この世界で ~白くあり続ける為に~   作:璃鶯

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ハク「ゴメンっ!死んじゃったねっ!」

キリト「俺のせいだ・・・」

ハク「いや、違うから・・・」


第22話 ~終わらなかった物語~

 

*―――――――――――side:Kirito――――――――――*

 

ハクが・・・死んだ・・?

ハクの戦法なら、ボスの攻撃を受けず、避け続ければ

俺達が逃げる時間を稼げると思った。

 

なぜ、ボスが逃げる俺達の方を追いかけて来てたのかは分からない。

分かったのは、ボスの攻撃をハクが受けて、HPを全損して死んだ事。

 

この世界は現実だ、此処で死んだら現実の体も死ぬ。そういう世界。

ハクも死んだ・・・現実でも死んでるのか・・・?

 

俺が、ボスと一対一で戦うのがキツイから、ハクに手伝って貰おうとした。

そして、ハクは来てくれた、そして1人で戦うと言った。

それを俺は認めてしまい、結果、ハクは俺達を庇おうとして・・・死んだ。

 

―――俺のせい―――

 

俺がハクを呼ばなければ。

ハク1人にボスを任せなければ。

せめて、ボスがこちらに向かって来てる事に気付ければ。

 

そうすれば、ハクは死なずに済んだはず・・・だった。

 

何で俺は、アスナとクラインに言われるが儘、迷宮区から出てきてしまったのか。

何で俺だけが逃げて来ているのか。

 

―――ハクは戦ってたのに―――

 

 

*―――――――――――――――――――――*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*―――――――――――side:Haku――――――――――*

 

さてと・・・何で生きてるんだ・・・?

 

グリームアイズの剣を逸らす為に、剣を受けて。HP0にして、

You are dead=死亡 になったはずでしょ!?

 

死んだら現実に帰れる・・・って事では無いね。

空になって消滅したはずのHPゲージが満タンになって復活してるから・・・

 

そして、なぜか知らないけど良く分からない椅子の上でさっきまで寝てた・・・

 

はぁ、何なのよ・・・?

 

「起きたかね?」

 

誰!?さっき周り見た時は誰もいなかったのに!

 

「・・・あなた・・・ヒースクリフ・・・?」

 

さっきまで誰もいなかった空間に立っていたのは、血盟騎士団団長、ヒースクリフ・・・。

 

「それはこの空間に来るにはこの姿で来るしかなかったからだな。

 私の名は、萱場明彦だ。」

 

はぁ!? 萱場って、ナーヴギアとかSAOとか作って、

始まりの街でデスゲーム宣告した・・・。

 

この姿で・・・? ヒースクリフ=萱場って事?

 

「君の考えてる事は大体合っているだろう。ついでに99層のボスでもある。」

 

はぁ?99層のボス?ヒースクリフ=萱場=99層ボス?

 

「そして、君が100層のボスだ。」

 

へ? 私=100層ボス?

 

「もちろん、拒否する事は出来る。」

 

「・・・拒否した場合?」

 

「君の脳はナーヴギアによって焼かれ、私が100層のボス。99層のボスはMobになる。」

 

・・・私は死ぬって事ですね・・・。

 

「受け入れた場合?」

 

「君は100層のボスとして、此処、100層紅玉宮にて、

 此処にきたプレイヤーの相手をして貰う。

 君の使い魔達は、取り巻きとして扱われる。

 ただし、もう喋る事はできなくなるな。扱いが変わるから。

 

 そして、この部屋では、結晶は使えず、君を倒しにきたプレイヤーが入った瞬間扉が閉まり、

 脱出はできなくなる。

 

 それと、君自身には、使い魔のヒール以外に回復手段は無い。

 

 君が生きてこの世界から出る条件は1つ、

 この世界にいる君以外のプレイヤー全員が死ぬ事。

 

 逆に、君が死ねばこのゲームはクリアされる。」

 

なんとまぁ、“生きてこの世界からでる”って事は、

ボスとして死んだら今度こそ現実でも死ぬ。って事だねぇ。

 

んで? 他の全員が死ぬまでって・・・第一層の引きこもりプレイヤーが来る訳ないし。

 

「受け入れて、直後に自殺した場合はゲームクリアになる?」

 

「ならないな、この部屋に他のプレイヤーがいる状況で、君が死ぬ事がクリアーの条件だ。」

 

はぁ、まぁいいや。

 

「分かった。ボスになるよ。」

 

「・・・そうか。」

 

「で、質問。」

 

「なんだね?」

 

「まず、私がボスに選ばれた理由。」

 

「君のユニークスキル、“生物を統べる者”。これは、この城のMobをも統べる者と言う事だ。

 本来、テイムが可能になるのは10層が攻略されてからなのだが・・・」

 

