NEO ULTRAMAN   作:Haganed

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機械人形

 とある別の宇宙、その月面にて戦う2体の巨人が居た。赤と銀 灰色の巨人が銀 青色の()()を相手しているのだが、3色の巨人の攻撃は一切当たらず2色の巨人の攻撃だけが当たっていく。1発ずつ的確に当てていく2色の巨人は、まるで相手の出方が()()()()()()様に攻撃を避けカウンターを与えていく。

 

 

 苦戦している3色の巨人は胸のX()()()()()()()が光ると同時に鎧が着せられていく。だが2色の巨人は特に反応もせず、挑発の動作を3色の巨人に見せる。3色の巨人は右腕に装着された装置から電撃を放つ。

 

 

 だがそれさえも避けられ、今度は2色の巨人から妙な球体が現れたと思いきやそれから攻撃が放たれ3色の巨人がダメージを受ける。ダメージを受けた3色の巨人は相手の出方を見るのだが、その巨人は攻撃をする様子が見られない。

 

 

 

「『エックス、大丈夫か!?』」

 

 

「『問題は無いさ大地。だが……妙な()()()()()()だ、こちらの攻撃が全て読まれている。強者の余裕なのか攻撃もしてこない』」

 

 

 

 3色の巨人と一体化している男性の名を『大空大地』、Xio日本支部の【ラボチーム】所属の研究員だが有事の際は前線に立っており文武両道な面があるも高所恐怖症である。

 

 

 そしてこの3色の巨人の名は『ウルトラマンX』、この世界のウルトラマンである。この大空大地とXioメンバーと共に今も世界を守り続けている光の巨人(ウルトラマン)である。

 

 

 

「『確かに……悔しいけど、俺達の攻撃が全部読まれてる。何処に来るか知ってるみたいだ』」

 

 

「『多分、今奇襲しても避けられる。さてどうしたものか……』」

 

 

 

 ウルトラマンXと大空大地が共に悩んでいると、2色の巨人が突然何かに気付いた様に顔を見上げる。するとその2色の巨人はウルトラマンXに背を見せると、目の前の空間に()を開けた。その時、その巨人は赤 青 銀の3色に戻る。

 

 

 その巨人は穴に入り消えるが、穴は開いたままであった。それを見ていたウルトラマンXと大空大地だが、その途中アーマーが消えて胸のタイマーが赤く点滅する。

 

 

 

「『大地、1度Xioに戻ろう。恐らく3次元時空と平行世界を繋ぐワームホールと思われるが、1度準備を整えてから行った方が良い』」

 

 

「『それもそうだよな。皆に連絡して準備してから行こう』」

 

 

 

 ウルトラマンXは開いたままのワームホールを再確認したあと地球へと帰還していく。そのワームホールは未だに開かれたままであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、黎の居る地球では訓練場で黎とコカド・イツキが徒手空拳での模擬戦闘訓練を行っている。腕刀の鍔迫り合いの中、互いに様子を見るように回っている。

 

 

 

「シッ!」

「フッ!」

 

 

 

 黎がイツキの防御している腕を一瞬で掴むと黎自身の体ごと回転するとイツキの腕から手を離す。黎は綺麗に着地、イツキも伊達に【P・H・S】所属隊員であってか体を捻って黎と同じように着地する。

 

 

 黎はその体勢から飛び上がり空中一回転して蹴りを放つが、イツキは地面を転がって蹴りを避けると足払いをかけて黎を転ばせる。背中におもいっきり打ち付けられるが痛む様子を見せない黎は、ブレイクダンスの要領で脚を大きく回転させながら体を起こし構える。

 

 

 そしてすぐさまイツキに向かう黎。向かってくる黎に合わせて掌打の一撃を抑え込むが、瞬間黎がイツキの腕を掴みイツキの肘関節が曲がる様に時計回りに左肘を腹部に添える。

 

 

 黎とイツキはそこで止まり離れてから一礼をしたあとタオルで汗を拭き、ドリンクで水分補給をしっかりと行う。

 

 

 

「ふぅー…………凄いね、黎君」

 

 

「全部ケトル爺のおかげですよ、イツキさん」

 

 

 

 【P・H・S】航空機動隊に所属してから1ヶ月半が経ったが、その間はケットル星人の『グレゴリ』もといケトル爺が黎の練習に付き合っていた。やはりケットル星人、様々な武術や武道全般に通じている故に生身で勝てる者は殆ど居ない。漸く黎もケトル爺とギリギリにまで渡り合える程度の実力を身につけたが、ケトル爺曰くまだまだだそう。

