俺の気になる事・・・それは・・・
“蘇生アイテム”
はっきり言って、コレを今誰かに言ったって、笑われるだけだろう・・・
「この世界で死んだら、現実でも死んでるんだ、蘇生手段なんてある訳無い。
それに萱場も、始まりの街で言っていたじゃないか
《あらゆる蘇生手段は機能しない》って」
と・・・・
だが、俺には1つだけ蘇生アイテムのような物の事を書いてある本を見つけていた・・・
それは、去年のクリスマス、その頃、俺は、読書にはまっていた・・・
この世界の書店で売られている、さまざまな本・・・
中には、クエストのヒントになる物もあった・・・
そして、クリスマスイヴの日だけ、特別に売られていた本・・・
《3の付く年のサンタさん》と言う本・・・
今日限定だった事もあり、購入したその本。
中には、西暦の1の位が3の年には、
モミの木の前に、特別なサンタさんがやってくる。
そのサンタさんは、他の年のサンタさんとは違い、
“死者の魂を呼び戻す”物を持っているらしい・・・。
そして、今年は、西暦2023年・・・
“3の付く年”だ・・・。
去年のクリスマスから、1度も蘇生アイテムの話題など出ていないところから、
本を買った人が少ない、
もしくは、買って、意味に気づいたが、胸の内に仕舞ってる。
俺は後者だな・・・。
そして、予想では、サンタさんはイベントMobだ。
前のひな祭りのように、弱くは無い・・・
むしろ、強いだろう。 “蘇生アイテム”を持っている位だから・・・
だからこそ、今の内からレベル上げをするんだ、
セツと一緒に、スイッチもできるようになったし、キリカが回復を担当してくれる・・・
元々、攻略組でもキリトと共にトップレベルに入っていた。
更に今上げる・・・
イベントボスを倒せるように。
無駄かもしれないのは重々承知、
死んだ人は、もう現実でも死んでいるのだから・・・
でも、もし、
~死んだ人は、ゲームクリアまで意識が戻らないだけでは~
せめて、
~死んだら、ゲームクリア時にまとめて焼かれるのかも~
無駄な場合を考えてないで、無駄じゃなかった場合を考えろ・・・
せめて、その間は、つらい事を考えなくて済む、
だから、この話をキリトに話すか迷った。
話せば、たぶんキリトの事だ、ひたすらレベル上げを続ける気だろう。
だけど、駄目だ、
もし、蘇生アイテムなんて無かったら・・・
期待してたのと違ったら、
ひたすらあげられた分、叩き落とされる衝撃が分からない・・・
だから、すべて独断で・・・・
アルゴが知ってるのでさえ、俺がキリトに何があったかを知ろうとしてる。
それだけ。
他の人は全く知らないだろう・・・
アルゴには口止めしてあるしな・・・
今分かっているのは、予想も含め、
月夜の黒猫団は、6月12日、リーダーがギルドホームを買いに行った、
その間、キリト含む残りの5名で、27層の迷宮区に挑み、
トラップを開け、キリト以外の4人が死亡、
そして、リーダーが自殺。
こんな所か・・・
だとすると・・・
あながち、キリトは、自分が皆を助けれなかった、殺してしまった。
とでも考えてるか・・・
良かった、やっぱり、不用意に声かけなくて・・・
さて、セツとのスイッチをもう少し自然に出来るように・・・、
少しでもレベルが上がるように・・・
色々なMobを狩りながら、
モミの木を探していた・・・けど・・・
それらしき所は・・・無い。
見落としてる場所があるのか、
それとも、今の前線より上の所にあるのか・・・。
後者なら、今のままじゃ、その層に行けるか分からない、
迷宮区のマッピングも進めないとな・・・。
*―――――――――――――――――――――*
あれから半年近く、今日が2023年の12月24日、
街は、クリスマス仕様で飾られ、カップルも見られる・・・がそんな事どうでも良い。
同時に、今アインクラッド中は、“蘇生アイテム”の事で大騒ぎ・・・
俺が去年のクリスマスから見てた本と同じだと思う。
キリトも、狂ったようにレベル上げしてた・・・。
狙いは同じだろう、“蘇生アイテム”。
だからこそ、俺は、“1人”でイベントボスを狩る。
クライン達に頼んで、手回しも完了してる。
今、この城で一番レベルが高いのは俺・・・
そう言い切れるだけの自信がある。
