この世界で ~白くあり続ける為に~   作:璃鶯

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第11話 ~杞憂となる事を願うけど~

 

2024年、3月6日

第56層・パニ

フィールドボス攻略会議、

 

「フィールドボスを、村の中に誘い込みます!!」

 

なっ!? 村にはNPCがいるのに、そんな事したら・・・

アスナは何考えてるの!

 

それは、キリトも思ったようで、

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ、そんな事したら、村の人達が・・・。」

 

「それが狙いです、ボスがNPCを殺している間に、ボスを攻撃、殲滅します!」

 

「NPCは、岩や木みたいなオブジェクトとは違う! 彼らは・・・」

 

「生きている、とでも?「んなっ・・・」あれはただのオブジェクトです、

 たとえ殺されようと、またリポップするのだから。」

 

アスナの方が優勢だな・・・仕方ない。

 

「私も、キリトに賛成です、

 またリポップすると言っても、人が死ぬのを見ていると士気が下がります。

 自然と自分が死ぬ所に当て嵌めてしまうから。

 

 それに、私の使い魔たちだって、アスナさんの言い方だと、

 同じように扱われる可能性が出てきます、

 たとえば、使い魔を囮にする、帰らぬ覚悟で突っ込ませる。など、

 そう言った事態も、一度プレイヤーとNPCで分けてしまうと起こりやすいです、

 

 もう、その作戦も考えている。とかなら尚更。」

 

「NPCが死ぬ所を見て、そんな簡単に士気を下げさせない為に、

 配慮する事は大事かもしれません、

 

 貴女の使い魔たちは、戦力にもなりますから、そのようには扱いません。

 殺されても、また同じような働きをするNPCだからこその処置です。」

 

「でしたら、ボス攻略にて、撤退する場合、使い魔を犠牲にすればプレイヤー達は生き残れる

 という状況に陥っても、使い魔を犠牲にしろとは言いませんか?」

 

「貴女は、人命とAI制御の仮想世界だけのデータ、どちらを優先するのですか!」

 

「どちらも同じです!! 私にとって、NPCも、AI制御でも!!」

 

「と、とりあえず、2人とも落着けって。 

 でも、俺は村に誘い込むという作戦には従えない。」

 

キリトが間に入ってくれたから、落ち着いたけど・・・

確かにこの流れはまずかったね・・・。

 

「私も同じです、NPCを犠牲にする作戦には、従えません。」

 

「今回の作戦は、私、血盟騎士団、副団長アスナが指揮を取る事になっています。

 私のいう事には従って貰います。」

 

攻略会議は、結局平行線を辿り、後日、と言う事になった。

NPCでも人が死ぬ所見たく無いんだけどな、 アスナも引かないだろうな・・・。

 

「よう、また揉めたな。」

 

「「エギル・・・」」

 

「お前さん達と、副団長さんは、どうしていつもああなんだ?」

 

「きっと気が合わないんだろ。」

 

「キリトに同意。

 

 アスナに、強くなれるから、信頼できる人にギルドに誘われたら断らない方が良い、

 ソロには限界があるから 

 

 って言ったけど、まさかトップギルドで、攻略の鬼になるとは・・・」

 

「そんな事言ってたのか? いつ?」

 

「一層ボス攻略の前日、宿に行く途中だよ。」

 

「へぇ・・・」

 

 

 

その後、そのボスは一応無事倒された。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

4月11日、第59層・ダナク

 

今日は天気が凄く良い!

と言う訳で、キリトと話て、今日は迷宮区に潜るのをやめて貰った。

 

まぁ、キリトも同じ考えしてたらしく、2人そろって昼寝する事に!

私は木の上で寝るのが好きだけど、キリトは木陰に寝っころがる方が好きらしい。

 

昼寝してる最中、PKされる可能性もあるんだけど、セツとキリカがいるから安心だし。

今日は朝からお弁当持ってきてるから、後で此処で食べよう!

