星王が異世界から来るそうですよ?【修正中】   作:きのこの山親衛隊

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かなり遅くなりました。
設定の整理とプラグについての確認をしていました。
プラグ?なにそれと思う人がいるかもしれません。けど、これを語るには創世叙事詩を語るレベルの内容が……。

では、どうぞ!


頓て動かぬ秒針の針
起・白夜叉との面会だそうですよ?


 

 

 

 

 

 

 夕方、噴水広場前にて。三人は仲良く並べて怒られていた。黒ウサギは彼らに耳を逆立てて怒っている。

 

「な、なんであの短時間で”フォレス・ガロ”のリーダーと接触して喧嘩を売る状況になったのですか!?」

「しかもゲームの日取りは明日!?」

「それも敵のテリトリーで戦うなんて!」「準備の時間もお金もありません!」

「聞いてるのですか三人とも!」

 

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省してる」」」

 

「お黙り!!!」

 

 そうやって声を揃える三人組。というかいつのまにかこれほど仲良くなったのだろうか。

 

「まあまあ、黒ウサギ。彼らも見境なく喧嘩を売りに行ったわけじゃないんだし許してやりなよ」

 

「そうだぜ黒ウサギ。別にいいじゃねえか」

 

「い、十六夜さん、もしかしたらキリトさんは、もしかしたら楽しければいいと思っていられるかもしれませんが、このゲームで得られるのは自己満足だけなんですよ?」

 

 それは確かにいう通りだ、俺たちのいない間にガルドというやつについての話によると、罪なき子供達などを殺していたそうだ。

 それは確かに許させることではないが、このゲームで勝った場合でもそれらを全て白日のもとに晒すだけ。対してこちら側は今後一切、彼らの罪を黙認するというものだ。これだけでも不公平極まりないのがわかるだろう。

 

「時間さえかければ、必ず彼らの罪は暴かれます。だって肝心の人質は、そ、その……」

 

「ええ。もうこの世にはいないわ。その点を責めたてれば必ず立証できる。だけど、あの外道を裁くのに時間をかけられないの」

 

 そう、そこが問題なのだ。おそらく時間をかけすぎるとガルドはこの都市から逃げるだろう。それなら箱庭の法で裁けなくなる。

 そして、あまり考えたくないが────今後も同じ罪を犯し続けるだろう。

 

「ここでガルドを逃してしまうと、また奴の犠牲になる人間が出る。それに報復として”ノーネーム”のメンバーに危害を加えるかもしれない。……いまここで、確実に叩いておいた方がいい」

 

「僕も賛成です。彼の様な悪人を野放しにしちゃいけない」

 

 確かにジンのいう通りだ。

 だが────

 

「ひとつジンに聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 

 そう言って彼に声をかける。

 

「それは、リーダーとしての君の選択か?」

 

 その一言は簡潔で、先ほどまでの彼の口調となんら変わりがない。だが、その目は鋭い鋭利な刃物のようであった。

 ジンは言葉に詰まる。

 

「答えろよ、ジン。

 ────答えられないなら、人の上になんて立つな」

 

「────ッ!」

 

 ジンが手を痛いほど握って怒りをあらわにする。だが、どうして彼がここまで冷たくなったのかわからないジンには何も答えられない。

 

「どうしてこのようなことを言われているのか。それがわからないのだろう?」

 

 その目線は王者の目。人を裁定し、見定める神のごとき目線。

 唐突な彼の変貌に飛鳥も耀も、誰も反応できない。はじめに動くことができた十六夜がキリトの肩に手をかける。

 

「そこらへんにしてやれよ、キリト」

 

「ああ、そうだな」

 

 そう言ってキリトは一度目を閉じると普段のひょうひょうとした目に戻っていた。

 ほっと胸をなでおろす。何か自分が必死で目を逸らそうとしていたことを指摘されたような気がしたから。

 

「けどな、キリトの言い分もわからないことじゃないぜ。例えばだが、もしこのゲームでガルドが子どもたちを人質にでもとったらどうするつもりだったんだ?」

 