あれ?セツをテイムしたのは8層が攻略された位の頃・・・

 

「10層が攻略されて無い段階で、尤もレベルが高いプレイヤーが、

 初めて植物系モンスターを倒すと、“マタタビ”をドロップする。

 それを持った状態で街に入ろうとすると、ネコマタが出現する。

 ネコマタを見た瞬間攻撃せず、尚且つマタタビを与える事によって、

 10層以下でもテイムが出来る。

 

 そして、その時ネコマタをテイムしたのが女性プレイヤーであった場合、

 ユニークスキル“生物を統べる者”を習得する。」

 

「何で女性限定?」

 

「プレイヤーの中で、女性となると一気に数が限られる。

 そしてその数少ない女性プレイヤーが尤もレベルが高い確率なんて更に低いと言う訳だ。」

 

つまりその凄い低確率を見事に引き抜いたと。

運が良いんだか悪いんだか。

 

「そして、ネコマタは特殊Mobだ、

 乗れる、化けれる、などの他のテイムモンスターには出来ない事が出来る。

 

 君の他の使い魔達も同じだ、ある条件を満たしていないと出現せず、テイムも出来ない。

 

 代わりに、一度テイムする事が出来たら、他のテイムモンスターには出来ない、

 数々の特殊能力を使い、生物を統べる者保持者の手助けとなる。」

 

確かに今まで散々助けられてきましたし、

ネコマタ、ザ・フェアリーオブ・ザ・フラワー・オブ・ア・ピーチ、ミニドラなんてMob、

出現したなんて事、聞いた事無いね。

 

「次の質問。

 54層の雪山、あそこで入った白い小部屋、

 そしてセツ・・・猫又がいなきゃ取れないような金属。それも今回の事と関係があるの?」

 

「ああ、あそこの小部屋で、

 君が死んだ場合、ナーヴギアを作動させず、此処に転移するようにした。

 

 金属は、その報酬みたいな物だ。」

 

「じゃあ、最後の質問。 

 

 私はこれからどうしたら良い?」

 

「此処に誰かが来るまでは、100層で好きに過ごすが良い。

 君のプレイヤーホームと全く同じ者を作ってある。そこで過ごしたまえ。

 100層にはそこそこの街がある、食べ物等はそこで買うと良い。

 あと、君は100層から出る事が出来ない事になっている。」

 

「あの、私ずっと此処にいろと!?退屈極まりないんだけど!?」

 

「君のアイテムストレージにあるアイテムを入れて置いた。

 それを退屈しのぎにでもしたまえ。

 

 では、私はそろそろ帰るとしよう。」

 

「りょーかい。精々萱場だってばれないよう気を付けなね、」

 

「そう簡単には見ぬかれない事を願うよ。」

 

その言葉を最後に、ヒースクリフのアバターは消えた。

はぁ、いろいろあったな・・・。

 

んで?アイテムストレージに何入れたって?

 

アイテムストレージを開き、上から確認していくと・・・

 

「・・・蓮池の鏡・・・?なにこれ・・・。」

 

とりあえずオブジェクト化してみると・・・

直径30センチ位の円形の鏡・・・1層、はじまりの街でも鏡貰ったねぇ・・・

今度は最初に作ったアバターに戻るとか?

 

しかし、暫く眺めてても何も起こらない・・・

普通の鏡?これでどうやって暇つぶししろと・・・?

 

アイテムの説明を見てみると。

 

“見たい場所、またはプレイヤー名を唱えると作動します、

 また、枠を両手で持って向きたい方向、距離等を念じればその通り動きます。”

 

・・・?見たい場所かプレイヤー? 作動?じゃ、適当な場所か人指定しますかっ!

 

「キリトっ!」

 

見たいって言ったらキリトだよね、

死に方考えるとキリトが呼んでそのせいで死んだ。みたいに映ってるはずだし。

 

鏡を見てると、

今まで私の顔が映っていた鏡面は、ぼやけて、徐々にはっきりしてきたかと思ったら、

 

「グリームアイズ!?」

 

私が死ぬ原因となったグリームアイズと、それと戦うキリト・・・何やってるの!?

周りに他のプレイヤーがいない見たいだし、一対一!? バカ!?

 

時計を見てみると、私が死んでから10分位しか経っていなかった。

 

何で戦ってるのさーー!!

 

白い剣と黒い剣を握りしめて、

自分が攻撃を受けてるにも関わらず、ひたすら敵を切りつける、

二刀流は見た時すごい強いと思ったよ!?だけどね、一対一で戦える程ボスも甘くは無い・・・

 

いや、押してるね。流石。

 

いやでもキリト自身のHPだって減ってるじゃん!

どっちのHPが先に0になるかの戦い・・・そんなのこの世界で繰り広げないでよ!

