「おーい・・・アスナー・・・ そろそろ起きろー」
「むぅ・・・ にゃぁ・・・。」
「寝るなー! 攻略に遅れるぞー!!」
「ぅぅ・・・ ・・・っへ!?」
「起きたか・・・ そろそろ行かないと、回復アイテムとか買って行く時間無くなるから・・・
ホントはゆっくり寝かせてあげたかったんだけど・・・。」
「へ・・・へ・・・ぇ・・・」
「えっと・・・ どうかした・・・・?」
「わ・・・私・・・ 男の子の部屋で寝ちゃってた!?」
「いや・・・ 言ったじゃん・・・ 俺は女だって・・・」
「あ・・・そうだった・・・ ローブとマフラー付けてたから分からなかった・・・。
でも・・・何で男みたいな恰好してるの・・・? 可愛いのに・・・」
「そっくりそのままアスナに返すよ・・・ 綺麗な栗色の毛で・・・
俺は女ってだけで何があるか分からないからな・・・
この男女比が狂った世界で・・・・」
「ハクの方が・・・肌白いし・・・髪色も目も綺麗で・・・
でも・・理由は同じか~・・・・」
「別に・・・ 女だって事 誰にも言うなよ!
で・・・ そろそろ行くから、アスナも支度してー そのまま行くなら別だけど・・・」
「わ、分かった! ・・・で・・その・・・」
「・・・?」
「ベットまで運んでくれてありがと・・・。」
「あぁ・・・ 別に・・・」
*―――――――――――――――――――――*
で・・・ アスナもローブを装備、フードを深く被って、
無事回復アイテム等を買って、キリトと合流したのだが・・・。
「おはよー キリトっ!」
「あー・・・ おはよう・・・」
「・・・何でそんな朝から元気無いの・・・ 今日なんだよ! ボス戦!」
「別に・・・ わかってるよ・・・」
「だったらシャキッとしろ! 他の人の士気にも関わるだろ!」
「了解・・・」
「はぁ・・・ キリト、 回復アイテムとか、武器とか大丈夫?」
「昨日の内に済ませた・・・」
「りょーかい。 じゃ、行こうか、 アスナ、キリト君っ!」
「はいっ!」
「はーい・・・」
*―――――――――――――――――――――*
アスナがスイッチの事知らず、2人で教える事になったが、
キリトは何とかいつもどおりになり、無事レイドはボス部屋の前までたどり着いた・・・
「なぁんか・・・ 嫌な予感するんだけど・・・」
「ハクの予感は地味に当たるから・・・ 余計な事言うなー」
「なんだよそれ・・・ 地味にってのも・・・」
「外れる時は思いっきり外れるからだ!」
「えぇー・・・ ま、外れてほしいけどな!」
「思いっきりHappy.ENDで終わらせて、大量の文句付けてやる・・・」
「ひでぇ! ・・・ま、キリトもアスナも、 無事、勝って生きてやろうな!」
「おうっ!」
「えぇ!」
*―――――――――――――――――――――*
「思ったより・・・ あの子・・・強い、なっ!」
「キリトは・・・ アスナを見くびってたのか?」
「まぁ・・・ スイッチのやり方も知らない初心者かと・・・」
「スイッチとか知らないって事は、ソロでこの町まで来たって事!
トールバーナまで1人で来て生きてるって事は、それなりの実力はあるよ・・・」
「な・・・成程・・・ って うわっ!」
「あんまり話してると危ないって事・・・っ だな!」
「「アスナ! スイッチ!」」
「了解!」
*―――――――――――――――――――――*
「ボスのHPバー・・・ラスト一本が赤くなった・・・」
「武器変えか・・・・」
『全員下がれ! 俺が出る!』
ココは全員で取り囲む予定だか・・・
ディアベルが1人で前に出た・・・ LA狙いか・・・・?
「!? ・・・っ違う! ディアベル! 全力で後ろに飛べっ!!」
「キリト!?」
「あれは“野太刀”!! タルワールじゃない!」
「なっ・・・!?」
「βとは違ったんだ!」
キリトの言う通り、あれは曲刀カテゴリのタルワールではなく・・・
刀、“野太刀”!!
しかし、キリトの声が届かなかったのか、ディアベルはボスに突っ込み・・・
ボスのソードスキル“旋車を受けて浮かされ・・・ “浮舟”を受けて吹き飛んだ!!
