ベジータの天空闘技場 攻略   作:KTケイティ

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【36】水見式

「準備できたっす!」

 

ズシがグラスに水を並々に入れて、上に葉を置いた

 

「これは?」

 

ゴンが覗き込みながら尋ねる

 

「これは"水見式"と呼ばれるオーラ判別方法です」

 

「こんなんで何がわかんだよ」

 

キルアも不思議そうに尋ねる

 

「このグラスの横に手を置き、練を行う…」

 

ザザザーーーーー

 

急にグラスから水が溢れ出す

 

「おおおおおお!!!!」

 

ゴン、キルアが驚きの声をあげながらグラスに注目する

 

「水の量が増えるのは"強化系"の証ですね。皆さんも試してみて下さい」

 

そう促され、ゴンから始める

 

「練、でいいんだっけ?」ハッ

 

ザー

 

「強化系…結構流れてるっすね」

 

次の番のズシがすぐ横で見ていた

 

「じゃぁやるっす」ハッ

 

ゆら

 

今度は葉が揺れる

 

「葉が動くのは操作系の証です」

 

ウイングの説明もそこそこに、キルアがやり始める

 

「んじゃいくぜ」ハァッ

 

だが何も起こらない

 

「…才能ない感じ…?」

 

ちょっと困った顔をしながらウイングを見るキルア

 

「水を舐めて見てください」

 

ウイングに促され指を浸けて舐めてみるキルア

 

「結構甘い…?これ砂糖水?」

 

「いいえ、普通の水です。味が変わるのは変化系ですね」

 

3人の系統がわかったあと、ウイングはべジータを振り返る

 

「やってみませんか?自身の系統がわかれば相手の念への対抗策も見つかるかもしれませんよ」

 

促されたべジータはグラスの前に立つ

 

「体の外に気を出せばいいのか?」

 

グラスから視線を上げてウイングを見る

 

「はい。気も念も同じエネルギーですから。気を外に出して頂ければ練と同じになるはずです」

 

「ふん」ハァアア

 

ザザザザザザザザーーーー!!!!

 

グラスから水が大型蛇口をひねったかのように溢れ出す

 

「べ、べジータさん気を止めて!」

 

噴水のように出る水で部屋中水浸しとなる

 

「…」

 

誰もが無言になる

 

「強化系、というやつか?」

 

固まったままのウイングへ声をかける

 

「…一体あなたは…?」

 

答えになっていない問いを返すウイング

 

そこへキルアが驚きの声を上げる

 

「この水!真っ青だ!」

 

水浸しの床を指しながら続ける

 

「強化系は色も変化すんのかよ!?」

 

「…まさか…そんな…。系統は1つのはず…」

 

「ごちゃごちゃと。強化系なのかオレは?」

 

再度尋ねられたことでウイングは少し落ち着きを取り戻す

 

「まだ…はっきりとは言えませんが。強化系であると同時に放出系でもある、のかもしれません」

 

「強化系は気の劣化番で放出系は気功波の類いと同じだったか?ならどちらもオレの使っているものと同じということか」

 

一人で頷きながらべジータは考える

 

(念で新しい技が使えるようになるということはなさそうか。だが相手の技の種類が数多く存在するということだけはわかった、といったところか)

 

「おい!ゴン!やべぇぞ!」

 

突然キルアが時計を指して叫ぶ

 

「あ!もう時間が!」

 

23:47

 

もう登録まで時間がわずかとなっていた

 

「ちっ、急ぐぞ!」

 

べジータたち3人はウイングへの挨拶もそこそこに200階へと走って行った

 

(私は…何か恐ろしい化物と会っているのではないのだろうか…)

 

残されたウイングは額に汗を浮かべながら言い知れぬ不安に刈られていた

 

 

 

~200階 通路~

 

チンッ

 

エレベーターが着くと同時に飛び出すべジータたち

 

「やぁ◆間に合っ」

 

ヒュン

 

無視して受付へ走る3人

 

「200階のご登録ですね?…はい、3人分受け付けました」

 

受付員はすぐに処理を済ませる

 

「ふー、間に合ったね」

 

「気づいたらあの時間だもんな」

 

ゴンとキルアが安堵のため息をつく

 

そこへヒソカがやってくる

 

「やぁ◆間に合っ」

 

「また貴様か。いまから飯の時間なんでな。相手などしてられん」

 

そう言うとべジータは60階のバイキングへ向けて降りていく

 

ヒソカは振り返ってゴンたちに声をかける

 

「やぁ◆間に合ったようだね◆」

 

「あ、ヒソカ」

 

ゴンはやっと気づいたらしくヒソカを見る

 

「念は習得できたようだね◆見違えるほど強くなっている◆」

 

「褒められても嬉しくねぇよ」

 

キルアがツンとしながら横を向く

 

「だが、まだまだ」ピピピッ

 

『175』

 

キルアの戦闘力をスカウターで測るヒソカ

 

「念は奥が深い。纏を覚えたくらいで慢心しないでくれよ◆」

 

そう言い残して通路の奥へと消えていくヒソカ

 

そしてゴンとキルアは既に姿のないべジータを追いかけて60階へと向かっていった

 

 

 

そしてヒソカやゴンたちを影から見ていた一人の男が姿を現す

 

星の光に照らされてうっすらと男の姿が見える

 

長い髪に、頬に傷のある男

 

その男は一人呟く

 

「ヒソカと子供2人…?それにしてもなかなかやりそうな子たちだ」

 

 

 




水見式、こんなでした!
次回は200階クラスでの戦闘!?
フロアマスターは?
謎の子供は?
長髪の男は?

また次回もお楽しみに!

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