ハイスクールS×S  蒼天に羽ばたく翼   作:バルバトス諸島

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本作に登場する全ての英雄眼魂の偉人の選定を終えました。すべてのフォームを出すのは不可能なので、大半はあくまでそういう眼魂があるという域にとどまります。設定は追い追い公開していく予定です。

Count the eyecon!
現在、スペクターの使える眼魂は…
S.スペクター
2.エジソン
3.ロビンフッド
4.ニュートン
7.ベンケイ
10.ヒミコ
11.ツタンカーメン
12.ノブナガ



第132話 「もう一人の赤」

〈BGM:Gothic Adventure〉

 

ジークルーネとダークゴーストに変身したアルギス、二人のアルルの配下と戦う俺のもとに突然現れた謎の乱入者。奴の登場は激闘が繰り広げられていたアガレス領の森に一時の静けさをもたらした。

 

男から溢れる赤き龍のオーラが、この場にいる俺たちを圧倒しその注目を独り占めにする。

 

あの男から感じ取れるオーラはどういうわけか、兵藤と同じ赤龍帝のものだ。神滅具は二つと存在しないはずだが、どうしてこいつが赤龍帝の力を…?

 

「…」

 

それよりも考えるべきはこの状況だ。こいつは俺がとどめを刺されようとしたその瞬間に現れた。こいつは俺の味方なのか、それとも弱った俺をアルギスと同じように倒しにかかろうとするハイエナなのか…?

 

「貴様、私の結界をどうやって突破した?」

 

『話すつもりはない』

 

絶えず湧いてくる疑問に混乱する俺をつゆ知らず、男が詰問するジークルーネに毅然と返す。

 

「…誰だか知りませんが、私たちの邪魔をするなら排除するまでです」

 

問答は不要だとサングラスラッシャーを握り、猛然と向かうダークゴースト。その剣戟を難なく装甲のついた腕で受け止めた男は豪快にダークゴーストを殴り飛ばした。

 

「ぐぅッ!?」

 

「それなら!」

 

入れ替わるようにジークルーネが魔方陣を大量に展開し、魔法のフルバーストを盛大に放つ。それに対抗して男の手元に幾何学模様の光の粒子が集い、龍の意匠がデザインの一部に込められた、男の装甲と同じカラーリングのアサルトライフルへと変じる。

 

そして銃身のスロットにドライバーに収まっていた歯車型のデバイスを引き抜き、それに差し込んだ。

 

〔ELTANIN IGNITION BREAK〕

 

音声が鳴ると同時に全身のラインが発光をはじめ、その光がライフルへと流水のように移動していく。そしてその銃口に赤い灼光が風船のように膨れ上がっていった。

 

『…』

 

男がかちゃとトリガーを引く。どんと灼光が爆ぜ、アサルトライフルが大出力の赤いビームを吐き出す。眩い光を伴う極太のビームは一瞬で魔法の数々を飲み込み、男がライフルで薙ぐとまるで字の書き間違いを消しゴムで消すかのようにあっという間に消し去ってしまった。

 

「な…!」

 

これにはジークルーネも驚愕を禁じ得ないと、あんぐりと開けた口がふさがらない様子だった。

 

「これならどうです!?」

 

次の策に出るダークゴーストは俺から奪ったリョウマ眼魂、そしてベートーベン眼魂を取り出すと手のひらサイズの魔方陣をかざす。魔方陣に反応した眼魂から光が生まれ、やがてそれはガンマイザーという意思なき戦闘人形の形を成した。

 

風を操るガンマイザー ウィンドと振動を操るガンマイザー オシレーション。どちらも強力な能力を持った厄介な敵だ。

 

生み出されたウィンドが早速先陣を切る。全身から烈風を発して宙を舞い、謎の男に向かって突進する。

 

『余剰エネルギーで十分だ』

 

相対する男は動じない。ウィンドの突進、その距離がゼロになりすれ違う瞬間に紙一重で突進を躱して、ライフルの連射を至近距離で浴びせ爆発四散させた。

 

