東方運命剣~巨神の剣+αが幻想入り~   作:放仮ご百物語

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どうも、放仮ごです。今年に入ってから購入したゼノブレイドにドハマリしてどうにか書けないかと考えたものです。数話を予定しています。

分かる人には分かる様に説明すると、真っ直ぐ進むと出くわさないルートにいるエネミーたちが、ゼノブレイド終盤のある事態によってそのまま忘れられてモナドと一緒に幻想入りしてしまった話。


拙作、FGO/TADの息抜き作品なのでちまちま更新する予定ではありますが、どうぞお楽しみください。


機神兵、襲来

 赤く染まる空。その原因である炎上しているのは小さな人里。数多の家屋が崩れたそこは、数時間前まで人の営みがあったとはどうしても連想できない惨状となっていた。

 

 周囲に飛び散る夥しい量の血痕は、惨劇の跡。どれだけの人々、妖怪達が犠牲になったのか想像もつかない。しかし、その周りに蔓延り歩き回る鋼の傀儡の集団がそれを行なったのは明白で。

 

 そのうちの一匹。頭部が無い人型のそれ・・・機神兵を青く輝く光の剣身で斬り伏せた少女は、疲労からか光の剣身を納めた奇妙な形の紅い大剣を地面に突き刺し、肩で息をする。

 

 

 

 息を整え、何とか大剣を引き抜くも眼前の光景に立ち尽くした少女は、目の前に聳え立つ、まるで要塞の様な巨大な四足歩行の機神兵を前に絶望した。

 

 コレのせいで、全てが終わった。コイツが襲来したがために穏やかな日常は終わり、勇敢にも立ち向かった親しい者達は全員犠牲となった。

 

 この世界の守り手である巫女もなすすべなく敗れた。妖怪の中でもトップクラスのパラメータを持つ吸血鬼や天狗でさえもまるで太刀打ちできずに地に墜ちた。

 

 時間を止めようと、凍らせようと、「目」を潰そうともその頑強な躯体には傷一つ与えられない。いや、彼女の持つ剣なら傷を付ける事が出来た。単純に魔力をぶつける攻撃でも通用するのは確認している。しかしそれ以外の攻撃は、例え能力を介した物でも無意味。

 

 さらに、ただそいつは歩くだけでも蹂躙する。胴体に備えられた砲台が動いた時には、どんなに弾幕ごっこが得意な者でも避けきれずに撃墜され焼け落ちる。中には、追い詰められて放たれた巨大な光線を真面に受けて蒸発した人間もいる。己を庇って串刺しにされた姉も焼かれて目の前で失った。何度そんな光景を見た事か。幾度となく絶望に叩きのめされた事か。

 

 

「私の、せいだ」

 

 

 ぽつりと少女は呟く。燃え盛る炎のせいか降り注いできた雨に打ちひしがれて、光の無い目で空を仰ぐ。

 

 

「私が、私ワタシわたしワたしわタシわタしワタタたたタタしシシワわワわワワタタたタタたしシシシしシシしシシしシシ!!」

 

 

 全てを失い、守る物は何もない。それでも少女は、己の内から押し寄せる狂気に身を委ねながら仇を討つべく立ち上がる。

 背中に在る折れた歪な翼を必死に羽ばたかせながらその両手で握りしめた大剣を振り上げ、その鍔に在る円形の穴に「斬」の文字が浮かび上がり、紫色に光り輝き、展開した大剣から出現した光の刃が巨大化し、振り下ろされた。

 

 

「モナド―――――バスタァアアアアアアッ!」

 

 

 斬り裂かれた巨大な足が地面に落ちる。しかして、その圧倒的な脅威は未だに健在。残る足で器用にバランスを取ったその怪物(ユニークモンスター)は、力を使いきって地面に崩れ落ちた少女へと無情にも砲台を向け・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこで少女は目を覚ました。悪夢による大量の寝汗でびっしょりの少女は混乱するままにその名を呼んだ。

 

 

「フラン・・・?」

 

 

 あまりにもリアルな夢に、動揺を隠せない少女。カーテンから漏れる光に、天蓋付きのベッドから降りて窓の外を見てみればまだ夜中(日中)だ。何時もより早く起きてしまったらしい少女は、恐らくは自らの能力によって見たであろう夢に想いを馳せた。

 

 

「近い未来に、今の光景が・・・?」

 

 

 駄目だ。それだけは駄目だ。最近、とある異変を起こしてようやく彼女を解放したばかりなのだ。あんな未来は来てはいけない。

 

