原初の母と問題児たちが異世界から来るそうですよ? (リメイク)   作:御粥

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 小説を書くたびに、毎日投稿している人の凄さを実感できる。
 本当に小説を書くのが好きなんだ、僕もそうあれる日が来るのかな?
 その答えは、書き続けた先にある。
 思い描いたものを文字に変えて小説にする。
 とりあえず書きまくれば、何時かなれるだろう。
 オリジナリティと脈動感の極致、作者には未だ遠すぎる。

 そんな何も考えてない作者の書く、行き当たりばったりな第二話。
 少しでも心に響けば大金星です。
 そして感想をくれた方! 誠に感謝しています!

 彼女の人生は今、始まる。


第二節 そして時は進み始める

「間に合った……のかな?」

「はい、冥界の上空で戦っていた事が幸いしました。わたしたち、ウルクに帰還したんですマスター! あ、そういえばティアマト神の聖杯は、冥界に落ちてしまったのでしょうか?」

「あいたたた……それについては、私から説明させてもらうよ」

「改めて、ありがとうマーリン」

「そうかい? 役に立ったのなら私の苦労も報われる。でも、今回の事はまだ終わっていない」

「え? それは、いったい……」

「いいかい、よく聞くんだ。聖杯は回収できなかった。聖杯はティアマトと共に、この特異点から姿を消したんだ」

 

 

――箱庭・フォレス・ガロ内部――

 

 

 第3形態となったガスパーさんは、飛鳥のギフトの影響を受けないまま、一直線にこちらへつっこんでくる。策を弄さず己の肉体のみで挑んでくるとは、頭脳派のガスパーさんらしくない。そこまで、強い力に憧れていたのだろうか。

 知性のない力は、ただの暴力。今ならば、友達に教えられた言葉の意味がよく分かる。考えなしに向かってくるのなら、迎撃もたやすい。

 私は、黒ウサギさんを3回転させた時よりも、より大きく息を吸い声を出す。

 

「A――!」

「Gaッ⁉」

 

 ガスパーさんに音の衝撃波を当て、奥の壁まで吹き飛ばす。

 人の私の最大火力だが、ガスパーさんを倒すには不十分でも、春日部さんの手助けをするには十分だろう。

 吹き飛んだガスパーさんを横目に、春日部さんが剣を壁から抜きに向かう。

 

「……ッ! 2人は逃げて!」

 

 剣を壁から引き抜き、構える春日部さんは、飛鳥とジンさんに逃げるよう言った。

 直接命令できない飛鳥と、ガスパーさんと同じ頭脳派のジンさんでは身を守ることもできるかどうか分からないからな。

 

「ジン君は、逃げなさい!」

「そんな! 僕だって――」

「いいから、『逃げなさい!』」

 

 何かしら策を考えてあったのか、それとも感情に任せた行動か。この場に残ろうとするジンさんに飛鳥がギフトを使い退去を命令する。

 何をするつもりだったのか知らないが、あらかじめ飛鳥のギフトが効かなかった場合の作戦を話し合っておくべきだった。初戦ということも影響したのか、連携がとれず、マスター的立ち位置のジンさんが機能していない……。

 経験のなさ、慢心、油断。それに敵の強化が加われば場の混乱が起こるというわけか……覚えておこう。

 

「ッ! ……」

「あ、ちょっと⁉ 逃げるのはジン君1人で……⁉」

 

 飛鳥のギフトにかかったジンさんは、飛鳥を抱いて戦線を離脱した。

 飛鳥を、共に逃げるべき非戦闘要員だと思っていたのだろう。それにより飛鳥の考えとの違いがうまれたのだろう。

 残るは私と春日部さんのみだ。飛鳥や春日部さんみたいに、誰かに逃げるよう言いたいのだけど……まぁ、もしもの時は私1人で戦えばいいだろう。

 

「……逃げても、いいよ?」

「ううん、私も戦う!」

 

 春日部さんに退去を進めたが、断られた。人は逃げろと言われると、断らずにはいられないのだろうか?

 いや、今回は相手が悪かっただけだろう。今のガスパーさん相手なら、飛鳥とジンさんを守りながらでも勝てるだろう。

 

「Guuu……Gaaaaaッ‼」

 

 部屋の奥から戻って来たガスパーさんが、態勢を整えまた飛び掛かってくる。

 対象は私だ、春日部さんはガスパーさんを唯一殺せる武器を持っている上、遠距離攻撃は剣を投げるくらいしかできないからだろう。

 

「A――!」

「Guッ! Gaaaaa――‼」

 

 ガスパーさんを衝撃波で迎え撃つ。

 ガスパーさんは衝撃波を受け吹き飛ばされるも、今度は態勢を崩すことなく着地しまた向かってくる。

 どれだけ復帰が早くなろうと、まっすぐ向かってくるだけなら衝撃波を連射できる私にたどり着くことは永遠にない。

 とは言っても衝撃波ではガスパーさんを倒せないから、このままでは泥沼だ。

――私1人だけならな?

 

「ヤーッ!」

「――ッ!」

 

 私に気を取られていたガスパーさんに、春日部さんが横から切りかかる。

 ガスパーさんはそれに気づくと、とっさに横に大きく飛ぶことでそれを回避する。

 不意打ちに対して反応している、感が鋭くなっているのだろうか?

 

「Gaa‼」

 

 ガスパーさんはそのまま壁まで跳んでいき、壁を足場に春日部さんに向かって急接近する。

 春日部さんは、第1形態のガスパーさんよりも高い身体能力と、武器を手に持っている。

 ですが、どことなく危なっかしいというか……私の胸の内には心配がつのっていた。

 

「A――!」

「Guuuuu――!」

 

 春日部さんだけに集中するのなら、私の衝撃波を側面で受けることになる。

 そんな状態では、綺麗に着地できようもない。

 ガスパーさんは大きく態勢を崩す、このスキは絶好のチャンスに違いない!

 行け、春日部さん! 人の力を、私とガスパーさんに見せてみろ!

 

「――とどめ!」

 

 春日部さんが倒れたガスパーさんの背に飛び乗り、指定武具の十字剣を突き立てようとする。

 

「Gaa‼」

「くッ――⁉」

 

 だが、あと少しで剣が刺さるというところでガスパーさんが大暴れ、春日部さんを薙ぎ飛ばす。

 心臓を貫くためとはいえ、身動きできないわけでもないガスパーさんの背中に乗ってしまったのは悪手だったかな?

 飛ばされた春日部さんはまっすぐに私のところに飛んできて、私の眼前に着地する。

 私の射線をふさぐなんて、偶然か?

