ハイスクールS×S  蒼天に羽ばたく翼   作:バルバトス諸島

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衝撃のマーボー

ずいぶん遅くなってしまいましたが今年最後の更新です。終わりには来年の予告もあるのでお見逃しなく。

ちなみに外伝はグリゼルダさん初登場の回をオリジナルを混ぜてします。初登場のオリキャラも数名出る予定です。

Count the eyecon!
現在、スペクターの使える眼魂は…
S.スペクター
1.ムサシ
2.エジソン
3.ロビンフッド
4.ニュートン
5.ビリー・ザ・キッド
6.ベートーベン
7.ベンケイ
9. リョウマ
10.ヒミコ
11.ツタンカーメン
12.ノブナガ
13.フーディーニ
14.グリム
23.コロンブス
31.ライト
41.シグルド
42.ユキムラ
44.ハンゾウ


第166話「邪眼の鼓動」

 

街中をずっと走り、遠くで雷光が落ちるのを見た俺はそこで朱乃さんたちが戦っていると確信。

すぐにガルドラボークさんと共に向かった。

 

走る速度にはやる気持ちが乗って加速。閑散とした街を駆け抜ける。疲れを気にする時間も惜しい、とにかく走った。

 

そしてやっと見慣れた仲間の姿が見えてきた。部長さんたちが、英雄化したゲオルクと対峙している。ゲオルクの背後には魔法陣から怪物が出現している。一部ゲオルクのパーカーと共通するような意匠がみられることから、ゲオルク眼魂の能力だと察することができた。

 

だが不思議と雰囲気は敵対心に満ちたものではなく、まるで衝撃に空気が凍り付いたかのようなもので。

 

「待て!」

 

血相を変えて真に迫った表情のガルドラボークさんが俺の肩を強く掴んで引き留めた。

 

「どうして…!?」

 

「今は迂闊に出るな」

 

やっと合流できたというのに、戦いに加わらず指をくわえてみていろというのか。

 

ガルドラボークさんに抗議の声を上げようとしたその時だった。

 

『…死ね』

 

体の芯から底冷えするような声が耳に滑り込んだ。振り返れば、異様な光で目を輝かせるギャスパー君の体から暗黒が放たれ、辺り一帯を瞬く間に飲み込んでしまったのだ。

 

昏く、冷たく、一条の光もない暗黒の世界が俺たちを呑みこんだ。だが不思議と部長さんたちやゲオルクの姿はまだはっきり視認できる。それ以外のビルや木々も瓦礫も、空は何も見えない。

 

この暗黒は一体何なのか。ギャスパー君の新しい能力か?

 

〈BGM:怒りの反撃(遊戯王ゼアル)〉

 

「何なんだ…これ…」

 

部長さんたちもこの現象に驚きを隠せない様子だ。ゲオルクも想像を超えた現象に驚きに目を引く突かせて辺りを見回している。

 

『コロシテやる…オマエラ、皆…!!』

 

「…!」

 

異様な現象を引き起こしながら、鬼気迫る表情でギャスパー君が一歩踏み出した。小さな口から発せられた声はギャスパー君のものではない。呪詛にまみれた聞くだけで呪われるようなおぞましい何かだった。

 

ゴキ。

 

首があらぬ方向に折れ曲がる。

 

バキ。

 

指の骨が折れるような音が聞こえた。

 

肩が痙攣している。足を引きずっている。異様な状態でギャスパー君は一歩、また一歩とゲオルクに迫る。

そのただならぬ雰囲気にゲオルクも無意識に一歩引きさがっていた。

 

サイラオーグさんすらもこの暗黒の世界に目を見開いて驚いている。

 

「赤龍帝の死を知れば、それをきっかけに覚醒するのではないかと思った。彼の目には屈辱にまみれた強い意志があり、なおかつ神器研究が進んだグリゴリの手ほどきを受けた。それだけの条件があって禁手に目覚められないはずがない。だが…」

 

「そうやすやすと殺されるものか!」

 

ゲオルクもただ恐怖するだけではない。素早く切り替え、ギャスパー君の形をした恐ろしいナニカを迎撃するために魔法陣を大量に展開する。

 

『喰ラう…』

 

ギャスパー君が華奢な手を空にかざす。すると魔法陣の全てが展開した瞬間に闇に侵食され、その色がくすみ溶けていった。

 

「魔方陣が浸食されただと…!?停止の邪眼ではないのか!?なんだその力は!禁手でも魔法でもこんなものは…!!」

 

ゲオルクの表情にあるのは戦慄と恐怖。目の前で起こった自分の常識を超越した未知の現象にその二つの感情を抱かずにはいられない。俺だってそうだ。こんな恐ろしい現象もギャスパー君も見たことがない。

 

「ならば、俺の寿命の十年分を捧げ…」

 

ゲオルクが背後にそびえる異形に振り返る。しかし異形はうんともすんとも言わず、身じろぎもしない。

これは恐らく…。

 

「停止の力か…!!」

 

忌々し気にゲオルクが吐く。そして停止した異形に闇が忍び寄り、すぐにその全てを喰らうように葬った。

頼もしい後輩の覚醒、喜ぶべきなのだろうがあまりの異様さに恐怖の感情が先行する。

 

「ならば我が霧が!!」

 

英雄の力も魔法も効かぬと分かったゲオルクは最後に神滅具の力を使う。霧を全面に展開し、暗黒を霧で上書きするつもりのようだが…。

 

『無駄』

 

刹那、暗黒の世界に無数の赤い目が浮かび上がった。全ての眼差しが赤い輝きを放つと、霧はまるでその場で凍り付いたように流動的な動きを止めた。停止の力もここまで強化されたのか…!!