「まじか…」

 

その戦いを倒れながらも見守る俺は高い戦闘力を誇示するような光景に驚きを隠せない。

 

あのガンマイザーを簡単に…。パワーアップする前の俺では歯が立たなかった相手だ。

 

男の不意を突くようにぼうと燃え上がる爆炎の中からオシレーションが飛び出し、男に奇襲を仕掛ける。

 

男はほのかな光をともしたオシレーションの拳を難なく躱す。その後も続く拳打のラッシュ、その一発一発をかすめることなく男は装甲を纏ったその外見からは想像もできないような軽やかな身のこなしでやり過ごしていく。

 

振動を操る能力からしてあの拳は掠めるだけでもその振動によって装甲を無視して生身にダメージが入る攻撃のはず。音という一種の振動を操るベートーベン眼魂から生まれたガンマイザーであるゆえ、自然とその性質も似通る。

 

〔Boost!Boost!〕

 

『はっ!』

 

回避運動のさなか、男は信じられないことにこれまでの戦いで俺が何度も聞いてきた音声を発動させ、鋭く繰り出された男の抜き手がカウンターでオシレーションの胸をずぶっと貫通した。胸に大穴を開けたその一撃のもと、オシレーションは先陣を切ったウィンドの後を追うように爆発し消滅した。

 

「やはり、赤龍帝の力を持っているのか…!」

 

オーラを感じたときはそんな馬鹿なと思っていたが、能力まで使われては信じるしかない。どういうわけか知らないが、奴は赤龍帝の力を持っている。

 

神器研究において一番進んでいるのはグリゴリだ。となれば、この男が使っているのはアザゼル先生が所有する龍王ファーブニルの鎧と同じ人工神器なのか…?

 

「何なんだ…何者なんだお前は!」

 

その驚異的な戦闘力の高さに内心の戦慄を隠さない表情で、ジークルーネが声を上げる。俺に追い詰められ、アルギスの登場で逆転、さらにこの男の登場でまた逆転と二転三転してきた彼女の焦りが表れていた。

 

『…あえていうなら、君たちの敵であり…』

 

言葉少ない男が抜き手を放った手の汚れを払うように軽く手首を振るいながら彼女の問いに静かながらも答え、俺の方へふと一瞥する。

 

『彼の味方だ』

 

「!」

 

味方、この危機的状況においてなんと心強い言葉だろうか。その一言が俺に与えた安心感は絶大だった。

 

「…そうですか。なら」

 

ダークゴーストはがちゃりとサングラスラッシャーをガンモードに変え、容赦なく引き金を引く。男もすかさず構えたアサルトライフルのトリガーを引き、両者の弾丸がすれ違い、ぶつかり合う派手な銃撃戦が始まる。

 

「深海悠河の首と一緒に、あなたの首とドライバーも土産にしましょうかね!」

 

『僕の首に価値はないけど…君にあげるには惜しいかな』

 

銃弾が当たった木はえぐられたような傷がつき、着弾した地面は焼き焦げ、そして彼ら自身への直撃コースに入った弾丸は上体をそらし、あるいは飛び退って回避する。

 

ダークゴーストの援護をするようにジークルーネも属性魔法を飛ばして男に攻撃を加える。しかし彼の素早い動きに魔法が追い付くことはできず、ことごとくが外れていく。

 

互いに一歩も譲らぬ激しい銃撃戦だ。銃撃と魔法の烈華が刹那のうちに咲き乱れ、三人以外の他者の介入を許さない。

 

〈BGM終了〉

 

「…今だ」

 

二人の注意が完全にあの男に向いている間に、ざっと駆け出してアルギスの妨害で手放してしまったままのプライムトリガーを回収する。

 

〔ソウル・レゾナンス!アーイ!ヒーローズ・ライジング!バッチリミロー!バッチリミロー!〕

 

「しまった!」

 

ドライバーに差し込むとともにドライバーから一斉に色とりどりの7体のパーカーゴーストが飛び出し、男と交戦するダークゴーストたちに襲い掛かる。

 

