ハイスクールS×S  蒼天に羽ばたく翼   作:バルバトス諸島

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すみません、多忙につきここ数話の更新が遅れてます。

時系列はヒーローズ編のすぐ後です。


外伝「天使の1日職場見学」

兵藤達が中級悪魔試験の合格が発表されて数日後。三人が昇格しようとも、俺たちの部活動は変わらない。

悪魔の面々は相も変わらず、夜は悪魔としての活動に精を出す。

 

部長さんたちが召喚に応じたため出払い、部室は俺と兵藤、ゼノヴィアとアーシアさんの四人だけが残った。暇を持て余した俺たちは紅茶のカップを片手に雑談に興じる。

 

「凛はなぁ…本当に明るい太陽みたいな奴だったんだよ。友達も多くて、外向的な非の打ちどころがない完璧な自慢の妹だったんだ」

 

俺の思い出の中のあいつはいつも明るく笑っている。俺が落ち込んだ時もあいつは笑って俺に前を向かせてくれた。あいつの元気が俺の活力なところもあった。

 

それが今やアルルに憑りつかれてあんなに冷たい表情で非道なことを…。何としてでもアルルは討たねば。

 

「もし…戻ってきたら一緒に学校に通いたいですね」

 

「そうだなぁ…あいつが亡くなったのが中2の時だから、中等部に編入か?」

 

死んでるが、アルルに憑りつかれている期間もあるからもしかしたら高等部もアリかもしれない。そうなったら塔城さんやギャスパー君と同じ高1か?

 

アレコレ考えていたら楽しくなってきたな。あいつが戻ってきたら何をしてあげようか。考えるだけで1日いけそうだ。

 

…凛はそうだが、その前にまだ戻ってきていない人がいる。

 

「…そういえば、中々イリナが戻ってこないな」

 

「な、すぐに戻って俺らと遊ぶ予定だったのに」

 

わざわざ家からボードゲームを引っ張り出して用意してきたんだが、始めようにも始められない。

4人で始めることもできるが、一人差し置いて始めるのもだし、メッセージに既読がつかないのではでどうしようかと言ったところだ。

 

「紫藤さんって、俺らが悪魔の仕事をしている間何をしているんだ?」

 

「悪魔に悪魔の仕事があるように、天使の仕事があるそうだ」

 

天使の仕事、か…。天使がやる仕事ってなんだ?悪魔と戦うわけではあるまいし。

 

「天使の仕事…布教ぐらいしか思いつかんな」

 

「そうですね。私はミサや懺悔を考えたんですが、天使でなければできない仕事ではありませんし…」

 

「俺達、イリナのことを知っているようであんまり知らないのかな」

 

首をひねる兵藤の呟きに、俺たちはそろってうーんと唸る。

 

悪魔の部活動の中に天使一人。向こうから仕事がどうたらと話してくることもなかったし、学生、オカ研の紫藤イリナは知っていても天使としての紫藤イリナはまだ謎めいたベールの向こうにある。

 

「休日も一人で活動しているらしいぞ。…いっそ、今度見学させてもらおうか?一緒に行ってみないか、アーシア」

 

「そうですね!私も一度でいいから拝見したいと思っていました!」

 

と、話が弾んできたその瞬間。

 

バタン!!

 

「話は聞かせてもらったわ!」

 

勢いよくドアを開け放ち、会話に乗り込んできたのは俺達が待ちに待っていた紫藤さんだった。

 

 

 

 

 

 

 

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次の休日、俺たちは隣町のはずれにある建物の前に集合した。天界関連というからイメージまんまの教会かと思っていたが、意外にも教会要素は大きな十字架があるだけで外観は完全に現代風の建物だ。

 

悪魔である兵藤達も部長さんから勉強しなさいということで許可を得てここに来ている。そういえば、レイナーレの件で兵藤達が教会に乗り込もうとしたときにえらく部長さんに怒られたことがあったそうな。悪魔が敵対する天使の領域に足を踏み入れたいと言っても怒られないなんて、あれから随分と変わったもんだ。

 

「おおお…体が冷える」

 

「…きみら、ここで待ってて大丈夫?」

 

悪魔の彼女らは教会関連のものには弱い。何かは知らんが、あるだけで放たれる聖なる波動みたいなものがあるんだろう。神社関係も同じような感覚に襲われるそうだ。悪魔って高い身体スペックと長い寿命の反面、相応の不便があるものなんだな。

 

集合場所に指定されているとはいえ、もうちょっと離れた場所で待機していてもいいと思うが。

 

「大丈夫だよ。悪寒を感じる程度だ。悪魔になった信徒にはお似合いだね」

 

ナチュラルな卑下はやめろ。何でもかんでもバッサリ割り切る性格だがそこだけは割り切れないのが彼女だ。

 

「ミサに参加したいです…でも…」

 

