星王が異世界から来るそうですよ?【修正中】 作:きのこの山親衛隊
あとで書き直すかもしれないです。
視界は反転しては虹彩に包まれ、一瞬のうちにさまざまな世界を旅する。それは砂漠の中にあるオアシス、それは小高い丘に刺さる一本の槍、それは風そよぐ緑の稲穂。
記憶にない世界、だが何かを訴えてくるような世界を次々と旅をしていく。ようやく視界が安定したかと思い、意識を覚醒させるとそこは白い雪原と凍る湖畔──そして、水平に廻る太陽が存在する大地だった。
「──なっ…………!?」
あまりの出来事に問題児三人組は息を飲む。
それは一つの世界。それを一瞬で出現させたのだから無理はない。
それは、まさに神の所業。
「今一度名乗り直し、問おうかの。
私は”白き夜の魔王”──太陽と白夜の星霊・白夜叉。
おんしらが望むのは、試練への”挑戦”か?
それとも対等な”結闘”か?」
重苦しい沈黙が十六夜たちの中で立ち込める。どうせ足掻いても勝ち目がないことは彼らにも十分わかっている。
だが、このまま引き下がるのは彼らのプライドが許さなかった。しばらくして、十六夜が観念したように手をあげる。
「参った、降参だ。今回は大人しく試されてやるよ、魔王様」
それは、自信家の十六夜にとっての最大限の譲歩であったのだろう。
「くっ、くく……っ!して、残りの童達も同じか」
「……ええ。私も、試されてあげてるわ」
「右に同じ」
苦虫を噛み潰したようにしかめっ面を晒す二人。それとは対照的に俺は
まあ、俺もこの場では本気で戦っても傷一つつけれるかすら怪しい。自分の
ヒヤヒヤしながら一連の流れを見守っていた黒ウサギはほっと胸をなでおろし、弾かれたように問題児たちにつめよる。
「も、もうお互いにもう少し相手を選んでください!! 階層支配者に喧嘩を売る新人と、新人に売られた喧嘩を買う階層支配者なんて、冗談にしても程があります!!
それに白夜叉様が魔王だったのは、もう何千年も前の話じゃないですか!!」
「何? じゃあ元魔王ってことか?」
「はてさて、どうだったかな?」
そうやってカラカラと笑う白夜叉。太陽をあらわす白夜に夜と水を司る夜叉という相反する概念を保持していながらこの強さとは侮れない。
はるか向こうの山脈から甲高い声が聞こえる。それに真っ先に反応したのは耀であった。
「今の鳴き声……初めて聞いた」
「ふむ……あやつか。おんしらを試すには打って付けかもしれんの」
湖畔の向こう側の山脈にちょいちょいと手招きする白夜叉。
体長5メートルはあろうかという巨大な獣が翼を広げて空を滑空し、風の如く自分たちの目の前にあらわれた。その威容、その威厳、それは──
「グリフォン…………うそ、本物?!」
「ふふん、如何にも」
胸を張って威張る白夜叉の格好が何故かとても目に入った。
「あやつこそ鳥の王にして獣の王。
"力" "勇気" "知恵"の全てを備えたギフトゲームを代表する獣よ」
普段はおとなしい耀が珍しく歓喜と驚愕の表情を浮かべていた。そんな彼女に誇らしげに白夜叉が言うと、彼女の持っているカードから一枚の羊皮紙があらわれた。
『ギフトゲーム名 "鷲獅子の手綱"
プレイヤー一覧
・逆廻十六夜
・久遠飛鳥
・春日部耀
・キリト
クリア条件
・グリフォンの背に乗り、湖畔を舞う。
クリア方法
・"力" "知恵" "勇気"いずれかでグリフォンに認められる。
敗北条件
・プレイヤーの降参
・プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなかった場合
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗と
“サウザンドアイズ”印』
◆
「いやはや、大したものだ。このゲームは文句なしにおんしの勝利だの」
あのあと、グリフォンの背中に乗って山脈を越えて戻ってこれるかというゲームを開催し、見事に耀は勝利した。
それは、言うだけなら簡単かもしれないがそうではない。体感温度はマイナスを下回る。本来、耀のような身格好では耐えられるはずもない温度。
「やっぱりな。お前のギフトって、他の生き物の特性を手に入れる類のものだろ?」
「違う。これは友達になった証」
十六夜のその言葉が全てを表している。
自我ーー不安定
「何にせよ、無事でよかったわ」
「ほんとです!あんなに無茶をして」
飛鳥も黒ウサギも安心して脱力する。
「…………ところで、そのギフトは先天的なものか?」
そうやって白夜叉がたずねる。
「違う。父さんに貰った木彫りのおかげ」
「──木彫り?」
首をかしげる白夜叉。
そんな白夜叉に耀は首から下げていた木彫り細工のペンダントを見せた。
「ほう。円形の系統図か。なんとも珍しいのう」
「鑑定していただけますか?」
黒ウサギの言葉に白夜叉は固まった。
「よ、よりによって鑑定か。完全に専門外なのだが……。
そうだ、良かろう! 試練をクリアしたおんしらに少しサービスしよう。箱庭にきたばかりのおんしらには高価なものだが受け取るがよい!」
そうやってみたびばかりパンパンと手拍子を鳴らす。すると、光り輝くカードが空から4枚降ってきた。
「これは、ギフトカード!」
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「ち、違います! というかなんで皆さんそんなに息がピッタリなのですか!?