「くっ!」

 

「邪魔だ!」

 

パーカーゴーストたちの妨害にあいながら、ダークゴーストたちはドレイクの追撃を受けないようにと引き下がっていく。

 

〔カイガン!プライムスペクター!英雄!裂空!勇壮!激闘!ブレイヴ・イグニッション!〕

 

そして7つの英雄の力を身にまとい、ようやくプライムスペクターへとフォームチェンジを遂げた。眼魂を3つ奪われたことで出力は落ちているが、それでもパワーアップと呼ぶには十分だ。

 

そのまま俺は、男のもとへさっと駆け寄る。俺のピンチを救ってくれた彼に改めて言葉を投げかける。

 

「誰だか知らないが、一緒に戦ってくれ」

 

男はこくりと頷く。協力を得られ、心強さを覚えた俺の心は敗北を間近にした状況から一気に奮い立つ。

 

〈挿入歌:Evolvin Storm(仮面ライダーフォーゼ)〉

 

俺たちが駆けだしたのは同時だった。ガンガンセイバーを二刀流モードにし、俺たちはダークゴーストとジークルーネに立ち向かう。

 

〔ヒミコ!〕

 

初撃を加えたのは俺だった。二振りの剣が鮮やかな剣閃を空に描きながらダークゴーストへ振るわれる。

ムサシ眼魂のない今、これまでの戦闘や訓練で培ってきたアシストなしの俺自身の剣技だ。

 

「そんな攻撃で!」

 

だがそのままあっさりと反撃を通すダークゴーストではない。俺の剣技をサングラスラッシャーで捌きながら、時折反撃の剣を繰り出す。

 

「援軍が来たからと図に乗らないでいただきたい!」

 

俺の剣戟をはねのけ、鋭利な剣閃が振り下ろされる。その剣をガキンと受け止めたのは俺と共闘している男の握るアサルトライフルの銃身だった。

 

「!」

 

その間、俺は懐にすっと滑り込み斬撃。一振り、二振りと目を見張る流麗な剣戟がダークゴーストを切り裂いた。

 

「ぐぉ…!」

 

攻撃を受けてよろめくダークゴースト。そこに追い打ちをかけるように男の膝蹴りと裏拳のコンボが決まる。そして最後の一押しだと、俺はそっと奴の腹に掌底を添える。

 

「!」

 

〔ニュートン!〕

 

そこからニュートン魂の斥力の力を炸裂させ、木っ端のように軽々とダークゴーストが吹っ飛んで行った。

 

「ぐほぁっ!」

 

「侮るなよ!」

 

入れ替わりに突撃してきたのはジークルーネだ。剣を構え、果敢に猛進してくる。

初撃で剣を弾き飛ばす。

 

「ッ!」

 

得物を失った彼女に、謎の男がハイキックを決めてダークゴーストの元へ軽々と蹴り飛ばした。

 

初めてあった俺たちだが、見事なコンビネーションで二人を圧倒している。俺たちの相性がいいのか、それとも向こうが俺に合わせてくれているのかまではわからないがこの際それはいい。

 

ざっと俺たちは勇敢に並び立つ。

 

『同時に仕掛ける』

 

「わかった」

 

〔ダイカイガン!プライムスペクター!〕

 

〔ELTANIN〕

 

即席ながらも息を合わせ、同時に必殺技を発動させる。俺の足には金色のエネルギーが収束していき、男の足には全身のラインを伝って移動してきた赤いエネルギーが宿る。

 

そして一息に地面を蹴り跳躍。男の方は背部のブースターユニットから赤い粒子を吐き出しながら飛び立った。

 

〔ハイパー・オメガドライブ!〕

 

〔IGNITION DRIVE!〕

 

俺たちが繰り出したのは必殺の蹴撃。金色と赤いオーラがさながら流れ星のようになり、ダークゴーストたち目掛けて降る。

 

「『はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』」

 

「下がれ!」

 