教会関連の施設を前にして過去の信仰の思い出が蘇っているのか。アーシアさんはアーシアさんで一人でに気分が落ち込んでいってるし。開始前からこの有様で今日の訪問大丈夫だろうか…。

 

それぞれがそれぞれの理由でテンションがどんどん下がり、集団の空気が冷めていく。俺は何ともないのだが、そんな周りの雰囲気に引っ張られるように不安になっていこうとしたまさにその時。

 

「集まってるわね皆!」

 

しけた雰囲気を踏み散らかすようにあけすけに現れた紫藤さん。いつになくテンションが上がっているようで、声も足取りもウキウキだ。

 

「今日は皆に私のお仕事をお見せしちゃうわ!それと、天界側のスタッフの紹介も一緒にね!その前に皆、これを持ってて」

 

そう言ってはいはいとこなれた手つきで兵藤達に配ったのはIDカード入りのストラップ。渡され、勧められるままに俺たちはそれを首にかけると。

 

「あれ、悪寒が消えた!」

 

「いつも通りです」

 

「本当だ、どうなっているんだ?」

 

俺は変わりないが、悪魔の三人が瞬く間に普段の調子を取り戻す。その瞬間的かつ劇的な変化に驚く。

 

「その許可証はイッセー君たち専用で、天界関連の場所に行っても大丈夫になるわ!でも、まだ開発途中のものだから、悪魔の力は使わないでね。どんな影響が出るかわからないから」

 

「へぇ!」

 

「そんな便利なものができたんですね…!」

 

兵藤は勿論、ゼノヴィアとアーシアさんはIDカードの効果を聞いて目を輝かせるように喜んでいる。お祈りはできるものの、これまで散々教会関連の施設に行けなかったから本当にありがたいだろう。

 

悪魔が教会の領域に踏み入れても問題なくなるアイテムか。これも和平の賜物かね。和平が結ばれなければ悪魔向けにこんなものを作ろうなんて発想すらなかっただろう。

 

紫藤さんと彼女が持ち込んだカードのおかげで、先ほどまでの冷えた空気はあっという間に吹き飛んだ。

 

「じゃ、行きましょ!」

 

自動ドアを抜けて、俺たちは屋内に入る。紫藤さんがいるおかげで顔パスになったようで、受付なしにすんなりと進めた。

 

「…今のところ中も普通のオフィスビルだな」

 

「そうですね、皆さんスーツ姿で教会らしさを感じないです」

 

外観もそうなら中身もそうだ。天界陣営の施設ということでごりごりの教会を想像していたが、そんな要素は微塵もない。すれ違う人たち全てスーツ姿で、時折神父服やアーシアさんのようなシスター服の人とすれ違うくらいだ。

 

その人たちは悪魔である兵藤達に反応して、様々な視線を向け、ひそひそと小声で話している。悪魔がここに踏み入れること自体が初めてだったんだろうな。

 

「Aイリナ様、お帰りなさいませ」

 

「おはようございます、イリナ様」

 

しかし紫藤さんに対しては必ず、スーツの人も神父もシスターも、すれ違う信徒たちはみんな畏敬の目を向けて出迎えてくる。その対応に俺たちは戸惑いを覚えた。

 

「…なんか、すごい尊敬されてんな」

 

「それはそうだろう。何せイリナはミカエル様のAなのだからね」

 

「あぁ、そうか」

 

言われてみれば紫藤さんはこの世に12人しかいない、天使長のトップの直属の部下だ。当然組織内の地位も集める注目も絶大だろう。普段接しているうちに彼女のずれた一面もよく見るものだから、立場の威厳を忘れてしまっていた。

 

『私もオカ研に対抗して布教のための同好会を作ろうかしら…?』

 

『手作りのパンを作って配っちゃおうかしら?一緒に布教も…』

 

…うん、過去の発言をかるーく思い出してもやっぱりずれてるわ。なんというか、オカ研って異形関係者の受け皿っていうよりは変人の集まりなのかね。俺は変人のつもりはないが。

 

後から聞いたが、ここのスタッフたちは全派閥から一定条件をクリアした面々で、普段は布教やお祓い、裏方で俺たちをサポートしてくれているようだ。何かと俺たちがトラブルに巻き込まれることも多いことから精鋭、エリートぞろいだという。

 

スタッフたちの恭しい歓待を受けて進むうちに一人、気やすい調子で話しかけてくる小柄で快活な雰囲気の子がいた。顔立ちからしてこの施設内では珍しく日本人とみた。

 

「おっ、イリナ!連れて来たのか!」

 

紫藤さんと同じ陰りを知らない明るい振舞い、これまでの神父服やシスター服、スーツ姿の人たちと違いまさしく深緑を基調とした現代っ子な服装。それらの要素が他のスタッフとは一線を画す存在だと訴える。

 

「うん!皆にも紹介するね、彼女は青葉千歳、ウリエル様の『3』の御使いなの!」

 