 それともガスパーさんに、まだ頭脳派だったころの知性がわずかに残っているのか。

 私は一早く目の前にいる態勢を崩した春日部さんの首根っこを右手でつかむと、自身の後ろへと軽く投げる。

 

「Gaaaaa――‼」

「ッ! Aaaaaa!」

「Gu――」

 

 春日部さんと入れ替わるようにして、ガスパーさんの爪が私に迫る。

 衝撃波を放ち吹き飛ばそうとするが、ガスパーさんは軽やかな身のこなしで地を蹴り私の衝撃波を回避する。

 そしてガスパーさんは、今度は天井を蹴ることで私の攻撃後のスキをつく。

 息を吸いなおす暇もない攻防に、私はとっさに空いている左の腕でガスパーさんの爪を受け流す。

 

「――ッ‼」

「ッ! 大和さん――‼」

 

 経験不足が祟ったのか、私の左腕は血に染まっていた。

 態勢を整えた春日部さんの、悲鳴にも似た声が聞こえる。

 人型との戦闘方法ばかりに気を取られ過ぎた、やはり前の世界にいた時に友達の制止を振り切ってでも山のクマさんに戦いを挑んでおくべきだったか。

 

「Aaaaaa――‼」

「GuuuGaaaaa――!」

 

 私は眼前のガスパーさんに向けて溜まったばかりの空気を使い、衝撃波を放つ。

 至近距離で衝撃波を受けたガスパーさんは、勢いよく吹っ飛ぶ。

 私はそのスキに後ろにいる春日部さんを抱きかかえると、部屋の扉から外に出て吹き抜けになっている2階から1階の正面玄関へ飛び降りる。

 

「――ッ‼」

 

 私のいきなりの行動に驚きながらも、春日部さんがグリフォンから得た、空を踏みしめて走る特性を使うことによって着地する。

 私は春日部さんの手を引きながら、建物の外へと走り出す。

 

「大和さん、何を⁉」

「今の私達でも、ガスパーさんを倒せるかもしれない。だけど、その剣だけじゃ時間がかかるかもしれない。そうなれば私達の体が無事で済む保証はない」

「……ッ!」

 

 春日部さんが、私の左腕を痛ましげに見つめる。

 ガスパーさんを剣で倒すには心臓などの急所に攻撃するか、たくさん斬ることで力尽きさせるかしかない。

 だけどもし、突き刺した剣が急所を外したら、そのまま剣を持ってかれるかもしれない。

 そうなったら、ガスパーさんだけが有効打を持った状態で持久戦になってしまう。

 ならば選択肢は、突きではなく斬るということになるが。

 力尽きるほどに斬るには、それだけの数のスキをガスパーさんに作らせなければならず、やはり時間がかかる。

 あのマスター達のように、追い詰められたガスパーさんが何してくるか分からない以上、警戒するに越したことはない。

 

「私達2人だけじゃ予想外の痛手を受けるかもしれないし、なにかしらの策はあった方がいい。それに、この傷も止血したい」

「……分かった」

 

 私が怪我をした左腕を春日部さんに見せながら言うと、春日部さんは渋々私の提案を受け入れてくれた。

 そうと決まれば、早く飛鳥とジンさんの2人と合流しないと。

 今の私達に必要なのは作戦の立案と指示を出す参謀、つまりマスターに他ならない。

 私達の中でマスターの役が務まるのは……やはり私達を召喚したコミュニティのリーダーで唯一ギフトゲームに参加できる、ジンさんしかいないだろう。

 あのマスターもサーヴァントを召喚して戦っていたし、そっくりだ。

 

「春日部さん、飛鳥達の所に行こう。春日部さんなら、臭いで見つけ出せるはず」

 

 追ってくる気がないなら、そこで待っていろガスパーさん。

 マスターを連れた人の力、ガスパーさんにも見せてあげる。

 

 

――飛鳥&ジンさん――

 

 

「吸血鬼?」

「はい。ガルドは吸血鬼によって鬼種に変えられたのでしょう」

「だから銀の十字剣が……ッ! 誰⁉」

「……私」

 

 春日部さんのおかげで、無事に飛鳥達と合流することができた。

 ちょうどガスパーさんの第3形態について話していたようだ。

 有効な作戦を立てることができる情報があるといいのだが。

 

「春日部さんと大和さん! 大丈夫⁉」

「私は大丈夫、でも大和さんの左腕が大丈夫じゃない……飛鳥?」

 

 私の容体を確認した飛鳥は、春日部さんの持つ剣を手に取る。

 

「ジン君、大和さん。2人はここに残っていて」

 

 え、なぜ? まさか飛鳥と春日部さんだけで戦う気なのだろうか?

 

「ちょっと待って、この程度の怪我なら特に問題ない。それにガスパーさんは私達を追ってこなかったから、まだ時間がある。今は焦らず、皆で作戦を立てよう?」

 

 私はジンさんに左腕の怪我を手当てしてもらいながら、今にも走って行ってしまいそうな飛鳥と春日部さんを呼び止める。

 

「ジンさん、何か作戦はない?」

「作戦、ですか?」

「うん。ジンさんは私達の中で一番、箱庭のことやギフトゲームについて詳しいはず。あと……」

 

 私はジンさんの方に腕を回しかけ、耳元に顔を近づけて小声で話しかける。

 

「ジンさんは、このギフトゲームに勝ったら仲間を取り戻してもらえると、逆廻さんと約束したはず……いいの? このまま召喚組の力だけで逆廻さんとの約束を果たしても……」

「なっ、聞いてたのですか⁉」

 

 ウサ耳を持つの黒ウサギさんと、人よりも耳のいい動物と友達の春日部さんでも聞き逃したのに、ただの人の私が聞き取れるわけないだろう。読んだんだよ、逆廻さんの口の動きを。

 だけど、この技術を持っていると言うのは変かな?

 何か聞かれる前に、なんとか誤魔化さないと……。

 

「それに……私はこの中で一番、ジンさんがチームの参謀に向いていると思ったから……」

「ティアさん……はい、分かりました! ティアさん、飛鳥さん、耀さん……僕の考えを聞いてください!」

 

 

~~作戦相談中~~

 

 

『まず、ガルドとの戦いを有利に進めるには場所を変えなければいけません。室内から外へ、戦いやすい広場の入口まで誘導してください』

 

 ジンさんの考えを元に話合い、ガスパーさん討伐作戦が開始された。

 この作戦に最初に必要となるのは囮役の人。

 

「Guu――ッ」

「建物に火をつけた。もう、ここにはいられない」

 

 囮役に選ばれたのは春日部さんだ。

 ガスパーさんよりも足が速く、誘導している間の攻撃を避け続けるのは、身体能力の高い春日部さんが適任だろう。

 春日部さんは、ガスパーさんの攻撃を軽やかに回避しながら広場への道をひた走る。

 

「来ました!」

 

 私達3人の目が、広場に入って来た春日部さんとガスパーさんの姿をとらえた。

 これで作戦の第1段階は終了だ、作戦は第2段階へとコマを進める。

 

『次に、一撃で急所に剣を突き立てるためにはガルドの動きを止める必要があります』

 

 守りやすいように連携しているとはいえ、時間をかけると不測の事態が起こる可能性がある。やるからには速攻、一撃必殺が望ましい。

 

「A――」

「『木々達よ、ガルドの動きを封じなさい!』」

「Gu、Gaaa――ッ⁉」

 

 広場に入って来たガスパーさんに向けて、私は衝撃波を放った。

 春日部さんが射線上にいたが、撃つと分かっていたので飛び退くことができた。

 だがガスパーさんは、目の前の春日部さんに気を取られたのか、それとも射線上に春日部さんがいたから撃ってこないと思っていたのか、私の衝撃波を回避できずに食らってしまう。

 そうやって動きを止めたガスパーさんを、今度は飛鳥が拘束する。

 飛鳥のギフトで、入口に生えている木々に命令したのだ。

 そうして怯み、拘束されたガスパーさんは、一時的に動きを封じられた。

 さぁ、最後だ。

 