 

「神滅具を超える力だと…」

 

『喰ッた…全部喰ってヤッタぞ…お前ノ全テを…!!全部、効カナイ!!』

 

ゲオルクの一手一手全てを潰すギャスパー君は不気味にケタケタと笑う。上位神滅具さえ超える力…これは何なんだ?ギャスパー君にこれほどの力が宿っていたなんて…グリゴリは何をした?

 

「くっ…このバケモノがァ!!」

 

追い詰められたゲオルクは感情もあらわに魔方陣を大量展開し、一斉に属性魔法を打ち出す。すると宙に浮かんだ無数の目が光り、炎や雷撃を全て空中に浮かんだまま固定してしまった。

 

そしてやはり、その全てが闇に喰われていった。

 

『終ワリだ』

 

冷徹なギャスパー君の一声。闇が凝縮し、無数の怪物を作り始めた。

 

狼、鷹、獅子、ワニ。見慣れた動物のように見えるが、どれも一つ目だったり腕が多かったり、あるいは頭が二つあったりと何かしらの異形だ。

 

倫理から外れたおぞましい怪物の凶悪な視線がすべてゲオルクに向いている。恐ろしい怪物を作り出すその力はまるで魔獣創造のよう。

 

「ここは一度立て直して…」

 

太刀打ちできないと悟ったらしくゲオルクが転移の魔法陣を開き始めた。あいつ、逃げる気か!

 

「念入りに対策を立て、次は君を倒して見せよう」

 

捨て台詞を吐いて転移の光に呑まれようとするゲオルク。しかし次の瞬間、彼の体から黒い炎が迸ると巻き付いて、彼の体を焼いた。

 

「ぐううう!!これはヴリトラの呪い!?」

 

忌々し気なゲオルクの視線の先、部長さんたちの後方に上半身だけ起こし、ボロボロの匙が手を伸ばしていた。服はボロボロだが傷は見当たらない辺り、アーシアさんが癒したのだろう。

 

「俺たちのダチを奪ったんだ…ただぼこぼこにされただけで終われるわけねえだろ…!!」

 

怒りと執念に満ちた声。それに呼応するようにゲオルクに巻き付く黒い炎が大蛇の形を取り、一層彼の体を締め付ける。

 

「ここで、終わるわけには…!!」

 

呪いと炎に苦しむゲオルクが小瓶を取り出す。あれはフェニックスの涙だ。その一条の希望すら、黒い炎は無情にも飲み込んだ。

 

「っ!!」

 

『ヤレ』

 

ギャスパー君の宣言で、闇の獣が一斉にゲオルクに襲い掛かった。獣の暴力の饗宴。全てが闇に消え去った。

 

〈BGM終了〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇が晴れて世界は元の姿を取り戻す。その時には既にギャスパー君はその場に横たわっていた。

 

「部長さん、皆」

 

タイミングを見計らい、俺たちはビルの陰から現れ皆の元へ駆け寄った。

 

「深海君!」

 

「深海さん!」

 

合流したことに皆は安堵の声を上げるがその声はどこかぎこちない。それもそうだろう、あれだけの力を目にした後じゃ。

 

「さっきのは…あれがギャスパー君の禁手なのか?」

 

「…わからないわ」

 

部長さんは複雑な表情でかぶりを振る。

 

軽く見渡すがゲオルクはどこにもいない。血の跡も残っていないが、唯一眼魂だけが一つ転がっている。ギリギリで解除されたのだろう。

 

横たわったギャスパー君の顔を覗き込む。すやすやと気持ちよさそうにかわいい顔で寝息を立てている。力を使い果たして疲れ切ったみたいだ。さっきのような恐ろしさはどこにもない。

 

「ギャー君、寝てますね」

 

「実はギャスパー君は特訓したけど禁手に至れなかったみたいなんだ。でも、ゲオルクがイッセー君の死を教えたら…」

 

「覚醒した、というわけか」

 

尊敬する先輩の死が彼の中で劇的な変化を起こした。なるほど、有り得そうな可能性だ。だが禁手というのはここまで元の神器になかった能力を多く、より強く発現するものだったか?曹操の禁手は神滅具だからというのもあるだろうが、ギャスパー君は通常の神器だ。

 

サイラオーグさんも彼の寝顔を見て、難しそうに唸る。

 