ダークゴーストの前に咄嗟に飛び出したジークルーネが分厚い防御魔方陣を張り、その数秒後に俺たちの流星のようなキックが突き刺さる。

 

光とエネルギーの激しい奔流が結界の中を駆け巡る。互いの思いを乗せた力がぶつかり合い、嵐のように荒れ狂う。だがその衝突が長く続くことはなかった。

 

数秒拮抗したのち、俺たちの力に耐えかねた防御魔方陣ががしゃんとガラスのようにあえなく粉々に砕け散り、そのまま俺たちの一撃が炸裂した。

 

「ぐぁぁぁぁっ!!」

 

「がぁぁっ!」

 

巻き起こった激しい爆発が結界内を轟かせ、爆風が木々を激しく揺らした。その爆炎から二人が無様にもごろごろと横転していく。

 

その逆方向、俺たちの方へ眼魂が4つほど転がって来た。当然、それらすべてを拾い上げる。ムサシ、リョウマ、ベートーベン、そしてコロンブス。

 

コロンブス眼魂だけは15の英雄眼魂に含まれていない、おそらくアルギスが新規で作り上げた眼魂だ。おそらく俺も使用できるだろうが奴らが作り上げたものだから、あとでポラリスさん…は忙しいだろうからアザゼル先生に解析に回そうか。

 

〈挿入歌終了〉

 

「返してもらったぞ。さあ、ふんじばってやるから大人しくしろ」

 

向こうの地面で這いつくばり、悶える二人へ言葉を投げかける。見るからに大きなダメージを受けており、戦闘は不可能だ。

 

「作戦は…失敗か」

 

「…ここは引きましょう。この借りは必ず返しますよ」

 

変身も解除され、衣類も身も煤汚れてボロボロになった二人がよろよろと立ち上がる。ジークルーネの手のひらにはいつの間にか転移魔方陣の光が生み出されていた。

 

「待て!」

 

逃走の意を認めた俺は咄嗟に二人を捕まえようと動き出す。こいつを捕まえて残りの眼魂を回収し、情報を引き出さなければ大事な試合観戦を邪魔された溜飲が下がらない。

 

特に凛救出のタイムリミットが迫っている今、俺はなんとしてでも凛がいるであろうこいつらのアジトの情報を聞き出さなければならない。絶対に逃してはならないチャンスなのだ。

 

「ふん」

 

そうはさせるかと向こうは手のひらから最後っ屁の魔力を放って地面にぶつけ、巻き上げた土煙と爆音で派手な目くらましをする。奴らの唐突なアクションに不意を突かれた俺は驚いて足を止めてしまう。

 

「おわっ…ッ!!」

 

腕に霊力を込めて振るい、煙を払った時には二人の姿はとうに失せていた。凛救出に繋がる絶好の機会は、無残にも失われた。

 

「…くそっ!!!」

 

頭が一瞬のうちに怒りで熱くなり、感情のままに声を荒げてどんと地面を強く踏みつける。

 

「あいつを…助けないといけないのにッ…!」

 

仮面の裏の俺の表情は悔しさと怒りでくしゃくしゃになっていた。ポラリスさんと約束した期間も残り少ない。あの時、俺は絶対に二人を拘束しなければならなった。なのに、二人で奴らを追い詰めたことで生まれた余裕、そして一瞬の油断が命取りになってこのような無様な結果になってしまった。

 

俺の責任だ。俺が弱いばかりに、油断したばかりに二人を逃がしてしまった。どろどろとした無力感と己への怒りが胸中に渦巻く。

 

『…逃がしたか』

 

男がぽつりとつぶやく。その呟きがこの場所での戦闘の終了宣言でもあったかのように周囲に張られていたジークルーネの結界もすぐに消滅した。

 

〔オヤスミー〕

 

「…助けてくれてありがとう。お前は何者なんだ?」

 

怒りはまだ残っているが、それでもこの男に言わなけれならないことがある。一度息を吐き、むしゃくしゃした気分を落ち着かせて心の隅に追いやり、変身を解いた俺は早速隣の男へ尋ねる。

