リディアンに入学した咲夜はその夕方にノイズに追われる響を見つけた。
工場に追い込まれた響と一緒に逃げていた女の子を救うために自ら鎧を纏う。
しかし響は別のノイズに追い回られ、挟み撃ちに追い込まれてしまう。
万事休すと思われた直後、あの人の言葉が蘇る。
「生きるのを諦めるな!」とそして・・・
「Balwisyall nescell gungnir tron~♪」
自棄になって歌った。
胸に突然浮かんだ歌を口ずさんだ。
その歌は咲夜ちゃんが唄った物よりも親近感があり、
とても救われそうな歌詞だった。
っとその時―――
「「!?」」
私の胸が光りだした。
源は・・・あの時の傷跡だ。
2年前のライブの事件で生き残った私に付けられた決して消えないフォルテ型の傷。
その傷が眩い光を放った。
ダメッ!謎の重圧に耐えきれず、床に手を着けると光は球体になり、服が散った。
これって・・・咲夜ちゃんと同じ・・・?
だけど・・・何かに呑まれそうだ・・・
「うッ・・・うぁ・・・うあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
体に謎の機械が入っていく。そしてまた同じ機械が体に入る。
そこで重圧が消えた。立ち上がれる。
立ち上がると今度は重圧ではなく、重量に体がよろける。
一難去ってまた一難。どうなったの私・・・本当に呪われてるぅ!!
自分の体を見える範囲で見ると驚愕の変化を遂げていた。
ヒールを内蔵した黒いグリーブ。
お尻のほぼほぼ真上にあるごっつりした鎧。
そして両手の籠手と頭のヘッドギア。
「え、なんで!?というか私、どうなっちゃってるの!?」
どう見たってこれは咲夜ちゃんの鎧と同じだ。
そして私を助けてくれたあの人の鎧と酷似している。
「お姉ちゃんかっこいい!」
「・・・」
でも言われてみたらうれしいかな。
さて、ここからどうしよう。
前にはノイズ。真下にもノイズ。これじゃあ四面楚歌じゃなくて四面雑音だよ!
ここから見えてノイズがいないのは一番下。
ここは一か八か・・・
愛ちゃんを抱きしめて助走をつけてジャンプす・・・!?
なんだか凄い勢いで飛び跳ねた!?
ちょちょ、待って!流石に待って!地面に激突・・・しない。
「大丈夫二人共?」
「う、うん。ありがとう咲夜ちゃん。」
間一髪で咲夜ちゃんがキャッチしてくれた。
「凄い光だったね。まるで光の柱。」
「あはは・・・。それで、ここからどうしようかな。」
後ろから上にいたノイズたちが続々と降りてくる。
前にも最初よりは少ないものの、まだノイズが残っている。
四面雑音再び。今度は周囲を固められた。
「響、いきなり戦える・・・わけないよね。
私もこの数は流石に無理。逃げて攻撃の機会を窺うわよ。」
「うん。愛ちゃん、我慢できる?」
「大丈夫だよ!」
その返事を聞いて「逃げるよ!」との指示で煙突に向かって飛ぶが、
直前にノイズの攻撃に驚いて変な飛び方になった。
「わあッ!?」
勢い余って煙突には飛べたが壁にめり込んでしまう。
それでもなんとかパイプに手を掴む。
「大丈夫!?」
「へいき、へっちゃら!でもどうする?」
「様子を見よう。ここからなら鳥型ぐらいしか手は・・・。」
そう、私たちはすっかりと忘れていた。ノイズは最初よりも増えている。
つまり大型がいるということを。
煙突裏から例の大型ノイズが現れる。
「!?響逃げて!」
ターゲットは私なの!?
急いでパイプから手を離すと先程いた場所にノイズの大きなハサミが貫いた。
着地すると近くにいた一体の
愛ちゃんは死なせない・・・!
庇うように体勢をとり、右手を握り絞めてノイズを殴る。
ノイズに触れれば炭素化する。これは当たり前のことだが触れた私はならずに、
ノイズのみが炭素化した。
私達は消えていない。もしかしてこの鎧は・・・。
とその時、何か近づく音が聞こえる。
ノイズではない、車の音ではない・・・バイクだ!