『お2人のギフトでもガルドを止めていられるのは、ほんの一瞬です。その一瞬の間に、素早くガルドを倒す必要があります』

『なら、それは私が』

『いえ、耀さんはもしもの時のために待機していてください……ここは僕にやらせてくれませんか?』

『ジン君が?』

『はい。僕も、コミュニティのリーダーとして戦いたいんです!』

 

 私が衝撃波を撃った後、すぐに走り出したジンさんの背中を見つめながら息を吸う。

 春日部さんも飛鳥も、引き続きガスパーさんの動きを妨害する役目がある。

 だからといって、危険に自ら乗り込むとは……そういう所も、あのマスターに似ていると言えるだろう。

 

「お願いします、ティアさんッ‼」

「Aaaaaa――ッ‼」

 

 私の吹き飛ばし特化の衝撃波に押されながら、ジンさんの体が急激に加速する。

 自らの力以外による加速は、体に相当な負荷がかかっているばずである。

 それでもジンさんは剣を手放すことなく構え、ガスパーさんの眼前へと迫る。

 

「ウォォオオオオオッ‼」

 

 ジンさんの持っていた飛鳥のギフトで強化していた剣が、ガスパーさんの頭に突き刺さる……。

 そして、数瞬ののち……フォレス・ガロのリーダー、ガルド・ガスパーさんは、その姿を灰に変え、息絶えた。

 

 

――ノーネーム・ホーム――

 

 

 これで逆廻さんがノーネームを抜ける心配もなくなり、ジンさんとの約束もはたされるというわけだ。

 

「大和、左腕の調子はどうだ?」

「この通り、あと少しで痕も残らず治る」

 

 そのために、かつての仲間【レティシア】という名前の子を救うためのギフトゲームに逆廻さんは参加するつもりのようだ。

 その時は、私も同行させてもらおう。1人で挑みたいというのであれば、百歩譲っても観戦はしたいな。

 逆廻さんの戦いは、まだ見てないからな。

 

「ところで、さっきから人ん家覗いてるやつ。ちょっと趣味が悪いんじゃねぇか?」

 

 逆廻さんが、部屋の窓に向かって話しかける。

 すると、窓を開けて1人の女の子が窓の縁に立つ。

 プチナブロンドの髪に、紅い瞳。

 そして、フォレス・ガロに生い茂っていたと思われる木々を従えている。

 

「下がってろ、大和」

 

 私は逆廻さんの言葉に従い、部屋の入口まで下がる。

 よもやギフトゲームの前に逆廻さんの力を直に見る機会を得られるとは、運がいいな。

 女の子の木が、一斉に逆廻さんに襲いかかる。

 逆廻さんは余裕の表情で拳を構えると、ただの一撃でもって多数の木々と部屋の窓と天井を破壊する。

――やはり、強い。

 逆廻さんは最強系だな、と思いながら廊下の方から向かってくる複数の足音に目を向ける。

 

「レティシア様⁉」

「何?」

 

 やってきたのは、ジンさんと飛鳥と春日部さんと黒ウサギさんだ。

 黒ウサギさんが呼んだ、この女の子のものと思われる名前を聞き、逆廻さんが疑問の声を漏らす。

 それはたしか、これから助け出そうとしていたノーネームの仲間の名前だったはず?

 

 

~~部屋移動~~

 

 

「仲間のはずの貴女が、ガルドに手を貸したのはなぜ?」

「それで大和さんが怪我をした……理由を聞かせて?」

 

 ガスパーさんの第3形態、そしてフォレス・ガロに大量に群生していた木々はレティシアさんの力だったようだ。

 吸血鬼の純血、元魔王。レティシアさんの情報はこんなところだが、飛鳥と春日部さんの質問にどう答えるのだろうか?

 

「貴女方の力量を確かめたかったのだ、このコミュニティを託すに値するかどうか……負傷した貴女には心よりお見舞い申し上げる」

「……全然気にしてない」

 

 なるほど……中途半端な力を持つとかえって早死にする、ということだろう。

 壊滅寸前とは言え、このノーネームの子達は今まで生きてこれた。

 だが、完全に壊滅してしまえば命がないかもしれない。

 ノーネームを復興し、魔王と戦えるだけの力がなければ……元仲間として見過ごすわけにはいかなかったのだろう。

 

「だが貴女方のギフトはまだ青い果実、任せるには荷が重すぎる……」 

 

 ……いつから私がギフトを使っていると錯覚していた?

 私の声の衝撃波は、ただの技術だぞ?

 言うべきか……いや、逆廻さんも自分のギフトについて喋ってないから黙っていよう。

 

「でも貴女が帰ってくれば、状況は変わるのでしょう?」

 

 元魔王……あの白夜叉さんと同じ呼び名だ。

 ならば、レティシアさんは相当の実力者なのだろう。

 子の逆境で抗う力をかみすれば、魔王に勝つ可能性が出てくるかもしれない。

 幸い彼女を賭けたギフトゲームまで、もう僅かだ。

 

「それは、無理だ……ギフトゲームは中止になった」

 

 中止……なるほど、ここまで来たのは今しかチャンスがなかったからか。

 私達……いや、まだ力を確認できていない逆巻さんの実力がコミュニティ復興を現実的にするほど強いのかどうかノーネームの子達に示すために。

 逆廻さんに襲いかかったのも、そのためだろう。

 

 

――ノーネーム・外――

 

 

 レティシアさんと逆廻さんが、互いに向かい合わせに立っているのを黒ウサギさん達と一緒に観戦する。

 ルールは槍で行うキャッチボールのようなもの、相手の全力を受け止められなかった方が敗者となる……随分と先攻が有利なルールだ。

 

 槍を構えたレティシアさんが、天高く飛び上がり投擲する。

 投げられた槍は赤いオーラを纏い、まっすぐに逆廻さんの下へ向かう

 

「しゃらくせぇッ!」

 

 向かってきた槍を、逆廻さんは拳で殴り返す。

 レティシアさんの方は……受け止める気はないようだ、黒ウサギさんに助けられている。

 

「やっぱり……あんなにあったギフトが、神格が残っていない……」

 

 レティシアさんのギフトカードを、黒ウサギさんが取り出し呟いた。

 レティシアさんの弱体化についても思うところはあるが、黒ウサギさんの行動の方が驚きだ。

 他者のギフトカードを取り出したのか写し取ったのかは定かではないが、いずれにせよ相手のギフトを観覧できるのはジャッジマスターという役目を持っているが故だろうか?

 

「……ん?」

 

 森の方から赤い光が……あれは、石化⁉

 光の当たった地面が石化している! まさか、ゴルゴーン⁉

 まずい、もしもあの子なら私の存在にに気づくかもしれない……そうなってしまったら情報収集もままならないまま最終決戦になってしまうッ‼

 まだ逆廻さんの実力も魔王の力も、子供達の力を知るのはこれからだっていうのに!