キリトも必至でレベル上げしてるようだが、俺の方がずっと前から続けてる。
今のレベルが74、
セツが67、
キリカが62、
だが、いくらレベルが高くても、相手はレイドを組んで戦う様な相手、
だけど、負ける訳には行かない、死ぬ訳にも行かない。
俺が死んだりしたら、逆効果も良い所・・・
キリトと2人でとも考えたが、
たぶん、キリトは死ぬ気だろう、
ギルドの誰かを生き返らせられるか、自分も死ぬか・・・
そんなキリトに、ボスに挑ませる事は出来ない。
ボスの出現する場所も分かった、35層、迷いの森の奥深く・・・
巨大なモミの木がある・・・。
たぶん、キリトも場所の見当は付いてるはず。
だから、クライン達に頼んだ、
「キリトの後を追って、キリトがモミの木に近づかないようにして欲しい、
もし、キリトが、クライン達とPTを組んだら来ても良いけど、そんな事無いだろうから、
無事足止めしておいてくれたら、
蘇生アイテム以外のすべてのボスドロップをあげても良いから、」と。
俺も、1人でボスを倒そうとしてるのに反対されたが、
今のレベルを見せたら渋々承諾してくれた・・・
終わった後、食事作ってくれと条件追加されたが、
俺が死なないで帰ってくるように・・・との意味だろう、
死んだら意味無いから、死ぬ訳には行かない、
絶対。と言うと、少しだけ安心したようだった・・・。
「到着っと・・・ セツ、キリカ、大丈夫?」
「ニャ!」
「(コクコク)」
12時まで、あと10分・・・。
12時まで、あと5分・・・
12時まで、あと1分・・・
「セツ、巨大化、 キリカ、いつでもヒール掛けれるように、」
「ぐるるるぅぅ・・・」
「・・・。」
あと、10秒、
5秒
4秒
3秒
2秒
1秒
あぁ、この世界に来る前も、同じ用にカウントダウンしたっけ・・・
何て考えてると、遥か上空をソリみたいな物が通り・・・
「空から降ってくるとは、変わった登場方法だな、3の付く年の“特別な”サンタさん?
やってきて早々悪いけど・・・」
――――――――――死んでくれ――――――――
*―――――――――――――――――――――*
それからどのくらい経ったのか・・・
時間にしたらそんなには長く無いのかもしれない、だけどとても長く感じられた。
何度目かのセツとのスイッチで、サンタさんはポゴリンの欠片となり果てた・・・
俺のHPバーはレッドに入っている・・・が、死んではいない・・・
必至に俺の回復をしててくれたキリカに感謝だな・・・。
急いでアイテムストレージを確認、そして見つけた、《還魂の聖晶石》の文字、
そして見たのは、《10秒以内》の文字
10秒・・・それが、ナーヴギアが脳を破壊するまでの時間・・・
現実では死んでないという事を裏付けるアイテムは、
現実でも死んでいるという事を裏付けるアイテムだった。
「どうして・・・ 一番悲しいのはキリトのはずなのに・・・俺が泣いてるって・・・」
キリトに、そしてクラインに、伝えなきゃ・・・コレがただの絶望をもたらすアイテムだって。
だから、クラインにメッセを飛ばした・・・
《ボス撃破完了、 キリトを止めててくれてありがとう。》と・・・。
その後しばらくして、キリトがやって来た・・・
「キリト・・・ ゴメン・・・。」
「ハク・・・? 何で此処に・・・ 何で泣いて・・・」
「クライン達に足止めされてたんだろ? あれを頼んだのは俺。」
「ぇ・・? 何でそんな事を・・・」
「キリトより先にイベントボスを倒す為、蘇生アイテムの真偽を確かめる為、
キリトがボスに1人で挑んで殺されるのを防ぐ為。」
「そ・・・それで、ボスは・・? アイテムは・・・?」
キリトに、手に持ったままのアイテムを投げ渡す・・・
其の説明を読んで、キリトの顔が絶望に染まっていく・・・
あぁ、そんな顔させたかった訳じゃ無いのにな・・・。
「ゴメンな・・・ キリト・・・」
ホントに生き返れるのなら、誰でも良い、キリトは悪くないって言って欲しかった・・・
キリトの気が晴れる、一番早い方法、俺達が、いくら周りで言ったって、
キリトは自分を責め続ける。
彼らは怒っていたんじゃないのか、恨んで、憎んでいるんじゃないのか。と、
だから、本人達に言って欲しかった、