「よろしく!」

 

挨拶と共に明るく笑いかけてくる青葉さん。紫藤さんの紹介に俺たちは大いに驚いた。

 

「ウリエル様の御使い!?」

 

「こんな幼い子が…」

 

何せ小柄な体にどこかあどけなさの残る顔立ち。見た目紫藤さんよりも年下、中三ぐらいの年に見えるこの子がウリエルさんの御使い。なんて人選だ。よほど特筆すべき能力や功績があるのだろうか。

 

「ん、あたしは19歳だぞ」

 

「な!?」

 

堂々と胸を張りアピールする青葉さん。このなりで19歳は衝撃だ。塔城さんも見た目としては中学1年くらいに見えるが、この人はそれ以上だ。

 

「えっ、19歳?それに彼女ってことは女の子?でも真っ平…」

 

兵藤がそう発言した次の瞬間、青葉さんの右腕がかき消える。

 

「!!!」

 

「ぐべぇぇぇぇ!!!」

 

ドゴン!!!

 

気が付いた時には兵藤が天井にめり込んでいた。首だけ天井を突き破り、首から下がぶらんぶらんと揺れる。それを為した青葉さんは振り上げた拳をさすり、眉を吊り上げて怒りの言葉を放った。

 

「あたしは女の子だ!!」

 

「千歳ちゃんはそのあたりが地雷なの…気を付けて」

 

…なるほどー、そういうキャラか。俺たちがそうだったように結構勘違いする人って今まで多かったんだろうな。俺もうっかり言いかけるところだった。危ない危ない。

 

だがそれにしても。

 

「今のパンチ凄いパワーだな」

 

「千歳はネロと日夜ウリエル様の左腕の座を競い合ってるの。自衛隊で鍛え上げられた千歳ちゃんと教会で猊下に鍛え上げられたネロの勝負は有名になってるわ」

 

「ん、自衛隊!?」

 

さらっと凄い経歴を言ってなかったか今。こんな可愛らしい子が元自衛隊!?見た目と実年齢、性別の次は見た目と経歴のギャップが凄まじいぞ。

 

「そそ、あたし、元々自衛隊員だったんだ。自衛隊の野外訓練中に魔物に襲われてね。殺されかけたあたしを救ってくれたのがたまたま通りすがったウリエル様だったんだ。それがきっかけで異形の世界に興味を持ったあたしはウリエル様を追って教会に行って戦士になり、御使いに選ばれたってわけなの」

 

話を聞いて思い出したが、前にロキの事件で一緒になったウリエルさんのQのメリィさんが元自衛隊の御使いがいると言っていた。このルックスにして19歳であり女性、元自衛隊、つくづく彼女には驚かされるばかりだ。

 

「ま、経歴が経歴だから色々言ってくる輩がいるけどね。そういう時は拳と実績で黙らせてきた!おかげでウリエル様の御使いにもなれたしね」

 

「すごいですね!」

 

「なんだろう、彼女に親近感が湧いてきたぞ」

 

ゼノヴィア、そこ共鳴すな。聞く感じ脳筋だから波長があるんだろうな!

 

まあ、青葉さんの話を聞くのもいいが先にやっておくべきことがある。

 

「…とりあえず、こいつを何とかしようか」

 

天上に首を突っ込んだままの兵藤。俺たちは協力して足を掴み、一気にこちらに引きずり下ろした。

 

「ぶぼ、ごべんなさい…」

 

少女の逆鱗に触れた代償として、顔が真っ赤に腫れあがっていた。あれに関してはこいつに非があるだろう。体のコンプレックスは人によっては酷く気にするからな。発言には気をつけねば。

 

「あー、初対面なのにあたしもちょっとやりすぎちゃった。口より先に手が出る癖をどうにかしたいと思ってるんだけどね…ごめんね」

 

注意の言葉を投げかけるかと思いきや、青葉さんはバツの悪そうな表情で非を謝罪してきた。しっかり反省もしてるあたり優しい人柄だと分かる。それは四大セラフの御使いに選ばれるわけだ。

 

「イッセーさん、すぐにお顔を元に戻しますからね」

 

「た、たのぶ…」

 

腫れあがった顔にアーシアさんの癒しの光が当てられ、ゆっくりとだが元の顔に戻っていく。…結構面白い具合の顔だったので、直視はよそう。

 

「なんか騒がしいけど何事?」

 

先ほどのパンチの騒ぎを聞きつけ現れたのは、白い衣装に身を包んだ赤髪の青年。胸元に白い翼と十字架のバッジが光る。衣装の形状はあのフリードのものに似ていることから、教会の戦士だと一目でその立ち位置を理解できた。

 

青年は俺達を見渡し、最後に天井に空いた人型の穴を見ると苦笑した。

 

「あー、そういうことね」

 

「笑うな!」

 

一目で理解される辺り、よくある流れなのだろうか。だがウリエルさんの御使いと対等に話しているところを見るに地位のある人間だろう。

 