 幸い黒ウサギさん達はレティシアさんに近づいて私が一番建物の近くにいる、そして黒ウサギさん達の目線は石化の光に釘付けになっていた。

 私はそのスキに物陰に身を隠す。石化の力を使っているのが、あのゴルゴーンかどうか確認できるまでは迂闊に動くわけにはいかない……。

 

「レティシア様‼」

 

 黒ウサギさん達の目の前で、レティシアさんが光を浴びて石になる。

 そしてレティシアさんは、石化の光を発していたと思われる子達に回収された。

 

「ゴルゴーン……箱庭に、いるの……?」

 

 石化の力といい、ゴルゴーンがいる可能性は高いだろう。

 そのゴルゴーンが、私の知っているゴルゴーンか……確認しなければ。

 今の私は人間だ、だけど見た目はあまり変わっていない。

 私を一目見たことのある子とは、極力顔を合わせたくないものだ……特に、私を殺そうとした子達には……。

 

 

――サウザンドアイズ――

 

 

「わぉウサギじゃん⁉ ねぇ君、うちのコミュニティに来いよ」

 

 この子が……【ペルセウス】のリーダー【ルイオス・ペルセウス】さん。

 この子ならゴルゴーンの居場所を知っているはず、だけどどうやって聞いたものか……?

 

「先に断っておくけど、この美脚は私達のものよ」

「そうですそうです黒ウサギの脚はてっ、違いますよ飛鳥さん!」

「そう、この美脚はノーネーム皆のもの」

「そうですそうですこの脚はって、それも違いますよ耀さん!」

「その通り、この美脚はすでに俺のもんだ」

「そうですそうですこの脚はって、黙ってらっしゃい!」

「なら、この美脚は……ジンさんのもの?」

「えぇっ⁉ そこで僕ですか!」

「ナッハハハハハ! ノーネームってもしかして芸人のコミュニティなの? だったらうちに来いってマジで」

 

 芸人としてのスカウトを受けたのは、これが初めてだな。

 だけど、友達にスカウトを安請け合いするなと念を押されているのでお断りしておく。

 ペルセウスの実力も逆廻さんの力もまだまだ未知数なんだ、もう少しノーネームでやっていかなくては判断できない。

 

 そうして始まった、ペルセウスさんとの交渉の結果、レティシアさんの交換条件に黒ウサギさんを要求されてしまった。

 その事を半ば受け入れてしまっている黒ウサギさんに対し、飛鳥と春日部さんは怒りを感じている。

 結局、ゴルゴーンについて聞ける雰囲気ではなくなってしまった……。

 

 

――ノーネーム――

 

 

 ペルセウスさんとの会合から、日がたった今でも黒ウサギさん達は言い争っている。

 私も黒ウサギさんを説得するために、黒ウサギさん達のいる部屋へと足を進める。

 レティシアさんがノーネームに赴くために、その力の大半を魔王に差し出したらしい。

 今のレティシアさんと黒ウサギさんのどちらが強いのか完全に判断できない以上、その黒ウサギさんがペルセウスへ行ってしまうのは困る。

 それに黒ウサギさんの持つジャッジマスターとしての力もギフトゲームに関する知識も、魔王と戦う私達には必要だ。

 

「……? 何、しているの?」

「あっ! 大和さん」

 

 道中、小皿を持った女の子に出会う。

 狐の獣人の少女、たしか名前は【リリ】さんだ。

 

「あの、これを黒ウサギ達と一緒に食べてくれませんか?」

 

 そう言って、手に持っている小皿を差し出してくる。

 クッキーか、断る理由はない。でも疑問がないわけではない。

 

「こういうのは、直接渡した方が想いが伝わるはず……」

「いえ、私はいいんです。重要なお話みたいですし、邪魔になっちゃいますから」

 

 邪魔になるのだろうか? まぁいいならいいが、とりあえずクッキーを受け取り頷いておく。

 

「これを食べて、仲直りしてくれるといいのですが……」

 

 それは大丈夫だろう。

 飛鳥達が怒っている理由は、黒ウサギさんを大切に想っているがゆえなのだから。

 

「全然大丈夫、皆仲がいいから……」

「そうですよね、ありがとうございます!」

 

 別に慰めたわけではなく、事実を言ったまでなのだが……。

 私はクッキーの乗った小皿を持ちながら、黒ウサギさん達の下へ向かう。

 

 

――黒ウサギさん達のいる部屋――

 

 

「……飛鳥、廊下まで声が聞こえる」

 

 ノックする、そしてすぐに入室許可が出る。

 声の聞こえた飛鳥、気分の落ち込んでいる黒ウサギさん、猫をなでる春日部さん。

 

「これ、クッキー。仲直りしてほしいって、リリから渡された」

 

 手に持っているクッキーをテーブルに置き一つ手に取り口に運ぶ。

――甘い。

 3人の話はやはり、黒ウサギさんがペルセウスへ行くか行かないかの話だったようだ。

 私もこれまで得てきた子供達の情報と照らし合わせて、黒ウサギさんを説得しよう。

 

「黒ウサギさんがペルセウスに行くのは、レティシアさんを助けたいからだよね?」

「はい……」

「ペルセウスから出られたレティシアさんは、そのことを知ってどう考えると思う?」

「それは! ですが、レティシアさんを助けるには黒ウサギが犠牲になるしか……」

 

 助ける……ね。

 

「レティシアさんはたぶん私のせいで黒ウサギがって、後悔すると思う……決して消えない一生の後悔を背負わせる、それで本当に助けたっていえるの?」

「そんな……」

「ペルセウスに行った黒ウサギさんも、外に出たレティシアさんも……それに黒ウサギさんを止められなかった私達も、黒ウサギさんが好きなノーネームの子供達も。皆が悲しんで誰も幸せにならない、そんな結末で黒ウサギさんは本当にいいの⁉」

「だったら……どうしろっていうのですか⁉」

 

 感情の抑えが効かなくなり震える黒ウサギさんの両の手を、自分の手で包み込む。

 

「大丈夫、そのために皆がいる。辛い時にも、苦しい時にも、一緒に頑張れる仲間達が……」

「黒ウサギは私達の仲間よ、ペルセウスなんかに渡さないわ!」

「うん、絶対に渡さない」

「大和さん……飛鳥さん……耀さん……」

「どんな相手が立ちはだかってこようと、絆を信じて……」

 

 子供達には無限の可能性がある、どんな逆境でも前を進み続けられる可能性が。

 それに、この場にいない、もう前を進んでいる子がいる。

 

「じゃまするぞー!」

 

 逆廻さん、さすがの私でも扉を壊して入って来るのは普通じゃないって分かるよ……。

 それで今まで私達の前から姿を消していたのは、黒ウサギさんのためだよね?

 

「十六夜さん……?」

「これ、みやげだ」

「これは?」

「ペルセウスとのギフトゲームの挑戦権、取ってきてくれたんだよね?」

 

 私も行きたかった……まぁ、黒ウサギさんの足止めが必要だったと思えばいいか。

 

「ああ、いまいちな奴らだった、これならまだ蛇の方がましだったぜ」

 

 なんだ、黒ウサギさんの見立てが甘いのか十六夜さんの力が計算外なのか……。

 とりあえずは良かった、これで後はギフトゲームに勝つだけだ。

 

「ほらね黒ウサギさん、これを持ってペルセウスへ行って。自分を犠牲にするためじゃなく、仲間を信じて託すために。勝気な笑顔を見せてやれ、黒ウサギさんの笑顔がノーネームの皆の希望なんだから……」

「はいっ! 行ってきます、大和さん、飛鳥さん、耀さん、十六夜さん!」

 

 部屋を出ていく黒ウサギさんの顔は、さっきまでの落ち込んだ顔ではなく、見紛うことのない笑顔だった。

 

「グットタイミングってヤツだった、ありがとう逆廻さん。これ、リリさんが作った仲直りクッキー。めしあがれ……」

 

 

――ペルセウス――

 

 

 ギフトゲーム

 ルール

 ・ルイオスを倒す。

 ・道中の者達に見つかると、ルイオスへの挑戦権を失う。

 ・コミュニティのリーダーが挑戦権を無くした時点でノーネームの負け。

 

 つまりジンさんとルイオスさんとの戦力を相手の目から隠しながら、道中の敵を薙ぎ倒し奥へと進めということか。

 

「ルイオス側は、こちらよりも圧倒的に数が多く。さらに不可視のギフト【ハデスの兜】を保有しています。ですが、もっとも脅威となるギフトはルイオスさんの――」

「隷属された元魔王さん、てかっ」

「そう、元魔王の……え?」

 

 隷属された元魔王? まさか、ゴルゴーンのことか?