「まさか彼の内にここまでのものが眠っていようとはな…リアス、お前は一体何を眷属にしたんだ…?」

 

「ヴァンパイアの名門、ヴラディ家が彼を蔑ろにしたのはこれを知っていたからなの…?いずれにせよ、ヴラディ家に改めて訊かなければならないわね」

 

ヴァンパイア、つまり吸血鬼か。アザゼル先生の勉強会で彼らは悪魔以上の純血主義、貴族主義だと聞いている。ハーフの彼は吸血鬼にとってのけものにしかならなかっただろう。だがさっきの力を知った今だとまた違った考えができる。まさか何も知らないわけではないだろう。

 

「ヴァルハラに戻った時、吸血鬼に関するニュースを聞きました。吸血鬼の名家に神滅具所有者が発生したことで、吸血鬼同士の抗争が勃発したと」

 

「!?」

 

「神滅具に抗争って…!」

 

「まだこっちも大変なのに」

 

ロスヴァイセ先生の話に俺たちは頭を抱える。悪魔社会だけじゃなく外でも大事が起こってるなんて…。しかも吸血鬼にコンタクトを取りたいこのタイミングで。

 

「神滅具ってどれですか?まだ会ったことがないのは聖杯、十字架、箱庭、羯磨だったと思うんですけど…」

 

「そこまではわからないです。ただかなりの混乱状態なのは間違いないですね」

 

神滅具、そして抗争。おまけに今はまだ魔獣の騒動の渦中。ギャスパー君の力の秘密を解明するには一筋縄ではいかないようだ。

 

「吸血鬼もですが、魔法使いにも気を付けた方がいいでしょう」

 

と、会話に入って来たのは会長さんだった。こちらも匙同様に傷はないがボロボロの状態だ。

 

「ソーナ!傷はもう大丈夫なの?」

 

「ええ、おかげさまで。才能、実力主義の魔法使いの中でもトップクラスのゲオルクを倒した以上、否が応でも魔術協会に目を付けられることでしょう。将来性のあり、かつ有名なあなた達にコンタクトを取ってくるはずです。実力ある悪魔と契約することをステータスにする召喚系魔法の使い手もいることですから」

 

悪魔との契約、ね。部長さんたちが日ごろやってる一般人との契約とはまた違った内容になって来るんだろうな。まあテロだったり騒動だったり、面倒ごとに絡まれないならいいが。

 

「皆!」

 

場を明るくするような快活な声が飛び込む。空から降って来たのは紫藤さんと朱乃さん、そして。

 

「悠!」

 

「ゼノヴィア!」

 

真っすぐに飛び込んできた彼女を受け止めるように俺は抱きしめた。

 

「やっと会えた…」

 

数日ぶりの再会。その温もりを、感触を確かめるように俺たちは抱擁を交わした。青い髪、その香り、柔らかな感触。久しぶりの感覚に心が安らぎで満ちていく。

 

片や入院、片や天界でエクスデュランダルの修復と忙しかった。普段は同居しているため、ここまで顔を合わせない日が続いたのは夏の合宿以来なんじゃないか?

 

…しかしこれはなんだ。俺の視界にベールをかけてくる白い煙は。下から立ち上っているのか?

 

怪訝に思い下を見ると、彼女の腹に切り傷ができており、そこから煙が上がっていた。

 

「ってお前、腹から煙が吹いているぞ」

 

「ああ、そういえばジャンヌの聖剣で斬られたんだった」

 

そして糸が切れたようにどさりとゼノヴィアはその場に倒れこんだ。

 

「ゼノヴィア!!?」

 

「ちょっと、しっかりして!!」

 

「ゼノヴィアさん、すぐに治しますからね!!」

 

まさかいきなり倒れるとは思わず、どよめく俺たち。すぐにアーシアさんが駆け寄り治療を始める。

 

アーシアさんがいる以上、死なないとは思うがぶっ倒れるくらいのダメージを受けていたなんて…。

 

「ゼノヴィアちゃん、ジャンヌとの戦いで相当頑張ってたわ。彼女の頑張りがなければ今頃負けていたかもしれないわね」

 

「そうですか…」

 

朱乃さんはそう、ゼノヴィアの戦いっぷりを教えてくれた。

 

なるほど、この三人でジャンヌと戦ってたのか。俺も頑張ったように、お前も頑張って来たんだな。あとはゆっくり休んでくれ。残るあいつも俺たちが必ず…。

 

かつ。

 

…言霊という概念があるけど俺はまだ一言も言ってねえぞ。お前に関する言葉は。

 

乾いた靴音が響く。なんともない音だが、俺たちの注目を集めるには十分すぎた。

 

「超獣鬼の見学に来た矢先、とんでもない物を目にできてしまったようだ」

 

聖なる槍を携え、漢服が乾いた風に揺れる。悠然とした足取りでこちらに近づいてくるのは。

 

「曹操…!」

 

「やあ、無事に俺たちの仕掛けた脱出ゲームをクリアしてくれてうれしいよ」

 