 

と言う訳で2人でお昼寝してたら、

アスナがやって来て・・・

 

「なにしてんの?」

 

「んぁ・・?  なんだ、あんたか。」

 

「攻略組の皆が必至に迷宮区に挑んでいるのに、なんであんたは、

 のんびり昼寝なんかしているのよ! いくらギルドとかに所属してないって言ったって、

 もっと真面目に!  ハクは何やってるのよ!」

 

どうやら、アスナはキリトだけに文句言ってて、私には気づいてない見たいだね・・・。

 

「ハクならそこの木の上にいるぞ。」

 

あ、キリト! 余計な事言うな!

 

「ハクまで寝てたの!? 2人そろってのんびり昼寝なんかして、

 迷宮区に挑もうって気は無いの!?」

 

「今日はアインクラッドで最高の季節の、更に最高の気象設定だよ。

 こんな日に迷宮区に潜ったら勿体無いって・・・!」

 

「ハクと同じく・・・」

 

「あなた達ね、分かっているの?こうして一日無駄にした分、

 現実での私達の時間が失われているのよ?」

 

「でも今、俺達が生きているのはこのアインクラッドだ。」

 

「そうそう、現実では出来ない事、やって見るのも良いと思うよ。」

 

「現実ではって・・・昼寝を?」

 

「いいや、日光浴、かな?」

 

「日光浴? そんなの、現実に帰ってからやればいいじゃない。」

 

「出来ないから嫌なんだよ・・・。」

 

ま、アルビノの事、アスナがどれだけ知ってるか知らないけど、

現実じゃ、私は日光浴なんて出来ないから。

 

とりあえず、木から降りようか、このままだと話にくい・・・

 

「っと・・・ ほら、こんなに日差しも風も気持ちいいのに・・・」

 

「ハク・・・あなた・・・」

 

「ん?」

 

「キリト君と違って普通の恰好してるのね・・・」

 

今の私の恰好は、七分丈のジーパンと白いTシャツに白と桜色のチュニックを合わせた物。

そういえば、アスナと会う時は攻略会議とかの時くらいだもんね。

いつもの白い和服しか知らないか・・・。

 

「和服は目立つから、普段は着てないよ~

 キリトは常時黒コートだけど。」

 

「俺は良いんだよ・・・ 別に・・・。」

 

「はぁ、ハクは完全に休日モードと・・・」

 

「うん!アスナも寝っころがってみれば良いよ!気持ちいいよ!」

 

それだけ言って、私は木の上に戻って、お昼寝再開~!

 

*―――――――――――――――――――――*

 

「ふぁああ・・・今何時・・・」

 

視界の隅にある時計を見ると、今は12:30。 お昼には丁度良いね!

お昼ご飯出す為に、下に降りようとして下を見ると。

 

「何でアスナが寝てるんだろ・・・」

 

寝っころがって見れば良いとは言ったけど、ホントに寝るとは・・・

キリトも、起きて、横を見て驚いてる、そりゃそうか・・・。

 

「おはよう、キリト、」

 

「おはよう・・・ なんでアスナが寝てるんだ?」

 

「寝っころがって見ればいいって言ったから。 

 ホントに寝るとは思わなかったけど・・・。」

 

「ハクのせいか・・・」

 

「うぅ・・・ あっ! そうだ! サンドイッチ食べる?」

 

「食べる!」

 

話題転換成功!

 

急いで木から降りて、

ストレージからお昼用に作ってたサンドイッチを2個オブジェクト化、

1個をキリトに渡す。

 

「「いただきます!」」

 

サンドイッチって、ソース塗ったパンに野菜とかを挟むだけで作れて、

美味しいから楽だよね・・・

 

今日作ったのは、トマトっぽい物とレタスっぽい物とチーズを挟んで、

自作のマヨネーズ風味の物で味付けした物。

まだまだ現実の味とは程遠いなぁ・・・。

塩と砂糖は粗方出来たけど、

“さしすせそ”全制覇&マヨネーズ、ケチャップ、ウスターソースやみりんetc... 