 

「でも、あんな剣どこで・・・・・・・・・いや、奇妙な物なら心当たりもあるか」

 

 

 最近、娯楽に飢えた妹のためにたびたび寄っている店。時々、件の妹も遊びに行っているらしいから確定だろう。

 

 

「・・・ちょうど新しいのに飽きてきたとか言ってたし、買い物がてらに訪ねて見ようかしらね」

 

 

 そう言って、天敵である日の中に出て行く彼女が胸に抱くのは、決意。

 

 

 

 

 これは、どこぞの巨神がやらかした大惨事により日の目を見る事無く創造主と運命を共にし、忘却の彼方の地に辿り着いてなお使命に囚われた機械の傀儡兵の齎す不穏な運命を破壊し、平穏な未来を取り戻す番外物語(アフターストーリー)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――通常とは異なる別次元の宇宙において遥か昔、その世界がまだ果てない海と空だけだった頃。巨神と機神の二柱の神は、あることをきっかけに互いのすべてをかけて戦い、壮絶な相討ちの末に巨大な骸に成り果てるも、巨神界と機神界として大地となり、海しかないその世界に存在し続けた。

 

 それから幾千の月日が流れ、巨神界に暮らす人によく似た種族「ホムス」は、機神界から襲来した機械生命体「機神兵」の侵攻によって補食され殺戮され、存続の危機に襲われた。

 堅牢な機械の体を持つ機神兵にホムスは為す術もなく抵抗を続けていたが、巨神界と機神界を繋ぐ機神の剣の上での決戦にて、かつて機神を討ち果たしたといわれる神剣「モナド」を手にしたホムスの英雄ダンバンの活躍によって、彼の右腕と引き換えに辛くも勝利。

 

 束の間の平和を謳歌したその一年後、再び襲来した機神兵によって彼等の暮らす街が窮地に立たされた時、傷付いた英雄ダンバンに代わりモナドを振るう少年シュルクの物語が始まった。その壮絶な因果の入り混じった物語の末に、世界は生まれ変わり、元々あったモナドは失われた。

 

 

 

 

 

 否、正確にはシュルクが手にした新たなモナドの存在によって忘れられた(・・・・・)。新たに生まれ変わった世界から外れて、そういう忘却の彼方に消えたモノが辿り着く最後の楽園、幻想郷に流れ着いたのも必然である。

 

 

 

 ところで、モナドとは大気中のエーテルの流れと因果律を操り未来視を得る事ができる剣である。遥か先の未来を知り、運命を変える事が出来る強力な代物だ。しかし持ち主でなければ拒絶反応により体の自由を奪われてしまう。そんなものを扱えるのは、同質の力を持つ者ぐらいであろう。

 

 

 そう、例えば。運命を操る程度の能力を持つ紅い館の主である吸血鬼。その名も、レミリア・スカーレットという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幻想郷の魔法の森外れ、香霖堂。日傘を差したレミリアは引き籠りの妹への差し入れを買いに訪れていた。控える妖精メイドにそれなりの重さを持つ紙袋を手渡しながら店主、森近霖之助に尋ねた。

 

 

「じゃあ今月分もらっていくわ。ところで店主、今日は面白いのあるかしら?」

 

「君の買ったゲーム以外だと・・・うーん、ちょうど昨日仕入れた珍しいものならあるよ。さすが紅魔館の主、目ざといね。珍しく日中に来たのもそのせいかい?」

 

「ちょっと視えたのよ。普段役立たずの私の能力がね」

 

 

 差し出された奇妙な形の紅い大剣を受け取ったレミリアは、その白い指でそっと彼女好みの紅い剣の刃と思われる部分を撫でてみた。慌てて止めようとする妖精メイドは無視だ。

本当に剣なのか怪しいぐらいにまるで斬れず、次に円形の穴が空いている鍔部分を見てから柄を握り、軽く振るう。そんなに重量はないのかすんなり振るえた。

 

 彼女の持つ運命を操る程度の能力は、名前だけなら強力そうに見えるがその実、単に未来訪れる運命を時々見られる、その程度の能力である。レミリアは溜め息を吐きながら、視てしまった運命を思い出す。

 

 

 地獄だった。誰も救われない未来。あんな未来は来てはいけない。

 

 

 彼女が視るのは何時か来る未来だ。運命を視ても碌なものがないため何時もは辟易していたが、今回ばかりは危機感を持っていた。

 