 

 

 未だに他の部隊員に手ほどきをしているケトル爺を見ながらそう考えた。ちょうどお昼頃になっている為、黎とイツキはやって来るケトル爺と共に昼食を摂る。

 

 

 食堂で食べるのだが、イツキは照り焼きチキン定食なのに対し黎はカツ丼 手羽先唐揚げ60本 白飯3合分の量を何の躊躇いもなく食していく。ここ最近、というより【P・H・S】に所属してから3日後にこの位の量にまで増えたらしい。

 

 

 そんな時、イツキの隣に座る1人の男が黎の食べっぷりを嬉しそうに見つめる。

 

 

 

「相変わらず良い食べっぷりだな、レイ」

 

 

「ムグ?………ゴックン ミナト隊長。えぇ、体を動かしてたら急にお腹が空いてきて」

 

 

「若い頃は食っておいた方が良い。……うん、そうであるとも」

 

 

「隊長…………」

 

 

 

 正直言って、黎の食事量は傍から見ても多すぎるのは確かである。しかも摂取した食事量よりも消費カロリー量が多いのか体型が殆ど変わっていない。ミナト隊長も黎の異常性に少しだけ上の空になり、それを見たイツキも苦笑しか浮かべなかった。

 

 

 その集団の中に1人の足音が近付く。

 

 

 

「多っ!」

 

 

「あ、ヤクモさん。どうも」

 

 

 

 やはり普通の反応をしたヤクモは一旦黎の食事量のことは頭の隅に追いやると、ミナト隊長の方に視線を向ける。

 

 

 

「ミナト隊長、お話が」

 

 

「あぁ……それならイデさんから聞いた。()()()だろう?」

 

 

「はい。漸く完成に至りました」

 

 

「そうか。……レイ、ちょっといいか?」

 

 

「はい」

 

 

 

 ミナト隊長は黎の方に視線を向けると、黎も返事をする。

 

 

 

「昼食が終わり次第、一緒に技術班のラボにまで来てくれないか?そこで見せたいものがある」

 

 

「見せたいもの…………ってなんですか?」

 

 

「来れば分かるさ」

 

 

 

 そうして黎の食事も終わり、既に食事を終えていたミナト隊長と共に2人が技術班のラボに向かう。

 

 

 この【P・H・S】に存在するラボは多岐に渡り全ての部隊がお世話になっており、航空機動隊の戦闘機や地上機動隊の車両や隊員が常備する銃や通信用デバイスなどが制作されている。

 

 

 ただ、この技術力で作られた多くの物は【M(uch)E(xtreme )T(echnology) (of) E(xtraterrestrial) OR(igin )】、通称METEORと呼ばれる超絶科学技術で製作され不安要素の塊のような代物。火星で採掘したスペシウムを利用した“スペシウムエネルギー砲”もその内の1つだ。

 

 

 閑話休題(話を戻して)

 

 

 黎とミナト隊長がラボに到着すると、かなり朗らかな様子を感じられる白衣を着た老人が出迎えてくれた。

 

 

 

「おぉ!待ってたぞケン!そしてレイ君!」

 

 

「ご無沙汰しています、イデさん」

 

 

「えっと……初めまして、一 黎です」

 

 

「私の名は『伊出(イデ) 光祐(ミツヒロ)』よく“イデさん”と全部隊がそう呼ばれるから、別にイデさんでも良いぞ。宜しくなレイ君」

 

 

「宜しく御願いします、イデさん」

 

 

「おっ、飲み込みが早いな」

 

 

「それでイデさん、早速なんですが」

 

 

「分かってる、ピットにあるから付いて来なさい」

 

 

 

 イデに案内されるままピットに向かうミナト隊長と黎。到着して中に入ると、1機の整備されている機体が目に止まる。少なくとも、これまで見た事ない形の戦闘機であった。

 

 

 ミナト隊長と黎が驚く中、イデはこの戦闘機を背に説明をし始める。

 

 

 

「レイ君専用に開発した、戦闘支援機【V04】だ!他の戦闘機と合体することで真価を発揮するのだ!」

 

 

 

 両翼に取り付けられた2つの大型ブースターとV04の後方に取り付けられた3つのコンテナが注目される戦闘支援機V04、これが黎の乗る機体となる。

 

 

 

「一応操縦法は他の戦闘機と同じだが、様々な武器があるから少しゴチャゴチャしているやもしれない。そこは私が説明しよう」

 