 沈黙。

 その口は何も語らない。ただ、拳を握っているだけ。

 

「ほら、何も答えられないだろう。お前のそういうところをキリトは"甘い"と指摘したんだ」

 

 そう言って十六夜もジンに厳しい目線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、キリトだったかしら。あなたも前の世界では人の上に立つような立場にあったの?」

 

「ああ、そうだが。久遠もそうなのか」

 

「飛鳥でいいわよ」

 

「なら、飛鳥。ええ、私もそうだったわ」

 

「へえ、俺の場合────」

 

 そうやって何気もない話をして商店にへと続くプリベッド通りを歩く。石で舗装され、脇を埋める街路樹は美しい桃色の花が咲いている。

 

「桜……はないよね。真夏に桜が咲くわけがないもの」

 

 その花を見ながら飛鳥はこうやって呟く。

 

「いや、まだ初夏になったばかりだぞ。まだ気合いの入った桜が残っていてもおかしくはねえだろう」

 

「…………?今は秋のはずだけれど」

 

「俺は長い間寝ていたから季節は覚えていないな」

 

 三者がそれぞれ異なる反応を返す。約一名、おかしな返事をしたものがいたが誰も突っ込まなかった。

 いや、十六夜だけが熱烈なラブコールを向けている。

 

「皆さんはそれぞれ違う世界から召喚されているのデス。元いた時間軸以外にも歴史や文化など様々な相違点があるはずですよ」

 

「へぇ? パラレルワールドってやつか?」

 

「正しくは立体交差並行世界論というのですが……説明が長くなるのでまた今度に」

 

 そうこう言って話しているうちに目的地に着いたみたいだ。黒ウサギが足を止める。

 五人が視線を向けた先には青い布地に互いが向かい合う女神像が記された看板があった。おそらくここが"サウザンドアイズ"だろう。

 店じまいをしているのか、割烹着姿の女性が看板を下げようとしていた。

 

「まっ」

 

「待ったは無しですお客様。当店は時間外営業をしておりません」

 

 流石は大手コミュニティ。このような押し入りの客の対応にも慣れているのだろう。手早い対応だった。

 

 

「なんて商売っ気のない店なのかしら」

 

「ま、全くです! 閉店時間の五分前に締め出すなんて!」

 

「文句があるなら余所へどうぞ。これ以上騒ぐなら出禁にしますのでご自由に」

 

「出禁!? これだけで出禁とかお客様を舐め過ぎでございますよ!?」

 

 キシャーッ!と気炎をあげる黒ウサギをどうにかしてなだめながら店員さんの方を向く。

 ゲームの日程は明日。ならばできれば今日のうちに済ませてしまいたいのだ。

 

「俺達はギフトの鑑定をお願いしに来たんだ。どうにかして融通してもらえないか?」

 

「ふむ。”箱庭の貴族”であるウサギを連れているなら、さぞかし名のあるコミュニティなのでしょう。宜しければ、コミュニティの名を伺いたいのですか?」

 

「俺達は”ノーネーム”ってコミュニティだが」

 

「ほほぅ? ではどこの”ノーネーム”様でしょうか? よろしければ旗印をご確認させて下さい」

 

 なるほど、こういうところで"ノーネーム"はリスクを被るらしい。黒ウサギはウッと悔しそうな顔をし、十六夜はそんな店員の対応を興味深そうに見ている。

 "ノーネーム(どこかのだれか)"などという信用のないコミュニティは総じて相手をされないらしい。

 

「そ、その、あの……私達に、旗印はありまs」

 

「いぃぃぃやっほおおぅぅ! 久しぶりだ黒ウサギィィィィ!」

 

 悔しげに、どうにか声を絞り出そうとする黒ウサギに店の中から何か白い物体が飛びついた。

 いや、あれはジャンピングヘッドボディーブローであるだろう。その運動エネルギーはそのまま黒ウサギと白い物体を浮かせるのに消費され、そのまま街道の水路へと向かっていった。

