エクラと英雄達の日常   作:曇天もよう

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なんとなくの思いつきで書きました
下手くそな文ですがよろしくお願いします


エクラとユリアとヨシュアと。

「エクラ様…ご無理をなさらずに…」

 

「エクラ…あんたなぁ…」

 

とある女性と男性がエクラと呼んだ人のことを心配している。周りには、半壊した古めかしい遺跡のようなものが存在しているだけで、他には何も存在しない場所で、二人とエクラと呼ばれたフードを被った男の目の前には石板があるだけであった。

 

その石版を目の前にしてエクラと呼ばれた男は突っ伏していた。それを二人は心配しているようであった。

 

「エクラ様…以前からすり抜けが続いていると言われていたのですから、少しオーブを使われるのを控えた方が…」

 

「あはは…ユリア…何度目のすり抜けかな…?」

 

「…確か13度目だな…朝にオーブを手に入れて来たから早速回すって言ってたから付いてきたが…ここまで来ると賭け事してみたらどうだ?」

 

「…はい…ヨシュア様が言われましたように13回目です…」

 

「…まだ諦めない…マークちゃんがやってくるまで…」

 

「…!エクラ様…春祭りにやってくるというお方を見て欲しいと言われていたではありませんか…?とりあえず…そこまで貯めましょう…?」

 

「…ああ…カチュアか…真面目な子が恥ずかしそうに感じながらエッチな格好はしてるのっていいよね…戦渦のオーブがまだ残ってるからそっちを割り当てるさ…俺はマークちゃんが引けるまで止まらないんだ…」

 

そう言うとエクラはユリアとヨシュアから背を向けて何やら儀式のようなものを始めてしまった。

 

こうなってしまうと、自分たちが何を言っても無駄をだとヨシュアも諦めてしまった。しかし、ユリアは心配そうにエクラの方を見つめていた。

 

「しかし、あんたは毎回エクラに付いてきて召喚するのを見ているのか?」

 

「はい…私はエクラ様に多くのことをさせてもらっていますので…お支えできれば…と…」

 

「無償にやりたいってことなのか?」

 

「無償…というわけでもないですが…ヨシュア様はどうなのですか…?」

 

「ん?俺かい?あんたは俺が王族ってことは知ってるかい?」

 

「いえ…知りませんでした…ヨシュア様は王族の方だったのですね。傭兵と言われている割には綺麗な格好などされているな…と思っていましたが…」

 

「知らなかったのか。まあ、いい。俺は家を勝手に飛びだしたからな。だが俺はいつか国に戻り王位を継ぐ。この身を祖国のために捧げるつもりなのさ」

 

「出身はジャハナ王国と言われていましたね。ジャハナ王国はどのような国だったのでしょうか?」

 

「ジャハナか?ジャハナ砂漠と傭兵の国さ。マギ・ヴァル大陸の南東部に位置するんだが、国土の大半が砂漠に閉じ込められているから貧しいんだ。普通の国なら農民などがいるもんだがうちの国じゃわずかな土地でしか出来ないのさ。だから国民の多くは傭兵として生きようとする。これが大まかなうちの国って感じだな」

 

「そうなのですか…私の父様はグランベル帝国の皇帝なのですが、私はそのようなことをまだ考えたこともありませんでした…。国はセリス様がお引き継ぎなさりましたので…」

 

「セリス…あんたの異母兄弟だったな」

 

「はい…私の父様はシグルド様に謝りきれないほど酷いことをされてしまいました…私がセリス様をお支えすること…それがせめてものシグルド様に対する私の贖罪なのです…」

 

「…そうか…あんたもいろいろ大変なんだな…話が逸れちまったな。エクラについてだったな」

 

「あ…すみません…余計なことを話してしまったばかりに…」

 

「構わないさ。簡潔に言うと俺はあいつをジャハナに連れ帰りたい」

 

「連れ帰る…ですか?」

 

「ああ。あいつは今はあんな感じだが、戦いのときの指揮を見ればとても優れたやつだということはあんたも分かってるだろう?」

 

「…はい…私では勝てないと思ってしまうような局面であっても、エクラ様の指揮に従うと勝ててしまうのです…本当に凄いお方であると思います…」

 

「そうだろう?だから俺はあいつを国の相談役などに登用したいのさ。国に賢いやつは何人いても困らないからな」

 

「確かにそうですが…」

 

「なんだい?俺に連れて帰られちゃ困ると?」

 

「それは…!…そうですが…」

 

この気持ちを何と言えばいいか分からず困っているユリアを見ていたヨシュアは懐から一つのコインを取り出した。

 

「じゃあ、俺と勝負しないか?あんたが負けたらエクラについて思ってることを正直に話してもらおうか」

 