顕現してるギフトを収納できる上に、各々のギフトネームが分かるといった超高価な恩恵です!!」
黒ウサギにしかられている三人を傍目に俺は黒塗りのギフトカードを見る。
キリト:ギフトネーム"
"
"
──ざざざざざざざざざざざざざざっっ!!!!
自己保存を開始します
「なっ、キリト!」
「ぬぅ、おんしら危険じゃ!彼から離れろ!」
ばちばちと紫電がほとばしる。
誰もがキリトのいる位置に何人もの彼がいるように錯覚する。
──それは、天才科学者であったキリト。
──それは、男の親友がいたキリト。
──それは、女性で生まれたキリト。
彼のいるはずの場所にたくさんのキリトが存在する。それは彼でないように見えて、皆彼だ。
誰かが観測したまぎれもないキリト。
ここにいる誰も知らないことだが、元来、キリトには無限の可能性が存在していた。その人生は虹色に彩られていた。
それはその残照。
「キリトさん!しっかりしてください!」
「…………キリトッ!」
「な、なによこれ!」
薄暗いホログラムのプレートがそこにいる全てのものの前に映し出される。同時に、
『突然の来訪ですまない。少し彼の容態が急変していてね。こんな形で干渉させてもらった』
「ぬぅ、これでどうじゃ!」
辺りを
焔が灯ると同時に三人の問題児、黒ウサギ、白夜叉のあたりに何らかの半透明の障壁らしきものが張り巡らされた。
『ギフト、展開』
刹那、あの白銀の世界からまた視界が切り替わる。そこは、ゼロとイチで構成された虚構の世界。
そこは、真っ暗な空間で無数のエメラルド色の数字が乱舞している幻想的な世界。
そこに、"彼"は立っていた。
全身を白衣に着込んだ若い男。
世界的に有名な天才量子学者であり、ゲームデザイナー。
そんな"彼"は片腕をポケットに入れてこちらをと見ていた。
「こんにちは、箱庭の諸君。
私の名前は茅場晶彦。しがない量子学者さ」
物語は終わりへと加速する。
『ギフトゲーム名 "ゼロとイチの物語"
プレイヤー一覧
・逆廻十六夜
・久遠飛鳥
・春日部耀
・キリト
・白◼︎叉
ホストマスター
・茅場晶彦
クリア条件
・ゲームの攻略
・正しい歴史を観測する。
敗北条件
・プレイヤーの戦闘不能。
・プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなかった場合。
・プレイヤー全員の降参。
・プレイヤー名"キリト"の箱庭からの観測不能になった場合。
ルール
・プレイヤー同士の直接的、あるいは間接的な危害を禁ずる。
・一部のギフトの使用の制限、および禁止。
・プレイヤーの降参は認めるものとする。
・ゲームに参加している五人以外の途中参加はルール上正当なものを除き認めないものとする。
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗と
"アインクラッド"印』
分かりにくいかったでしょうからここで補足を。
SAOってみなさんはどのジャンルに位置付けられると思いますか?ファンタジーという回答が一番多そうです。
確かにその一面が濃いのですが、私的にはSAOは幻想科学とでもいうべきものだと思っています。ちなみに、案外理論らしきものは色々と作中でも出ていたりしてそれらを読み解いていくのも案外楽しかったり。
それらと、とある科学ADVシリーズの影響もあってこの作品が作られました。そのとある作品の影響が結構出ていてこの作品も観測者について問うことになるかと思います。
ということで、ヒントは観測者問題です。
あと忘れていたのでもう一つ。こんなのあるわけねーだろアホか!と言う意見がくると思います。というか覚悟しています。まあ、その辺は大目にみてください。
昔の妄想ということで。
追記:新しい書き方をしてみました。どうでしょうか?
章名、変更しました。