俺たちの視線に気づいて、青年が笑いかける。

 

「おっと、自己紹介が遅れたね。俺はジェルジオ・ティルク。ミカエル様から10名いる『輝聖』の一人に任命されたもんだ。よろしく!」

 

「き、輝聖…?」

 

「そ、俺たちはセラフ様から選ばれた教会の戦士だ。大天使様達と主の和平の意志を体現するために信徒と天使、他勢力と天界陣営の橋渡しの役目を仰せつかってるんだ。実力だけじゃなく、種族を超えて協力できる人柄も条件、らしいよ」

 

「へぇー!そんな人たちがいるんすね!」

 

輝聖について何も知らないらしい兵藤は感心気な声を上げる。俺は話にだけは聞いていたが会うのは初めてだ。ゼノヴィアがもし教会に残っていたら、御使いかあるいは輝聖になった可能性もあったのだろうか。

そしてエクスカリバーの事件で来た縁でここに赴任してきたり。

 

「本当はもう一人ここに着任してるんだけど、候補生と一緒に任務で出かけてるからね。また機会があるときに挨拶してくれたら彼も喜ぶんじゃないかな」

 

「いつかお会いしてみたいです…う」

 

「どうしたイッセー、少し顔色が悪いぞ?」

 

ふと顔を俯かせる兵藤をゼノヴィアが気に掛ける。兵藤の顔はつい先ほどまでと違い、少し具合が悪そうにやや白い。

 

「あ、ああ。いやなんか嫌な感じがするから…」

 

「風邪か?」

 

いくら冬が近づき気温が日に日に寒くなっているとはいえ、この一瞬で体調が変わるものだろうか。胡乱な顔を浮かべる俺達だが、ジェルジオさんは違った。

 

「もしかしたら、俺の神器が影響を与えているのかも」

 

「神器?」

 

「俺の神器は希少な龍殺し系の神器なんだ。君たちが会ったサマエルには勿論遠く及ばないけどね」

 

龍殺しの聖剣の創造は困難だったと木場も言っていた。龍と蛇を憎む聖書の神が作った神器のシステムならもっと龍殺し系が多くてもおかしくはないと思っていたが、実際は違うようだ。

 

しかし発動してもいないのにドラゴンに影響を与える力、サマエルほどではないと謙遜しているが相当なものと見た。以前と違い、完全に体がドラゴンになった兵藤には辛いものがあるだろう。

 

「彼にも悪いから僕の話はそれくらいにして、支部長が部屋で待ってるよ。早く行ってあげな?」

 

「ありがと、ジェルジオ!」

 

紫藤さんのお礼に笑顔で返すジェルジオさんを背に、俺たちは先へ進む。人格も求められる輝聖に選ばれるだけあって、人柄の良い好青年って感じの人だった。

 

そういえばと、ふと湧いた疑問を紫藤さんにぶつけてみる。

 

「…さっきの人たちって、聖書の神のこと知ってるのか?輝聖もそれなりのポストなんだろ?」

 

「ううん、輝聖はまだセラフ様達で協議中よ。やっぱり最重要中の最重要機密事項だから、非常に神経質になるの。まだ上の上のポストしか知らないわ」

 

「だろうね。私でさえショックのあまりに血迷うほどだったからな」

 

それも仕方ないか。知ってる側として月日が経ち、当たり前の認識と化しているが世間はそうではない。情報の取り扱いには気を付けなければ。

 

そうこう歩いているうちに、俺たちはとある部屋のドアの前に辿り着く。十字のレリーフが彫られた、いかにもお偉いさんがいそうな雰囲気だ。

 

「ここが支部長の部屋よ。ヴァチカンと天界を行き来しているとても忙しい方だけど、今日は偶々スケジュールが空いていたから連絡したら是非皆にあいさつしたいと仰ってたわ」

 

「天界?もしかして天使?」

 

「そう、私と同じ転生天使なの。とても凄い方よ」

 

「へぇ、支部長で転生天使なら元聖人クラスの方だろうな」

 

コンコンコン。紫藤さんが三回ノックすると。

 

「どうぞ、お入りになってください」

 

物腰の柔らかい、穏やかな女性の声がドア越しに返って来た。支部長は女性の方か。

 

「…」

 

その声に若干訝し気な表情を浮かべるゼノヴィア。まるで聞き覚えがあるが、何だったか思い出せないようだ。

 

そんなゼノヴィアを他所に紫藤さんがドアをゆっくりと開けた。部屋の中にいたのは、オフィスデスクに座るベールをかぶったシスター。ベールの陰で見にくいが、北欧的な顔立ちをした美人だ。立ち上がると、海のように青い瞳をにこりと細めた。

 

「これはこれは、ようこそお越しくださいました」

 

「!!!」

 

