ハイスクールS×S  蒼天に羽ばたく翼   作:バルバトス諸島

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今回からホーリー編です。色々あった前章と比べると内容が薄口醬油になるかも。

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死霊強襲編 《コード・アサルト》 第三章 体育館裏のホーリー
第52話 「帰って来た幼馴染」


8月を過ぎてなお夏の暑さが続く9月の昼間。セミの鳴き声は鳴りやむことなく、燦々と輝く太陽の光が外に照り付ける。

節電も兼ねてエアコンでなく扇風機で涼をとる俺は我が家のリビングであるスイーツづくりに励んでいた。これをスイーツと呼ぶのかはわからないが、暑い夏にもってこいの甘くて美味しい物であることには違いない。

 

ギャリギャリギャリギャリ。

 

このためにわざわざ引っ張り出してきた家庭用かき氷機。

 

小難しい機能の付いた最新式のしゃれた物でなく、手回し式の昔ながらの風情あるタイプのものだ。今まで鍛えてきた腕力に物を言わせて上部のレバーを回すたびにギャリギャリと中の氷が削れ、下に添えた椀へと落ちていく。

 

削れた氷はやがて椀の中に小さな山を形作る。人はそれを、かき氷と呼ぶ。

 

「よっし、できた」

 

完成したかき氷をまだかまだかとキラキラした目で待つゼノヴィアの前に出す。

 

「おあがりよ!シロップはお好みでどうぞ」

 

テーブルの上に並ぶ3色のシロップ。彼女はその中から自分の髪と同じ青色をしたブルーハワイ味を取り、さっとかけた。透明な氷の小山の頂上と尾根にシロップがかかり、透き通るような青色に色づく。

 

「ではいただく」

 

ゼノヴィアはスプーンを手の取り、氷の山の一角をすくい口に運んだ。

 

「んん、冷たくておいしい。暑い夏にはぴったりだ…!」

 

口の中でガリゴリと削った氷を砕く音が聞こえ、美味しそうにほおを緩めた。

 

「そうか、お気に召して何よりだ」

 

美味しいと言われれば作った側としても本望と言うもの。

 

「しかし今日は本当に暑いな。このかき氷は本当に助かるよ」

 

室内にも伝わってくる日差しの暑さに朝から汗をかきっぱなしな俺達。おかげでここ数日、ずっと室内を薄着で過ごす日々が続いている。

 

それにしても今目の前でおいしそうにかき氷を食ってるこいつ、たまーに汗でブラが透けたりして目のやり場に困るんだが…。今だってもうちょっとで服が透けそうな…。

 

卑しいことを考える俺の視線に気づいたか突然、スプーンを進めるゼノヴィアがスプーンを椀の上に置いた。

 

やべ、何か言われるのでは…。

 

「そうだ。悠、一つ勝負をしないか?」

 

「勝負?」

 

かき氷をおいしそうに食べてると思ったら矢庭に提案してきた。なんかニヤニヤしているな、何を考えている…?

 

「簡単に言うと早食い競争だ。勝った方が一つ、何でも言うことを聞かせられる!」

 

何でも、だと?随分大きく出たな。

 

だが早食い競争か、面白そうだ。その勝負、乗った。

 

「何でもか…いいだろう。ルールはどうする?」

 

こちらも不敵な笑みで返す。

 

「先にかき氷を2杯分食べ終わった方の勝ち、でどうだ?」

 

「2杯分か、OK分かった。後で泣き目を見ても知らないからな?」

 

「ふっ、泣き目を見るのはお前だよ」

 

卓上で視線がバチバチと火花が弾けるようにぶつかり合う。

 

俺の予想なら、多分ゼノヴィアの要求は子作りだ。最近は冥界に行って忙しくてタイミングがなかったからこれを機に久々に仕掛けようという魂胆なはず。

 

俺が勝ったら…そうだ、あいつが悪魔の仕事で稼いだお金でフードプロセッサーでも買ってもらおう。スムージー、アイスクリーム、その他諸々。これで色々料理の幅が広がるな。払うのはあいつだが結果的にはあいつにとっても得になるのだからいいだろう。そう考えると俄然やる気が出てきた。

 

この勝負、勝たせてもらう!