一斉に向けられる敵意を浴びるも余裕の微笑みを崩さない英雄派の首魁、曹操。幹部との戦いがすべて終わりようやく姿を現した奴はきょろきょろと辺りを見渡す。

 

「ヘラクレスとジャンヌ、ゲオルクのオーラを感じない…どうやら君たち、幹部を全員倒してしまったようだ。赤龍帝抜きでもここまでやるとは、感嘆の念が堪えないよ」

 

「…!」

 

赤龍帝、奴がその言葉を口にした途端に部長さんたちの間にぴりついたものが走る。

 

「赤龍帝の件はこちらとしても残念だよ。ヴァーリと同じ、神器の究極を目指せるライバルになりうると思ってたんだけど…シャルバは余計なことをしてくれたものだ」

 

「あなた達がサマエルを呼び出さなければこんなことには…!!」

 

朱乃さんは強い怒りに声を震わせて曹操を糾弾する。

 

地獄の底に封印されていたサマエルを召喚するようハーデスと契約を取り付けたのは曹操だ。そのような動きがなければシャルバもサマエルを利用しようという考えには至らなかっただろうし、オーフィスも有限になることはなかった。

 

そして何より、兵藤がシャルバに相討つこともなかった。

 

「そうだな、でも謝罪をする気はないよ。力を認めてはいるが、敵であることには変わりないのだからね。だが君たちも流石だ。まさか再起し、幹部を全滅させるまでの奮闘を見せるとは思わなかった。赤龍帝あってのグレモリーと少々思っていたが撤回しよう」

 

曹操は涼しい顔で皆の怒りを受け流す。

 

「だが君たちの快進撃も今日までだ。ここまで追いやられては英雄派の名折れ、今度こそ禁手で君たちを単騎で殲滅して見せよう」

 

「…!!」

 

場の雰囲気を塗り替えるような存在感あるオーラに一瞬気温が下がったような錯覚を覚えた。さらに曹操の背にいつの間にか7つの光球が出現している。

 

「『極夜なる天輪聖王の輝廻槍《ポーラーナイト・ロンギヌス・チャクラヴァルテイン》』。グレモリー眷属、シトリー眷属、サイラオーグ・バアル…そして六華閃。君たちを討ち滅ぼし、その武勇を持って英雄になるとしよう」

 

初手から禁手か!一度披露はしているし、この人数とメンツが相手だから手加減はなしのつもりらしい。至極まっとうな判断だが、こちらとしては厄介極まりない。つい先日、俺たちは一人でこの能力に翻弄され、圧倒されたばかりなのだから。

 

そんな彼に、呆れ気味な嘲笑を投げかける者がいた。

 

「この人数に加え、俺と単騎で戦おうとは自惚れが過ぎるな」

 

「俺たちは複数人係とはいえ最強の六華閃を倒した。その筆頭たる俺の禁手にあなたが勝てるとは思えないけどね。ガルドラボーク・ジャフリール」

 

一歩前に進み出たガルドラボークさんの手には、いつの間にか古めかしい装飾の分厚い本があった。静かながらも凄まじい存在感を放つそれは単なる読み物としての本でないことは容易に理解できた。

 

「ほう、それがジャフリールに代々継がれる魔導書『ソピア』か」

 

「そうだ、お目にかかれただけでも感謝してほしいくらいだよ。ならず者の首魁君」

 

「我々をただの下劣なならず者呼ばわりとは感心しないね。信念もなくただ獣のように動く者と同列にしないで頂きたい」

 

二人の間に激しい火花が飛び散るような錯覚を覚えた。確か、曹操たちが倒したサイン家の当主はガルドラボークさんとかなり繋がりが深い間柄だったか。目的のためなら私情を押し殺せるこの人だが、全く親しい人を失った痛痒も、その人を奪った憎しみがないわけではあるまい。

 

「君たちは下がっていろ。幹部との戦い、ご苦労だった」

 

俺たちを一瞥すると、古い装幀をさらりと撫でた。

 

「解錠せよ」

 

〈BGM:Z-ONEのバトル(遊戯王ファイブディーズ)〉

 

ガルドラボークさんがその言葉を厳かに発した瞬間、曹操の七宝の一つも発光する。しかし何も起きない。

七宝を使ったのか?だがこれは…不発?