 

「十六夜さん、どうして?」

「どうしてって、そりゃぁ」

 

 逆廻さんが指を空へと向ける。

 そこにあるのは満天の星空の中に光るペルセウス座。

 

「今回は、三つの役割分担が必要だ。まずはおチビと一緒にゲームマスターを倒す奴」

 

 これは黒ウサギさんが参加できない以上、逆廻さんしかいない。

 この中でゴルゴーンの相手ができる可能性があるのは、逆廻さんだけだろう。

 

「次に、見えない敵を感知して撃退する奴」

 

 これは春日部さんだ。この中で一番索敵能力が高いのは春日部さんだからだ。

 彼女なら臭いや音などの人の気配を感知できる。

 

「最後に、失格承知で囮とつゆ払いをする奴」

 

 この三つ目が、私と飛鳥の役割だ。

 私の声の衝撃波は声の届く範囲から考えると多対一の戦闘に向いている、確かに適任だろう。

 それにゴルゴーンの正体も分かっていないのに、ルイオスさんとは戦えない。

 

「さぁ、ゲーム開始だ!」

 

 

――ペルセウス内部――

 

 

「A――!」

 

 私達はそれぞれ、逆廻さん達のルイオス討伐組・飛鳥・私の三手に分かれて行動している。

 ガスパーさんとの戦闘では一方向に絞っていた声の衝撃波を、全方向へと向けて放ちまくる。

 敵は音を聞きよってくるも、一定の距離から近づく事ができない。

 近づけば衝撃波により吹き飛ばされる、持っている武器を投げても同じこと。

 全方位に向けられているから、不可視のギフトも意味をなさない。

 覚えて正解だった、これなら強者以外誰も私に近づくことはできない。

 

「A――?」

 

 それにしても私はてっきり黒ウサギさん程の実力の子が、箱庭中にいると思っていたが……このペルセウスの子達を見るにどうやらそうではないらしい。

 諦めずに向かってくるのは流石だが、これだけの人数がいて誰も私の歩みを止めることができないとは。

 子は数よりも質に注意すればいいのだろう……いや、その判断は軽率か?

 

「A――、A?」

「Uiaaaaa――Uiaaaaa――‼」

「この、声は?」

 

 ギフトゲームが始まって、そろそろ逆廻さん達がルイオスさんの下へとたどり着いただろうころ。

 私は何かの叫び声を聞き、立ち止まる。

 すると、建物の奥から黒い光が出で辺りを覆う。

 黒い光を浴びた者は人も壁も道具も全て石化していった。

 つまりゴルゴーンが動き出したということだ。

 

 

――ペルセウス・コロシアム――

 

 

 私はすでにペルセウスの子達に姿を見られているので、ルイオスさんと戦う資格を持っていない。

 なので、入口から逆廻さんの戦いを観戦する。

 

「Guiuuuuu――‼」

「ははっ! どうした元魔王様? 今のは本物の悲鳴みたいだったぞ⁉」

(あれが……ゴルゴーン?)

 

 どうやら私の知っているゴルゴーンではないようだ。

 私の知っているゴルゴーンはもっと大きく、強い子だった。

 だが目の前にいるゴルゴーンは、逆廻さんに一方的にやられている。

 あの拘束具……もしかすると、私と同じで力を封印している?

 

「もういい、ここまでだ。全て終わらしてやる、アルゴール! 奴に地獄の苦しみを、永遠の牢獄に叩き落とせ!」

(【アルゴール】さん? それがあの子の名前か)

 

 アルゴールさんの口に先ほどの、ほぼ全てを石化した黒い光が集束する。

 あれが決まれば、逆廻さんが石化してしまう……。

 助け……いや、逆廻さんなら避けられるだろう。

 

「Gua――!」

「へっ、しゃらくせー!」

「――ッ‼」

 

 避けるまでもなかったか……。

 逆廻さんは、アルゴールさんの石化のギフトをかかと落としで粉砕してしまった。

 

(逆廻さんの力が、アルゴールさんのギフトの力の遥か先の領域にいる証明……)

 

 逆廻さんはアルゴールさんを、そのまま一発ぶんなぐって吹き飛ばす。

 逆廻さんのギフトは、どういったギフトなのだろうか?

 吹き飛ばされたアルゴールさんはピクリとも動かず、ルイオスさんは完全に諦めてしまっている。

 終わった……ルイオスさん達では逆廻さんの力を、引き出せなかったようだ。

 逆廻さんがルイオスさんを奮い立たせ一騎打ちをしたのち、ノーネームの勝利でギフトゲームは終了した。

 

「もう出て来ていいぜ、大和」

「えっ、ティアさん⁉」

 

 やはり逆廻さんから身を隠すのは至難の業だ。

 姿を隠していたのはゴルゴーンがいないか探していたから、もうその必要もない。

 ここにはアルゴールさんしかいない。

 

「良く無事でしたね!」

「なぜ石化していないのですか?」

「うん、黒ウサギさんとジンさんも無事でよかった……」

「へぇ、つまり俺が石化してないのは驚くほどじゃねぇって事か?」

「逆廻さんならあれくらい避けられると思った、まさか蹴り砕くなんて思わなかったけど……それに余裕そうだった」

 

 逆廻さんが戦いの中で浮かべていた顔、あれは何か策がある者がする顔、勝利を確信している者がする顔だ。

 石化を見てなをその顔ができるなら、効かないか対策があるのは分かる。

 

「俺としちゃ、お前が石化してない事に驚きなんだがな。いったいどうやったんだ?」

「ティアさんのギフトは、あの衝撃波だけじゃなかったんですか? それとも衝撃波はギフトの一部なんですか?」

「そうですよ! どうやったんですか⁉ 黒ウサギにも教えてください!」

 

 ……これは、話さなければならない流れというものか。

 特に先ほどスルーしちゃった黒ウサギさんからの勢いが強い、これは説明するしかない……ような気がする。

 さて、当たり障りのないように説明するにはどうするか……。

 

「あれくらいなら一瞬で治る」

「へぇ? お前のギフトが何なのか気になってきたぜ」

 

 そうか……関係ないね。

 

「もうっ、十六夜さんも大和さんも石化が効かないなら言ってくれればよかったじゃないですか! 本当に心配したのですよ?」

「「なに言ってんだ黒ウサギ(さん)、それじゃ面白くねぇだろ?」」

「このおバカ様方!」

 

 これは、誤魔化せたか?