 

 

 

 

 

 

その後、勝負のためにゼノヴィアが食べかけたかき氷をつぎ足し、さらに3杯分のかき氷を新たに用意した。

 

「これで2杯分っと」

 

俺の前とゼノヴィアの前にそれぞれ2杯のかき氷が並んだ。

 

「それじゃ行くぞ」

 

「ああ」

 

スプーンを手に取り、戦闘態勢に入る。両者ともに勝負を目前にして空気が張り詰める。

 

眼前のかき氷に意識を集中させながらもカウントを始める。

 

「5…4…3…」

 

「……」

 

そうだ、ここは一つ、いたずらしてやろう。

 

心の中でほくそえみながらカウントを続ける。

 

「2…1…0で始めるからな」

 

この手のカウントにありがちな古典的な引っ掛け。良くも悪くも馬鹿正直なゼノヴィアに効くと俺は思った。

 

思ったのだが…。

 

がつがつがつ!

 

引っ掛けのつもりが真に受けたゼノヴィアは勢いよくかき氷をかきこみ始めた。

 

「おい人の話を聞け、くそっ!」

 

引っ掛けで集中力を落としてやろうと思ったのにこいつ!

 

勝負の開始宣言を忘れて負けじとこちらも慌てて俺もかき氷をかきこみ始める。

 

次から次へと、矢継ぎ早にスプーンでかき氷をすくっては口に入れていく。

 

口の中が急速に冷えていく。だがしかし、かき氷をすくう手を止めない。高速で咀嚼し、氷を砕いて喉に流し込む。

 

「キィーン!」

 

途中でゼノヴィアが目を><にして頭を押さえる。アイスクリーム頭痛が来たみたいだな。この隙に差をつけさせてもらおうか!

 

「この勝負、俺が貰った!」

 

やがて一杯分完食し二杯目に入る。現時点での差は俺が2杯目に突入、ゼノヴィアは一杯目の半分程度。この調子で行けば勝利はゆるぎない。

 

勝利の確信。それと同時に俺を襲うものがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈BGM:スターダストクルセイダース(ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース)〉

 

…来た。

 

来てしまった。

 

 

 

 

 

 

 

これは…俺の腹の中で暴れだすこの感覚は…!!

 

「う…ううっ…!!」

 

苦悶の声を漏らさぬよう極力我慢しながらも思わず片方の手で腹を抑える。

 

下痢だ!

 

畜生、丁度扇風機の近くで食べていて涼しい風が薄着にダイレクトアタックしたのが仇になったか!

 

腹の中で猛烈に吹き荒れる腹痛と言う名の嵐が、俺の中で暴力的なまでにその存在を訴えてくる。

 

「いっ…ぐ…う…!!」

 

かき氷を食べるペースが明らかに落ち、やがてスプーンを持つ手が動きを止めた。

 

「どうした…?さっきまでの威勢はどこに行ったんだ!?」

 

アイスクリーム頭痛に苦しみながらも不敵に笑うゼノヴィア。向こうもペースが落ちてはいるがその手は止まっていない。こっちの苦労も知らないでこいつは…!!

 

そう思う間にも俺の腹は悲鳴を上げ続ける。さながら断末魔の悲鳴のように。

 

「うぉ…おお……」

 

下痢の痛みが俺の腹を内側からたたき、解放を訴える。

 

何度か死にかけた経験のある俺でも、やはりこの痛みは慣れないし、そして抗えない。

 

「うっ…トイレェ!!」

 

我慢の限界を迎えた俺はばっと立ち上がり、一心不乱にトイレに駆け込んだ。

 

紀伊国悠 下痢により再起不能(リタイヤ)ッ!!