その人の顔を見た瞬間、ゼノヴィアは顔を真っ青にして一気に回れ右をして外へ駆けだそうとする。突然の反応に俺たちは驚くが、咄嗟にその腕を紫藤さんががしっと掴む。

 

「は、放してくれイリナ!!」

 

「ダメよ、ちゃんと挨拶しなくちゃ!!」

 

じたばたと抵抗を続けるゼノヴィアに必死に放すまいとする紫藤さん。自分の手が引きちぎれんばかりの綱引きが繰り広げられている。

 

「ゼノヴィアさん…?」

 

「もしかして、この方と知り合いなのか?」

 

ゼノヴィアは見ず知らずの人間に対してこんな反応をするような子ではない。教会・天界関連のお偉いさんともなればもっと敬意ある対応をするはず。そんな彼女が即座に逃げるような反応を取るとは…一体何者?

 

「あら、顔を見るなり逃げ出そうとするなんて悲しいわ。ゼノヴィア」

 

「わ、私は…!!」

 

今すぐ逃げたいゼノヴィアと引き留めようとする紫藤さんの綱引きを他所に、丁寧に支部長は挨拶してくださった。

 

「初めまして。私、四大セラフの一角たるガブリエル様の御使い。『Q』の札を拝命したグリゼルダ・クァルタと申します。以後お見知りおきを」

 

「ガブリエル様のQ…!」

 

四大セラフのQ、これは大物が出てきたな。しかもQなら御使いの中でも最高峰のクラスだ。そんな方を支部長にするとは…魔王の妹、堕天使の総督に引けを取らない人材を天界は選出し、紫藤さんと一緒に据えたわけだ。

 

それにしても、ここには四大セラフの内3名の御使いがいることになるのか。なら残るラファエルさんの御使いもいたりして?

 

「シスター・グリゼルダ…!!私も教会にいた頃、何度もお名前を耳にしました」

 

「ゼノヴィアとは同じ施設の出で、一番付き合いの長い教会の先輩でもあるの。私も何度もお世話になったわ」

 

「そういう繋がりか」

 

昔の先輩ね。ガブリエル様のQに選出されるほどとは随分凄い先輩を持ってたんだな。なら、あのゼノヴィアの反応は彼女の恥ずかしい過去や失敗を色々知られているから避けている、といったところか?

 

自身と比べればひよっこもいいところであろう俺たちへグリゼルダさんは柔和な微笑みを見せた。

 

「あなた達の活躍はよく聞いています。兵藤一誠さん、先の魔獣騒動での奮闘は素晴らしいものだったと。流石、冥界きっての次代を担うホープと呼ばれるだけはありますね」

 

「ありがとうございます」

 

素直に褒められた兵藤が赤面している。美女相手だから内なる煩悩が見える見える。

 

「しかし…七つの大罪の『色欲』が強いとも聞いています。ドラゴンで悪魔、色欲とは純粋な信徒には些か刺激が強いでしょうね」

 

「は、はい…」

 

な、なんだろう。俺も兵藤も反応に困るぞ。向こうは悪意を持ってる感じではないからちょっとした冗談みたいなものか?教会風味のジョーク、中々癖があるな。

 

手厳しいジョークを投げかけた次は、俺に青い瞳が移った。

 

「紀伊国悠さん、ですね。イリナからゼノヴィアがあなたのお世話になっていると聞いてます。家に住まわせるだけでなく料理まで…この子はやんちゃでよく困らされているでしょう?」

 

「いえ、一人身にとっては一緒に生活してくれる彼女の存在は非常にありがたいです。ある意味、心の支えにもなってくれましたから」

 

凛の件然り、心細い案件も抱える中で普段の生活に彼女がいてくれたことは大きな支えとなった。振り回されることも多々あったが、おかげで異世界で一人さみしい私生活を送らずに済んだ。

 

率直に返すと、グリゼルダさんは意外そうにきょとんとした表情をされた。その表情は一拍置くと、安堵したような穏やかなものへ変わる。

 

「…そうですか。ゼノヴィアはいい仲間に巡り合えたようですね」

 

「?」

 

「いえ、もしよろしければまた後日、あなたの家にお邪魔してもよろしいですか?ゆっくりあなたとお話してみたくなりまして」

 

「え、あ、はい。大したものは出ませんがそれでよければ…」

 

グリゼルダさん、今会ったばかりなのにもう来客の予定入れてきちゃったよ。なんというか、前にミカエル様も来たし俺の家って天界のお偉いさんの来客率高くない?

