この世界で ~白くあり続ける為に~   作:璃鶯

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更新遅れてごめんなさい!

ユイちゃんの扱いとキリト&ハクの行動がなかなか決まらず・・・。


第23話 ~少女の笑み~

10月29日。

 

今日もキリトはいつも通りの日々を過ごしていた。

朝起きて、午前中は最前線、75層の迷宮区を探索、

午後はひたすらレベル上げ。

 

それは、月夜の黒猫団が壊滅した後の私の行動(・・・・)そのものだった。

 

クラインが、私のやってる事も無茶だって言ってたけど、

その時はそこまで無茶だって思わなかった。

 

でも、今同じ事をキリトがやってるのを見ると、それは無茶だって思えて、

 

止めさせたくて。

 

だけど此処にいて、ボスとしてキリトと対峙するその時まで、

キリトに会う事も、話す事も出来ない・・・そんな立場にいる私は、何もする事が出来なくて。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

いつも通りのキリトの行動を見ながら、少しずつ100層に何があるかを見た。

 

100層には、一応Mobがいたけど、100層だからか恐ろしく強かった。

群れていなかったから戦えたけど、1匹倒すのに20分を要した。

 

その分、かなりの経験値とコルを落としたから良いのだけど。

 

結局、そのMob・・・ライオンやら象やら・・・

アフリカ見たいだね。

象よりライオンの方が、HPが低いので戦いやすかったので、ライオンを狩っている。

攻撃力がライオンは高いのかな?と思うけど、怖いから攻撃受けてみるような真似はしない。

十分避けれるし!

 

百獣の王、ライオン。いるのはオスばっかりで、ライオンは群れるはずなのに群れてもいない。

 

別に良いけどねっ!群れてたら倒せないしっ!

 

そして、キリトと同じ位の時間をライオン狩りにつぎ込んだ結果、

レベルが140を超えた。流石100層のMob!

 

140を超えたから、だいぶ狩り易くなったしねっ!

 

・・・あれ?私が強くなる=ボスが強くなる?

レベル上げ・・・ダメかな・・・。

まぁ良いよねっ!アインクラッド最終ボスらしく、全ての層のボスより強くないと!

 

*―――――――――――――――――――――*

 

100層のフィールドには、結局ライオンと象、そしてワニとカバ、

そして、蜘蛛がいた。

 

最後いらないよ!

 

まぁ、蜘蛛がいるフィールドは離れていたから、そこには立ち寄らない事にした。

 

そして、ボス部屋の奥、そこには扉があって、開けてみると、

今までの私の家ある。

 

・・・景色が気に入ってたのに・・・。

 

そして、家の裏側に、黒い箱がある。

この箱・・・いや、立方体かな?

 

これは、GMがシステムに緊急アクセスする為に作られたコンソールだとかで、

この世界に2つある内の1つだとか。

 

もう1つの方には、一般プレイヤーが触れない用保護されているそうだけど、

こちらは誰でも自由に触れる・・・

 

そして、今日。これを使って見ようと思いますっ!

えっと・・・ウィンドウが出たから・・適当にいじってみよう・・・

 

*―――――――――――――――――――――*

 

えっと・・・《全プレイヤー強制ログアウト》ってボタンがあるんだけど・・・

押したらゲームクリアーするの!? あって良いの!?

 

ポチッっとな!

 

 

“実行した場合、対象プレイヤーは現実世界からもログアウトします、

 実行してよろしいですか?”

 

《Yes》 《No》

 

Noだよ!!恐ろしいボタンだねっ!これ1つで何人殺せちゃうのさ!

押したら私、この世界最強のレッドプレイヤーになっちゃうよね!?

 

はぁ、やっぱりズルはダメかな・・・。諦めよう・・・

 

*―――――――――――――――――――――*

 

10月30日 ハロウィン前日。

 

キリト(おじいさん)が迷宮区に狩りに行こうとすると、

通り道でパタリと女の子が倒れていました、

キリト(おじいさん)はその女の子を拾って家に帰りました・・・。

 

・・・えええぇえ!?

 

何やってるのキリじい! じゃないキリト!

