時間はまだ21時
「べジータさんもこちらへ。ここからは念の特徴について話をしていきます」
べジータは目を開けて壁から背中を離す
「では…、念と気の使われ方から」
ウイングはまた話を始める
「念は気を模したもの。体を覆い、攻撃力、耐久力、素早さ、などを向上させます。ただし、どうしても気と同じところまでは力を引き出せない」
3人は静かに話を聞く
「同じエネルギー量なら、気の使い手には、念の使い手は勝てない」
べジータはその言葉に眉をひそめる
まだ続きが、と目配せをしてウイングは続ける
「だから、念の使い手は力の使い方を試行錯誤しました」
そう言って、今度はホワイトボードに六角形のような図を描く
「これは六性図と呼ばれるオーラの特徴を表すものです」
そこには、強・変・具・特・操・放、の6つの言葉がそれぞれの頂点に書かれていた
「体の表面に纏ったエネルギー、いわゆるオーラには特徴が現れます。それを上手く使うことで不思議な能力を発動させることが可能になります」
例としていくつか説明を、と続ける
「強化系、放出系は気の使い方とさほど変わりません。強化系は気を込めるのと同じ使い方、そして放出系は亀仙人様が使うと言われる"かめはめ波"というエネルギーを出すものと同じ使い方」
そこまで言ったあと、ウイングは窓の外を指差す
「夜空から月が消えたのは、亀仙人様のかめはめ波だと言われています」
それを聞いてゴンとキルアは背筋に冷たいものが流れる
「具現化系は、何かを作り出す力です。例えば、刀を作ったり、はたまた分身を作ったりなど。気でできないことはないですが、珍しい使い方であると言われています」
それを聞いてべジータはなるほど、と一人笑う
(三つ目のやつの四身の拳や四妖拳やらのことか)
「変化系はオーラを別のものに変えます。燃える炎のように熱くしたり、酸のように溶かすようなものに変えたり、など。具現化系と使い方が近く感じるのは系統どうしが隣で近いから、ですね」
系統図を指すウイング
「そして操作系。これはオーラを使っていろいろなものを操作します。道端の石を持ち上げたり、人形を動かしたり、など」
その説明を聞いて眉を寄せるべジータ
(ヒソカのやつの力か!?確かに石は飛んできた。オレの体も引き寄せられた…)
「なにか、気になることでも…?」
ウイングがべジータを見て尋ねる
「石を飛ばしたり体を引き寄せたりするのは操作系というやつか?」
「もう既に念能力者との戦闘をを経験済み、ということですか。…あながちそうとは言い切れません」
少し逡巡したのち、ウイングは口を開く
「もちろん操作系の可能性は高いです、が。具現化系でも可能です。目に見えない細い糸を具現化し、石や体に纏わせて動かす。変化系も、磁石のような反発・引き合うオーラを作り動かす」
「ちっ、面倒な力の使い方をしやがる」
「そうでもしないと真っ当な力の気には勝てなかった、ということでしょう」
ウイングはそう言うと、少し休憩しましょうか、と声をかける
「"特"っていうのは?」
キルアが系統図の一番下を指して尋ねる
「特質系。これはその系統を持ったものにしか使えないものです。今はまだいいでしょう」
「自分の系統ってどうやったらわかるの?」
矢継ぎ早にキルアとゴンから質問が飛ぶ
「系統の見極め方、そこまでやって今日は終わりましょうか。200階の登録にもちょうどいい時間となるでしょう」
そう言ってウイングはズシを呼びに部屋から出て行った
水見式…までまた行けなかったです…
すみません