キリトのせいじゃ無い、怒っても恨んでも無いって。
だけど、其の願いは叶わないから、
代わりに、少ししか意味なくても、俺が考えた限り1番の言葉を・・・
「キリト。」
「・・・・。」
「キリトとパーティ解散した時、俺が言った事覚えてる? 死んだらダメって。」
「あぁ・・・」
「月夜の黒猫団の皆は天国に行ったよ。絶対。」
「だろうな・・・」
「だけど、キリトが死んだら、彼らには二度と会えないよ、約束破る事になる、地獄行きだぞ、」
それに、彼らの為を思うなら、尚更しっかり生きないと。彼らもそれを望むはずだ。」
「違う・・・ 彼らh「違わない!!」俺が、黒猫団の皆を殺したんだ!」
「じゃあ、その事教えてくれない? どうしたら良いか教えてあげれるかもしれないから・・・」
「・・・分かった・・・。」
それから、キリトに聞いた話は、俺の予想と同じ・・・
だけど、キリトの心にどれだけの傷を残したか、良く分かった・・・
自分が、下層荒らしと思われたくなくて、レベルを隠した事、
暫くして、コルが溜まったから、家を買いにリーダーが出かけ、
残ったメンバーでいつもより上の狩場に行った事。
そして、その時、トラップを開けてしまい、自分以外の全員が死んだ事、
自分のレベル、ビーターである事、皆が迷宮区で死んだ事をリーダーに伝えると、
ビーターのお前が、自分たちに関わる資格なんてなかったと言われ、
その後、リーダーが外周から飛び降りた事。
その時、ギルドに居たサチって子が、とても怖がりで、毎晩、絶対死なないって言ってた事。
だけど、その子もトラップで、何かを呟いて死んだ事、
蘇生アイテムを使って、何て言って罵られていたのかもう一度聞く為、
ひたすらレベル上げをした事。
そして、此処3日近くはほとんど寝てない事。
・・・ぇ?
「寝てないって・・・ そんな状態でボスに挑む気だったのか・・・?」
「あぁ・・・ 」
馬鹿・・・ 死んじゃうだろ・・・ 無茶ばっかりして・・・
そんな時、キリトがウィンドウを操作し始めた・・・
そして、出てきたのは、メッセージ録音クリスタル・・・
キリトがそれを使うと・・・
女の子の声が聞こえて来た・・・
メリークリスマスで始まり、自分が死んでると思うから、メッセージを残したと、
死んだのは、自分のせいなのに、キリトは自分を責めると思うから、録音する事にしたと、
キリトは本当は強いって知って嬉しかった事、
キリトはこの世界まで生きてくれる事が願いだと。
そして時間が余ったと、赤鼻のトナカイを歌い、
最後、キリトといられて嬉しかったと、
「ありがとう、さようなら」と。
そして、録音されたメッセージは終わり、キリトは泣いていた・・・
俺は・・・サチさんに感謝する事しか出来ないな・・・
だいぶキリトも楽になるはず・・・
「なぁ、キリト、だから言っただろ、彼らもキリトが生きてくれる事を願うって。」
「・・・あぁ。」
「帰ろう。 お前はいい加減寝ないと・・・」
急に、隣で座ってたキリトの方から何かが倒れて来て・・・
「寝てるよ・・・全く・・・。 こんな所で寝たら風邪引くってば・・・
この世界で引くか分からないけど・・・
セツ、キリト運ぶから、巨大化してくれ・・・」
「ニャッ! ・・・ぐるるるる・・・」
「さてと・・・仕方ないから、俺の宿屋で良いか・・・ どうせ暫く起きないだろうし・・・
落ちるなよー キリトッ! セツ! 走れ!」
*―――――――――――――――――――――*
「やっぱ起きないなぁ・・・ 」
今日は12月27日、朝6時なのだが・・・。
「あー 三日も徹夜してたら、2日位寝るのは当たり前なのか?それとも何か問題なのか!?」
あの後、キリトを宿屋に置いて、
クライン達へのお礼にボスのドロップアイテムを渡した。蘇生アイテム以外。
食事の事を言って来たが、急ぐから、ご飯は今度!とだけ言って、
すぐ戻って来たのだが・・・。
「ま、疲れてるならゆっくり休めば良いだろう・・・
せいぜいいい夢をー」
と言う訳で、キリトは寝かせといて、俺は料理修練の続きをする事にした・・・
キッチンのある宿屋を取らなきゃいけないのが難点だが、
自分で作った方が美味しく作れるようになったので、自分で料理を作るようにしている。
料理修練も進むしねー!
