キリト「俺のせいだ・・・」
ハク「いや、違うから・・・」
*―――――――――――side:Kirito――――――――――*
ハクが・・・死んだ・・?
ハクの戦法なら、ボスの攻撃を受けず、避け続ければ
俺達が逃げる時間を稼げると思った。
なぜ、ボスが逃げる俺達の方を追いかけて来てたのかは分からない。
分かったのは、ボスの攻撃をハクが受けて、HPを全損して死んだ事。
この世界は現実だ、此処で死んだら現実の体も死ぬ。そういう世界。
ハクも死んだ・・・現実でも死んでるのか・・・?
俺が、ボスと一対一で戦うのがキツイから、ハクに手伝って貰おうとした。
そして、ハクは来てくれた、そして1人で戦うと言った。
それを俺は認めてしまい、結果、ハクは俺達を庇おうとして・・・死んだ。
―――俺のせい―――
俺がハクを呼ばなければ。
ハク1人にボスを任せなければ。
せめて、ボスがこちらに向かって来てる事に気付ければ。
そうすれば、ハクは死なずに済んだはず・・・だった。
何で俺は、アスナとクラインに言われるが儘、迷宮区から出てきてしまったのか。
何で俺だけが逃げて来ているのか。
―――ハクは戦ってたのに―――
*―――――――――――――――――――――*
*―――――――――――side:Haku――――――――――*
さてと・・・何で生きてるんだ・・・?
グリームアイズの剣を逸らす為に、剣を受けて。HP0にして、
You are dead=死亡 になったはずでしょ!?
死んだら現実に帰れる・・・って事では無いね。
空になって消滅したはずのHPゲージが満タンになって復活してるから・・・
そして、なぜか知らないけど良く分からない椅子の上でさっきまで寝てた・・・
はぁ、何なのよ・・・?
「起きたかね?」
誰!?さっき周り見た時は誰もいなかったのに!
「・・・あなた・・・ヒースクリフ・・・?」
さっきまで誰もいなかった空間に立っていたのは、血盟騎士団団長、ヒースクリフ・・・。
「それはこの空間に来るにはこの姿で来るしかなかったからだな。
私の名は、萱場明彦だ。」
はぁ!? 萱場って、ナーヴギアとかSAOとか作って、
始まりの街でデスゲーム宣告した・・・。
この姿で・・・? ヒースクリフ=萱場って事?
「君の考えてる事は大体合っているだろう。ついでに99層のボスでもある。」
はぁ?99層のボス?ヒースクリフ=萱場=99層ボス?
「そして、君が100層のボスだ。」
へ? 私=100層ボス?
「もちろん、拒否する事は出来る。」
「・・・拒否した場合?」
「君の脳はナーヴギアによって焼かれ、私が100層のボス。99層のボスはMobになる。」
・・・私は死ぬって事ですね・・・。
「受け入れた場合?」
「君は100層のボスとして、此処、100層紅玉宮にて、
此処にきたプレイヤーの相手をして貰う。
君の使い魔達は、取り巻きとして扱われる。
ただし、もう喋る事はできなくなるな。扱いが変わるから。
そして、この部屋では、結晶は使えず、君を倒しにきたプレイヤーが入った瞬間扉が閉まり、
脱出はできなくなる。
それと、君自身には、使い魔のヒール以外に回復手段は無い。
君が生きてこの世界から出る条件は1つ、
この世界にいる君以外のプレイヤー全員が死ぬ事。
逆に、君が死ねばこのゲームはクリアされる。」
なんとまぁ、“生きてこの世界からでる”って事は、
ボスとして死んだら今度こそ現実でも死ぬ。って事だねぇ。
んで? 他の全員が死ぬまでって・・・第一層の引きこもりプレイヤーが来る訳ないし。
「受け入れて、直後に自殺した場合はゲームクリアになる?」
「ならないな、この部屋に他のプレイヤーがいる状況で、君が死ぬ事がクリアーの条件だ。」
はぁ、まぁいいや。
「分かった。ボスになるよ。」
「・・・そうか。」
「で、質問。」
「なんだね?」
「まず、私がボスに選ばれた理由。」
「君のユニークスキル、“生物を統べる者”。これは、この城のMobをも統べる者と言う事だ。
本来、テイムが可能になるのは10層が攻略されてからなのだが・・・」
あれ?セツをテイムしたのは8層が攻略された位の頃・・・