 

「無駄だ。君の禁手の全ては把握している。デュランダルのようにこれを破壊できると思ったなら君は六華閃を舐めすぎだ」

 

「それはそれは…!」

 

あいつ、デュランダルを砕いた輪宝で同じようにあの魔導書を破壊しようとしたのか。デュランダルのような直接的に攻撃するものでなくとも、あれも一種の武器と認識できると言えよう。初手を封じようとするくらい、あの魔導書が危険だというのか。

 

そして魔導書の頁が開かれる。

 

「第一項、天より進軍する必罰の聖軍」

 

魔導書の一節が光を放ち、ガルドラボークさんの周囲に神々しい光を放つプレートアーマーの騎士たちが出現する。規律正しく隊列を組む彼らが一斉に剣を構え、曹操へと進撃を開始した。

 

「その能力、存分に見せてもらおう!」

 

昂る曹操が槍を携え、果敢に馳せる。聖なる軍と曹操が交錯するまでそうかからなかった。

 

衝突の瞬間、七宝が縦横無尽に駆け巡り、騎士たちを蹴散らしていく。重い衝撃波がまとめて騎士を蹴散らし、形状変化した光球が騎士を切断する。そしてその中心は恐れを知らぬ曹操。聖槍の的確な突きが騎士たちに確実にとどめを刺していく。

 

「あの分身…僕の龍騎士団より剣技を反映できているみたいだ。スピードは…こっちの方が上みたいだけど」

 

「木場さん、無理をしないでください」

 

アーシアさんの治療を受ける木場が体を起こして戦いを見届けている。つまりあの兵士は曹操が木場に指摘した事項をクリアしているらしい。

 

これまで見た魔法はどれも属性による攻撃や結界、転移に類されるものだった。だがこれはそのどれにも当てはまらない。兵士を生み出すというまるで神器、いやそれ以上の高度な魔法を生み出すあの魔導書。ジャフリール家が武器職人のトップの一角を占める所以の一つなわけだ。

 

「だが、俺の敵ではない!」

 

また一体、聖槍に刺し貫かれた兵士を踏み越え前進する曹操。しかしその行く手をまた別の兵士が遮る。

次々に来る兵士の数が減る気配は一向にない。だが曹操の戦意と攻勢が衰える気配もない。

 

鮮やかかつ苛烈な手つきでまた一体と曹操は兵士を聖槍のもとに屠っていく。だがそんな彼の表情が疑念に陰った。

 

「なるほど、ただの分身ではないらしい」

 

何、曹操は何に気づいたんだ?

 

「皆は何かわかったか?」

 

「いえ、何も…」

 

「木場と同じ分身の能力にしか見えないぞ」

 

皆も紫藤さんやゼノヴィアの意見と同じだと首を縦に振るばかりだ。

 

「すぐに気づくとは流石だな」

 

「さっきから同じ分身とばかり戦わされているな。分身を攻撃しても再生し、いつの間にかまた俺との交戦に加わって来る」

 

「えっ…!?」

 

敵の攻撃をさばきながらも結論にたどり着く曹操。外から見ている俺でも気づかなかった。曹操の攻撃を受けて完全に動きを止めることもなければ、そのまま光になって消える兵士は一体もいない。

 

ずっとあいつは同じ分身と知らず知らずの間に戦い続けている。それに気づかれないような動きを取り、あるいは倒された他の兵士の再生に気づかれぬようカバーの動きをするよう魔法でプログラムされていたりするのか?

 

「正解だ。ソピアの魔法が生み出した分身は死すことはない。なぜ気づいた?」

 

「個体によって剣筋が微妙に違う。なのに剣筋が同じ個体と何度もぶつかれば嫌でも気づくさ」

 

…さらりととんでもないことを言うなこいつ。俺だったら絶対に気づかないまま術中にはまっているぞ。

 

前線からはぐれた兵士がいた。胸を貫かれ、倒れ伏す兵士。しかし胸に光が集まり風穴を埋めるとまた立ち上がり、何事もなかったかのようにまた戦いに向かっていく。

 

「無限に再生する兵士、か」

 

あくまで攻撃を喰らってやられたふりをしている。通常なら深手を負わせ立ち上がれまいと相手が思わせ、次から次へと押し寄せる分身を相手にせざるを得ず、振り返ることもない。その間に再生を完了し、また戦列に加わる。何度も、何度も、永遠に。

 

「空の剣を満たすのは崇める光への信仰と悪を忌む正義。義憤は果てどなく、邪悪の使徒に罰が下るその時まで、戦いが終わることはない」

 

「はは!分身を差し向け、知らぬ間に終わらない戦いを強いらせて消耗させる!恐ろしい魔法だ!」

 

それでも楽しそうに曹操は戦いを続ける。こいつもヴァーリと変わらずバトルジャンキーだということをありありと見せられているようだ。普段は涼しい顔をしていても、戦いになると内に秘めた熱いものが解放される。

 

「輝け」

 

曹操の静かな一言と同時に槍から絶大な光の波動が迸る。ビームさながらに放たれたそれは射線上の兵士を呑みこみ、真っすぐにガルドラボークさんへと向かう。そら恐ろしい質量の攻撃に、ガルドラボークさんは何ら動じることはなく。

 

「第30頁、光を拒絶する黒花の盾」

 

新たな頁がめくられ魔法が発動、黒い靄が漏れ出る魔法陣が前面に展開して聖槍の光を相殺していく。神滅具の一撃を防御する出力。とんでもない魔法だ。

 

「聖なる力に対抗するためだけの防御魔法か。手数は六華閃随一と言われるだけはある」

 

自慢の聖槍の攻撃を受け止められてなお動揺で心を乱さぬ曹操。

 