 

「感謝します、イデさん」

 

 

 

 そんな時、黎の様子が少しだけ変わる。上を見てキョロキョロと頭を動かして視線を変えていくのだが、ミナト隊長とイデはそんな様子を見て疑問に感じ黎に尋ねた。

 

 

 

「どうした、レイ」

 

 

「ミナト隊長…………何か来ます」

 

 

「来るって……何g」

 

 

 

 

 黎がそう言った直後、警報が辺りに鳴り響きアナウンスが流れる。

 

 

 

〔緊急警報発令!緊急警報発令!現在謎の飛行物体が宇宙から侵入!直ちにそれぞれのミーティングルームにて飛行物体を確認し、出動せよ!〕

 

 

 

 ミナト隊長と黎、イデはそれぞれお互いを見ると足早に向かっていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先に地上機動隊が着陸予想地点付近の住民に避難誘導を呼びかけ、続いて航空機動隊が向かう。今回はミナト隊長は指示を出す役目、代わりにV04戦闘支援機に黎が乗り出動するのだ。

 

 

 

〔総員、出撃せよ!〕

 

 

「V01!ヤクモ・ヒトミ、出撃します!」

 

 

「V02!コカド・イツキ、出撃します!」

 

 

「V04!ニノマエ・レイ、出撃します!」

 

 

 

 ピットから3機がそれぞれ出撃し、目標の飛行物体を目指す。数は4機であるが移動速度がこの戦闘機よりも速い。さらにモニターで確認できる辺りでは、その飛行物体はどれも特殊な形状をしている。

 

 

 そしてその4機の飛行物体が、それぞれ合体し始めた。縦に連結するように合体し、人の形を取った。正しく機械人形と呼ぶに相応しい風貌であった。

 

 

 

〔全機に情報を伝達する!アイツは“キング・ジョー”と呼ばれるペダン星人の開発したロボットだ!〕

 

 

〔レイ君、聞こえるか!?〕

 

 

「はい!」

 

 

〔今から指示を出す!操縦席の左側に設置したレバーハンドルを倒して、透過光線を出してくれ!生体反応があれば中のペダン星人を捕獲せよ!〕

 

 

「了解!」

 

 

 

 黎がキング・ジョーの周囲を移動し背後に回ると、左に設置されているレバーハンドルを握る。

 

 

 

「透過光線、発射します!」

 

 

 

 レバーハンドルを前に倒すと、V04の照明部分から透過光線が発射される。視覚的に確認していくが中には誰も居なかった。

 

 

 

「こちら黎!キング・ジョーの中には誰も居ません!無人機です!」

 

 

〔よし。ならば総員、キング・ジョーに攻撃せよ!〕

 

 

「「「了解!」」」

 

 

 

 キング・ジョーに対し攻撃が行われる。連続射出されるレーザーやミサイルを発射していくが、ある程度怯むだけで他は何も攻撃する気配が無い。

 

 

 それどころか戦闘機を目で追っている様子が見られる。それに気付いた隊員達は連絡を入れる。

 

 

 

「ミナト隊長、キング・ジョーが行動を起こしません。精々我々を目で追っているだけです」

 

 

〔……一体何を考えているのだ?〕

 

 

「何か我々を観察している……のでしょうか?」

 

 

「ですけど、無人機ですよ?何かしらプログラムされてもおかしくは……あ、こちらを見ました」

 

 

 

 そして最後に黎の乗る戦闘機を見ると、キング・ジョーはすぐさま黎の乗るV04を掴み取った。

 

 

 

「おわっ!?」

 

 

「「黎君!」」

 

 

〔ヤクモ隊員とコカド隊員はすぐにレイ隊員を救出せよ!〕

 

 

「「了解!」」

 

 

 

 V01戦闘機とV02戦闘機がキング・ジョーに攻撃を仕掛けるが、すぐに黎の乗るV04戦闘機を地面に向かって投げた。

 

 

 

「機体が安定しません!不時着します!」

 

 

 

 V04戦闘機が誰も居ない道路に不時着したのも束の間、今度はキング・ジョーが目から何かを収束させている。

 

 

 

〔レイ隊員、今すぐ避難せよ!〕

 

 

〔いや、間に合わん!〕

 

 

 

 ケトル爺からの通信が入った時、黎はすぐにミックスデバイスとデータカードを持ち、それぞれの差し込み口に対応したデータカードを差し込む。

 

 

 

〈〈ウルトラマン!〉〉

 

 

 

