星王が異世界から来るそうですよ?【修正中】 作:きのこの山親衛隊
これから数週間か更新が開くことが予想されます。
「ハッ、試練?蛇ごときが俺を試そうっていうのか?」
『舐めおって、人間風情よ!』
そうやって大河の中から現れたのは身の丈30尺もありそうな巨躯の大蛇。
「なにを人を試す気になっているんだ?まずはおまえを俺が試してやるよ!」
そう言って二つの影がぶつかりあった。
◆
「あーあ、戦闘狂なことで」
そう言って森の中をぶらつくのはキリト。十六夜が戦闘を始めたときに離れてここまで来たのだ。
「さて、どうやって暇をつぶすかな?」
「おーい、そこのお兄さん」
そこには黒い黒ぶちの眼鏡をかけた30代半ばの優男が岩の上に座っていた。
キリトがそちらの方を向くと優男は人懐っこい笑みを浮かべる。
「はははっ、君はこんなところでなにをしているんだい?」
「ああ、知り合いが"世界の果て"を見たいと言って」
どうしてだろうか。こいつは警戒しなければならないと本能が告げている。
「ふーん、その知り合いは?」
「あちらの方で大蛇と遊んでいるさ」
興味なさげに目の前の優男は頷く。
「で、おれを呼び止めて何の用だ?」
「ちょっとゲームをしないかと思ってね。キリトくん」
「へー、どうして俺の名前を知っている?」
「さあね」
目の前の優男はヘラヘラと笑った。まるで真意は見せないと言わんばかりに。
「で、受けるの?受けないの?」
「ああ、受けてやるさ」
おまえが俺の名前を知っている理由も聞かないといけないしな。その言葉は胸の中にとどめておく。
そう言ったすぐ後に目の前に何かが現れた。
────それは白い羊皮紙
────ではなく、黒い羊皮紙
────でもなく、静電気が起きてホログラムのプレートが現れた
「キリトくん。健闘を祈る」
『ギフトゲーム名 “虚実の守護者と電子の牢獄”
プレイヤー一覧
・キリト
ゲームマスター
・クリスハイト
クリア条件
・電子の牢獄からの脱出
敗北条件
・プレイヤー全員の失格
・プレイヤー側の降参
・プレイヤー側が勝利条件を満たせなくなった場合
ルール
・電子の牢獄の主である◾︎◾︎スク◾︎◾︎の打倒。
・プレイヤー以外が途中参加することを認めるものとする
・今回は特例につき100階────紅玉宮からのスタートとする
宣誓 上記を尊重し、誇りと信念とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“アインクラッド”印』
キリトは知る由もなかったが、ここは箱庭の外。ギフトゲームなんて開催できるはずがなかった。
この状況がいかに異常か、黒ウサギがいれば判別できるだろう。
──クリスハイトにアインクラッド……聞いたことのない名前だな
そうキリトは思案する。
そう思った瞬間、視界が虹彩に包まれた。
────リンク・スタート
◆
「十六夜さん、見てください! こんなに大きな水樹の苗をもらいました!これでもうコミュニティは水に困ることがありませんよ!」
十六夜に追いついた黒ウサギは、横たわった大蛇──水神がくれた水樹の苗におおはしゃぎしていた。
一方、十六夜は神妙な顔つきをしている。
「なあ、黒ウサギ。おまえってここに来るまでにキリトの奴にあったか?」
「えっ、あの。一緒ではないのですか?」
「いや、俺とさっきの奴が戦ってる間にどっか行った」
「どこに行ったのでしょうか」
「とりあえず探そうぜ」
「大丈夫。それには及びませんよ」
そう言って森の中から一人の優男が出てくる。
「なんだ。おまえがキリトの居場所を知っているのか?」
「あー、キリトくんね。彼ならあっちの方でゲームをしているよ」
「なっ、ゲーム!?ここは箱庭の外。ギフトゲームなんてできないはずですよ!?」
「まじかよ。で、そこの優男よ。ゲームというならルールはどれだ」
「ほらっ、これだよ」
そう言ってホログラムの"契約書類"を前に差し出す。その内容を十六夜が確認した後、ニヤリと獰猛に笑った。
「これで確定だ。やっぱりそうだったのか」
◆
それはそのまた数十分前。
「それで、貴方が代わりにエスコートして下さるのかしら?」
「あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルと申します。齢十一になったばかりの若輩ですが、よろしくお願いします」
「久遠飛鳥よ。そこの猫を抱えているのが」
「春日部耀」
礼儀ただしくお辞儀をするジンくんにそう言って二人は礼をする。
門に入って石造りの通路を渡ると、ぱっと頭上に日光が降り注ぐ。
遠くに
外から見た際には都市の天幕は透明ではなかったはずだ。いまは、都市の空には青空と太陽が広がっている。
「箱庭を覆う天幕は中に入ると不可視になるんですよ。もともと日光を直接浴びれない種族の為に作られましたから」
「それはなんとも気になる話ね。この都市には吸血鬼でも住んでるのかしら」
「はい、いますよ」
「……。そう」
「さあ、立ち話もあれですからこちらへどうぞ」
そう言って六本傷の看板が掲げられたオープンテラスカフェへと入る。
もちろんのことながら春日部もその決定に不満があるはずがない。三人と一匹は先導する飛鳥に続きカフェのオープンテラスの一席に赴くと
するとそれを店の奥から見ていた猫耳少女のウェイトレスがこちらに向かってくる。
「いらっしゃいませー。御注文はどうしますか?」
「えーと。紅茶を二つと緑茶を一つ。あと軽食にコレとソレと」
『ネコマンマを!』
「はいはーい。ティーセット三つにネコマンマですね。ご注文は以上でよろしいですか?」
「はい。うん……?」
違和感に気がついた二人が首をかしげる。その疑問に答えるかのように春日部が店員に話しかけた。
「三毛猫の言葉、分かるの?」
「そりゃ分かりますよー。私は見ての通り猫族ですから。お歳のわりに随分と綺麗な毛並みをした旦那さんですね。ちょっぴりサービスもさせてもらいますよー」
『ねーちゃんも可愛い猫耳に鉤尻尾やな。今度機会があったら甘噛みしに行くわ』
「やだもーお客さんったらお上手なんだから」
猫耳娘は長い鉤尻尾をフリフリと揺らしながら店内へと戻って行った。
その光景を見た春日部は少し嬉しそうに三毛猫を撫でながら話す。
「………箱庭ってスゴイね、三毛猫。私以外にも三毛猫の言葉が分かる人がいたよ」
『来てよかったなお嬢』
「ちょ、ちょっと待って! 貴女、もしかして猫と会話ができるの?」
「もしかして……動物との意思疎通が可能なんですか?」
「うん。生きているなら誰とでも話せる」
「それは……じゃあ、そこに飛び交う野鳥とも会話が?」
「うん。きっと出来………るかな? ちょっと後者は試したことがないから分からないけど……ええと、鳥で話したことがあるのは雀や鷺やホトトギスくらいだけど……ペンギンもイケたからきっと大丈……」
「「ペンギン!?」」
「う、うん。水族館で知り合ったの。他にもイルカ達とも友達」
まだ水族館がない時代から来た久遠と水族館なんて存在しないジンは二人揃って驚いていた。
元いた時代に水族館があった春日部は不思議そうに首を傾げている。
「しかし全ての種と会話が可能なら心強いギフトですね。
この箱庭において種族間の言語の壁というのはとても大きいですから」
「そうなんだ」
「はい。猫族やウサギのような神仏の眷属として言語中枢を与えられていたり、神レベルのものなら意思疎通は可能ですけど……。
幻獣達はそれそのものが独立した種の一つです。同一種か、相応のギフトがなければ意思疎通は困難なんです。
箱庭の創始者の眷属に当たる黒ウサギでも、全ての種族とギフト無しで会話するのは不可能ですし」
「………春日部さんは素敵な力があるのね。羨ましいわ」
ジンに褒められてまんざらでもない様子で
「久遠さんは……」
「ああ、飛鳥でいいわよ。代わりにこちらも耀と呼ばせてもらうわね」
「う、うん。飛鳥はどんな力を持っているの?」
「私? 私の力は……まあ、酷いものよ。だって──」
「おんやぁ? 誰かと思えば東区部の最底辺コミュ"名無しの権兵衛"のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないのですか?」
そう言って飛鳥の声を男が遮った。
ふぅ、まだ原作通り。
キリトはそろそろ少しフラグを回収するかな?
ただ今ちょっとフラグ回収に難航していまして……。
あとはこの話数だとまだ短編でまかり通るのか……。