 

いや、倒れてる女の子を拾って帰るのは正しい・・・

あの女の子何者だ?

 

鏡越しに見ると、プレイヤーのステータスまで覗けると言う、

罪悪感が湧くような仕様になっている鏡。

 

しかし、幾ら見ても女の子にはカーソルが出なかった・・・

プレイヤーじゃない?でもNPCでもないね。

 

よし、観察開始ー!

 

(ちなみに、ヒースクリフのレベルを覗いた所、160だった・・・

 99層ボス如きに負けないよーっ!)

 

*―――――――――――――――――――――*

 

キリトは、女の子をベットに寝かせると、

あとは何もせず・・・部屋中うろうろして・・・

 

結局、夜になっても女の子の目は覚めなかったので、

キリトは椅子で寝た。

 

私も寝るか・・・

 

*―――――――――――――――――――――*

 

翌朝・・・鏡を覗くと・・・

 

女の子起きてるじゃん!!

キリトは寝てるじゃん!起きろよキリトー!

 

結局、キリトが起きたのは、アラームが鳴る8時・・・

その間女の子は、大人しくベッドに座ってた・・・

 

あ、そうだ、一応。

Trick(トリック) or(オア) Treat(トリート)?”

誰も答えてくれないけどね。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

それで、女の子は、名を“ユイ”と名乗り、

キリトを“パパ”と呼んだ・・・

 

キリトの娘さんですか・・・可愛いですね・・・

何て言ってる場合じゃないね。

 

ナーヴギアには・・・13歳以上からと言う年齢制限があり・・・

開始時13歳だった私は実は破っている・・・。まぁ、気にしないー気にしないーっ!

 

・・・ともかく、女の子・・・ユイちゃんで良いかな?

彼女は、外見だけで言うと10歳程・・・

しかも、キリトの事を“きいと”などと呼んでしまう・・・

外見に合わない幼い言葉使い。

 

キリトが彼女を拾ったのは、家から転移門までの四分の一位の所。

転移門からかなり離れてる距離なのに、こんな子が1人でいるなんて・・・。

 

こんな子供が、1人でダイブして来たとは考えにくい。

親とか兄弟とかと一緒に来たと思うんだけど・・・

いないって事は、死別か、捨てられたか、どっちも良くないねぇ・・・。

 

だけど、カーソルが出ないってのは、バグか?

 

って、キリト!?ユイちゃんに何食べさせてるの!?

それ、確か中に激辛カレーの詰まったカレーパン(っぽいもの)だよね・・。

ユイちゃん・・・大丈夫かな・・・。

 

「お、美味しい・・・。」

 

む、無理して言わなくても良いんだよ・・・?

 

「中々根性のある奴だ、夕飯は激辛料理で有名なNPCレストランに行こうなー」

 

「うんっ!」

 

ダメだよっ!普通のお店連れてってあげなよっ!

ユイちゃんも、頷いちゃダメっ!

 

でも、キリトが笑ってるトコ、久しぶりに見たなぁ

私が死んでから、笑って無かったんじゃなかろうか・・・。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

何はともあれ、11月1日、キリトはユイちゃんの家族を探しに、

はじまりの街に行くことにしたようで。

あそこ、軍のテリトリーだからなぁ。

此処に来る前まで、

毎月のように生命の碑に行っていたから、良く税金を払えだの言われたし。

 

頭に来た時、コル金貨で投擲してやった時もあったっけ・・・。

白姫って気づいて、道を譲ってくれた時もあったけど。

 

まあ、キリトなら1層の軍如きには負けないでしょ。

75層のモンスター薙ぎ払ってるし。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そして、キリトがはじまりの街に転移したから、鏡でそれを追跡・・・

やっぱりこれ、ストーカーじゃ・・・・。

うんっ!これで暇つぶししろって言った萱場さんが悪い!

盛大な責任転嫁してるねぇ・・・私・・・。

 

でも、はじまりの街、プレイヤー少ないねぇ・・・

ずっとはじまりの街にいる人、たくさん残ってるはずなのに。

 

そして、突如鏡から響いて来た声・・・

 

「子供達を返して下さいっ!!」

 

何事よっ!