突然のことにユリアはびっくりした表情を浮かべる。しかし、そんなことを気にも溜めずヨシュアは続ける。

 

「俺だって思ってたことを話したんだ。これくらいは聞く権利はあるだろう?」

 

「それはそうですが…」

 

「代わりに俺が負けた場合…あんたが望むことをしよう。何だって言ってくれればいい」

 

「…何だって…ですか…?」

 

「ああ。探し物をして欲しいと言われればそいつを見つけるまで手伝うし、誰か気に入らない奴がいるならそいつを黙らせることだってしよう」

 

「…」

 

ユリアは少し黙ってどうするかを考える。その間ヨシュアは何も言わず待っていたが、しばらくして、ユリアが納得したようで、首を縦に振った。

 

「おっ、乗ってくれるか。そちらは何をお望みで?」

 

ヨシュアは何を賭けるのかユリアに質問をする。ユリアは少し黙ってから、少し恥ずかしそうに答えた。

 

「あの…いつもエクラ様にお世話になってるので…エクラ様が少しでも休ませてあげられるようにしたいのです。具体的になにをする…などは決まってないのですが、一緒に考えてもらいたいのです」

 

ヨシュアはそれを聞くと少し考えるような表情を浮かべた。そのヨシュアの表情をユリアは伺うようにしながら、ヨシュアが何というか待っていると、ヨシュアは話し始める。

 

「なるほどな。優しいあんたらしいさ。いいぜ、あんたの賭け了解した。お互いに賭けるものは決まった。さあ、やろうか」

 

ヨシュアは胸元からキラリと光る一枚のコインを取り出した。それには片面には誰か分からない人物の顔が、その裏面には建物が描かれていた。

 

「こいつが勝負するものだ。こっちの人の顔が写ってるのが表、逆が裏になる。さあ、どっちを選ぶ?」

 

「…イカサマはされないですよね…?」

 

「ああ。俺は素人にイカサマはしない主義なんだ。安心してくれ」

 

「…そうですか…分かりました…少し考えるので待っててくださいね」

 

「分かった。俺はあんたが選んだものとは反対にするから、自由に決めてくれ」

 

「はい…」

 

ユリアはどちらの面を選ぶか少し考え始めた。ヨシュアはユリアが選ぶのを待ちながらエクラがどんな様子をしているのか眺めていた。エクラはあいも変わらず召喚を続けているようで、召喚された英雄たちが、ヨシュアたちが普段生活している拠点、ヴァイスブレイブに移動していっているのが見えた。

あの様子だと未だにエクラが欲しいと呟いていた、マークという人物は来ていないのだろうと思った。

 

そんな考えを巡らせていると、ユリアはどちらを選ぶか決めたようで話しかけて来ていた。

 

「…すみません…大丈夫ですか…?」

 

「…ああ…すまない、大丈夫だ。それでどっちにするんだ」

 

「はい…私は表にすることにします」

 

「ほう、どうして表にしたんだ?」

 

ヨシュアは表を選んだ理由をユリアに聞く。するとユリアは答える。

 

「なんとなくの直感です…深く考えるよりも直感を信じた方がいいかと思いましたので…」

 

「なるほどな。分かった、じゃあ俺は裏だな。覚悟はいいかい?」

 

「…少し怖いですが…覚悟はできました」

 

「よし、じゃあ回すぞ」

 

そう告げるとヨシュアは、自分の利き手である右手で握り拳を作り、その親指の上にコインを乗せた。そして、親指をその握り拳から抜き、コインを空に放った。

 

コインはクルクルと回転しながら、空を舞った。そして、ヨシュアの右手に向かって落ちてくる。そのコインをヨシュアは覆い隠すように右手に落とした。

 

「さて…開けるぞ。さあ…どちらが勝ったか…」

 

ヨシュアがそう言ってコインを隠していた左手を外した時だった。

 

 

 

「ギャァァァアァ!!!!!クロムがきちゃったぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」

 

先程から黙々と召喚をしていたエクラが突然絶叫したのだった。

 

「エクラ様!」

 

ユリアはコインを先程まで気にしていたが、エクラが叫ぶと同時にエクラの元へと駆け出して行ってしまった。

ユリアはエクラに駆け寄るや否やすぐに励ますような言葉をかけていた。

エクラは放心状態のようであったので、ユリアの声は聞こえていないようであった。

 

そして一人取り残されてしまったヨシュアは独り言をつぶやいていた。

 

「あ、おい!…全く…いいところだったのにな。…それにしても…賭けは…負けていたな…。まあ、負けは負けだ。ユリアの言っていたことを手伝うとするか。まずは…あいつをはげますとするか…」

 

ヨシュアは一人ゆっくりと落ち込むエクラと、それを励ますユリアの元へと歩いて行ったのだった。

 

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