私みたいにボスになる訳じゃ無いでしょ!?

 

・・・じゃないよね・・・?

キリトもユニークスキル持ってたよね・・・。

 

生物を統べる者保持者=100層ボス

神聖剣保持者=99層ボス

 

・・・。

 

二刀流保持者=○○層ボス?

 

・・・ち、違うよね!?

 

*―――――――――――――――――――――*

 

・・・結果として、一応(・・)キリトはグリームアイズをソロ攻略した・・・

一応(・・)”なんだよ!“い、ち、お、う(・ ・ ・ ・)”!

 

ほぼ瀕死なんだよ・・・。

・・・。

 

「無茶するなよーー! 死んだらどうするんだよーー!」

 

取り合えず鏡に向かって怒鳴る。声は通じないと思うけど。

はぁ、生きてるから良いけどさ・・・何でこんなことするんだか・・・。

 

「ハク・・・ゴメン・・・」

 

・・・あれ?声聞こえるんだ・・・コレ・・・

 

「もしもーし キリトー 聞こえてるー?」

 

聞こえてないっぽいね。聞こえるだけか。

いや、じゃあ、キリトの声は独り言って事?無茶した事へのお詫びじゃないって事?

 

他に何謝ってるんだよー!

 

「俺のせいだな・・・」

 

あ、理解した。

 

・私が死んだのは自分のせいと思った

・グリームアイズ敵討ちした

・でもただの無駄に終わった

・死なせちゃった事を私に謝った

 

って事?

 

・・・

 

「バカーーー! それでキリトが死んだらどうするのさーー!

 仇とる位なら安全マージンとれよーーー!」

 

いや、怒鳴ったってこっちからの声は聞こえないっぽいんだけどね。

 

むぅ、どうにかして連絡取れないだろうか。

じゃないとキリトまた月夜の黒猫団の時みたいになっちゃうよ・・・。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

第1回、“キリトに連絡を取る方法を考えよう”会議、開催!

 

参加者は、

 

・Haku

・Setu

・Kirika

・Asagi

 

以上4名でお送りします!

 

 

・・・はぁ、無駄にテンション上げて始めたけど。

 

私以外喋れないって言うね!お先真っ暗だよ!

 

 

まぁ良いや。

 

作戦その1!

フレンド登録したままのはず!

 

・・・フレンド全部消えてました。・・・。

念の為、鏡で生命の碑を見てみると、Hakuの上に二重線が・・・なんか変な気分。

 

 

作戦その2!

・・・

 

思いつきません!

 

さてどうしよう。他に何か・・・誰か教えて下さい。

 

「ニャーっ! ニャニャーにゃっ、にゃーニャニャにゃー

 ニャニャッ! にゃーにゃ?」

 

「ゴメン、セツ。理解出来ない・・・。」

 

はぁ、もう、これにて解散・・・

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そのまま、良い案も思いつかないまま・・・

結局、キリトが此処、100層に来るまで待つしか無い。と言う結論に至った。

 

キリトは、ボスを倒した後、疲れたのかその場で寝てしまい、

1時間位後、クラインとアスナが見つけてキリトの家に運んでいた、

 

キリトが起きたのはつい先ほどの事で、起きだしたキリトの行動を鏡で観察中・・・

 

あれ?これってストーk・・・

 

いや、萱場さんがコレで暇潰せって言ったんだ。仕方ない。

観察、続行っ!

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そして、キリトの取った行動は、

今持ってる家を売り払い、旧私の家を買う・・・

・・・何してるの?

 

前から私の家は立地が悪いとかなんとか言ってたのに。

そしてキリトが呟いた一言

 

「ハクは天国行けたかなぁ・・・」

 

ゴメンナサイ行けてません。三途の川も渡ってません。

しっかりアインクラッドに居ます。

 

うぅ、こんな事言われたら罪悪感湧いてくるよね。

変に生き延びちゃってごめんなさい・・・。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

それから、キリトは・・・悪い予想が的中して・・・

 

月夜の黒猫団の時・・・あの後の、クリスマスの前の数日のような。

無茶苦茶なレベル上げを続けて。

 

無理して(旧私の家改め)新キリトの家に帰り。

 

キリトが前の家から持ってきたベットに寝っころがるけど、ろくに寝てはいなくて。

 

此方からは、見る事しか出来ないのが悔しくて。

 

そして、その日々は、“彼女”がキリトの元に現れるまで続いた。

 

 

・・・~終らなかった物語に今度こそ幕引きをする為に、今はまだ係われないけど~・・・




ハクは死ぬはずじゃなく、どっかで通知が来るとかの予定だったのに・・・

そして、“彼女”の存在はみなさんわかっているはずですっ!
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