作りたい物はまだまだあるからなぁ・・・。

 

「ごちそうさまでしたっ!」

 

「食べるの早いねぇ・・・」

 

「美味しかったから! また作ってくれ!」

 

「了解・・・」

 

まだ自分では納得できて無い味だけど、キリトには好評で・・・。

 

「ごちそうさまっと・・・

 キリト、アスナどうしようか・・・ 起こすの悪いし・・・」

 

「あぁ、アスナって、索敵持ってると思うか?」

 

「持ってないと思うよ・・・。睡眠PK・・・だよね・・・」

 

「あぁ。」

 

睡眠PK、それは、安全な圏内でも、デュエル中はHPが減ると言うシステムを利用したPK方法。

寝ている相手にデュエル申請をし、相手の指を勝手に動かして承認。

そのまま一方的に攻撃する・・・。

よく考え付いたよ。全く・・・

 

「だとすると、置いて行くのは無しだし、起こすのもねぇ・・・」

 

「あぁ・・・。」

 

「仕方ないか~・・・」

 

*―――――――――――――――――――――*

 

自分だけ帰ろうとするキリトを無理やり引き止め、

スキル構成などの話し相手になって貰ってたんだけど、

アスナは夕方になっても起きなくて・・・

 

「ふぁぁあ・・・ お日様が沈んでく・・・」

 

「そりゃあ、太陽は沈むだろ・・・もうこんな時間だし・・・」

 

「くしゅんっ!」

 

不意に可愛いくしゃみが聞こえて、

アスナがようやく起き出して、辺りをきょろきょろ見渡して、

ようやくこっちに気付いた。

 

「へっ・・・ なっ!? ど、ど・・・」

 

「おはよう、よく眠れた?」

 

「そりゃあ、こんな時間まで寝てたんだから寝れたでしょ、おはよう、アスナっ!」

 

2人でそう言ったら、アスナが腰のレイピアに手を掛けて、

鍔から数センチ引き出した・・・

 

「「う、うわっ!!」」

 

急いで、キリトと一緒に座ってた石壁の裏側に飛び降りた、

圏内でも、切られるのは遠慮したい。

 

アスナは、震えながらも、レイピアから手を放して、呟いた。

 

「っく・・・  ご飯一回・・・」

 

へ? 

なんでご飯?

 

それはキリトも同じだったようで、

 

「・・・は?」

 

キリトは口に出してるよ・・・。

 

「ご飯、なんでも幾らでも一回奢る! それでチャラ、どう?」

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そして、アスナに言われるがまま、

キリトと一緒に57層、マーテンにある、レストランに来た・・・

結果、

 

「血盟騎士団のアスナじゃないか?」

 

「向かいにいるのが、あの白姫じゃないか? 」

 

「じゃあ、その隣にいる黒ずくめの奴が・・・」

 

そんな感じで、周りの注目を浴びる訳で・・・

私はいつもの和服じゃないのに・・・ 髪色のせいか?

 

「ま、何て言うか、今日は、ありがと、ガードしてくれて・・・」

 

つまり、アスナが誘ったのは、ガードのお礼って事だったのか・・・

 

「あそこは圏内だったけど、寝ている間だけは別だし・・・」

 

「ああ、睡眠PK。 だから私達も、寝る時はセツかキリカに索敵して貰ってるし・・・。」

 

「寝ている間に一方的に攻撃・・・そんな事件があったから・・・

 だから・・・その・・・ありがと・・・」

 

「「ま、まぁ・・・ どういたしまして・・・」」

 

「君たちって、ホント良くハモるよね・・・」

 

「「そうか?  ―――あ。」」

 

「ほらっ! 」

 

「別にやりたくてやってる訳じゃないんだけどねぇ・・・」

 

「ハクに同意・・・」

 

そんな中、突如響いたのは。

 

『きゃぁぁあああああああああああ!!』

 

大音量の悲鳴・・・ 何があった!?

 

急いで椅子から立ち上がると、アスナもキリトも同じ様に立ち上がってた・・・

行くしか、ないよねっ!!