「10層が攻略されて無い段階で、尤もレベルが高いプレイヤーが、
初めて植物系モンスターを倒すと、“マタタビ”をドロップする。
それを持った状態で街に入ろうとすると、ネコマタが出現する。
ネコマタを見た瞬間攻撃せず、尚且つマタタビを与える事によって、
10層以下でもテイムが出来る。
そして、その時ネコマタをテイムしたのが女性プレイヤーであった場合、
ユニークスキル“生物を統べる者”を習得する。」
「何で女性限定?」
「プレイヤーの中で、女性となると一気に数が限られる。
そしてその数少ない女性プレイヤーが尤もレベルが高い確率なんて更に低いと言う訳だ。」
つまりその凄い低確率を見事に引き抜いたと。
運が良いんだか悪いんだか。
「そして、ネコマタは特殊Mobだ、
乗れる、化けれる、などの他のテイムモンスターには出来ない事が出来る。
君の他の使い魔達も同じだ、ある条件を満たしていないと出現せず、テイムも出来ない。
代わりに、一度テイムする事が出来たら、他のテイムモンスターには出来ない、
数々の特殊能力を使い、生物を統べる者保持者の手助けとなる。」
確かに今まで散々助けられてきましたし、
ネコマタ、ザ・フェアリーオブ・ザ・フラワー・オブ・ア・ピーチ、ミニドラなんてMob、
出現したなんて事、聞いた事無いね。
「次の質問。
54層の雪山、あそこで入った白い小部屋、
そしてセツ・・・猫又がいなきゃ取れないような金属。それも今回の事と関係があるの?」
「ああ、あそこの小部屋で、
君が死んだ場合、ナーヴギアを作動させず、此処に転移するようにした。
金属は、その報酬みたいな物だ。」
「じゃあ、最後の質問。
私はこれからどうしたら良い?」
「此処に誰かが来るまでは、100層で好きに過ごすが良い。
君のプレイヤーホームと全く同じ者を作ってある。そこで過ごしたまえ。
100層にはそこそこの街がある、食べ物等はそこで買うと良い。
あと、君は100層から出る事が出来ない事になっている。」
「あの、私ずっと此処にいろと!?退屈極まりないんだけど!?」
「君のアイテムストレージにあるアイテムを入れて置いた。
それを退屈しのぎにでもしたまえ。
では、私はそろそろ帰るとしよう。」
「りょーかい。精々萱場だってばれないよう気を付けなね、」
「そう簡単には見ぬかれない事を願うよ。」
その言葉を最後に、ヒースクリフのアバターは消えた。
はぁ、いろいろあったな・・・。
んで?アイテムストレージに何入れたって?
アイテムストレージを開き、上から確認していくと・・・
「・・・蓮池の鏡・・・?なにこれ・・・。」
とりあえずオブジェクト化してみると・・・
直径30センチ位の円形の鏡・・・1層、はじまりの街でも鏡貰ったねぇ・・・
今度は最初に作ったアバターに戻るとか?
しかし、暫く眺めてても何も起こらない・・・
普通の鏡?これでどうやって暇つぶししろと・・・?
アイテムの説明を見てみると。
“見たい場所、またはプレイヤー名を唱えると作動します、
また、枠を両手で持って向きたい方向、距離等を念じればその通り動きます。”
・・・?見たい場所かプレイヤー? 作動?じゃ、適当な場所か人指定しますかっ!
「キリトっ!」
見たいって言ったらキリトだよね、
死に方考えるとキリトが呼んでそのせいで死んだ。みたいに映ってるはずだし。
鏡を見てると、
今まで私の顔が映っていた鏡面は、ぼやけて、徐々にはっきりしてきたかと思ったら、
「グリームアイズ!?」
私が死ぬ原因となったグリームアイズと、それと戦うキリト・・・何やってるの!?
周りに他のプレイヤーがいない見たいだし、一対一!? バカ!?
時計を見てみると、私が死んでから10分位しか経っていなかった。
何で戦ってるのさーー!!
白い剣と黒い剣を握りしめて、
自分が攻撃を受けてるにも関わらず、ひたすら敵を切りつける、
二刀流は見た時すごい強いと思ったよ!?だけどね、一対一で戦える程ボスも甘くは無い・・・
いや、押してるね。流石。
いやでもキリト自身のHPだって減ってるじゃん!
どっちのHPが先に0になるかの戦い・・・そんなのこの世界で繰り広げないでよ!