と言う訳で、簡単な朝ごはん、サンドイッチを作ってると・・・
「あ、キリトっ!、おはようっ!」
しかし、料理修練をしていたという事は、
「えっと・・・ お、おはよう・・・ ・・・ココは?」
「35層、ミーシェの南西門のそばの宿屋だよー」
「そう・・・ えっと・・・昨日はゴメン・・・。」
「なんの事だかー 昨日は特に何もなかったが? 誰かさんが2日も俺のベット使ってたくらいで。」
「え゛ ・・・今日何日・・・?」
「27日。」
「・・・悪い・・・。」
「別に~ あ、朝ごはん食べる? 」
「食べる!」
「サンドイッチで良い?」
「ああ!」
と言う訳で、さっき作ってたサンドイッチを渡す・・・。
「旨い! コレ何処で売ってたの!?」
・・・このバカ・・・ 何でおれが
だから“笑顔”で答える。
「売って無い、俺がついさっき作った。」
「え゛ だって、お前料理作ったら、なぜか真っ黒い消し炭みたいなのができて・・・
美味しくない奴・・・」
「それ、かなり前な。 今690越えた所。」
「なっ・・・!?」
「ちなみに、レベルも絶対お前より上だぜ? 賭けてもいいくらい。」
「・・・幾つだ・・・・?」
「74。 勝てるか?」
「無理です・・・ と言うか、なんで! 俺だって!」
「3日も徹夜するくらい狩りをしてた・・・か?
俺は、ただ毎日いろんなエリアを歩き回って、
Mobを片っ端から狩ってただけだ、モミの木探ししながら。
それと同時に、最前線の迷宮区でひたすら狩ったりもした。
両方とも、6月頃から。」
「何で・・・
特にモミの木探しは・・・噂が始まったのは12月頃なのに・・・」
「俺は去年のクリスマス頃から知ってた、理由は、本だ。」
「本?」
「去年のクリスマスイブにだけ限定販売のNPCの本が売っててな、
その本には、
“3の付く年にでる特別なサンタさんは、“死者の魂を呼び戻す”物を持っている。
となっててな・・・。
今年が2023年 “3の付く年だったんだ。」
「へぇ・・・」
「で、ソロでもそいつが倒せるように、ひたすらレベル上げしてた。」
「何でソロで倒す必要あったんだよ!」
「キリトより先に倒す為。キリトあの状態で2人で狩ろうって言っても断ったでしょ?」
「・・・そんな事・・・ あるかも・・・」
「ほら見た事かー! しかも、俺はちゃんと睡眠時間取ってたぞ!」
「うぐっ・・・」
「と言うか、この世界で大事なのは、脳の処理能力が大きいのに・・・
戦闘前日まで徹夜続けるとか・・・ バカだろ!」
「煩いーーっ! ハクだって、イベントボスにソロで挑もうとしてる時点で同じような物だろう!」
「んなっ・・・ 俺はソロじゃない! セツとキリカ、3人パーティだ!」
「1人と2匹じゃねぇか!」
「キリカはともかく、セツは違うぞ!
俺に化けて貰って、剣握らせたら、それで一緒に戦ってくれたから、スイッチとかもできる!
しかも、剣に炎纏わせたりとか、いろいろ超常現象まで起こせるし!
キリカも、回復に徹してくれたから、俺が隙見せずに戦えたし!
しいて言うなら、2.5人だ!」
「途中まで良かったのに、最後で台無しじゃねぇか!」
「うるさぁい! ああもう! キリト、今日は馬車馬のようにこき使うからな!覚悟しとけ!」
「何でだよ! 何するんだよ!」
「風林火山全員に、夕飯作らなきゃいけないんだよ!誰かの足止めしてて貰った代わりに!
その食材集め! キリトも強制手伝い!」
「なんて取引を・・・ 分かったよ・・・」
――――――――Kiritoがパーティに参加しました―――――――
・・・~これで少しは戻れたかな・・・あの頃に~・・・
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇おまけ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一番想像図と近かった・・・以外・・・
でも、着物・・・?となりましたが・・・
これは“衣”です!
・・・・ほんとは羽衣つけたかった・・・ (
これで月夜の黒猫団編終了となります。
最後までシリアスっぽく行く予定だったのに、どうしてこうなった・・・
次はシリカちゃん編!
セツをピナに化けさせて・・・ (やめなさい。