「っ・・・!! キリト! ディアベルを!」
「分かった! お前は!」
「ボスを!!」
ボス・・・ イルファング・ザ・コボルド・ロード(以下ロード)
―――――――――――――死ね――――――――――――
まず片手剣突進技“レイジスパイク”でロードの増悪値を俺に向ける・・・
俺をターゲットしたロードが“辻風”を放ってくるが、
ソードスキルの硬直が解け次第もう一度レイジスパイクで相殺・・・
お互いソードスキルの硬直に入る・・・ ・・が、
ロードは別のソードスキルを受けてノックバックが発生した・・・
「ハクにばっかいいとことられてたまるか・・・っよ!」
「キリト! ディアベルは!」
「・・・。 死んだ・・・」
「・・・ そう・・か・・・。 っ! キリト!」
ノックバックから立ち直ったロードが、俺たちに向けて“上”から剣を振り下ろす・・・
急いでお互い横に避ける・・・が・・・
「なっ!?」
「“幻月”かっ!!」
“幻月”・・・ 上から振り下ろ“そうとする”剣はフェイント・・・
真の狙いは避けた所に横薙ぎに振るわれる剣!
俺達は・・・横からくる剣に対応できず・・・
後ろでスイッチのタイミングを待っていたアスナと共に後ろに吹き飛ばされ・・・
「っ・・・ 」
「ハク! キリト君っ!」
っ・・・ スタンか・・・ キリトも・・・ アスナも・・・
っ!? ロードが構えてるのは・・・ カタナ三連撃“緋扇”!?
ロードの剣が振り下ろされる・・・ 瞬間、誰かの斧がロードの緋扇を迎撃する・・・
「俺達が支えてる間に、早く回復を!!」
その間に スタンから立ち直った俺達は・・・
「了解! ロードを取り囲むと範囲攻撃か来る! 気を付けろ!」
そう叫んで、すぐにアスナとキリトの口に回復ポーションを突っ込む・・・
HPが回復し出したのを見て、ボスに突っ込み・・・
「スイッチ!」
壁役の彼らと交代、キリトと共にボスにレイジスパイクを当てる。 そして、
「「アスナ! スイッチ!」」
「了解!」
アスナがリニアーを当てたのを確認、 その後
「ハク! キリト君! スイッチ!」
「「了解!」」
俺とキリトはバーチカル・アークを、ロードに向けて放った!
――――――――――パァンッッ!―――――――――――
その音と共に、人1人を殺したモンスターが、大量のポリゴンの欠片となって爆散した・・・
部屋に大きく表示された Congratulation!! の文字
目の前に出た獲得経験値、アイテム、コルと You got the last attacking bonus! の文字
結局、ラストアタックは俺だったのか・・・?
「あれ・・・俺にラストアタック・・・?」
「ぇ・・・・? キリトにも?」
「え 2人にラストアタックってあるのか?」
「さぁ・・・・」
「まぁ・・・ 貰える物は貰っとけってな・・・」
「なんだよそれ・・・」
「Congratulations! 見事な剣技だった。 2人とも」
「お疲れ様! ハク! キリト君!」
「あぁ・・・ お疲れ様・・・。」
「お疲れ・・・」
周りの人も、初めてのボス攻略を喜んで、周りの健闘を称えあっていた・・・
そんな中・・・
「なんでや!!! なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」
そう叫んだのは・・・攻略会議の時、βテスターのせいで2000人が死んだと言い、
賠償と謝罪を求めてきた・・・ “キバオウ” ・・・だったか?
「・・・み・・・見殺し?」
そう問いかけると、
「そうやろが! あんた達はボスの使う技知っとったやないか!
最初からその情報を教えててくれてれば、ディアベルはんは死なずにすんだんや!」
周りも
「そういえば・・」
「なんで知ってたんだ・・・」
などと言い、最後に俺が一番危惧してた事を言った・・・・
「きっとあいつ等、βテスターだ! だから知ってたんだ!知ってて隠してたんだ!」
やっぱり・・・な・・・
黒い肌のスキンヘッドの人・・・ エギル・・・だったはず・・・や、アスナが、
言い過ぎと言っているが・・・
「エギルはんはともかく、そのローブのあんはんは、同じβテスターなんやないか!?