 

「…さて」

 

「!」

 

グリゼルダさんがいよいよゼノヴィアへと歩み始める。焦るゼノヴィアだが紫藤さんががっちり抑え込んでいるので逃げられない。こんなに往生際の悪い彼女は初めてだ。

 

「お久しぶりね。今日はあなたに会えると聞いて楽しみにしていました」

 

「や、やぁ…シスター・グリゼルダ…げ、元気にしているみたいで…嬉しい…よ」

 

「元気にしている、ではないでしょう。どうして任務に向かった日本で帰還せずに悪魔に転生しているのでしょうか?挙句、和平が結ばれた今でも連絡の一つもしないとはどういうつもりですか?」

 

「ぎく!!」

 

言葉と歩みで詰め寄り、責めるような物言いにゼノヴィアの冷や汗がだらだらと零れ落ち、止まらない。

これまでの優し気な雰囲気が一転し、強い圧を放ち恐れすら感じさせるものに変じる。

 

「果たして今日、どの面下げてここに来た、と言うべきでしょうかね…!」

 

言葉に怒気を孕ませるグリゼルダさんはもう逃がさないと言わんばかりにゼノヴィアの柔らかな頬をがっしりとつねりあげた。

 

「ぎゅむむむむ…!!」

 

「ふふ」

 

そのあまりに間抜けな表情と声に俺も兵藤も思わずくすりと笑ってしまった。ゼノヴィアのあんな顔、初めて見たぞ。

 

「い、イリナ!どうしてシスター・グリゼルダのことを私に教えてくれなかったんだ!言ってくれたら来なかったのぎゅむむむむむ!!!」

 

「そう思ったから言わないでおいたの。だって連絡の一つもよこさずに避けてたんでしょ?ちゃんと会わなきゃ」

 

「だって…今の私のことを言ったら…殺される!」

 

…だろうなぁ。グリゼルダさんの言う通りかわいい後輩が何も言わず自分の元を去り、連絡すらよこさなくなったらどんな風に思われるかなんて想像に難くない。

 

ゼノヴィアへの折檻がいよいよ本腰入れて始まろうとしたその時、一歩アーシアさんが進み出る。

 

「シスター・グリゼルダ。どうかゼノヴィアさんを責めないであげてください。悪魔の私が言っても説得力はありませんが、ゼノヴィアさんは優しい人で何度も私たちを助けてくれました。今では大切な友達なんです」

 

胸を打つようなアーシアさんの切なる懇願。

 

ゼノヴィアのしでかしたことは確かに多方面に迷惑をかけただろう。使い手が他にいなかったとはいえデュランダルの持ち出し、所属への連絡もなく勝手に組織の鞍替え。聖書の神の死を知ってしまったという言えない理由があったとはいえ、もっと各所への配慮はできたはず。今のグリゼルダさんの反応はそれらすべてをすっぽかした彼女のやらかしのツケが回ったと言えよう。

 

しかし、一方的に責められる理由はない。彼女のやけくそじみた行動が無ければ、彼女がグレモリー眷属にならなければこれまでの戦いを切り抜けることはできなかった。アーシアさんと和解することもなかった。

 

彼女の眼差しにグリゼルダさんも思いとどまったのか息を吐いて、ゼノヴィアの頬から手を離した。

 

「すみません、見苦しいところをお見せしました」

 

ゼノヴィアに詰め寄っていた時の表情は既に元の落ち着きを取り戻していた。ぴりついた空気が収まってこちらも一安心だ。

 

「…シスター・アーシア。あなたの過去は聞いています。神器によって辛い道を歩んできたようですね。せめてもの罪滅ぼしとして、後で特例のIDカードを渡しましょう」

 

「IDカード?」

 

「それがあればこの地域限定ですが、悪魔であろうとミサ等の教会の行事にも参加できるようになります。悪魔になってなお信仰の心があると聞いてはいましたが、今日お会いして確信しました。あなたは悪魔だろうと私たちと信仰を共にする同志です」

 

「…!!」

 

「よかったなアーシア!」

 

「はい…!」

 

そんなグリゼルダさんの言葉にアーシアさんは言葉もなく、涙をこぼしそうになっていた。

 

教会に迫害され、追われ、挙句一度は命を落としたアーシアさんにとって今のグリゼルダさんの言葉はどれほどの救いになったことだろうか。悪魔でありながら信仰を捨てずに生きることを迷ったこともあっただろう。それを良いと認められ、これまで通りに行事への参加を許された。今日は彼女にとって最良の日だ。

 

「先ほどは可愛い後輩との再会につい盛り上がってしまいましたが、今日は天使の仕事の見学に来られたのでしたね。中々にない機会です。是非後学に役立ててください。Aイリナ、頼みましたよ」

 

ばしっと敬礼で返す紫藤さん。

 

グリゼルダ支部長の挨拶が終わり、いよいよ天使のお仕事紹介が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…はずだったのだが。

 

最初の仕事は礼拝堂で信徒からの悩みや懺悔に耳を傾け、天使として道をさししめすというものだった。

 

信徒をよりよい道へと導く。良いように言えばそうなるのだが、演出強めだったりどこか変だった。純白の羽衣と自前の光力でライトアップ、口調も丁寧なものになっていて、胡散臭さましましだ。多分紫藤さんじゃなければこうはならないと思うのだが。

