この世界で ~白くあり続ける為に~   作:璃鶯

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第15話 ~雪と水晶と竜と穴~

 

 

 

アスナが、此処、48層に良い腕の鍛冶屋さんがいるって聞いて、

キリトと一緒にやって来たんだけど・・・

 

水車が付いた“リズベット武具店”

 

「ココ・・・かな?」

 

「そうじゃないか? 水車あるし、看板もリズベット武具店ってなってるし。」

 

「良い家だね・・・川とか、街の雰囲気とか。」

 

「そうか?雰囲気はともかく、ハクの家だって川とか湖とか近いじゃないか。」

 

まぁ、確かにそうだけど・・・

こういう街中の水路みたいに流れてるってのも素敵だなって事で・・・

でも、キリトに言っても無駄だろうから諦めるけどね・・・。

 

で、そのお店に入る・・・

 

へぇ、結構いい感じのお店だね。

リズベットって、やっぱりプレイヤー名かな?

女の子なら納得が行くね、

レイアウトに凝ってるって言うか・・・

他のプレイヤーの店と違って、

機能性だけじゃなく、雰囲気とかにも気を使ってるって感じがするよ。

 

ま、キリトはそんなのお構いなしに武器の入ったショーケース覗いてるけど・・。

 

「リズベット武具店へようこそっ!」

 

そう言って、店の奥のドアから入って来たのは、

ショートカットのピンク色の髪に、ピンクの目をした子

やっぱり女の子だったねっ!

 

「初めまして、ハクって言います、オーダーメイドで、武器を頼みたいんですが・・・。」

 

「お、俺も同じく・・・」

 

彼女は、私達の姿を見た後、

 

「今、ちょっと金属の相場が上がっておりまして・・・」

 

と言った、ちなみに私の今の服は、桜色を基調とし、

一部に薄萌葱色の入ったワンピース。

 

和服は、凄く目立つから、戦闘時以外は着ないようにしてるんだよ・・・

とにかく目立つから・・・。

キリトは・・・いつも通り。

 

確かに、私達の服装は、中層プレイヤーに見えなくもない。

予算の心配するのも当然かもね・・・。

 

「予算は気にしなくて良いから、今作れる最高の剣を作ってほしいんだ。」

 

キリト・・・言い方って物を考えなよ・・・

 

「そう言われましても・・・具体的に、性能の目標値とかを出して貰わないと。」

 

「あぁ、成程・・・ それなら、この剣と同等以上の性能って事でどうかな?」

 

「ん? あ、はぁ・・」

 

馬鹿っ!あの剣はっ!

 

「うわっ!!」

 

ほらっ・・・かなり重いから・・・

 

リズベットさんは、剣をカウンターに置いて、性能を見てるけど・・・

あの剣は50層ボスのラストアタックボーナスの剣・・・

 

魔剣級の剣だったはず・・・。

 

「作れそう?」

 

考え込んでる彼女に、キリトがそう問うと、

 

「これならどう?私が鍛え上げた中でも、最高傑作よ。」

 

そう言って、キリトに剣を渡して、

それを受け取ったキリトは、少し素振りをしてみて、

 

「少し軽いかな・・・」

 

「使った金属が、スピード系の金属だからね。」

 

へぇ、私向きかな?後で見せて貰おうっと、

 

ところが、キリトは、

 

「ちょっと試してみても良い?」

 

と言って、自分の剣の腹にその剣を当てて・・・

叩き折った・・・

 

「きゃぁあああああああああ!」

 

リズベットさんは、そう悲鳴を上げてキリトから剣を引ったくって、

 

「修復、不可能・・・」

 

彼女がそう言うと、剣はポゴリンとなって消え失せて。

 

「このバカキリトーーー!!」

 

そう言ってキリトを殴っちゃった私は悪く無い、はず。

 

「あの剣、スピード系って言ってたし、

 リーチの割には軽めって、かなり良さげな剣だったのに。

 

 何叩き折ってるのさこのバカはっ!!」

 

そう怒鳴りつけてると、リズベットさんは、キリトの胸元掴んで、

 

「何て事するのよーーーーっ!!」

 

と怒鳴りつけていた。リズベットさんは悪くない、悪いのはこのバカキリト。

 

「うわぁ 悪い! まさか当てた方が折れるとは思わなくて!」

 

おいバカキリト・・・

 

「それはつまり、あたしの剣が思ったよりやわっちかったって意味!?」

 

そう言う事になっちゃうでしょ・・・

 

「あぁ・・・まぁ、そうだ。」

 

「開き直んなバカ!!」

 

そう言ってもう一発殴っても、別に悪くないはず。

 