 

〈BGM終了〉

 

 

 

 

長い下痢との格闘を終え勝利を収めた俺がトイレから出ると、そこにいたのはゼノヴィアだった。

 

片手に空いた椀を重ねてドやっと勝ち誇った笑みを浮かべて、トイレから出てきた俺を待ち構えていた。

 

「私の勝ちだ」

 

「…いやお前ずるいぞ、人が腹ぶっ壊してトイレ行ってる間に勝負決めるとか悪魔かよ」

 

「私は悪魔だが?」

 

「そうだった」

 

屁理屈やめろ。こっちは屁どころか大なんだよ。しかもかき氷食ったせいで割と…いやいやこの話は止めよう。

 

「勝ちは勝ちだ。何でも一つ、言うことを聞いてもらおうか」

 

そうだ…。下痢との格闘ですっかり頭から飛んでた。

 

「…あまり無茶な奴はやめてくれよ」

 

俺もついに童貞卒業かー…。嬉しいか嬉しくないかで言えばそりゃ嬉しいよ?ゼノヴィアみたいな美少女とできるのは自慢にもなるってものだし。俺もそういうことをやりたい年頃である以上はやりたい。…でも、嬉しさよりも不安の方が大きいな。

 

俺はこういうのはちゃんとした手順を踏んでからした方がいいと思う。いかに悪魔が出生率が低いと言われたってできちゃうときはできちゃうし。もしできたら今後の人生が大変になる。今どき高校生ママはきついし、俺も育児だとかで養って行ける自信なんてない。

 

ポラリスさん達からも白い目で見られそうだ。『これが若さゆえの過ちか…』とか言いそう。やっぱり一番怖いのは上柚木かなー…普段つんつんしてるあいつが怒るとホント怖いし。そんなあいつの白い目とか殺人級の威力があるだろう。

 

「無茶なのはお前だ」

 

ゼノヴィアの返答は意外なものだった。向日葵色の瞳で先のような楽し気な色は一切なく切実に俺の顔をとらえてくる。

 

「お前は最近無茶をし過ぎる、一か月で二回も重傷を負って…人の心配をするのもいいが自分の心配もしろ。お前に死なれたら私は…」

 

その言葉には心からの心配の色があった。続く言葉が曇り、悲し気に顔を伏せるゼノヴィア。いつもの堂々っぷりはなくグレモリー眷族の頼れるデュランダル使いの姿でなく、ただ一人の年相応の少女の姿だ。

 

「どうしたんだ…?」

 

俺が訊くと、首を振ってその綺麗な顔に浮かべた複雑な感情を払い、顔を上げた。

 

「い、いやなんでもない…あの時、本当に心配したんだからな。とにかく今後は無茶をするな。困ったときは必ず私を呼べ、絶対だ。それが私の望みだ」

 

「は、はい…今後は気を付け…ます」

 

グイっと近づき、勢いに押されるがままに返事をした。

 

俺は予想だにしなかった彼女の望みに呆気にとられた。

 

俺は仲間を守りたいという思いに囚われて、その仲間の思いに気付いていなかったかもしれない。あるいは目を背

けてさえいたかもしれない。だからゼノヴィアの思いを聞いて、俺はそれに気づかされ驚いた。

 

アルギスや凛だったり、俺は自分の問題を一人で抱えすぎている。だがその重みを仲間と分かち合い、減らすことができればより軽く、さらに道を一歩進めるやもしれない。

 

…何を一人で抱えることがあるだろうか。仲間を頼ることが出来ないで何が信頼できる仲間だ。決めた、今度奴らと出くわしたら、オカ研の力を借りるとしよう。一人でできないことも、仲間とならきっとだ。

 

「…何か問題でもあるのか?」

 

呆気にとられた顔のまま考え事をした俺の様子に胡乱気に疑問を投げかけてきた。

 

「いやー…お前のことだから子作りを要求するのかと」

 

俺はてっきりとそうだとばかり思っていたんだが。

 

目線を微妙にそらしながら言うと、ゼノヴィアは雷に打たれたようにハッとした。

 

「ハッ!その手があったか…!くそ!」

 

良いこと言ってくれたと思った俺の感動を返してくれ。

 

 

 

 

 