 

「これでいいのか?」

 

「「…」」

 

兵藤と俺は違和感を覚えたが、ゼノヴィアとアーシアさんは真面目にその仕事っぷりを見学している。教会育ちの二人では感じ取るものが違うのだろう。まあ、仕方ないね。

 

別の聖堂に行けば最近子どもが生まれたという夫婦の対応で…。

 

「この子にどうか、お名前を付けてあげてください」

 

「はい、聖人の方から拝借して、その子の名前は『冶虎武』です!」

 

「おいそれでいいのか」

 

と、こんな感じでどう聞いてもキラキラネームな名前を赤子につけようとしたり。

 

「ここの書類はこっちのデスクでOK?」

 

「はい、ありがとうございます!」

 

施設内のオフィスの書類整理だったり。

 

「いい感じです!次はこういうポーズでお願いします!」

 

「こう、ですか?」

 

何故か建物内に撮影用のスタジオがあって、そこで信徒向け雑誌『週刊ぶれいぶエンジェル』用の写真撮影があったり。ミカエル様のAというだけあり、教会内で高い人気を誇る紫藤さんは今回雑誌で特集が組まれることになったらしい。

 

「なあ兵藤、天使って何なんだろうな」

 

「俺にもわかんねえ…」

 

なんか違う。俺の想像していた生真面目で清廉潔白な天使の仕事っぷり、内容と違う。雑用とか芸能人みたいなグラビア撮影とかイメージが乖離しすぎだろ。

 

「彼が例のドラゴンのボーイフレンドですかな?」

 

「も、もう!そそういうわけでは…!」

 

カメラマンのジョークで顔を真っ赤にした紫藤さん。そんな噂が教会に回ってるのか。全く耳の早い連中がいたもんだ。

 

その後、羞恥のあまり堕天しかける場面もあったが俺とゼノヴィアとアーシアさんの3人でフォローし事なきを得るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一通りの仕事紹介が終わり、休憩所に向かおうと廊下を歩いている途中だった。

 

「…ん」

 

通り過ぎようとしたドアから出てきた、ふわふわとした灰色の髪の少女とばったり目が合った。可愛らしい童顔に魚を連想させるアクセサリーを付けた独特な世界観を誇示しており、おまけに中々に豊満な胸を持っていらっしゃる。

 

「あれ、イサナ?もう任務終わったの?」

 

「面倒だからさっさと終わらせて今帰って来た。疲れたから寝るね」

 

可愛らしい雰囲気と裏腹に、可愛げのない投げやりで気だるげな発言だ。タメで口をきいているあたりこの人も紫藤さんと近い地位の人間だろうか。

 

「そう、お疲れ!でもその前に皆を紹介させて?」

 

「知ってる。顔は資料で見た。シスター・グリゼルダの後輩のゼノヴィア、スペクターの紀伊国悠、シスター・アーシア…それと」

 

俺たちを一通り眺めた後、軽蔑の視線が兵藤を捉えた。

 

「兵藤一誠…赤龍帝…色欲にまみれた変態ドラゴン…最低」

 

「きょ、教会は当たりがきつい…」

 

グリゼルダさんは冗談感覚だったがこれはガチ罵倒だ。しかし事実陳列罪すぎてフォローの仕様がない…。

 

「ま、まあ。イッセー君はあなたが思うほど悪い人じゃないのよ?」

 

「…!もうイリナはたぶらかされてしまったのね。きっと好き放題弄ばれて…かわいそう」

 

紫藤さんが兵藤のフォローをしようとするがかえって向こうの誤解を深める結果に終わったようで、心底憐れむようなまなざしを送られる。

 

結構この人も癖が強い人だな…。

 

「私はイサナ。ラファエル様の『10』。困った時は手が空いたらサポートする。じゃあね」

 

そう名乗ったイサナさんは俺達とろくすっぽ会話を交わさず、一方的に話を切って去っていった。

 

「はぁ…もっと楽なところに着任したかったな」

 

最後に何とも言えない少女の鬱々とした発言がため息と一緒に虚空に溶けた。

 

「わ、悪い人じゃないのよ?ちょっと癖があるってだけで…」

 

それ、フォローになってるか?