そこにいたであろう兵士の足や下半身がその場に残っている。そしてそれは次の瞬間、光の粒子が集っていき元々あるべき形を作り出し、攻撃前の完全なる軍勢の姿かたちを取り戻した。

 

「やはり見立て通りだ」

 

「さて、困難に挑戦することをモットーとする君に攻略できるかな」

 

まだ戦いは始まったばかり。現状は魔法を繰り出すガルドラボークさんの優位と言えるだろう。だが曹操の鋭い洞察力と技巧、そして聖槍の攻撃力と異能があればまだどう傾くかはわからない。

 

「さて…」

 

〈BGM終了〉

 

睨みあう両者、ガルドラボークさんの指が新たな頁をめくろうとしたその時。

 

均衡する状況に一石を投じるように、異変は起こった。

 

この場にいる全員が、突如弾かれた様にある一か所の方角の空へと視線を向けたのだ。

 

俺も遅れてその方角を見た。

 

「あれは…」

 

冥界の空に、大きな次元の裂け目が生まれた。あのサイズ、まさかまた魔獣が来るというのか…!?

 

だがその予想に反して現れたのは、巨大な赤龍だった。圧倒的な存在感を放つ龍の中の龍。俺は一度それを見たことがある。ディオドラとの戦いの後、暴走した兵藤の覇龍を止めた後に現れたそのドラゴンを。

 

「グレートレッド…!ようやくお目にかかれたな!」

 

曹操はその名を呼び、歓喜に震えた。元々京都ではあのグレートレッドにサマエルを使う予定だったらしい。最終的には同等の力を持つオーフィスに使うことになったが、遭遇率の極めて低いとされるグレートレッドの登場は強者との戦いを望む彼らにとって心躍るもののようだ。

 

「しかしどうしてまた、このタイミングで…?」

 

アレを呼ぶためには大きな龍の力が必要だ。現に曹操は京都の地脈や九尾、赤龍帝や龍王の力を餌にする大掛かりな作戦を立案した。だが今回はヴリトラ以外には何も暴れていないはずだ。今度は何に呼び寄せられた?

 

「嘘…」

 

「このオーラって…」

 

「間違いないわ」

 

「よかった…!」

 

疑問に駆られる俺とは反対に、女性陣は空を見上げたままその目に涙を走らせた。あのグレートレッドに何かあるのか?

 

「どうしたんだ」

 

「わからないのかい?彼だよ!彼のオーラを感じたんだ!」

 

あの木場が涙ながらに喜んでいる。変身しなければオーラを感じ取れない俺以外の皆が感じ、それを察したってことは、皆が感じたオーラはまさか…!!

 

「余所見をする暇があるとはな」

 

「まさか」

 

感動に震える空気を一掃するように衝撃波が発生し、曹操の周囲の兵士達を残さず吹っ飛ばした。そうだ、ガルドラボークさんと曹操の戦いは続いている。

 

「余所見などしていないさ、それにいい攻略法を思いついた」

 

「ほう」

 

「最初から兵士と戦う必要なんてないのさ」

 

そう告げた瞬間、曹操の姿が消える。

 

「!」

 

そしていつの間にかガルドラボークさんの目前に現れた。あいつ、転移の七宝で分身から逃れたのか!

 

構えた聖槍を躊躇いなく前へ突き出す。鋭利かつ正確な一撃。喰らえば上級悪魔は一撃で塵に帰す。

その穂先が、ガルドラボークさんに向かうその時だった。

 

どこからともなく飛び出した剣が、曹操の突きの軌道を逸らした。空を切る槍がガルドラボークさんの頬をかすめる。

 

「!」

 

「甘い」

 

そしてガルドラボークさんは飛来した剣を掴み、曹操目掛けて振り下ろす。しかしまたも曹操は転移の七宝を発動。今度は背後に回り込んだ。

 

「第8頁、汚泥に潜みゆく王の剣」

 

そこに更なる手を打つガルドラボークさんの足元がぬかるみ、そのままどろどろにとろけた地面に瞬く間に沈んだ。聖槍の一突きはガルドラボークさんを捉えることなく、空を切るだけに終わった。

 

「ほう」

 

離れた個所に発生したぬかるみからガルドラボークさんは浮上する。ぬかるみに沈んだはずなのに、赤い衣装には一片の汚れもない。

 

左手に魔導書を、右手に壮麗な装飾が目を引く剣を握るガルドラボークさんが静かに構えを取った。

 

「その剣…聖剣や魔剣ではないが上等な代物だね」

 

「六華閃のレーヴァテインが仕立て上げた一振りだ。私を近接戦を苦手とする典型的な魔導士と思われては困るな」

 

近接戦対策も万全か。十中八九レジスタンスの繋がりだろうな。

 

「ペンは剣よりも強しという者もいれば、剣はペンより強しと嘯く者もいる。ならばその二つを揃えれば負ける道理はどこにもあるまい」

 