「言っておきますけどね、材料さえあれば、あんたの剣なんてポッキポキ折れちゃうくらいの、

 いくらでも鍛えられ得るんですからねっ!!」

 

「ほほぉ・・・それはぜひお願いしたいね、これがポキポキ折れる奴をね。」

 

またそう言って逆なでするような事言う・・・

 

「そ、そこまで言ったからには全部付き合って貰うわよ!」

 

「全部?」

 

「そう、金属取りに行く所からねっ!!」

 

「俺達だけで十分だよ、足手まといになられても困るしな・・・」

 

「バカにしないでくれる? 私これでもマスターメイサーなんだけど。」

 

へぇ、生産職で、そこまで上げてるとは、中々だね・・・

 

「へぇ、金属のあては?」

 

「55層にある西の山に、水晶を餌にするドラゴンがいるらしいの、

 そいつがレアな金属を体内にため込んでるって噂よ。」

 

55層、西の山か・・・氷雪地帯だったよね、たしか。

 

「55層か・・・やp「金属を手に入れるには、マスタースミスがいないとだめらしいわよ、

 それでもあなた達だけで行くつもり?」 はぁ・・・陰でおとなしくしてろよ。」

 

「なっ、あんたねぇ・・・」

 

「俺の名前はキリト、剣が出来るまで、ひとまず宜しく。」

 

「宜しくキリトっ!」

 

「いきなり呼び捨てかよ・・・ま、いいけどさ、リズベット。」

 

はぁ・・・

 

「あのさぁ、2人で盛り上がってるけど、私を忘れてるよね、2人とも。」

 

「あ、悪い。」

 

「別に良いけどさ・・・私も一応付いて行くよ、金属取りに。」

 

「ああ。」

 

キリトの承認も得たし、良いよねっ!

 

「と言う訳で、さっきも言ったけど、ハクです。宜しくお願いねっ、リズベットさん。」

 

「え・・?」

 

え、なんでそんな以外そうな顔を・・・

 

「あの・・ダメだった?」

 

「いっ、いいえっ!! ただ、キリトと一緒にいたから、

 同じような人だと思ってたのに・・・ちゃんとした人で・・・」

 

「それは俺がちゃんとして無いって事か?」

 

「そりゃあ、売り物の剣を叩き折る人はちゃんとしてない人でしょうが。

 リズベットさん、こんなのと一緒にしないでくれるとありがたいです・・・」

 

「す、すみませんっ!一緒にしちゃって。

 

 あと、私の事はリズって呼んで下さいっ!」

 

「了解っ、宜しくね、リズ。」

 

「あ、あの、ハクさんの剣はどうしたら・・・」

 

「ああ、キリトのが終わったらで良いよ。

 それから、ハクで良いよー」

 

「あ、はいっ!」

 

と言う訳で、金属採取に出かける事に・・・

 

*―――――――――――――――――――――*

 

と言う訳で、戦闘姿に着替えて・・・ポーションとかの消耗品も不足は無い事を確認して、

 

準備完了っ!

 

「セツっ! キリカっ! 準備できたっ?」

 

「にゃっ!」

 

「(コクッ)」

 

セツにもキリカにも準備なんて無いはずだけど、念の為。

 

装備は、

この間新しくした装備“霞草の花衣”と言う・・・

やっぱり白い和服を着ている。デザインや色が多少変わったりはしてるけど、

キリトの黒コートと同じくらい変化が少ない・・・

 

(ちなみに、この服もキリカが持ってきてくれた。)

 

しかし、向かう先が氷雪地帯だから、このままじゃ寒いかなと思って、

 

やっぱりキリカがくれた、白と若菜色の羽織・・・“雪笹の羽織”を着ている・・・

比較的厚手の羽織で、かなり温かい。

 

じゃ、準備もできたし、向かいますかー

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そうして、キリトとリズに合流して、

55層に転移、西の山、到着・・・うわぁ、真っ白っ!

 

一面、雪っ!氷っ!!雪っ!岩っ!

 

皆で山を登ってくけど・・・あぁ、やっぱり羽織着て来て正解・・・。

 

だけど、リズはココが氷雪地帯だって事を知らなかったらしく、

さっきからクシャミばっかりしてる・・・

 

「ねぇ、キリト、予備の羽織る物とか持ってない?」

 

私は、基本的に使わない服は家に仕舞って置いてるから、持ってないんだよね・・・

 

キリトは、1つ、黒いフード付きのマントを出してくれた。

これなら温かいねっ!

 

「はいっ、コレ着ると良いよ。」

 

「キリトは、大丈夫なの?」

 

「俺は鍛え方が違うからな。」

 

はぁ、折角リズが心配してくれてるのに・・・。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

色々苦労はあったけど・・・まぁ、無事到着・・・かな?