キリトも、その声に反応して、すぐさまその方向に走り出す。

 

鏡越しだけど私も付いてくよっ!・・・干渉不可だけどね・・・。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

たどり着いた所で見えたのは、軍の人達と、それに向かい合う女性。

そして、軍の人達の後ろには、子供たちが数人・・・。

また収税ですか・・・。それだけの人数いるんだから、

どっか雑魚いっぱいのフィールドでも行ってきなよ・・・よっぽど有意義だよ。

 

キリトは・・・ユイちゃん肩車したまま、彼らの上飛んでいきました。

現実じゃ有り得ない事だけど、この世界じゃステータス上げるだけで出来る。

私なら、キリトよりもっと遠く、高く飛べるし。

 

そしてキリトは、ユイちゃんを子供たちの所に待たせて、

ストレージから黒剣を取りだした。

あ、剣、使うんだ。体術とかでも余裕だと思うけど。

・・・二刀流になってない分手加減するのか。

 

結局、圏内だからHP減らないのを良い事に、

軍の人達の中のリーダー格っぽい人に、何発かソードスキルを当てて、退散させてた。

1層でしか動けない軍の下っ端が、

攻略組トッププレイヤーであるキリトに喧嘩売るのが間違いだよね。

 

そして、軍の人達に向かい合ってた女性は、

サーシャさんと言い、はじまりの街の教会で小さな子供たちの面倒を見ているのだとか。

 

良い人だねっ!

 

*―――――――――――――――――――――*

 

結局、サーシャさんの話だと、

ユイちゃんユイちゃんははじまりの街にいた子じゃないとの事。

 

そして・・・

キリトが軍の人達を退散させた事を聞いた、

軍のリーダー副官である、ユリエールさんが、キリトの元にやって来て、

曰く、

軍は、派閥ができており、キバオウが、ギルドリーダーである

シンカーさんを1層の地下にあるダンジョンの奥に置き去りにした。

そのダンジョンは、60層ほどのMobが出るので、助けに行けないし、

シンカーさんは、丸腰で行ってしまった為、3日間近くそのダンジョンにいる。

 

キバオウ・・・碌な事しないね。

そもそも私がビーターと呼ばれたのはあいつのせいで・・・

 

あの時はあんな風に言ったけど、私自信、MMORPGどころかゲーム自体初めてで、

偶々応募して偶然当たったから、どうせやるなら強くならないとっ!

って思ってβテスト時頑張っただけなのにね。

 

あのへんな髪型は直したのでしょうか。現実でもあんな髪型なのか?

 

*―――――――――――――――――――――*

 

そして、キリト、ユイちゃん、ユリエールさんの3人は、地下のダンジョンに・・・

途中、カエルみたいなMobが大量にPoPしていたが、キリトが二刀で薙ぎ払っていた・・。

 

「パパ、すごーいっ!!」

 

「なんだか悪いですね・・・任せっぱなしで。」

 

そう言ってるのは、後方でキリトの戦闘を見てる2人。

あれは病気だから、気にしなくて良いと思うよー

 

「いやー戦った戦った!」

 

「すみません」

 

謝る必要ないってば、ユリエールさん。

 

「いや、好きでやってるんだし。」

 

ほらね・・・。戦闘バカなんです。キリトは。

 

「それに、アイテムもでるから。」

 

へぇ、良いの出たのかな?

 

「ほら、このカエルのドロップしたスカベンジトードの肉。

 ゲテモノほど美味いって言うから・・・

 ・・・あ、アスナに頼んだら、料理してくれないかな・・・。」

 

絶対してくれる訳無いね。

キリトが取り出した物、おいしそうとは程遠い・・・。

 

「あ、あはははは・・・」

 

ユリエールさん苦笑いですね。分かります、私もしてます。あはははは・・・。

 

(この後、アスナに肉を持って行ったキリトは、肉をすべて捨てられ、

 その後、笑ってる事を驚かれてた。散々周りの人に心配かけまくってたもんね。)

 

*―――――――――――――――――――――*

 

だいぶ進んだ頃、安全エリアが見え、奥にプレイヤーが一人・・・

彼がシンカーさんだねっ!ユリエールさんに手振ってるし。

 

「来ちゃダメだー その通路はー!」

 

え?まさか・・・

 

キリトが、ユリエールさんを抱えて、その鎌の起動から外させる。

Boss・・・巨大な鎌を持ち。フードの中から覗く顔は髑髏そのもの。

 

うわぁ・・・何このステータス。74層のボスとかとは比べ物にならない・・・

90層以上のボスとかだよね・・・。

“ザ・フェイタルサイズ”致命的な鎌 とか?

fatal(フェイタル)って、“死”とかを意味してたはず・・・。本体は鎌・・・?