 先に赤い差し込み口にウルトラマンのカードを入れると、初代ウルトラマンのビジョンが現れる。

 

 

 

〈〈ゼットン!〉〉

 

 

 

 続いて紫の差し込み口にゼットンのカードを入れると、ゼットンのビジョンが現れる。

 

 

 そしてミックスデバイスを押し込み、変身する。

 

 

 

〈〈ザ・フュージョン!〉〉

〈〈ネオ・ウルトラマン 【ZETA】!〉〉

 

 

 

 光となってウルトラマンとなった黎が戦闘機から飛び立つと、光線を発射する寸前のキング・ジョーを真正面からのタックルによって防ぐ。

 

 

 キング・ジョーはすぐに倒れ、ウルトラマンとなった黎は戦闘態勢を取る。

 

 

 

「隊長!ウルトラマンが現れました!」

 

 

〔よし!総員直ちにウルトラマンの援護を!〕

 

 

 

 キング・ジョーが起き上がると、黎はジャンプしてキング・ジョーに接近しチョップを与えようとする。しかしキング・ジョーは4つに分離して攻撃を回避すると、目から“デスト・レイ”を発射する。

 

 

 背中でモロに受けた黎は膝を着くも、次にキング・ジョーはまた“デスト・レイ”を発射しようとする。それをゼットンの空間転移で避けた後、背後をとって手刀を大きく振りかぶって当てる。

 

 

 

「『かったい!攻撃が届いてない!』」

 

 

 

 しかし相手はペダニウムという宇宙鉱物で構成された機械。その外装はとてつもなく固く、通常の攻撃ではダメージを与えるどころでは無い。

 

 

 次にキング・ジョーは黎に裏拳を与えた後、そのまま機械的に1発ずつ正確に拳を放つ。元来の格闘能力が高い故に黎の防御はなす術が無い。ダメージがドンドン蓄積されている。

 

 

 

「隊長!ウルトラマンが押されています!」

 

 

「このままじゃ負けてしまいます!」

 

 

(成程、了解。)ヤクモ、コカド隊員はキング・ジョーの頭部にあるアンテナ型の分離装置を狙え!そうすれば分離による回避は封じられる!〕

 

 

「分離装置ですか!?」

 

 

〔グレゴリからの確かな情報だ。早く!〕

 

 

「ヤクモさん!ウルトラマンの援護は俺に!」

 

 

「分かった!私は分離装置を!」

 

 

 

 今度は黎が道路に倒れ、キング・ジョーが黎をマウントポジションで抑え込んだ。力で負けているのか拘束が解除されず、キング・ジョーは目から“デスト・レイ”をチャージする。

 

 

 そこに2機の戦闘機がキング・ジョーに向かっていく。ヤクモは照準を確認し準備が整うと、コカドがキング・ジョーの背中にレーザーを連続射出する。しかしキング・ジョーは動かなかった。

 

 

 

「忠告はした!ヤクモさん!」

 

 

「“ペネトレーションミサイル”、発射!」

 

 

 

 V01の右翼から1つのミサイルが発射される。それはキング・ジョーの分離装置を正確に狙い、貫く。これによりキング・ジョーも動きが鈍くなり、好機と狙った黎は両足でキング・ジョーを押し退ける。

 

 

 キング・ジョーは動きが鈍くなり、攻撃しにくくなっている。黎は思い出した様にミックスデバイスを取り出し、2つの差し込み口にブランクカードを差し込む。

 

 

 

「『これで……よし!』」

 

 

 

 黎はキング・ジョーに接近しウルトラマン態では殴っているのだが、黎はミックスデバイスをキング・ジョーに当てた。

 

 

 すると中にあるブランクカードが光り始めると、カードが射出され黎の手元に集まる。

 

 

 新たな巨人の絵とキング・ジョーの絵がカードに刻まれた。そして黎は、そのカードを使う。

 

 

 

 

 

 

 

 赤い差し込み口に、新たな真紅のウルトラマンを差し込む。

 

 

 

〈〈ウルトラセブン!〉〉

 

 

 

 黎の右側に、ウルトラセブンのビジョンが現れる。

 

 

 次に黎は紫の差し込み口にキング・ジョーのカードを差し込む。

 

 

 

〈〈キング・ジョー!〉〉

 

 

 

 そしてミックスデバイスを押し込み、新たな力を発動させる。

 

 

 

〈〈ザ・フュージョン!〉〉

 

 

 

 

 

 

 

〈〈ネオ・ウルトラマン 【アーマード】!〉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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