 

「うわぁ・・・ きれ~っ・・・」

 

リズが感嘆の声をあげた・・・だって綺麗だもんね、水晶。

 

そう、たぶんココがこの山の頂上。

一面が水晶で、正面には、巨大な水晶の山がある。綺麗だね・・・

 

リズが、先に進もうと走り出したけど・・・。

キリトがそのマントのフード部分をつかんで止めた。

 

「何するのよっ!」

 

リズが文句を言うけど、キリトが言ったのは、

 

「転移結晶の準備しとけよ、あと此処から先は俺達だけでやる。

 リズはドラゴンが出たら、その辺の水晶の影に隠れるんだ。

 絶対に顔を出すなよ。」

 

「何よ、私だって素人じゃないんだから、手伝うわよっ!」

 

「ダメだ!!」

 

リズがキリトに言いかえすけど、キリトはそれを断る。

仕方ない、私だってキリトと同じことを言うと思うから。

 

「ぅ・・・」

 

リズが小さく頷いた、良かった・・・。

 

「よし、じゃあ行こうか・・・」

 

キリトが、リズの頭に手を載せて、それから歩き出した、

 

「キリトが強い言い方してゴメン。

 でも、キリトはあれでもリズの為を思って言ってるから、従って。」

 

「・・・・はい・・・。」

 

「うん、ありがとっ!」

 

『っがるるるるるるるるるるるるぅぅううっ!!』

 

突如響いた巨大な鳴き声。ドラゴンの物か・・・。

 

「リズはその水晶の影に入れっ!」

 

「っ、うん!」

 

リズがちゃんと隠れてくれたから、一安心・・・してる暇無いねっ!!

 

水晶の山だと思ってたのが、ドラゴンとはねっ・・・。

 

赤い目をした、銀色のドラゴン。

其の口が青い光を含んだ。ブレスか・・・

 

「ブレスよっ!避けて!」

 

リズが叫んでるけど、避ける必要は無いね、キリトがいるし。

 

キリトが剣に光を纏わせて1振りすると、こっちに向かって放たれたブレスと相殺する。

 

私?キリトの後ろに隠れてただけ。

だって敏速よりで筋力値はあまりないもん、相殺なんて真似、無理・・・。

 

あとは、私も戦える。だって切るだけだもん。

 

空中戦に近くなってるけど、私にはそっちの方が得意。

 

チャクラムによる投擲と、リーチは長めだけど、重くない片手剣の攻撃を組み合わせる、

私だけの戦い方。真似しようと思えばできるけど、する人が少ない・・・と言うかいない。

敏速値に物を言わせて、逃げ回りながら、隙をみて少しずつ、確実に相手のHPを減らしていく。

こっちのHPは減らしはしない。すべて避けるから。

 

相手がバトルヒーリング持ちだと苦労する場合が多いから、新しい戦法も確立中だけどねっ!

 

キリトは・・・

重い剣をよくもまぁ片手で振り回せるよ・・・。

あの黒い剣、分類は片手剣だけど重さは下手な両手剣並だし・・・。

 

ま、んな訳で2人でドラゴンを切ってたんだけど・・・

後少しかなって所でリズが飛び出してきて・・・

 

「ほら、さっさと片をつけちゃいなさいよっ!!」

 

「ばかっ!まだ出てくるなっ!!」

 

キリトはそう叫ぶけど、もう遅くて・・・

 

ドラゴンは、赤い目を光らせると、リズに向かって双翼を振った・・・

瞬間、リズめがけて突風が襲い、後ろにあった巨大な穴の上まで放り出されて、

何でそんなトコに穴が開いてるのよっ!! って文句言ってる場合じゃないっ!

 

キリトは、リズを追いかけて一緒に穴に飛び込んだし・・・

私も飛び込んだけどねっ!

 

「セツっ! 2人をっ!!」

 

こう言えば分ってくれるセツは大変賢い・・・

 

そのまま、セツは巨大化しながら2人の方に向かったから、彼らは大丈夫でしょう。

さて、私は・・・

 

剣を岩の壁に突き立てるっ!