 

「ユリエールさん!ユイを連れて転移を!

 こいつ、俺の識別スキルでもデータが見えない、たぶん90層クラスだ!

 俺が時間を稼いでる間に、早くっ!」

 

見えてないのか。レベルの差だね。

鏡でMobのステータス見るには、相当の識別が必要だったから。

 

って、相当不味いよね!?時間稼ぐって、無茶するなよ!

ああぁ、もう、鏡じゃなく直接行く方法ってないの!?

こっちから干渉する事とかできないの!?

“蓮池の鏡”でしょ!?蜘蛛の糸垂らす・・・この際蜘蛛でも我慢するからっ

 

あ、そうだ!他の方法!コンソール!何とか出来ないのか!?アレで!

 

「き、キリトさんは!?」

 

「あとから行きます!」

 

無茶だって!

だけど、キリトはボスに1人で向かい合う・・・無茶だからーっ!!

コンソールの前に立って、ウィンドウを表示させる。

何か無いの!?モンスター削除とか!

 

鏡を片手に、コンソールの画面を片っ端から見て回る・・・どれなら役立つ!?

 

キリトの方は、剣を二本、交差させて鎌を受け止めようとして・・・

吹っ飛ばされて天井に当たって落下した・・・嘘でしょ!?

キリトの剣は2本とも、下手な両手剣より重いのに!

 

不味いよね!?キリトは立ち上がれてないのに、ボスは追撃態勢に入ってる。

キリトのHPは半分近くまで減ってる・・・

 

その時、キリトを庇うようにして前に出たのは、1人の女の子。

・・・ユイ・・・ちゃん?

 

キリトは逃げろと言ったけど、大丈夫と言い放ち、

自身に振り下ろされた鎌を弾き返した。

 

剣や盾などで弾いたのではなく、弾いたのは彼女の前にできた紫色の障壁。

そして出て来た《Immortal Obiect(プレイヤーに出るはずの無いモノ)

 

ユイちゃんは、その手に炎に包まれた深紅の剣を作り出し、

ザ・フェイタルサイズ(オブジェクト)に当てた。

ザ・フェイタルサイズ(オブジェクト)はそれを鎌で防いだけど、その鎌すら破壊して。

ザ・フェイタルサイズ(オブジェクト)を消滅させた。

 

それは、《オブジェクト・トレイサー(プレイヤーが使えるはずの無いモノ)

どんなものでも消し去れるモノ。GM並の権限が無いと使えないモノ

 

やっぱり・・・ユイちゃん・・・あなたは・・・。

 

「パパ・・・全部、思い出したよ・・・。」

 

*―――――――――――――――――――――*

 

「ユイ、思い出したのか?今までの事。」

 

ユイちゃんは、安全地帯の中にあった、黒い箱に腰かけて、口を開いた。

その箱は、私の目の前にあるのと同じ箱。

 

「はい。キリトさん。」

 

その口調は、今までの幼い喋り方では無く。

 

「ソードアート・オンラインと言う名のこの世界は、

 一つの巨大なシステムによって支配されています。

 システムの名前はカーディナル。

 人間のメンテナンスを必要としない存在として設計された、このシステムが、

 SAOのバランスを、自らの判断にもとずいて、制御しているのです。

 モンスターやNPCのAI、アイテムや通貨の出現バランス。

 何もかもが、カーディナル指揮下のプログラム群に、操作されています。

 

 プレイヤーの、メンタル的なケアすらも。

 

 メンタル・ヘルス・カウンセリング・プログラム・MHCP試作1号、

 コードネーム“Yui”

 