 

「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか? なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

 真剣に問いかける十六夜と、真剣に断る女性店員。水路では黒ウサギの豊満な胸に顔を押し付ける和装ロリ。

 さて、どうやって収集をつけるのか……

 

 

 

 

  ◆

 

 

 

 

「あらためて自己紹介をしようかの。私は四桁の門、三三四五外門に本拠を構えておる”サウザンドアイズ”幹部の白夜叉だ。以後見知りおいてくれ」

 

 どうにかあの事態を収束させた後、俺たちは目の前の和装ロリ──白夜叉の私室に通された。あの店員の恨みのこもった顔は忘れれそうにない。

 白夜叉の言葉に聞きなれない単語があったのだろうか、耀が首を傾げて問いかける。

 

「外門って、何?」

 

「箱庭の階層を示す外壁にある門ですよ。数字が若いほど都市の中心部に近く、同時に強力な力を持つ者達が住んでいるのです。因みに私達のコミュニティは一番外側の七桁の外門ですね」

 

 なるほどとみんなが頷く。もしもこの箱庭が玉ねぎの皮、あるいはバームクーヘンならばここはその一番端──いわゆる皮の部分にいる。

 

「また、私がいる四桁以上が上層と呼ばれる階層だ。その水樹を持っていた白蛇の神格も私が与えた恩恵なのだぞ」

 

 そう言って、黒ウサギの隣に置かれた水樹の苗を指差した。

 

「へぇ? じゃあお前はあの蛇より強いのか?」

 

「ふふん、当然だ。私は東側の”階級支配者”だぞ。この東側で並ぶ者がいない、最強の主催者ホストだからの」

 

 ああ、そんなにこの問題児を刺激するような言葉をやすやすと吐くべきじゃないだろうに。

 現にほら、問題児筆頭の三人組がいっせいに立ち上がった。

 

「へえ。最強の主催者ホストか。そりゃ景気の良い話だ」

 

「ここで貴女のゲームをクリアできれば、私達は東側で最強のコミュニティとなるのかしら?」

 

「うん。これを逃す手はない」

 

「ちょ、ちょっと御三人様!?」

 

 慌てる黒ウサギを傍目に三人は剥き出しの闘志をあらわにする。確かに、荒廃したコミュニティの最高にはこれ以上ない話だろう。だが──

 

「あら?キリトくんは挑まないのかしら?」

 

「やめといたほうがいい。白夜叉という名、その佇まい。俺たちに敵う相手だとは思わない」

 

「…………私たちには勝てないってこと?」

 

「いや、勝つ勝たないの話じゃない。俺はパスでお願いする」

 

 二人の問いにそう答えて目の前の白銀の彼女を視る。先ほどまでの相手とは比べ物にならない、圧倒的な雰囲気をその奥底に感じる。

 ()()()()俺だと勝てない。そう確信を得る。()()()()()()から得た情報だと彼女の名前、また箱庭の聞かされたその特性からおそらくこれでも弱体化されているのだろう。

 

「ほう、そこの()()()()()()おんしには私が何者か視えておるようだの。結構、結構」

 

「混ざっている? なんのことですか?」

 

 白夜叉はくつくつと笑い、黒ウサギは小首を傾げ、俺は苦虫を潰したような顔をする。

 バレているか。さすがに似たような成ちなので、何かを感じるところがあったのかもしれない。さすが、古くから信仰されてきた概念を統べるものだと尊敬の念を抱く。

 

「ふむ、今ひとつ問おうかの。恩師らが望むのは──」

 

 白夜叉は懐から"サウザンドアイズ"の紋章を取り出し──

 

「挑戦か、それとも決闘か」

 

──刹那、視界が意味をなくした。




どうでしたか?

正直に言いますと、本当はここまで続ける気がなかったのです。
予想以上のお気に入り登録でやってみようかなーという気になりました。そろそろ終盤ですが、もう少しお付き合いください。
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