 何故なら、そこは炎上している人間の里で、さらに言えば幻想郷最強にして無敗の巫女も血に伏した、基本平和な幻想郷ではありえない光景だったからだ。

 未来で何か、厄災が起きる。それも、幻想郷の守護者でも太刀打ちできない何かが、だ。それをどうにかするにはこの剣が必要だと直感が告げていた。

 

 

 

「・・・これは?」

 

「銘はモナド。用途は大気中のエーテルと因果律を操り未来視を与える儀式剣、らしい。また、未来を変えるための力も持つ神の振るった剣。これ以上は分からない」

 

「儀式剣、ね。殆んど私と同じ能力を持つ剣か」

 

 

己と同じ能力。その事が、夢で見た未来が現実だと言っている。恐らくは、無意識により知らぬ間に干渉したのだろう。

 

 

「どう使うのかしら」

 

 

 試しにしっかりと握ってみるレミリア。すると刀身が文字通り開き、青い光の刃が現れる。少し驚きながらも軽く振るう。拒絶するような衝撃が襲い掛かってくるも、吸血鬼の再生能力を以て澄ました顔で無視した。

 

 

「生意気にも拒絶しようとは大した剣ね。これ、いただくわ。お代はいくら?」

 

「ああ、自由に持って行ってくれても構わないよ。僕の手ではどうにも余る」

 

「懸命ね。もし起動させてたら貴方の腕、食い潰されていたわよ。また来るわ、妹の退屈潰しは必要ですもの」

 

 

 そう言って、紅い吸血鬼は妖精メイドを引き連れて帰路につく。すると一瞬目が蒼く輝いたレミリアがふらつき、慌てて駆け寄った妖精メイドの手を借りて踏みとどまったレミリアは笑みを浮かべる。

 

 

「これは・・・未来視。私の見た未来と殆んど同じ、やっぱりアレは起こるのか」

 

「お嬢様・・・?」

 

「大丈夫、ちょっと行かなきゃいけない場所が増えただけだから。急いで戻るわよ」

 

 

 翼を広げ、飛び立つと必死になって追いかける妖精メイドを見ながらレミリアは思考する。見えたのは、大切な人間達の死という未来視(ヴィジョン)。しかし、モナドを手に立つのは夢で見た少女ではなく、己の姿だった。

 どうすればこの未来は回避できるのか。その脳裏には、帰った後に再び外出して赴く事に決めた、とある場所が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?私にどうしろってのよ」

 

 

 延々と続く石段の登った先、山の上に聳える古ぼけた神社、博麗神社。幻想郷の守り人がいるそこに訪れたレミリアは、差し出された薄いお茶を飲みながら件の人物、幻想郷を守る博麗の巫女たる博麗霊夢との間に置かれたモナドを眺めて、不機嫌な顔の霊夢へ不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「天邪鬼辺りが何か企んでないかと思っただけよ。あと貴女の直感を頼りにね?」

 

「はあ?」

 

「これ、モナドって言うらしいのだけれどね。香霖堂の店主が言うには未来視を齎す剣らしいんだけど・・・近い未来に人里が滅んで死人が出るだなんて言ったら貴女は信じる?」

 

「・・・詳しく言いなさい」

 

「さすがは博麗の巫女。幻想郷の守り人ね」

 

 

 聞くなり真面目な顔になる霊夢に笑いながら、自らの見た未来を詳細に伝えるレミリア。一通り聞き終えた霊夢は考え込み、向き合って尋ねた。

 

 

「それが当たるという確証は?」

 

「未来視を齎すモナドが私の運命を操る程度の能力による予知を強固な物にしている。・・・といってもこれは感覚的な物だから分からないわよね。だったら・・・・・・数秒後にここがよく分からない機械の集団に襲撃される、とかどうかしら?」

 

「は?」

 

 

 レミリアの紅い瞳が、蒼く輝きながら口に出した言葉に呆ける霊夢。まさか、そんな突拍子もない事が・・・と反論しかけたその時。飛来した光弾を反射的に防ぎ、振り向く。そこには、機械で出来たナニカ、機神兵の集団がいた。

 それらの持つ、砲身が供えられた大きな右腕から光弾が一斉に放たれ、溜まらず霊夢とレミリアは回避(グレイズ)。横に飛び退くも、縁側は無残にも破壊されてしまった。

 

 

「・・・なんで数秒後って分かった訳?」

 

「私達の体勢があまり変わって無かったからと影の形からかしら」

 

「・・・どうやら信じるしかないようね」

 

 