 それが私です。」

 

「プログラム・・・AIだって言うのか?」

 

「プレイヤーに違和感を与えないように、

 私には、感情模倣機能が組み込まれています。

 偽物なんです。全部。この涙も。

 

 ごめんなさい。キリトさん。」

 

「ユイ・・・だけど、記憶が無かったのは?AIに、そんな事起こるのか?」

 

「2年前、正式サービスが始まった日、

 カーディナルは、なぜか私に、プレイヤーに対する一切の干渉禁止を言い渡しました。

 私は已む無く、プレイヤーのメンタル状態の、モニタリングだけを続けたんです。

 

 状態は、最悪と言っても良いものでした。

 恐怖、絶望、怒りと言った不の感情に支配された人々。

 時として、狂気に陥る人すらいました。

 

 本来であれば、すぐにでもそのプレイヤーの元に赴かなければならない、

 でも、人に接触する事は許されない。

 私は、徐々にエラーを蓄積させ、崩壊していきました。

 でも、暫く前、他のプレイヤーとは大きく異なる、メンタルパラメータを持った、

 2人のプレイヤーに気が付きました。

 喜び、安らぎ、でもそれだけじゃ無い。

 

 それに気が付いてから、2人が私のよりどころとなりました。

 ずっと 2人を見て居たい・・・と。

 

 しかし、片方が亡くなってしまってから、

 もう一人のメンタルパラメータは、不の感情で一杯になってしまいました。

 このままだと、狂気に支配されてしまうかもしれない・・・。

 どうしてもそれだけは耐えられなかった。

 食い止める為に、本来の仕事である、メンタル的なケアをする為に。

 その為に、私はフィールドを彷徨いました。」

 

「それで・・・ハクの家に続く道に・・・」

 

「はい、キリトさん。

 元は、お二人に会いたいと思ってました。だけど・・・

 

 ・・・だから、キリトさんの、メンタルパラメータが、元に戻って欲しくて・・・

 おかしいですよね・・・そんな事思えるはず無いのに。

 私、ただのプログラムなのに。」

 

・・・つまり、私が死んだ事が原因・・・って事だよね・・・。

ごめんなさい・・・

 

でも、ユイちゃん・・・あなたは本当に“知性”を持ってるんだね・・・

 

「ユイはもう、システムに操られるだけのプログラムじゃない。

 だから、自分の望みを言葉に出来るはずだよ。

 

 ・・・ユイの望みはなんだい?」

 

「・・・私・・・私は・・・

 

 ずっと、一緒にいたいですっ! パパっ!」

 

「ずっとずっと一緒だ。ユイ。お前は俺の娘だ。」

 

「もう。遅いんです・・・。

 これは、GMがシムテムに緊急アクセスする為に作られた、コンソールの1つです。

 これを使って、モンスターを消去したのですが、

 同時に、今私のプログラムがチェックされています。

 カーディナルの命令に違反した私は、システムにとっての異物です。

 

 ・・・すぐに消去されてしまうでしょう・・・。」

 

・・・大丈夫だよ。あと少しだから・・・

 

「そんな・・・何とかならないのかよ・・・」

 

大丈夫だって、ユイちゃん。キリト。

 

「パパ、ありがとう・・・これでお別れです。」

 

終わったぁ!大丈夫だよ。ユイちゃん。キリトと別れる必要なんてない。

ユイちゃん達の会話を聞きながら、

こっちのコンソールの作業で、

ユイちゃんのプログラムをカーディナルから隔離したから(・・・・・・・・・・・・・・)

 

「え・・・? 

 カーディナルの・・・チェックが止まりました・・・

 私は・・・カーディナルから・・・隔離された、別のプログラムに・・・。」

 

「ユイ・・・?どういう事だ・・・?」

 

「100層にある、もう一つのコンソールが操作されて、

 私のプログラムがカーディナルから隔離されました。

 

 ・・・私が、カーディナルによって削除される事は・・・ありません。」

 

「なっ・・・消えないんだな!?一緒にいられるんだな!?」

 

「はいっ! パパっ!」

 

ふふふふふ・・・作戦大成功っ!このコンソールには、GM並の権限が付いてる。

それが分かったら、余裕だったねっ!