「ならば俺がその定説をひっくり返して見せよう」

 

二人の戦いは苛烈さを増していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グレートレッド…忌々しき竜域の守護者め」

 

リリスで空高くそびえるビルの屋上から、獣と戦士の戦いを見守る影が一人。白いローブに身を包んだ少女…深海凛改めその体を宿に活動するアルルは感情の薄い表情を僅かにこわばらせている。

 

本来黒髪だったショートカットの髪は、アルルの力が高まるにつれて完全に金髪へと染まった。眼魂からエネルギーを吸収し続け、さらにはロキの力を吸って成長したユグドラシルの力をも回収することで彼女の力は悠河たちがディオドラと戦った時とは比較にならないほど強大になっている。

 

突如として上空に出現した次元の裂け目から現れたグレートレッド。一瞬超獣鬼と睨みあったかと思えば輝いて、巨大な赤龍帝の禁手の鎧の戦士が現れた。

 

そこからルシファー眷属も加わっている連合軍が見守る中、両者は巨体をぶつけ合わせる大怪獣バトルを始めたのだった。

 

「六華閃共の介入で兵藤一誠の抹殺も出来ず、アルギスを差し向けたがイレギュラーの深海悠河の抹殺も叶わず…特異点やイレギュラーを取り巻く運命力は強固なものらしい」

 

時に自ら赴き排除に動くこともあったが、影から刺客を差し向けたり英雄派を支援してイレギュラーを起こすことでアルルはディンギルにとっての不安要素を取り除こうとしてきた。しかし、そのことごとくが失敗に終わっている。

 

やはり不完全な自分ではだめなのだ。ならば、不完全を完全にするためにも、憂いを断つためにも。

 

「やはり、神域との接続は必要不可欠だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルゼブブ領で迎撃軍の援護も得つつ、豪獣鬼二匹を相手に大立ち回りを見せるのはブライトロン。

 

「そうか、ついに来たか!」

 

イレブンからその知らせを受け取ったポラリスは、ブライトロンのコクピット内で歓喜に口の端を吊り上げる。

 

「これで絶対条件はクリアした。これでゼクスドライバーを完成できる」

 

現在進行しているリークの計画と組み合わせ、プロジェクトロンギヌスの一部に修正を加えれば全てが大きく進展する。既にそのシナリオは彼女の脳内に描かれた。

 

これまで上手くいかぬことばかりだった。本来ならブライトロンをここで披露することも、ロキ戦で介入する予定もなかった。そうしてきたのは悠河との繋がりを失わないようにするため、そして絶対条件をクリアするためだ。

 

大願成就のための大きな懸念の一つを払拭できた彼女は今、歓喜の感情に震えている。しかしそれを許さないのは、冥界に甚大な被害をもたらさんとしている二匹の魔獣だ。

 

「だがまずは…目の前の難敵を突破せねばな」

 

素早く切り替え、再びブライトロンはバスターソードを振るった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

単身でガルドラボークさんは曹操の巧みな戦術と圧倒的な聖槍の力と渡り合っていた。こちらの戦いも注目したいところだが後ろの戦いも気になる。

 

さっきから遠く離れた方向、超獣鬼がいる方角で凄まじい赤い光が放たれたり、ついにはとてつもない赤いオーラの砲撃がぶっ放されたりしている。グレートレッドが本格的に超獣鬼と戦っているのだろうか。

 

「聖槍の禁手と渡り合うとは…やはり侮れないな」

 

本を片手に曹操を見据えるガルドラボークさんの額は汗ばんでいる。

 

凄まじい魔法、恐ろしい魔法の数々を放つも曹操は嬉々としてそれに立ち向かい攻略してきた。英雄派を束ねる曹操の卓越したセンスが遺憾なく発揮され、俺たちは戦慄さえ覚えた。

 

称賛混じりの曹操の言葉に対するガルドラボークさんの返答は予想だにしないものだった。

 

「本気を出していないくせに何を言う」

 

「あいつ、まだ本気を出していないのか…!」

 

「幹部が使ってきた英雄化。お前もできないはずがないだろう。本気を出さずに倒せると思われているとは見くびられたものだ」

 

言われてみればあいつはまだ英雄化を使っていない。信長が言うには曹操は眼魂を二つ持っていると言っていた。一つは恐らく前の戦いでも見せびらかしてきた曹操眼魂。これは戦闘向きの能力でないと言っていたことから、恐らくこれは本命ではない。

 

だとすればもう一つの眼魂こそ曹操の力を最大限以上に引き出せる切り札だ。これまでの幹部は彼ら自身の由来となる英雄の眼魂を使ってきたが、そうでないとなるなら一体どんな眼魂を…?

 

いずれにせよ六華閃程の実力者を全力でなくとも相手取れる禁手のポテンシャルが相当なものであることの証左か、それとも禁手を巧みに操り立ち回れる曹操の卓越した戦闘センスの賜物か。

 

「それはこっちの台詞だよ。あなたこそ本気を出さずに俺を潰せると思っているらしい。やろうと思えば後半の頁で消せるはずだ」

 

「…」

 

ガルドラボークさんは沈黙を貫く。

 

…おいおい、こんなに恐ろしい攻撃を連発しておきながら両者ともに本気じゃないというのか。もしかして市街地であることを考慮して本気の攻撃を出していないのか?