 御祓い棒と御札を取り出し構える霊夢と、とりあえずモナドを地面に突き刺して空に舞い上がり、周囲に血の様に紅い弾幕を展開するレミリア。弾幕を回転させて徐々に広げていき、弾幕は竜巻となって機神兵達に襲い掛かり、その中に黒い波動を纏った御祓い棒を手に霊夢が突撃した。

 

 

「レッドマジック」

 

「妖器【無慈悲なお祓い棒】」

 

 

 直撃。さらに滅多打ち。外敵と判断した二人による容赦ない攻撃が叩き込まれるも、全てが弾かれてしまう。

 

 

「効かない!?」

 

「なら・・・霊符【夢想封印】!」

 

 

 霊夢の代名詞たる色とりどりの弾幕が放たれるも、機神兵は意にも介さず歩いて接近し、棍棒の様な腕を振り下ろして攻撃。咄嗟に御祓い棒で防ぎ、押し返す霊夢。レミリアも宙を舞い、放たれる光弾を回避しながら弾幕で応戦するもまるで通じず、ジリ貧であった。すると機神兵の姿が夢で見た光景と重なり、ひらめいたレミリアは叫んだ。

 

 

「霊夢!モナドを!」

 

「っ、そうか!」

 

 

 言われるままに地面に突き刺さっているモナドを引き抜き、一瞬顔を顰めるも持ち直し構えた霊夢の脳裏に、未来視(ビジョン)がよぎった。同時に、モナドの鍔に「機」という漢字が浮かび上がる。

 

 

「なるほど、こう使うのか」

 

 

 そう言ってモナドを両手で縦に構える霊夢。未来視(ビジョン)で見えたのは、機神兵の振り被る回転する棍棒の様な腕で。それをタイミングを見計らいグレイズ、紙一重で回避した霊夢はそのままモナドを展開し、水色の光刃で腕を斬りつけて、横から突き一閃。

 体勢が崩れて無防備だった機神兵を他の機神兵達の元まで突き飛ばすと、見えたビジョンを実行するべく一度光の刃を仕舞ったモナドを横に構え、脇を締めて小さく振り被った。

 

 

「レミリア、上よ。モナド・・・エンチャント!」

 

 

 モナドが展開し、水色ではなく紫色の光刃が現れ、放たれた同色の光が霊夢とレミリアを包み込む。同時に、空から飛来した明らかに飛行型と思われる「強襲式」と呼ばれる機神兵に、無駄だと知りながら咄嗟に弾幕を叩き込むレミリア。

 するとどうした訳か、真正面から弾幕が直撃した強襲式機神兵は大きく吹き飛ばされ、落ちたところにちょうどいた霊夢の手にしたモナドで一刀両断。強襲式機神兵は青空に散った。

 

 

「・・・今のがモナドの力?」

 

「多分、こいつ等に攻撃が通用する様になる力ね。制限時間もあるみたいだしとっとと決めるわよ」

 

 

 モナドの脅威を見ても恐れを抱かないのか突撃してくる機神兵達。咄嗟にモナドを構えるも、スペルカードを取り出したレミリアを見て、霊夢は少し考えてから身構え走り出す。

 

 

「夢想封印はさっき使ってしまったし、打ち上げるから止めは任せたわ」

 

 

 そう言ってモナドを構えてスライディング。擦れ違い様に斬り上げられた機神兵達に、レミリアはスペルカードを構えた。

 

 

「終わりよ。何処から来たかは知らないけど。私の前から失せなさい。天罰【スターオブダビデ】」

 

 

 真紅のレーザーが飛び交い、打ち上げられた機神兵達を次々と撃ち抜いていき、さらに連続して円形に放たれた丸弾とリング弾が連続して炸裂。十数体はいた機神兵団は瞬く間に全滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モナドによる紫の光が消え、一息吐いた霊夢とレミリア。機神兵の残骸を拾いながら、レミリアはぽつりと本題を切り出した。

 

 

「・・・それで、私が見たのはこいつ等とその親玉みたいな馬鹿でっかい奴よ。近い未来、人里はこの機械たちに蹂躙される」

 

「そんな馬鹿な。人里には慧音がいるのよ?こんな異物で、しかも巨大なら歴史を食べて人里を隠すんじゃないかしら」

 

「それでも、私の見た未来は私も貴女も皆死んで、火に包まれた人里だった。このモナドがあっても勝てない様なのが確実にいる。何で人里を襲ったのか、その目的も何も分からないけどね」

 

 