 

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夏休みが開け、二学期が始まった初日。

久しぶりに会うクラスメイト達が言葉を交わし合い、談笑する。

 

夏休みはどうだったとか、彼女が出来たとか他愛のない話が何もせずとも自然と耳に入ってくる。クラスメイトの何人かは夏の日差しに晒されてやけたり、髪型を変えたりとこの夏をエンジョイしたことが窺えた。中には童貞を卒業した者だっているらしい。

 

べ、別に悔しくなんかないし。たまたま機会に恵まれなかっただけだし?その気になれば俺だって…とか言ったってできないのは俺がヘタレだからだ。今の環境に満足していて、それゆえに良い方か、それとも悪い方かどっちに転ぶかわからない変化を恐れるチキンな俺の心。

 

覚悟を決めたって、変わらない者は変わらない。

 

そう思いながらも俺はいつも通りに机に座って頬図絵を突き、何でもない時間を過ごしていた。窓から外の景色を眺め、電柱や校舎の隅に足を下ろす小鳥の観察もそう悪いものではない。

 

「久しぶりね」

 

そんな俺に最初に声をかけてきたのは上柚木だった。イメチェンして夏の浮かれた気分が残るクラスメイトと違い、変わらず堂々と可憐な立ち振る舞いだ。

 

「おう、久しぶりだな。天王寺とくっついたか?」

 

「全然よ、というか流れるようにその話題を振るのは止めなさい。そういうあんたこそゼ…」

 

「何の話しとるの?」

 

会話に入らんとひょっこり顔を出してきた天王寺。若干日に焼けた感じはあるが、それ以外は特に変わった様子はない。

 

「みんなと同じ夏休みの話だよ。お前らは夏休みなにしたんだ?」

 

「松田君たちと映画とかバイト先のカフェに行ったで」

 

「随分お前らもエンジョイしてんな」

 

俺達が冥界で頑張ってる間、夏休みを満喫したみたいだ。

 

以前カラオケに行ったメンバーからオカ研組を抜いたメンバーでか。俺ももっと夏休み遊びたかったなあ。色々あったけど有意義だった夏休みの心残りと言えばそれくらいだ。

 

「あんた達が部活でどこかに行ってる間に楽しませてもらったわ…ところで、あなた達こそ何をしたの?」

 

俺達が夏休みにしたことか。

 

9割異形絡みだから何といえばいいか…あ、でもこれだけは言えるな。

 

「地獄だよ」

 

「地獄?」

 

俺の返答をそのままオウム返しするように胡乱気に天王寺は反応した。

 

山にこもって八極拳の修行、アルギスに負ける、せっかく参加したパーティーもテロに巻きこまれる、極めつけに妹に殺されかける。これだけ言えば夏休みの9割は辛いことで占められているといえる。でもグレモリー領の観光など、そうでないことだってあったけどな。

 

「なあ兵藤」

 

同意を求めるように後ろの席にいる兵藤に話を振る。

 

「…ああ、本当の地獄だったぞあれは」

 

タンニーンさんとの鬼ごっこを思い出したか、俯きながらどんよりとした顔をしながら答えた。

 

なんでかこいつだけ異様に厳しい修行だったな。兵藤は隕石級の火を吐く龍王と鬼ごっこし、無駄にサバイバルスキルを身に着けて帰って来た。俗世から離されたこいつは禁手の他にまた新しい技を手に入れたらしいが…。

 

ここまで元気のない兵藤の反応に流石の上柚木も可哀そうだと思ったらしい。

 

「こ、これ以上は聞かないでおくわ…悪かったわね」

 

普段は兵藤に厳しい態度を取ってる上柚木が引いてるくらいだぞ。事情を知らない人でもわかるくらいに落ち込んでるんだ、相当怖い思いをしたんだろうなぁ…。

 

「イッセー君も悠君もごっつたくましくなったのも地獄行ったからかいな」

 

「まあな」

 

お、わかる?わかってしまう?