 このまま話をそらせれば……。

 

「けど、俺も大和のギフトの名前くらいは知っておきたいな?」

 

 妙だ……逆廻さんからの追及が、強いような?

 

「……なぜ? 今逆廻さんも、聞いたんじゃ面白くないって言ったばかり。自分で見て考察する、その楽しみがなくなってもいいの?」

「確かにお前の言う通り面白くねぇよ、だけど仲間なら気になって当然だろ?」

 

 言ってくれる……これは、明らかな挑発だ。

 だが、いったい何のために……何が逆廻さんの判断を急がしている?

 

「私も聞きたいです!」

「僕も!」

 

 名前くらい見られてもどうだっていいが……今の逆廻さんに見せるのは危険だろうか?

 いや一緒に戦っていく以上、時間の問題か……。

 

「初めはあの衝撃波がお前のギフトかと思ったんだが、それにしては違和感があった」

「違和感ですか? 頼もしいギフトだと思いますけど」

 

 私の声の衝撃波は、黒ウサギさんの言ったようにギフトと見紛うほどの精度のはずだ。

 それなのに違和感を感じるなんて……凄い感だ。

 

「召喚されたのは強いギフトを持っているヤツだ。たとえ今は弱くても、そこには高い伸びしろがあるはずだ。そうだったよな黒ウサギ?」

「はい! 皆さんは成長すれば、それこそ上層でも戦えるだけの才ある方達なのでございます!」

 

 なるほど、だからこそ違和感を感じたのか……。

 

「だがお前の衝撃波は声だよりだ、威力を高めるには効果的な声の出し方を覚えるくらいしかない。お嬢様や春日部のギフトのことを考えると、それじゃ召喚されるには威力が足りねぇ」

「つまり、ティアさんは別のギフトも持っているということですか?」

「いや、そもそも。衝撃波はギフトじゃねぇんだろ?」

「ギフトじゃないって、どういうことでございますか?」

 

 まさか強い力は全部ギフトって世界の箱庭でそれに気づくなんて、凄い柔軟な発想力だ。

 

「そう、私の声の衝撃波はギフトじゃない。小さいころに見たアニメを参考にして覚えた純粋な技術。生まれ持った恵まれた喉と、最低10ほどの年月の修行を積めば誰でも使える」

「アニメかよ……」

 

 なぜか呆れた声を出された、解せぬ。

 まぁ、そこまで分かっているなら褒美として見せても違和感はないだろう。

 

「これが私のギフトカード、大したことは書いてないけど……」

 

 手の中のギフトカードをチラ見して、ギフトの名前や数に変化がないことを確認してから逆廻さんに手裏剣のように投げ渡す。

 

「どれどれ?」

 

 それを難なくキャッチした逆廻さんは、黒ウサギさんとジンさんにも見えるように持って確認する。

 

 <大和 ティア>

 ギフトネーム【自己封印】

 

「あ? 何だこりゃ……」

「自己封印? 名前から察するに自身の力を抑制するものなのでございますか?」

「そのギフトのせいで、他のギフトの名前が表示されない」

「ふ~ん? これ、解除できねぇの?」

「……どうやると思う?」

「それを知ってるのはお前だけだろ?」

「……私だけ見せるのは、不公平!」

「じゃあ俺のもほい、正体不明。じゃ、次はお前の番!」

「正体が分からないのはお互い様!」

「あの~、お二人共?」

 

 どうやら自己封印は解除できるのを感ずかれているようだ、嘘をつかない程度の誤魔化しが通用しない。

 何故ここまで、能力を詮索してくるんだ?

 

「どうして……そこまで知りたいの? 今の逆廻さんは、いつもの逆廻さんらしくない」

「あぁ? ……この際ハッキリ言ってやる。お前……俺達の事を仲間だと思ってねぇんじゃねぇか?」

「――ッ‼」

 

 どうして……どうして……?

――()()()()()()()()()()()

 

「何を言ってるのですか十六夜さん⁉ ティアさんはノーネームの為に、ギフトゲームに参加してくれている大切な仲間なのでございますよ!」

「そうですよ! それに前のガルドとのギフトゲームの時だって、自分が傷つくのを顧みずに春日部さんを守ってくれたじゃないですか!」

 

 黒ウサギさんとジンさんが私をかばってくれている、でも相手はあの逆廻さんだ。

 どこまで私のことを理解しているのか分からない。

 

「わーたよ! 順を追って説明してやる。まず違和感を感じ始めたのは、自己紹介の時からだ」

「そんなに早くからなのでございますか⁉」

 

 つまりは、最初っから? 私は……上手くできていたと思っていたのに。

 

「お前の趣味は生物観察で人間も観察するって言ってたが、観察するもんに優先順位があるんだろ? 一番優先されるのは、人ってところか」

「そう……最優先は人」

「お前が人以外を観察してるとこを見たことない、それは人がなによりの観察対象だからだ。まぁ、これだけなら変わったヤツってだけなんだがな」

 

 そうだ、人が人を観察することは決して珍しいことじゃない。

 逆廻さんは私の何を見たんだ?

 

「お前は大抵、誰よりも後に行動していた。それは俺達を観察して、それを真似してたからじゃねぇか?」

「それはたんに、十六夜さん達の行動が奇天烈すぎるだけでは⁉」

「ま、それもあるだろうな!」

 

 黒ウサギさんがツッコミを入れるが、逆廻さんに気にした様子はない。

 ……これまで得た常識は、全て力を持たない子達のもの。

 逆廻さん達と一緒に召喚された以上、不審な行動をしないためにも新たな力を持つ子達の常識が必要だった。

 耳を引っ張ったり、扉を壊したり、そんな常識は持ち合わせていなかったのだ。

 

「んで、三つ目。あれは水樹から水を出した時だな、お前おチビの言葉に反応してただろ?」

「ぼ、僕の言葉にですか?」

「ああ、”ギフトゲームに参加しなくてもコミュニティを大きくできる”。その言葉をおチビが呟いた時に、コイツはおチビの方を向いていた。そん時はコイツもおチビの考えが甘めぇと感じたんだと思ったが……さっきの違和感と照らし合わせて考えるに、コイツは俺達にギフトゲームをしてほしいみたいだぜ?」

「ギフトゲームを?」

「人の中でも、強ぇヤツを観察したいと思ってるってことだ」

 

 私が逆廻さんを観察する以上、逆廻さんからも私が見えていたという事か。

 逆廻さんの言っている事は、ほぼ合っている。

 そこまで見られるほど私の行動がおかしかったのか、逆廻さんの感が鋭すぎるのか。

 力を持つ子達のことを良く知れるのはその力を使っている時、つまりはギフトゲーム中に相違ない。

 箱庭に来たのは力を持つ子達の観察のため、そのためにはギフトゲームに参加した方が沢山の子を観察できるに違いないと思っていた。

 

「これら三つの事を合わせると、こいつは俺達を見て、真似て、知ろうとしてるって事になる。だがこれは俺達の事を知って仲良くしようとしてる行動じゃねぇ、逆に用心してるヤツの行動だ」

「用心……でこざいますか? ですが、いったいなぜ?」

「だからさっき言っただろ、コイツは俺達の事を仲間じゃなくて警戒対象として見てるってことだ。違うか?」

「……違わない」

 

 逆廻さんの言うとおりだ……。

 私は一度たりとも逆廻さん達に気を許したことはない、そしてこれからも……。

 

「あの、ティアさん……」

 

 ジンさんは今の逆廻さんの話を聞いて、どう思ったのだろうか……。

 仲間ではない私はノーネームにとって、どう見えているのだろうか……?