 

しかしラファエルさんの10か。あんな性格でも御使い内でも上位クラスの実力者だ。きっとオンオフの差が激しい人…なんだろう。オンの時はすごいきちっとやる人に違いない。というかそうであってくれ。

 

「輝聖が二名、四大セラフの御使いがそれぞれ一名ずつ…かなりの戦力を天界はこの街に置いてるみたいだな」

 

「ええ、それだけこの町を天界も重要視しているということです」

 

聞くだけで柔和さを感じさせる優し気な声。振り返ればそこには先ほど挨拶したばかりの。

 

「シスター・グリゼルダ!」

 

「皆さん、天使のお仕事は如何でしたか?」

 

「…なんていうか、あまり信徒との距離を感じませんでしたね。お悩み相談だったり、お手伝いだったり、人とそんなに変わらないなって思いました」

 

依頼者の願いに応じてゲームの遊び相手になったり、話し相手になったりする悪魔の仕事とそんなに変わらない。人間と天使、信仰する側される側でもっと距離感のある仕事だと思っていたのだが、相手と密着した距離感で寄り添った感じだった。今回の件で天使のイメージは大きく変わった。

 

「ふふ、それは彼女の人柄が為せる技です。私では優しくはできてもあのようにフレンドリーに接することはできません。その気構えは私も見習いたいところです」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

素直な賛辞の言葉に紫藤さんは照れを隠すように頭を下げる。

 

「ところで、もしお時間があれば一つあなた達にお手伝いしていただきたいことがあるのですが…」

 

「なんでしょうか、私たちにできることならなんでもします!」

 

アーシアさんは目をキラキラさせて是非もなしといった様子だ。今日は休日だし、時間なら俺にもある。裏方でお世話になっているだろうし、恩を返す意味でも協力しよう。

 

「でしたら…兵藤一誠さん。あなたに戦士たちのエクソシストの実戦練習の相手をお願いできますか?シスター・アーシアたちは是非見学されるとよい勉強になると思います」

 

「え、エクソシスト!!?」

 

声を上げて身構え、一歩下がる兵藤。悪魔からしてみればエクソシストという言葉を聞いて不安に思うのは当然だ。何せエクソシストとは悪魔を祓い、消滅させる儀式のことなのだから。

 

「本当に悪魔祓いはしません。ただ、ドラゴンで悪魔であるあなたが相手なら彼らにいい経験になると思いまして。それに、色欲だけお祓いすることも可能ですよ?」

 

「そ、色欲だけは勘弁…!!」

 

兵藤の顔色がどんどん悪くなっていく。そのスピードと具合たるや、先ほどのジェルジオさんの時以上だ。

 

色欲だけってそんな器用なこともできるのか。ただこいつから色欲を取ったらそれはもう兵藤一誠じゃないな。もはや色欲がこいつのアイデンティティーといっても過言ではない。

 

「イッセーさんは少しエッチすぎるので一度お祓いした方がいいと思います」

 

「アーシア!?」

 

兵藤、背後から裏切りというナイフで刺される。紫藤さんに助けを求めるような視線を泳がせるも。

 

「うーん、イッセー君とは堕天しない健全なお付き合いがしたいかなー?」

 

「イリナまで!?」

 

「話は決まったようですね。では参りましょう」

 

「いやだぁぁぁぁぁ俺からエロを奪わないでくれぇぇぇ!!!」

 

さっきのゼノヴィアのようにがっしりと頭を掴まれた兵藤の口から懇願の叫びが迸る。おっぱいへの欲望でパワーアップするのは良いけど人に迷惑をかけるのはよくないからな。ここらで調整が入ってもいいかもしれない。

 

「うーん」

 

「どうしたゼノヴィア」

 

「私たちも色欲をお祓いした方がいいかもしれないと思ってね」

 

「えっ」

 

今まで散々子づくりしたいと言っていた彼女の口からそんな言葉が出るなんて…。今日の出来事が信仰の初心に立ち返るきっかけとなったのか。

 

「若さゆえの過ちを防ぐ意味でも、あなたたち二人もお祓いした方が良さそうですね」

 

「俺もエクソシストされるんですか!?」

 

「さあ、一緒にお祓いしてもらおう。二人なら怖くないさ」

 

ニコニコ笑顔の二人が俺の手をがしっと掴んだ。有無を言わせぬ迫力がそこにはあった。

 

「っ」

 

逃れようと引っ張るが、掴む力は強く逃げられそうにない。

 

ゼノヴィアめ、お前はさっきまで引っ張られていた側だろう!後輩先輩揃ってニコニコ笑顔で、似た者同士だなぁ!!

 

「さあ、行きましょう」

 

「「いやだぁぁぁぁ助けてぇぇぇ!!!」」

 

嫌だ、俺はお祓いなんてされないぞ!不要だ!

 

俺は彼女とエッチなことまだまだしたいんだよぉぉぉ!!!

 




活動報告で裏話を既に上げてますので、次からいよいよ新章突入です。長らくお待たせしました。本作初の完全オリジナル章になります。なる早で更新継続できるよう頑張りますのでお楽しみに!








「妾達でディンギルの野望を阻止するのじゃ」

大敵を前に、再び結束の時が訪れる。

「その大層な仮面の裏、見てみてぇな?」

叶えし者たちの猛威を前に、彼は。

「お前を止められるのはただ一人…!」

兄と妹、世界と輪廻を股に掛ける運命の終着点。

「貴様に救えるものなど何もない」

創造せし切っ先が向ける先は。

英雄集結編 最終章 慰安旅行のデュナミス
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