「Imyuteus amenohabakiri tron~♪」
この歌は・・・聞いたことがある。
その直後、ノイズたちが次々に吹き飛び、中からあの人が出てきた。
「翼さん・・・?」
バイクは私の横を通り過ぎ、大型ノイズにぶつかり、爆発した。
その直前に舞った翼さんは先の私と咲夜ちゃんと同じように、光の球体に包まれ、
その身に青い鎧を身に纏った。
「呆けない!・・・死ぬわよ。あなたはここでその子を守っていなさい。」
呆然していた私に一喝言うとノイズの群れに走っていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ノイズ襲撃から3日が経った。
昼休憩に訳ありで屋上にいる私はその時を忘れることはできなかった。
あの日あの時あの場にいた私にあの幕切れは理不尽に思う。
あの人気アーティスト風鳴翼は私と同じ存在だった。
しかも動きで分かる。かなりの手練れだということも。
私が苦戦したノイズたちは彼女一人の剣で払われた。
もちろん大型でさえも。
くっ・・・笑えない冗談かもしれない。
フェンスに持たれて呪詛を吐いていると、屋上に出入りできる扉が開く。
開いた扉からかなり疲労している響が入ってきた。
「はぁ・・・お待たせ咲夜ちゃん。」
「そんなに待ってないけど相変わらず顔色が悪いね。これは相当こき使われてる。」
響も同じくフェンスに持たれる。
忙しそう。
でも私は知っている。響がどうしてこうなっているか。
本来は口止めされるほどの機密事だが、ノイズの対策はあの鎧が最も効果的だそうだ。
その鎧にもシンフォギアという名前があり、響と翼さんは人類を救うために戦うことを強いられている。
・・・関連は分からないがあまり仲は悪いそうだが。
「そういえばなんであの時逃げちゃったのー?どう説明するか大変だったからね!」
「あーごめんごめん。・・・やっぱり怖くてね。勇気が・・・なかった。」
そう胸のペンダントを見ながら言った。
私は翼さんが無双を始めた頃合いで逃げるようにその場を去った。
もちろんばれるのが怖かったのが第一だが、この力を奪われるのが怖かったのが本音だ。
「咲夜ちゃんのギア、ミョルニルって言うんだって。」
「ミョルニル・・・。確か北欧神話のトールが持つ金槌だっけ。」
なるほど、ならばこのギアの主武装がハンマーだということが納得できる。
名前で少々察してはいたが。
「咲夜ちゃんはこれからどうするの?
弦次郎さんはミョルニルを発見次第取り返すように言われているけど。」
「もちろん返さない。代わりにこの極秘情報はもらっていくけどね。」
「あはは、それじゃあ戻るね。」
戻ろうとする響に「待って。」と引き留めて、「いざとなったら駆けつける。無理はしないで。」と厳しい顔で言ったが、
「大丈夫。」の明るい顔の一言で返された。
羨ましいね・・・その一言で片づけれるなんて。
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その日の夜。本来は就寝時間だが、寝れずに海岸へ出ていた。
私の故郷には海がなかったのでこう波の音を聞くと心が流されそうだ。
寄せては引く波の音。空を舞うカモメの鳴き声。遠くから聞こえる船の汽笛。ノイズのような雑音。
・・・え、雑音?
咄嗟に後ろを振り返ると10は超えるノイズが私の真後ろにいた。
いつの間にッ―――!
ポケットからペンダントを出そうとした時、ノイズ群の後ろに人影が見えた。
「ここは危ないよ!早く逃げないと・・・!」
「逃げてどぉすんだ?誰かに知らせて虎でも呼ぶのか?」
ッ!?ノイズが近くにいるのにその口の当て方・・・死にたいの?
「言っとくがこいつらは私を襲って炭素にはしない。
ましてや私にノイズなんてザコに毛が生えた程度の存在なんだよ!」
重い金属音が入り混じった足音が聞こえる。
その主がノイズの合間からでた時、私は驚愕の顔に成れ果てた。
銀色に紫色の刺の生えたシンフォギアに包まれ、左手に異常に細長い銀色の杖を持った(バイザーで顔が見えずらいが)おそらく同年代の少女が
私の目の前に現れた。
「ネフシュタンの鎧とソロモンの杖を見せた。これで私が死なない理由がわかっただろ?
じゃあ・・・口封じのためにお前の目でも潰してやるよ!」
予告
突如現れた謎の少女に咲夜はミョルニルを纏い迎撃を行う。
だが・・・
一方、響は未来と咲夜と共に流れ星を見る約束をノイズに踏みにじられ、激しく激怒する。
その最中、翼が駆けつけだが二人の元にあの少女が現れる。
次回「雑音の星」
完全聖遺物が牙を剥く。