モンスター削除は、オブジェクトトレイサーを使わないと実行不可だったけど・・・。

 

でもユイちゃん、私のせいで余計な不の感情増やしてゴメンね。

せめてものお詫びだよ・・・。キリトと仲良くねっ!

 

「でも、なんで100層から・・?100層に行けるのは・・・萱場明彦が100層にいるのか?」

 

違います。私だよ。

萱場さんは血盟騎士団本部にいるよ。

別に良いけどさー 萱場さんのおかげって事にしても。

 

「いえ・・・100層に、プレイヤーがいるようです。少し・・・見てきますね。」

 

え・・・?

 

*―――――――――――――――――――――*

 

「あなたは・・・プレイヤーネーム、“Haku”さん・・・ですよね?」

 

と言う訳で、数秒後にユイちゃんがコンソールの上に転移してきて・・・

 

「あ、うん。そうです・・・」

 

「どうして・・・あの時、確かにHPが0になってしまったはず・・・」

 

「いや、なんか私が100層のボスみたいで・・・」

 

「えっ? ・・・少し良いですか・・・?」

 

ユイちゃんがそう断りを入れて、私の額に手を当てて、目をつぶった・・・

何してるの・・・?

 

数秒後、目を開けて、手を放して・・・

 

「本当・・・ですね。

 100層のボス部屋に、プレイヤーがいる状態のみ、

 Hakuさんは一時的にフロアボスと同等の扱いを受けます。

 この部屋から出る事も出来なくなります。

 HPは5倍に増えるようですが・・・。」

 

そんな風になってたんだ・・・やっぱり、今は普通のプレイヤー扱いなんだね。

降りれないだけで。

 

「でも、Hakuさんが此処いるって事は、さっきのは・・・」

 

「あ、うん。隔離の事なら私がやりました・・・」

 

そう言うと、ユイちゃんは満面の笑みを浮かべて・・・

 

「あ、ありがとうございましたっ!」

 

可愛いなぁ、ユイちゃん・・・。

ほのぼの光景5割増しだねっ!

 

「あ、そうそう、ユイちゃん。

 この世界がクリアされる直前になったら、

 キリトのローカルメモリーに退避したいって強く願ってね。

 そうしたら、そのうち現実でキリトに展開して貰えるから。」

 

これは、ユイちゃんをカーディナルから隔離した時に分かった事。

私はパソコン関係の知識は人並みだけど、キリトなら何とか出来るでしょ。

というか、して貰わないと困ります。キリトの娘さんなんだから。

 

「・・・分かりましたっ!

 ありがとうございますっ! Hakuさんっ!」

 

「あ、あの・・・ユイちゃん。さん付け止めて貰えないかな・・・。」

 

「じゃあ、何と呼べばいいですか?」

 

「あんまり堅苦しくないのなら何でも良いよー」

 

「じゃあ、ママでいいですか!?」

 

「良いよー   ・・・・ん?」

 

え!?ママ!?

 

「分かりました! じゃあ、私はパパの元に戻りますねっ!」

 

「え!?あ。  ・・・いなくなっちゃった・・・」

 

・・・キリト。私まで親になっちゃいましたよ・・・。

私は生きて現実に帰れないのになぁ・・・。

 

*―――――――――――――――――――――*

 

その後、ユイちゃんは度々100層にやって来て、話し相手になってくれた。

でも、キリトに伝言を頼むなんて事はできなかった・・・

 

理由は、あの後すぐにキリトに私が生きてる事を伝えようとしたのだが、

話そうとした瞬間、目の前に

《その事は、このゲームに置いて重大な情報を先に伝える事になってしまう為、

 万が一他人に伝えた場合、その話を聞いた全プレイヤーのHPを強制的に0にします》

との文が出たらしい。

 

まぁ、確かにネタバレだよね。

 

だけど、ユイちゃんがいるおかげでキリトも良く笑うようになったねぇ・・・

良かった良かった・・・

 

さて、彼が此処まで来てくれるのはいつ頃かな・・?

 

・・・~少女が齎した、笑顔と、安らぎを、彼に~・・・

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