私みたいにボスになる訳じゃ無いでしょ!?
・・・じゃないよね・・・?
キリトもユニークスキル持ってたよね・・・。
生物を統べる者保持者=100層ボス
神聖剣保持者=99層ボス
・・・。
二刀流保持者=○○層ボス?
・・・ち、違うよね!?
*―――――――――――――――――――――*
・・・結果として、
“
ほぼ瀕死なんだよ・・・。
・・・。
「無茶するなよーー! 死んだらどうするんだよーー!」
取り合えず鏡に向かって怒鳴る。声は通じないと思うけど。
はぁ、生きてるから良いけどさ・・・何でこんなことするんだか・・・。
「ハク・・・ゴメン・・・」
・・・あれ?声聞こえるんだ・・・コレ・・・
「もしもーし キリトー 聞こえてるー?」
聞こえてないっぽいね。聞こえるだけか。
いや、じゃあ、キリトの声は独り言って事?無茶した事へのお詫びじゃないって事?
他に何謝ってるんだよー!
「俺のせいだな・・・」
あ、理解した。
・私が死んだのは自分のせいと思った
・グリームアイズ敵討ちした
・でもただの無駄に終わった
・死なせちゃった事を私に謝った
って事?
・・・
「バカーーー! それでキリトが死んだらどうするのさーー!
仇とる位なら安全マージンとれよーーー!」
いや、怒鳴ったってこっちからの声は聞こえないっぽいんだけどね。
むぅ、どうにかして連絡取れないだろうか。
じゃないとキリトまた月夜の黒猫団の時みたいになっちゃうよ・・・。
*―――――――――――――――――――――*
第1回、“キリトに連絡を取る方法を考えよう”会議、開催!
参加者は、
・Haku
・Setu
・Kirika
・Asagi
以上4名でお送りします!
・・・はぁ、無駄にテンション上げて始めたけど。
私以外喋れないって言うね!お先真っ暗だよ!
まぁ良いや。
作戦その1!
フレンド登録したままのはず!
・・・フレンド全部消えてました。・・・。
念の為、鏡で生命の碑を見てみると、Hakuの上に二重線が・・・なんか変な気分。
作戦その2!
・・・
思いつきません!
さてどうしよう。他に何か・・・誰か教えて下さい。
「ニャーっ! ニャニャーにゃっ、にゃーニャニャにゃー
ニャニャッ! にゃーにゃ?」
「ゴメン、セツ。理解出来ない・・・。」
はぁ、もう、これにて解散・・・
*―――――――――――――――――――――*
そのまま、良い案も思いつかないまま・・・
結局、キリトが此処、100層に来るまで待つしか無い。と言う結論に至った。
キリトは、ボスを倒した後、疲れたのかその場で寝てしまい、
1時間位後、クラインとアスナが見つけてキリトの家に運んでいた、
キリトが起きたのはつい先ほどの事で、起きだしたキリトの行動を鏡で観察中・・・
あれ?これってストーk・・・
いや、萱場さんがコレで暇潰せって言ったんだ。仕方ない。
観察、続行っ!
*―――――――――――――――――――――*
そして、キリトの取った行動は、
今持ってる家を売り払い、旧私の家を買う・・・
・・・何してるの?
前から私の家は立地が悪いとかなんとか言ってたのに。
そしてキリトが呟いた一言
「ハクは天国行けたかなぁ・・・」
ゴメンナサイ行けてません。三途の川も渡ってません。
しっかりアインクラッドに居ます。
うぅ、こんな事言われたら罪悪感湧いてくるよね。
変に生き延びちゃってごめんなさい・・・。
*―――――――――――――――――――――*
それから、キリトは・・・悪い予想が的中して・・・
月夜の黒猫団の時・・・あの後の、クリスマスの前の数日のような。
無茶苦茶なレベル上げを続けて。
無理して(旧私の家改め)新キリトの家に帰り。
キリトが前の家から持ってきたベットに寝っころがるけど、ろくに寝てはいなくて。
此方からは、見る事しか出来ないのが悔しくて。
そして、その日々は、“彼女”がキリトの元に現れるまで続いた。
・・・~終らなかった物語に今度こそ幕引きをする為に、今はまだ係われないけど~・・・
ハクは死ぬはずじゃなく、どっかで通知が来るとかの予定だったのに・・・
そして、“彼女”の存在はみなさんわかっているはずですっ!