 

急いでレストランの外にでて、声のした方に向かうと、

 

見えたのは、教会の窓から出ているロープに吊るされ、赤い槍を胸に刺した、

重厚そうな鎧を着た人・・・

 

「速く抜けっ!!」

 

キリトが叫んだ声が聞こえたのか、キリトの方を見たあと、槍を抜こうとしているが・・・

槍にはいくつものかえしが付いた刃の為か、中々抜けないようで・・・

 

「セツっ! ロープを噛み切って!!」

 

そう命じた瞬間、セツは巨大化して、

彼を吊るしてたロープを噛みきろうとしたが、

 

遅かった。 

 

セツがロープに牙を掛ける前に、彼の体は力を無くし、ポゴリンの欠片となり散った・・・

彼の胸に刺さってた槍は、地面に突き刺さり、

ロープは壁に当たった。

 

また、大きな悲鳴が聞こえ、アスナは急いで建物の中に入って行った、

 

 

圏内で死ぬとしたら、デュエルに敗れる以外に無い。

 

「みんなっ! デュエルのウィナー表示を探せっ!!」

 

キリトはそう叫ぶけど、辺りにウィナー表示は見つからない・・・」

 

「中には、誰もいないわっ!!」

 

アスナが、ロープが出てる窓から言う・・・

 

とりあえず、槍を拾って教会の中に入ってみるけど、

括り付けられたロープが窓から外に出てるだけ・・・。

 

「どういう事だ・・・ これは・・・」

 

「普通に考えれば、デュエルの相手が被害者の胸に槍を突き刺してロープを首に引っ掻けて、

 窓から突き落とした、という事になるのかしら?」

 

「でも、ウィナー表示がどこにも出なかった。」

 

「有り得ないわ、圏内でダメージを与えるには、デュエル以外の方法は・・・」

 

はぁ、2人はこの事を話し合ってるから・・・その間に私は情報収集でもするか・・・

セツを見られてる以上、私が白姫である事は完全にばれてる。

なら、白姫の姿で言った方が効果があると思うから、

いつもの和服に着替えて準備完了ー

 

キリトは、余計な事言ってアスナに思いっきり手を握りしめられてるけど無視っ!

 

「えっと、悪いんだけど、さっきの一件を最初から見ていた人、

 いたら話を聞かせてくれない?」

 

キリト達も教会から出てきたけど・・・

 

誰かいないかな・・・?

 

そうすると、紫色の髪を下女の子が1人私達の前に出てきた・・・

 

「ごめんね、怖い思いをしたばっかりなのに・・・

 あなた、お名前は?」

 

流石アスナ・・・すごい優しい声・・・

 

「あの、私、ヨルコって言います、」

 

「もしかして、最初の悲鳴も、君が?」

 

「あ、はい・・・私、さっき、殺された人と、一緒に、ご飯食べに来ていたんです。

 あの人、名前は“カインズ”って言って、昔、同じギルドにいた事があって、

 でも、広場で逸れちゃって、周りを見渡したら、いきなり、この教会の窓から、

 彼が・・・  っつ・・・ ぅぅっ・・・」

 

そう言って、ヨルコさんは泣き出してしまった・・・

無理も無いか、目の前で、良く分からない状況で知り合いが殺されてしまったんだから・・・。

 

「その時、誰かを見なかった?」

 

アスナが、彼女の背中を摩りながら聞くと、

 

「一瞬なんですが、カインズの後ろに、誰か、立っていた様な気が、しました・・・。」

 

「その人影に見覚えはあった?」

 

「その・・・嫌な事聞くようだけど、心当たりはあるかな?

 カインズさんが、誰かに狙われる理由に。」

 

と、2人が聞いたけど、彼女は首を横に振るだけ・・・

 

そのままヨルコさんを帰す訳には行かず、彼女を宿屋まで送りとどけ、

明日また話を聞く事になった。

 

「さて、どうする・・?」

 

「手持ちの情報を検証しましょう。」

 

「りょーかい。 でもさ、2人とも、私必要無くない?  