 

どちらにせよ、神滅具の禁手と渡り合えるだけの実力を持つガルドラボークさんの力は相当なものだ。今でさえあまり馬が合わない関係だが、話がこじれて本格的に敵対することになるのだけはどうにかして避けた方がいいだろう。

 

「だからこそ、あなたはここで終わる」

 

ふとガルドラボークさんの頭上に影が差す。音もなく現れ、大鎌を振りかざす死神は圧倒的なオーラを有していた。それを間近で感じるガルドラボークさんの顔に驚愕の表情が浮かんだ。

 

「プルートか!」

 

「正解」

 

咄嗟に反撃の剣を振るうが、切っ先をするりと抜けて最上級死神の一角に名を連ねるプルートが迫った。

まずい、あの距離はやられる!

 

「人間とは言え蝙蝠共に与するその罪、命を持って贖いなさい」

 

「!!」

 

最上級の座にあるかの死神の速度は曹操を優に超えている。流石のガルドラボークさんも対処の仕様がない。完全にガルドラボークさんも俺たちも不意を突かれた状態になった。

 

完全にこいつの存在を失念していた。この混乱状態で今まで一度も見かけず、ヴァーリチームやサーゼクスさん達が冥府でハーデスに目を光らせているというから懸念事項から外れていた。

 

それがこんな絶妙なタイミングで介入してくるなんて…!!

 

「!」

 

「止めるわよ!」

 

いち早く立ち直った部長さんの鶴の一声ですぐに皆でフォローの攻撃を繰り出さんとするが、もう間に合わない。命を刈り取る鎌がガルドラボークさんの首を跳ねんとしたその時。

 

「ドラゴンショットォ!!」

 

「!?」

 

流星のように空から駆け抜けた赤いオーラの波動がガルドラボークさんとプルートを分かち、死神は即座に後退した。

 

「今のオーラ…まさか」

 

赤いオーラに懐かしい声。攻撃の出所となる方角を誰もが見上げた。

 

そしてそこに彼はいた。

 

「あいつ…!」

 

「来たのか…!」

 

「待ちくたびれましたわ…!」

 

「帰って来たのね…!」

 

龍の翼を広げ、空に佇む勇ましき赤い鎧に俺たちは目を細め歓喜に震える。彼の健在が俺たちにとってどれほどの温かな希望と勇気を与えてくれることか。

 

救えなかった己の無力を悔やんだ。それでも立ち上がった。そして希望を求め続けた。僅かしかない生存の可能性を信じて。

 

その先に、待ち焦がれた彼はいたのだ。暗雲漂う冥界に混乱を貫く赤い希望の光が現れた。

 

「ヒーローは遅れてやって来る、ってか」

 

子どもたちにとってヒーローなお前が、ついにヒーローの定番までやってしまうとはな。皆がお前を待っていたんだ。

 

どういう理由かは知らんが、とにかくよかったという安堵に心が震えている。理屈はないが、これで勝てるという絶対的な信頼があった。

 

「…本当だというのか」

 

「…!!」

 

反対に曹操たちは信じられないと驚愕に表情を染め上げる。そしてその名を絞り出すように叫んだ。

 

「兵藤一誠…!!」

 

俺たちの希望の凱旋、その瞬間である。

 




これで今年の更新は最後です。予定よりも更新が進まず皆様を待たせてしまったことについて申し訳なく思います。

リアルが忙しいですがどんなに遅くなっても更新は続けます。それではよいお年を!

次回、「極限なる白銀」

来年度予告



「それが君が辿り着いた『英雄』か」

英雄を志す者。

「お前と一緒なら、負けねえ!」

英雄の道を意図せず歩む者。

「臆するな!そのまま進め!」

英雄の道を見つけた者。

三人の道は交わり、決戦が始まる。

英雄集結編 補習授業のヒーローズ クライマックス



そして英雄たちの集いは最終章を迎える。




「妾達でディンギルの野望を阻止するのじゃ」

大敵を前に、再び結束の時が訪れる。

「そんなに俺たちが和平を結んだのが気に入らねえのかよ!」

地獄から彼の者は甦る。

「お前と戦うのはこれで最後だ」

兄と妹、世界と輪廻を股に掛ける運命の終着点。

「伏虎の時は、終わりを迎える」

戦いは、新たなステージへ。

英雄集結編 最終章 慰安旅行のデュナミス



新たな脅威が、動き出す。



「まさか、裏切者が…」

「学校を攻撃しようってのか…!!」

「久しぶりだなァ!ドライグのクソ野郎!!」

「魂の深淵を覗く覚悟が、あなたにあるとでも?」

混沌蠢動編《コード・ケイオス》 Coming soon.


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