 肩を竦めるレミリア。未来が見えても詳しい状況まで分かる訳ではないというのが未来視(ビジョン)の欠点だ。何時その未来が来るのかも極稀にしか分からない。分かっても数秒後だ。それを実際に未来視(ビジョン)を見た事によって実感した霊夢も顎に手をやり考え込む。

 

 

「ここに襲撃して来た理由かも謎か。・・・偶然モナドが使えたからよかったけど、確かに普通の攻撃が通用しないんじゃモナドがないと勝ち目はないわね。仮にこれが幻想入りして来たとして、紫辺りなら知ってるかしら。とりあえず機械なら、対策のために詳しい奴に聞くのがいいか」

 

「それもそうね。昔ロケットを作らせたことはあるけど、私たち紅魔館は機械にはまるで疎いし。弱点が知れれば上々、目的が分かれば尚いいわね」

 

「とりあえずモナドは貴女が持ちなさい」

 

 

 そう言ってモナドを差し出してくる霊夢に訝しみながらも受け取るレミリア。改めて持った時にその理由も分かったが敢えて尋ねた。

 

 

「あら、どうしてかしら?」

 

「反動・・・なのかしらね。持っただけでそれじゃ、か弱い人間の私には扱いきれない。まだ何か力があるだろうし、パチュリーにでも相談して貴女が使いこなせるようになった方が得よ」

 

「私がこれを持ち逃げするとかは考えないのかしら?」

 

「貴女が私を訪ねて来た時点でそれは無いと確信してるわ。嫌な未来を見て、それを変えるために何にでも、この私にも頼ろうとしているのは勘に頼らなくても分かるわ」

 

「さすが博麗の巫女。分かってしまうのか」

 

 

 お手上げだとばかりに笑うレミリアに、霊夢も不敵に笑んだ。

 

 

「安心しなさい。その未来は絶対に来させないから。幻想郷で人死になんて・・・・・・・・・・・・妖怪の不祥事でもない限り出さないから」

 

「安心できないんだけど?」

 

「こんな小さな異変、すぐに解決してやるわ」

 

 

 しかし彼女達は忘れていた。異変と言う物には、必ずしも首謀者が居るのだという事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レミリアが去った香霖堂にて、一人の妖怪が店前まで引っ張ってきたソレを霖之助に見せていた。

 

 

「それでだ店主。無縁塚から引っ張ってきたコイツの名前、用途。教えてくれ」

 

「名前は王城のモルドレッド。用途は・・・・・・」

 

 

 その妖怪が引っ張って来たのは、壊れて機能停止しているがとてつもなく巨大な、黒と金のボディを輝かせた機神兵。そしてその背後には他の機神兵にはない「顔」が付いた茶色い機神兵が在った。

 

 

 

 巨神と機神の争いの顛末により幻想入りした兵器が、使命を以て幻想郷に牙を剥く。




・知らない人のための軽いモナド講座
かつてとある世界にて巨神が機神との戦いに用いたと言われる神剣。
巨神界に住まう種族ホムスがとある遺跡から封印を解いて持ち出した曰く付きの剣であり、機神兵を容易く切り裂く代わりに使用者は多大なデメリットに侵され、常人はろくに使えないがためにホムス一の戦士として英雄ダンバンが使用していた。
その真価は未来視を得ることであり、ダンバンの代わりにやむなく使用したシュルクが会得した。
レミリアと霊夢も本来は使えないところを、元々持っていた能力や予知染みた直感を増幅する形として使用できる。幻想郷でモナドを握って未来視を得れるのはそういう力を持ったごく限られた人間だけである。

「斬」モナドバスター。機神兵に対して絶大な効果を発揮するモナド最大の一撃。
「機」モナドエンチャント。モナドなどの特殊兵装じゃないとダメージが通らない機神兵のみに効果を発揮するモナドアーツ。一定時間、味方も機神兵に攻撃が通る様にできる。今回は弾幕にその効果を付与した。


主人公はレミリア。モナドを使いこなし、最悪の未来を回避することは出来るのか。なお、このモナドは「Ⅱ」でも「Ⅲ」でもなく「Ⅰ」。人は斬れません。

み ん な の ト ラ ウ マ 。やりこまない人は多分遭わないまま終わったであろう王城のモルドレッドさん。持ち込んだ妖怪とは一体誰なのか。昨日、二周目でやっとたどり着いて遭遇しレベル差もあって楽勝だと思い見学に勤しんでいたらEXフレイムスロウを喰らって軽くピンチになってしまうぐらいの強敵です。


次回は未定。見てくれる人がいたら続きます。感想をいただけたら嬉しいです。
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