 2人だけで十分な気が・・・」

 

「だめだよ! 3人よれば文殊の知恵だよ! ハクも解決まで協力して!」

 

「えぇ・・・ 昔の人も厄介な言葉残したね・・・」

 

「“ちゃんと”! 協力してもらいますからね!!」

 

「はいはい・・・ 私に出来る事なら・・・」

 

「じゃあ、本題に入るけど。

 あのスピアの出所が分かれば、そこから犯人を追えるかも・・・」

 

「となると、鑑定スキルがいるな、ハクは上げてないだろうし、

 お前・・・あげて・・・ る訳無ないよな・・・。」

 

「当然、君もね、

 

 ていうか、その、お前って言うのやめてくれない?」

 

「ん、んあぁ・・・

 

 じゃぁ、えっと・・・ “貴女”?」

 

キリト・・・アスナに思いっきり睨まれてるよ・・・。 

 

「“副団長様”」

 

やっぱり睨まれ続け・・・。

 

「“閃光様”」

 

キリトの馬鹿・・・。

 

「はぁ、 普通にアスナで良いわよ。」

 

アスナが折れたか・・・キリト・・・ホントにバカだ・・・。

 

「りょ、了解・・・。

 

 で、鑑定スキルだけど、フレンドとかに、当ては?」

 

「んー 友達で武器屋やってる子が持ってるけど、今は一番忙しい時間だし、

 すぐには頼めないかなぁ・・・」

 

「そうか、じゃあ、俺の知り合いの雑貨屋にでも頼むか・・・。」

 

エギルだな・・・。

 

「ハクに知り合いは・・・?」

 

「私の交友範囲はほぼキリトと同程度です・・・

 その雑貨屋で良いと思いますー」

 

*―――――――――――――――――――――*

 

50層・アルゲード

 

「はぁ・・・この街あんまり好きじゃないんだよね・・・。

 よくキリトはこんな所に住もうって思えるよ・・・」

 

「利便性を考えたら、この街が一番だったんだよ!

 ハクの住んでる所なんて、主街区から離れてるし、いちいち行くの面倒だろ!」

 

「私にはセツがいるから、移動はそこまで苦じゃないし!

 それ以外は良い所じゃん! 外れの方にあるけど、ちゃんと圏内だし、

 周りだって、47層ほどじゃないけど花とか綺麗だし!」

 

私が住んでるのは、38層の、主街区から離れた小さな街の外れの所、

周りが草原と花畑、少し離れた所に湖があるのが気に入って買った、

規模としては中の上位の大きさの、2回立てのログハウス。

1人で住むには大きい家だけど、街から離れてるせいかかなり安かった。

 

「へぇ、キリト君の家、此処にあるんだ・・・

 でも、ハクの家って想像できないね・・・」

 

「なんでよ! 良い所だよ! 景色綺麗で!」

 

「じゃ、今度遊びに行くねっ!」

 

「別に良いけど、迎えに行った方が良いかもね、主街区からかなり離れてるから。」

 

「そんなに遠いの?」

 

「まぁ、そこそこ、来るんだったら、セツに乗せてあげるよ!」

 

「ちょ、ちょっと待て!! アスナ、セツに乗るんだったら、かなりの覚悟しとけよ・・・。」

 

「「え? なんで?」」

 

「アスナはともかく、なんでハクまで!!

 セツは速すぎるから! 絶対いきなり走らせるなよ!」

 

「セツちゃんって、そんなに早いの?」

 

「下手なジェットコースターより怖い。速い。」

 

「別に落下したりする訳じゃないんだし・・・

 そこまで怖くは無いと思うよ?」

 

「十分怖いだろ!!」

 

そこまで怖くは無いと思うけど・・・

キリトはジェットコースターとか苦手なのかな?