 

「顔が締まったり、腕が少し太くなったわね。ワイルド味もあるわ」

 

「4月はひょろひょろやったのに、夏休み開けたらかっこよくなったね。羨ましいわー…」

 

そう言われてみれば兵藤はともかく俺は当然か。

 

1週間意識が戻らず寝たきりだったから退院したときは一時期もやしとも呼ばれていたっけか。レイナーレと戦うために筋肉をつけたり、強化合宿に参加したり夏休みの修行だったりでわりと鍛える機会はあった。この変化は当然だ。

 

「でも童貞臭いのは変わらないわね」

 

「一言余計だなおい」

 

ふんと笑いながら会話に入って来たのは桐生さん。こっちも変わらず、下ネタ好きだな。

 

「どこのクラスにも、この夏で成果を上げた男子がいるっていうのにあんた達と来たら…ところでアーシアの様子が変だけど、何か知らない?」

 

「アーシアちゃんどないしたんやろうな?」

 

心配そうな桐生さんと飛鳥の視線の先にはどこか遠い目をしたアルジェントさんの姿。

 

最近、ディオドラとかいう坊ちゃん悪魔に求婚をされていろいろ悩んでいるようだ。聞けばそいつはアルジェントさんが教会を追放されるきっかけとなった事件…そこでアルジェントさんが助け、傷を癒した悪魔だという。

 

俺達の視線に気づいたらしく、こっちを振り向くと笑顔を返した。心配をかけまいとしているようだが…。

 

「オカ研の問題だよ、皆が心配する必要はないさ。すぐにいつも通りになるよ」

 

ゼノヴィアはそういって皆の心配を和らげようとしてくれる。一番心配しているのはオカ研の中でも一番付き合いの長い兵藤だが、それに負けず劣らず友達であるゼノヴィアも彼女を心配している。

 

この問題、眷属でない俺が介入できるもんじゃないし…どうしたものか。

 

「ところでお前らは転校生が来るって知ってるか?」

 

話題を変えたのは松田君だった。周りのイメチェンして彼女持ちになった男子たちへの嫉妬のオーラが漏れてるな。まあそれもあいつらしいというか。

 

「転校生?」

 

夏休み明けと言えば区切りがいいように思えるが、こんな時期に珍しい。

 

「噂によるとすんごい美少女らしいぞ。俺達のクラスはアーシアちゃん、ゼノヴィアちゃん、上柚木ちゃんと美少女が集まって毎日眼福だ」

 

元浜が光る眼鏡をくいっと上げて言う。確かに、うちのクラスは美少女揃いだな。

 

「あら、私は美少女じゃないって言うの?」

 

「エロの匠何て呼ばれるお前が美少女なわ…おいやめろ!俺の眼鏡を勝手に取るな!」

 

こんな時期に転校生…まさか、異形絡みだったりするのか?

 

これから体育祭や学園祭、さらには修学旅行とイベント盛りだくさんな二学期が始まるわけだが、1学期のペースで行けば悪い意味でもいい意味でも波乱の二学期になりそうだ。

 

誰一人かけることなく、無事に2学期が終わればいいが。

 

 

 

 

 

 

先生が来てホームルームが始まり、最初にその人は紹介された。

 

見覚えのある顔だ。

 

今の俺の原点となった聖剣エクスカリバーを巡る事件、その時はまだ教会の戦士だったゼノヴィアと共に行動していた聖剣使い。途中でフリードの反撃にあい、得物としていた『擬態の聖剣』を奪われ重傷を負ったため戦線離脱してしまった。

 

栗毛色の長い髪をツインテールにした快活な雰囲気が眩しい少女。かつてのような白ローブや黒いぴっちりとした

戦闘服でなく、見慣れた駒王学園の女子制服に身を包んでいる。

 

「初めまして、紫藤イリナです。皆さんよろしくお願いします!」

 

思わぬ再会に、俺もゼノヴィアも驚きを隠せなかった。

 

 




書きたいシーンを書くのも楽しいけどやっぱりキャラがくだらないことでわいわい賑わう日常シーンも楽しい。

次回、「転生天使」

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