 

男の方も変身を解除したようでアーマーが消えていたが、マスクだけは龍の角のようなアンテナやバイザーが消えただけで相も変わらずその素顔は隠されていた。

 

『僕は…ドレイク。君も知っている彼女の差し金だ』

 

「!…そうか、お前が例のテスターか!」

 

『そういうことだ』

 

男は俺の言わんとしていることを理解したらしく、肯定の意を示して短くうなずいた。

 

俺の知っている彼女と言う言葉、そして謎に満ちたドライバー。それらが脳内で繋がりすべてを理解した。

 

この男…ドレイクこそ、ポラリスさんが言っていた対ディンギル用の秘密兵器、そのテスターなのだ。

 

「しかしそのベルトは…」

 

『スキエンティアに蓄積したデータを利用して強化パワードスーツシステム…バトルドレスをベースに太陽炉と魔法技術を融合発展させて開発された、ディンギルに対抗するための究極のパワードスーツ…その試作型、『ゼクスドライバー オリジン』だ』

 

「…とんでもないものだというのはよくわかった」

 

究極のパワードスーツ、その名に恥じない凄まじい性能を秘めているのは先の戦いでありありと理解できた。

 

それよりも太陽炉も組み込まれているとか言ったな。だとしたら、あの背中から出ていた赤い粒子はGN粒子なのか!どこかで見覚えがあるなと思っていたが、まさかGN粒子だったとは思わなかった。

 

「でも赤龍帝の力は一体どこから…?」

 

『ベルトに差しこんだ『ステラギア』の力だ。ロキ戦で回収した赤龍帝の鎧とその宝玉から赤龍帝の力を解析し、それがこの『エルタニンプロトステラギア』に組み込まれている。これもまだ、試作型だけどね』

 

「なるほど…」

 

ドレイクが手に握るステラギアをまじまじと見つめながら、グリゴリでもまだ完璧には解析がされていない神滅具すら利用できてしまう高度な技術力に感心する。

 

ロキ戦でこっそり兵藤の鎧の破片を回収していたのか。それならば彼女が赤龍帝の力を発動できる兵器を開発できたことにも納得がいく。

 

しかしあの人、とんでもないものを作り上げてしまったな。変身したアルギスを圧倒し、それだけでなくガンマイザーを一撃で粉砕してしまえるとは。

 

それに試作型ということはまだまだ発展途上、これの完成形になればあれ以上のとんでもないパワーや性能になること間違いなしだ。

 

「…さっきの戦い、あんたがいなかったら俺は死んでいた。助けに来てくれてありがとう」

 

『…僕はあくまで、彼女に命じられて実戦のデータ取りに行かされただけだ。礼を言う必要なんてない。それより、君は急いで会場に戻った方がいいんじゃないか?』

 

「あ、そうだった!」

 

ドレイクの指摘に頭が真っ白になりかける。

 

こうしている間にも、もしかするとゲーム名物の『王』同士の一騎打ちが始まっているかもしれない。アルギスの奴、俺の抹殺には失敗したがとんでもない嫌がらせには成功しやがって。

 

『僕が転移用の魔方陣を用意している。それで君は戻るんだ』

 

その反応も想定内だとドレイクは早速地面に魔方陣を展開してくれた。急いで俺は勧められたとおりに転移魔方陣の中に入る。

 

「ありがとう、ドレイク」

 

転移が起動するまでのごくわずかな時間、最後に感謝の言葉を残して俺は転移する。ポラリスさんの部下ならまた会うことになるはず。

 

この戦いで大きなチャンスを逃しはしたが、心強い新たな味方を得られた。それだけでも十分と言うべきだろう。

 

ポラリスさんは禍の団との戦いに干渉はしたがらないため曹操たちとの戦いで助力は見込めないだろうが、対ディンギル戦において強力すぎる味方の登場に心沸き立つのだった。

 




謎の仮面の男、ドレイク。彼の素顔を知っているのはポラリスとイレブンのみ。

次回、「獅子王と紅龍帝」

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