止まってくれないかなっ・・・

 

無理でした。

 

痛かった・・・。痛覚は無くても落下して地面に当たるってのは痛いって感じるよね・・・。

 

まぁ、速度はだいぶ落ちたから、HPの減少は少なかった・・・

ギリギリグリーンを保ってる・・・

キリカが回復してくれてるから、すぐ元通りになるねっ

 

さて、キリトにリズは・・・

2人はHP減ってない所を見ると、セツはちゃんと言う事聞いてくれたんだね・・・

 

「おーい ハクー 生きてるかー?」

 

「アバターがある時点で生きてるに決まってるでしょ・・・

 はぁ、此処って転移結晶使えるの?」

 

とりあえず、キリトに文句言いつつ聞いてみると、

 

「は? 転移結晶使えなかったら帰れないじゃん!」

 

リズは結晶無効化エリアを知らないのか?

 

「転移! リンダース!」

 

そうリズは言ったけど、予想どうり何も起こらないし。

 

さて、どうやって脱出するべきか・・・。

 

「よし! 壁を走って登るっ!」

 

「・・・バカ?」

 

リズ、尤もです・・・と言いたいけど。

キリトは体術取ってたし、ウォールラン使えば行ける・・かな?

 

「バカかどうか試してみるか・・・。 っと!」

 

「うそーん」

 

あ~ぁ・・・ホントに登りだしちゃったよ・・・。

 

「うわぁああああああああああああああ」

 

と思ったら、真上に落ちてくるし・・・

 

ん?真上?

 

「「ぎゃっ!!」」

 

上に降って来るなよ・・・

 

「いてててて・・・」

 

「痛いのはこっちだよ! 早く退いてっ!!」

 

「あ・・・。  っ!悪い!!」

 

はぁ、全く・・・ダメージ受けてないから良いけど、

下手したらキリトがオレンジになるって・・・。

 

「で、さぁ、キリト。」

 

「んぁ?」

 

「私、ウォールラン使えるし、敏速値よりなんだけど・・・。」

 

「あ。」

 

はぁ、完全に忘れてたと・・・。

私の方が壁登りには適任だと思うんだけどねっ!

 

「と言う訳で、2番手、ハク、行きますっ!」

 

助走付けて・・・壁を走るっ!  何処まで行けるかなっ!!

出口まであと5Mっ行けるんじゃないっ?

 

と思ったら、出口のそばにいたのはリズを落としたドラゴンで・・・」

 

「へ?」

 

しかも、ドラゴンの取った行動は・・・

 

「振り出しに戻れって事~~~~!?」

 

リズを落としたのと同じ技で、私も落とされました・・・。

避けろって?無理だよ、こっちは壁走ってたのに!そんな余裕無い!

 

って、このまま落ちたら落下ダメージ喰らうの必須じゃ・・・。

 

避ける専門だから、防御なんて紙程度だよっ!!

 

あ、そうだ!

 

「キリカっ! 桃華の守護っ!!」

 

これを使えば、防御が一気に上がるから、耐えられる・・・はずっ!

 

「・・・了解・・・。」

 

え!?!?

 

しゃ、喋った!? かなり小さい声だけど、喋ったよね!今!

今まで喋った事なんて無いのにっ!というか、テイム“モンスター”なのに、喋れるの!?

 

今まで喋るMobなんて聞いた事無いよ!?そりゃ、多少特殊なモンスターだけd・・・

 

「いてててて・・・。」

 

そういえば落下中だったね・・・。

キリカはちゃんと指示聞いてくれてたから、ダメージはそんなに多くは無かった。

イエローにはなったけどねっ・・。

 

「・・・ヒール・・・」

 

キリカがそう言うと、何時もどうりヒールがかかった・・・けどっ!

 

「キリカっ!何で喋れるのっ!」

 

「ハク・・・頭打ったのか・・?」

 

「キリト・・何でそうなるの・・・。」

 

「いや、だって、キリカに何で喋れるのか聞いてるから・・・喋って無いのに・・。」

 

え?いや、だって、喋ったじゃん。

 

「・・・私の声は・・・親密度が1000を超えないと・・・聞こえない・・・。」

 

成程、私とキリカの親密度が1000を超えたから、声が聞こえるようになったと・・。

 

「えっとね、キリトもキリカと仲良くなれば声が聞こえるって!ねっ!」

 

「・・・うん・・・」

 

「なんなんだよ・・・と言うか、ハク、何でいきなりあそこで落ちて来たんだ?

 行けそうだったのに、」

 

「ドラゴンに落とされた・・・」

 

「はぁ?」

 

「2人ともっ!上!」

 

「「へ?」」

 

リズが叫ぶから、上を見てみると、ドラゴンがブレスを放とうとしてて・・・

キリトが飛び出て剣でブレスを相殺したら、今度は突っ込んで来て。

 

結果として、ドラゴンは倒せた・・・。

 

そのドラゴンが、この穴から出る正規の方法だとは知らずに・・・。

 

 

・・・~竜の開けた大穴から、出る為の方法は~・・・

 

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