 

「その、すみません!」

「ジン坊っちゃん……」

 

 え……?

 

「どうして、謝るの……?」

「僕はコミュニティのリーダーなのに、ティアさんの気持ちに気づいていませんでした。コミュニティには信頼関係が大切なのに……僕は……」

 

 まさか、私がコミュニティで信頼関係を築いていないことに……責任を感じているのか?

 それは違う、これは個人でどうにかなる問題じゃない。

 なのになぜ……ジンさんが謝るの?

 

「……どう、して?」

「おチビにとって、お前はもう大切なコミュニティの仲間なんだ。そんなお前が他者を信じられない現状を、本気で悲しんでるんだよ」

「ジン坊っちゃん……」

 

 悲しい……?

 仲間……?

 

「悲しむ必要なんて、ない……」

「いえ! 仲間が苦しんでいるのに、悲しまない人なんていません!」

「私は、ジンさんの仲間じゃない……」

「そんな事ありません! ティアさんはコミュニティの、僕達の仲間です!」

「苦しくなんてない……」

「誰も信じることができないのは、悲しく、苦しい事です。僕達は、ティアさんにそんな思いをしてほしくない!」

「私は、誰も信じない……」

「確かに僕たちは、まだ出会ってから日が浅いです。ですが! この短い時間の中で交わした僕達の想いは、本物です! ティアさんを仲間だと思う気持ちも、仲良くしたいという気持ちも、大切だと思う気持ちも、信じてほしいという気持ちも、全部ホントの事なんです!」

「――」

 

 なんで……どうして……。

 私は誰も信じていない、信じてもしょうがないのに……。

 信じない方が、いい、のに……。

 どうせ……最後には裏切られるだけなのに……。

 

「お願いだから……だれも、わたしを、あいさないで……」

「いやです! 何度だって言います! ティアさんは僕達の、かけがえのない大切な仲間なんだッ‼」

「――ッ‼」

 

 仲間……かけがえのない……大切な……。

 私が……仲間……?

 裏切る……裏切らない……?

 私は……殺されない……殺さない?

 子……母……殺……。

 

「私もです、ティアさん!」

「……黒ウサギ、さん?」

「私が落ち込んでいた時に、ティアさんは仲間との絆を信じることの大切さを教えてくれました……だから、今度は私がティアさんに私達の絆を信じてほしいのですよッ‼」

「仲間、絆……私に?」

 

 私の生まれたわけは、願いは……母になること。

 人としての生も、母になるための情報収集にすぎない。

 いつかは母に回帰する時が来る、そうなれば……全ての子が敵になる。

 その時がいつかは分からない……正体がバレるか、情報収集がすむまで。

 そんな状態で……気を許すなんて……。

 

「ティアさん……?」

「……?」

 

 私の目から……水?

 知っている、これは……涙。

 産まれて初めての……涙。

 あぁ、本当に溢れて止まらないものだったのか……。

 

「なんで……悲しいなんて思ってない。辛いだなんて、ありえない……」

「ティアさん……」

「じゃ、その涙は嬉しいから出てるんじゃねぇか?」

「嬉しい、涙……?」

 

 嬉し涙……嬉しい?

 私が……ジンさんと黒ウサギさんの言葉に、喜びを感じている?

 私を受け入れられる子はいない……私が子に合わせるしかない……。

 仲間になっている内に回帰の時がきたら、私は……。

 

「そこまで俺達と仲間になれねぇのは俺達が信用できねぇからか? それとも何かしらの事情があるからか?」

 

 信用……今まで集めた情報から言えば……信用、できる。

 だけど、この胸のモヤモヤはなんだ……。

 

「教えてくださいティアさん、今度は私がティアさんの迷いを断ち切ってみせるのですよ!」

 

 黒ウサギさん……この子達は約束を守ってくれるに違いない。

 信用も信頼もするわけにはいかない……だけど、手にした情報は嘘をつかない……。

 

「……誰にも話さないと、約束して」

「「分かりました!」」「ああ」

「……私は、貴方達を殺すことになるかもしれない」

 

 私の口から出た言葉が予想外だったのか、黒ウサギさんとジンさんがフリーズする。

 唯一逆廻さんだけが驚きながらも質問を返してくる。

 

「なんで俺達を殺すことになるんだ?」

「私は、正体を知られるわけにはいかない……」

「知られたからには消さなきゃならねぇってことか、俺に勝てるつもりか?」

「勝てる」

「へぇ? 面白れぇ……」

 

 たとえ逆廻さんが相手でも負ける気はない……。

 

「なぜ、正体を隠すんだ? ここは異世界だぜ、お前のことを知っているヤツがいるってのか?」

「……」

「これ以上は言えねぇか……」

 

 私のことをこれ以上探るなら……仲間になる前に……。

 

「……分かりました。ティアさんが嫌がってるのに、無理に聞く気はありませんから」

「助かる……」

「ですが、それでも僕はティアさんと仲良くなりたいです!」

「……ここまで言って、まだ?」

「ティアさんはフォレス・ガロとのギフトゲームの時に、僕達を助けてくれましたし……それに、僕のやるべきことを教えてくれました。そんな優しいティアさんがここまで言うのだからよっぽどのことだと思うんです……」

「今度は、優しい……」

 

 私は、どうしてしまったのか……。

 私が優しくて、ジンさん達と一緒にいることを望んでいるなんて……。

 一度は拭った涙がまたあふれ出てくる。

 そうか、私は……変わってしまったのだな……。

 

「私は……ジンさん達と一緒にいたい……! ジンさん達が私を裏切る日まで、私が……ジンさん達と一緒にいられる日常を、守るッ‼」

 

 私は……この気持ちを受け入れる。

 たとえ叶わぬ愛だとしても、それでもこの子達だけは愛してみせる!

 涙が止まらないのに……頬が上がるのが分かる。

 これが……子供達を思いやる気持ち。

 久しく感じることのなかった……大切な気持ち。

 

「私は、この気持ちを……ジンさんも、黒ウサギさんも、逆廻さんも、飛鳥も、春日部さんも、ノーネームの子供達も……仲間として守ってみせる!」

「「――ッ! ありがとうございます! そしてこれからもよろしくお願いします、ティアさん!」」

「へっ、俺を守るね。できるもんならやってみろ!」

「うん……守る」

 

 皆と仲良く過ごす日々を長引かせるために……。

 今いる大切な子供達を失わないために。

 

「それで、これからどうするんだ?」

「……?」

 

 どうする……?

 

「人真似がばれちまった以上、もう俺達の前で真似しても仕方ねぇだろ? そうだお前、本は読むか?」

 

 逆廻さんからの唐突な質問に、首を横に振る。

 人を見る事以外での空き時間は、ほとんど友達に渡されたアニメを見ていた。

 読んだ事のある本は、絵本や教科書などの最低限のものだけだろう。

 

「読んでねぇのか? 道徳の時間とか、あっただろ? その時、本から人を理解できるとは思わなかったのか?」

 

 ……言われてみればそうかもしれない。

 私は直接的な理解ばかりをしていたが、本、いや、音楽やアニメも、創作物には人の想いが詰まっているのではないだろうか?