私はジェットコースターとか乗ったこと無いから分からないけど・・・。

 

「まぁ、ほら、エギルの店着いたから、アスナが私の家に来るかはまた今度ねっ!」

 

キリトが、エギルの店に入りながら

 

「相変わらず、阿漕な商売しているようだな。」

 

入店早々それは無いでしょ・・・

まぁ、直前に店から出てきた人の様子だと、仕方ないけど・・・

 

「よう! キリト・・・とハクか、

 安く仕入れて安く提供するのが、ウチのモットーなんでね」

 

「後半は疑わしいもんだな」

 

キリトに同意ー・・・ 

 

「何を人聞きの悪い事を。」

 

その時、後ろからアスナも入って来て、

エギルは、キリトをカウンター裏に引っ張って、

 

「ど、如何したキリト! 

 ハク一筋のお前が、しかもアスナと一緒とはどういう事だ!?」

 

私とアスナは、後ろで苦笑いするしかないけど・・・。

どういう意味だよ・・・

*―――――――――――――――――――――*

 

その後、事情を話したら。

 

「圏内でHPが0に? デュエルじゃないのか?」

 

「だが、ウィナー表示が発見できなかった。」

 

「直前までヨルコさんと歩いていたのなら、睡眠PKの線も無いしね・・・。」

 

「突発的デュエルにしては、やり口が複雑すぎる。

 事前に計画されたPKであるのは、確実と思って良い。」

 

「そこで、こいつだ。」

 

エギルが鑑定を開始して、数秒後

 

「プレイヤーメイドだ。」

 

「本当か!?」

 

「誰ですか!? 作成者は?」

 

「グリムロック・・・ 聞いた事ねぇな・・・

 少なくても、一線級の刀匠じゃぁねぇ、それに、武器自体も特に変わった事は無い。」

 

「でも、手がかりにはなるはずよ。」

 

「一応、固有名も教えてくれ。」

 

「えっと、“ギルティソーン”となっているな・・・“罪の茨”ってとこか・・・」

 

「罪の・・・茨・・・     

 

 

 よし・・・」

 

キリトがそう言って、ギルティソーンを逆手に持ち替え、

自分の右手に突き刺そうとして・・・

 

「っ!? 待ちなさい!!」

 

アスナがその手を掴んで止めた。

 

「なんだよ?」

 

「なんだよじゃないでしょ!? バカなの!? その武器で実際に死んだ人がいるのよ!?

 ハクだってなんか言ってよ!! さっきから黙ったまんまだし!!」

 

そういえば、そうだな・・・ 事情説明だって2人に任せてたし・・・。

 

「いや、でも、試してみない事には分から無いだろ・・・。」

 

「そういう無茶はやめなさい!! これは、エギルさんが預かっててください!!」

 

そう言って、アスナはエギルにギルティソーンを渡した、

 

「お、おう・・・」

 

「ハクも、止めてくれたって良いじゃない! 何考えてるのよ!」

 

考えてる事・・・・少し突発的かもしれないけど、言って見るか。

 

「あのさ、確認なんだけどオレンジギルドとかがPKする目的ってさ・・・」

 

「はぁ? 人を殺す事に狂喜を感じてるからでしょ? 有り得ないよ。全く・・・」

 

「そっちじゃ無くて・・・ アイテムとかを奪う為にPKする集団・・・

 

 彼らは、人が死んだ時、

 足元に落ちる所持アイテムを狙ってるんじゃなかったっけ・・・。」

 

「「「えっ?」」」

 

「だけど、カインズさんが死んだ時、何も落とさなかった。

 それは、ただ彼がほとんど物を持って無かったって場合もあるけど・・・」

 

「彼は、死んでないって言うの? だって、確かに死亡エフェクトが出て、

 彼の姿は何処にもなかったじゃないの!!」

 

「うん・・・ だから私もまだ考えてるんだけど・・・

 まあ、今度彼の名前を生命の碑に見に行くしかない・・・よね・・・。」

 

「えぇ・・・」

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そうして、続きはまたヨルコさんの話を聞いてから。となって、今日は解散になったんだけど。

なんかこのままじゃ終わらない気がする・・・。

今回の予感は、当たらないと良いなぁ・・・

 

 

 

 

・・・~其の予感は事実となるのか杞憂で済むのか~・・・

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