おなじパーティだったしな!」
まずい・・・ このままじゃ・・・ アスナはβテスターではないし、
これから先、βテスターの協力はあったほうが良い・・・
だから・・・
「・・・っふ・・・。 元βテスター ・・・ だって・・・・?」
「そうや! だからボスのスキルとか知ってたんやろが!」
「俺は・・・ 確かにβテスターだか・・・ 他のβテスターとは一緒にしてほしくないな・・・」
できる限り、低い声で・・・ 威圧的に・・・ それを意識しながら・・・
「なんやと!」
「あんたらの脳はどうやら中身が足りてないみたいだな・・・足りない脳考えてみたらどうだ・・・
SAOのβテストは、抽選によって選ばれた・・・
その中に、本当のMMOプレイヤーが何人いたと思う・・・
普段MMOなんてやってなくても、興味、好奇心・・・
そんな動機で応募、当たった人がほとんどだ・・・。
他のMMOで大体のルールなどを知ったあんたらの方がまだマシかもな・・・・
だが、俺は違う・・・ 俺はβテスト時、他の誰も来なかった層まで上った!
ボスのカタナスキルを知ってたのは、
上の層でカタナを使うモンスターを散々狩ったからだ!
そんな俺を、他のβテスターと一緒にするな!」
「な・・・なんや・・・ そんなの・・・βテスターどころやないやんか!
チートやチーターやんそんなの!」
キバオウの言葉で、他の人達も俺に対する罵詈雑言を言い出す・・・
果てには、βとチーターが合わさって “ビーター”なんて言い出した・・・
「それで良い・・・ そうだ、俺はビーターだ・・・
しっかり他のβテスターとの区別をつけてくれ。」
そう言って、俺はボスからのラストアタックボーナスを装備し、白銀のコートが身を包む・・・
――“コート・オブ・Silvery snow”――
Silvery snowってことは白いんだろうって予想してたが・・・
ココのラストアタックボーナスは黒いコートだった・・・ 正反対って事か・・・
髪が外に出てしまうかと思ったが、マフラーのおかげでそれは免れた・・・
なら後は・・・
「2層の転移門は俺が有効化しておいてやる・・・
所見のモンスターに殺される可能性が高いから、ついて来るなよ・・・
邪魔だしな・・・
あぁ、 あと、そこのローブの奴はβテスターじゃないよ・・・
スイッチのも知らなかったような初心者だ・・・
じゃあな・・・」
言いたい事だけ言って、俺はとっとと階段を上がる・・・
「待てよ・・・
ハクがビーターだって言うなら・・・ 俺だってビーターだ・・・」
そう言うが否や、キリトは黒いコートを装備した・・・。
「お前と一緒にβテスト時、ボスクリアを続けてたのに・・・
全部お前の手柄にするな・・・・」
―――パーティから、Asunaが追放されました―――
そう、目の前に表示された・・・ パーティリーダーはキリトだった・・・
キリトが追放したのか・・・
「・・・。」
「あの初心者は邪魔だからな・・・ 行くぞ・・・」
そう言って、キリトは先に階段を上りだす・・・・。
扉を開き、フィールドに出た・・・ もう他の奴らは引き返したか・・・
俺は・・・
「キリトの馬鹿ー! なんでお前までビーターになるんだよ! お前そんな悪い奴じゃないだろ!」
「ハクだって悪い奴じゃないだろー! お前が何であんな事言ったのか分かってないと思ってるのか!?」
「思ってる! お前は馬鹿だろ!
はぁ・・・ 俺1人が悪役演じれば、
ほぼ同じだけの知識を持つキリトがいろいろ教えてやれるかなって思った俺の善意を!」
「馬鹿って・・・ 言い方変える。
お前は、俺がお前だけ1人になるのを黙って見てると思ったのか!?」
「はぁ・・・ お前はお人好しだねぇ・・・」
「他のβテスターの替わりに1人で悪役を背負おうとするお前ほどじゃない。」
「う・・・うぅ・・・」
「大体悪役は黒の仕事なのー 白は聖騎士とかになって、いい奴に・・・」
「なんじゃそりゃー!
はぁ・・・もう良い・・・ボス戦でレベルあがって、スキルスロット解放されたし・・・
料理入れておこう!」
「料理には期待しとく・・・」
「キリトもなんだかんだ言って食欲旺盛だよね・・・」
「うるさぁい!」
キリトは俺についてきてくれた・・・それが結構嬉しかったりする・・・
・・・~キリトと一緒に、どこまでも・・・それが、今の願い。~・・・