 

「それで、俺達の真似事を止める気になったか?」

 

 逆廻さん、いや……十六夜の前で取り繕っても、もう意味などないか。

 ノーネームの子達の前では、私は自分を偽るのを止めよう。

 といっても……人になってから周りに合わせて生きてきたから、なれるまで時間がかかりそうだが。

 

「……分かった、十六夜。改めてよろしく」

「へっ、呼び捨てか」

 

 ニヤリと笑う十六夜の顔を見ながら改めて思う。

 私はずっと周りの常識に合わせて行動してきた。

 でも、これからはある程度自由に行動してみよう。

 前の世界では本を読む子は少数だった。

 本を読む人数的にも、常識に従っていては見えないものが出てくる。

 自由にしていた方が見えてくるものもあるのだろう。

 

「これである程度、自重しなくてもいいだろ? どうだ、ギフトを見せてくれる気になったか?」

「それは無理、私のギフトは秘密に直結している」

「ちぇっ、衝撃波のギフトに石化を防ぐギフト、そしてさっきの自己封印のギフト。一人だけ大量じゃねぇかおいっ!」

「十六夜さんも似たようなもののような……」

「俺は一つだぜ?」

「一つで複数の事が出来てるじゃないですか!」

 

 十六夜の言葉に黒ウサギが、ツッコミを入れる。

 正体不明には、まだ隠された能力があるのかもしれない。

 もしそうならば心強い。

 

「さて、そんじゃ……帰るか」

「ちょっと十六夜さん! まだレティシア様も飛鳥さん達も石化したままですよ!」

「あー? ちっ、めんどくせぇ。おら、起きろコノヤロー」

「ぐっうぅ……」

 

 ルイオスが起き上がるには、まだ時間がかかりそうだ。

 アルゴールは……頭から血が出てるが大丈夫だろう。

 別神とは言えゴルゴーンだからな。

 

「私とジンは飛鳥達を見てくる」

「ん? おう! ジンが変な事しない様に見張っとけ!」

「十六夜さん!」

 

 変な事?

 石化している飛鳥達にできることがあるんだろうか?

 

「何をするの? ジン」

「何もしません!」

 

 

――石化解除後――

 

 

「レティシアに春日部にお嬢様、これで全員だな」

 

 石化された者は、解除してもしばらく気絶した状態になるようだ。

 石化された期間が短い飛鳥と耀はレティシアをより早く目を覚ますらしいが、レティシアは目を覚ますのに少し時間がかかるらしい。

 レティシアは黒ウサギ、飛鳥は十六夜、耀は私がそれぞれおんぶする。

 

「ティアさん、帰りましょう。僕達のコミュニティへ」

「……うん」

 

 

――ノーネーム――

 

 

「おはようございます! 飛鳥さん耀さん!」

「おはよう、どうして私は寝ているのかしら黒ウサギ?」

「確か、きみの悪い声が聞こえて……」

 

 ノーネームに到着後、目を覚ました二人に今までの事を説明する。

 

「そう……そんな事があったのね」

 

 話を聞き終えた二人の前に出る。

 私は二人に、言わなければならない事がある。

 

「私は、二人の事を信頼できてなかった。ごめんなさい」

「それはいいわよ、気にしてないわ」

「うん、私も気にしてない」

「ありがとう。そして、お願いがあるの」

「「お願い?」」

「私と、友達になってほしい」

 

 私がそう言うと、二人はしばし顔お見合わせ私に言った。

 

「私は初めからそのつもりだったわ。改めてよろしくね、大和さん」

「ノーネームに行くって決めた時にした約束、覚えてる? 私達今、友達になったんだよ」

「……ありがとう、飛鳥、耀」

 

 二人と友達になれた事に喜びと感謝を。

 二人も必ず守ってみせる……!

 

「ちょっと大和さん! 何も抱き着かなくても……!」

「……頭なでるのはちょっと恥ずかしい」

 

 二人を抱き寄せ、頭をなでる。

 

「それはそうと十六夜君、何でそんな大事な話を私達抜きでしたのよ!」

「うん、遺憾の意を表明する」

「んん? まぁいいじゃねぇか。それよりもさ、俺いい事思いついたんだよ」

 

 

――ノーネーム・レティシアの所――

 

 

「「「「じゃあこれからよろしく、メイドさん!」」」」

「「「……え?」」」

 

 事前にレティシアの事を十六夜達と話し合って決めた。

 それでレティシアはメイドになった。

 黒ウサギとジンとレティシアは困惑しているが。

 

「え? じゃないわよ。 今回のゲームで活躍したのは私達でしょう?」

「つーか、挑戦権を持ってきたのは俺だろう? つまり所有権は俺達にある」

「なーに言ってんでございますか! ティアさんも問題児様方の真似は止めると言っていたではありませんか⁉」

「うん、だからこれは私の意思。 別にメイドでもいいじゃないかな?」

「うぅ、結局問題児様なのですよ……」

 

 私は問題児だろう。

 じゃなきゃ周りの常識に合わせていない。

 

「うむ、仕方ないな。今回の事には皆に恩義を感じている、君達が家政婦をしろというなら喜んでやろうじゃないか」

「「箱庭の騎士が、メイドさん……」」

 

 

――祝勝パーティ――

 

 

「今回のギフトゲームに負けたペルセウスはサウザンドアイズから追放され、星空からも旗を降ろすことになりました。星に願いをかけるもよし! じっくり観賞するもよし! とにかく、今日は皆で楽しみましょう!」

 

 夜空に浮かぶ星々から、ギフトゲーム前に見たペルセウス座が文字通り流星群となった。

 どうやら星座が旗のようだ。

 

「星空から星座を無くすなんて。あの空の彼方まで、全ては箱庭を盛り上げる為の舞台装置という事なの?」

「そう、みたい」

「驚きましたか?」

「まぁな」

 

 飛鳥も耀も十六夜も、驚きを隠せないようだ。

 私はこれまでこの手の事はどうでもよかったから驚かなかったが、今なら少し分かる気がする。

 

「色々とばかげたもんを見てきたつもりだったが、まだこんなショーが見られるなんてな。おかげで新しい目標が出来た、あそこに俺達の旗を飾る」

 

 十六夜は夜空に向けて手を伸ばす。

 打倒魔王を達成していけば、その願いは叶うだろう。

 星に願いを……か。

 

「どうか、誰も私の正体に近づきませんように……」




 どうでございましたでしょうか?
 彼女と生命が一緒にいたいなら、彼女が変わるしかない。
 ぶっちゃけ、バットエンドすれすれを何とか軌道修正したもの。
 その時その時の気分で書いているせいで、話がおかしくなってしまうぅ。
 アニメもいよいよ半分、この小説も後2,3話の命だぁ。

 小説で初めてルイオスを知った時、彼のことをショタだと思っていました。
 作者的には、ルイオスは少年の方が好みかも。
 悪ガキっぽいし、多少のセクハラも子供(の見た目)だからと受け流しやすくなる。
 それとも、少年だとありきたりなのか……?
 作者の想像力は未だ育たず。

 ちなみにジン君の説得は、ダンガンロンパをイメージしました。

 以上です。
 これからも、つたない小説ですが暇な時にでもよろしくお願いします。
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