転生愉悦部の徒然日記   作:零課

103 / 222
 急いでアメリカまで走りたーい。でもここら辺も書きたい。あぁーもどかしぃい~


おかぁ・・・・・はぁん・・・

 「ここからはとりあえず物探しと、無駄に戦うこともないので再び気配遮断の腕輪でこっそりですよ。出来る限り砂ぼこりで察知されるのも嫌なので金時様はベアー号を押して動きましょう」

 

 

 「ちぇーせっかくの山攻めってのによ。まあしょうがねえけど。今はミス・シルバーを無事に返す手段を探すべきだ。ここのエネルギーは次の門、大鬼の前まで取っておくわ」

 

 

 バーサーカーでもライダークラスでも基本的に物分かりがいいので助かりますねえ金時様は。早速礼装を起動させてこそこそと抜き足すり足忍び足。

 

 

 途中に人の休憩所、というよりは捕虜収容所? らしきところがあったのでそこにも足を運んでみましたが、むしろこの鬼ヶ島がわからないというか、ここの島の管理者がよくわからない? ということになりました。

 

 

 「うーん・・・金時様。島を作るにしても、人を動かすより鬼の方が早いですし、人はやせ細ってしまうまで働かせるよりも、食べてしまう方が血肉の脂の乗りもよいはずですよね?

 

 

 ここの鬼はどこか変ですけど、金時様はどう思いますか?」

 

 

 「ああ、実際あちこちでそう言う愚痴を言う鬼がいる。しかも鬼の場合、人を超える技術、建築技術を持つやつだっている。それに、たとえ人を管理していくにしたって、普通ならある程度太らせたりとか、まあそういうのをするくらいのはず。

 

 

 ここが島だからまあ、魔術王の用意した場所ってのを差し置いてもこんな風に労働奴隷として管理することはない。とは思う・・・そういう鬼がいるってんなら話は別だが、俺っちの記憶にはまずない」

 

 

 やはり。そうなるとますますこの場所が不思議。私を殺すために送り込んだ場所というよりも、別の意図の方が強いといいましょうか・・・いや、鬼種自体はとても強烈で、私の軍でも死傷者は出ずともけが人出るくらいですし。

 

 

 でも、そこでもう一つ気になるのが。

 

 

 「じゃあ、金時様が昔見た絵巻物の鬼とか、そういう寝物語として聞いた鬼とかは? 何かここの鬼の顔は変。というか、いわゆる。緩いんでしょう?」

 

 

 「んあぁー実はそこは引っかかっている。いやーに緩いっつーか、本当に昔どっかで見た記憶はあるんだけどなあ。思い出せねえ・・・」

 

 

 「うーん・・・まあ、あのロンドンでの件といい、魔術王はどうにもこっちを邪魔ともまだ思っていないようなので適当に誰かに用意させた適当な場所に私を送って、とりあえず死ねばいいやってくらいなのかもしれませんね。

 

 

 だから妙にちぐはぐでみょうちきりんな鬼ヶ島と」

 

 

 「こっちはまだあっちの事をよくわからねえけど、まあ―あの連携攻撃を見てこれだけで済ませると考えれば納得か。じゃあ、とりあえず急いで上に行こうぜ。そら、見えてきたぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃあ、今度は僕が聖杯戦争に呼ばれた時の話だね。まずオルガマリー所長。君のお父さん、マリスビリーが呼んだ英霊こそが僕。つまりはカルデアが召喚に成功した英霊第一号だ確か指輪の一つを触媒にしたっけか」

 

 

 「な・・・! だ、だからどれだけ調べても第一号の事を分からなかったのね・・・! じゃあ、華奈は二号として、なんで二人とも厳重に隠されていたの? あなたがお父様のパートナーなのはいいとして、華奈はそうじゃないでしょう?」

 

 

 所長の疑問も最も。確か聖杯戦争のシステムは一人の魔術師につき英霊は一騎。そこでマリスビリー前所長? のパートナーがソロモン王なら、華奈さんは呼べないはず。

 

 

 「まーそうだけどね? ソロモン王はその逸話として魔神。天使と悪魔を従えることが出来る最高の召喚術を持つキャスターとしての側面もある。だから、リソースさえどうにかできてしまえば半ばごり押しでもできてしまったんだ。

 

 

 で、当時僕たちは最初の戦いで見事勝利して相手のサーヴァントを倒した。だけどあまりに圧勝だったからほかの陣営同士で同盟や協力をされても困る。しかもソロモン王の知名度を考えれば尚更こちらも札が欲しいってことでマリスビリーから渡されたのが狼を記していた旗。もうわかるよね。ランスロットと肩を並べる円卓の騎士。華奈の部隊。銀嶺隊のものだ」

 

 

 「ほんと、これだからグランドってのは・・・・」

 

 

 メディアさんが何やら渋面して悔しいやらの顔をしている。聖杯戦争で何か似たような過去があったのかな?

 

 

 「で、とりあえず銀嶺隊のメンバーは基本器用だから誰が来てもいい。ランダムになるけどそれでもと思えばまさか来たのは日本人の華奈で、しかもちゃんと円卓の騎士だし、さらにはグランドのおかげか座から直接本人が来た。困惑はしたけどその能力は本物。同時に何よりうれしかったのはその強さよりも、技術よりも振る舞いだったんだ。

 

 

 マリスビリーにも軍人、神代に生きていた住人としての意見をガンガン行って調整や足りない部分を補うし、僕が神様に祈った知恵の事も聞きだしてね。それからことあるごとに教育時間を作ったり、料理や掃除をさせられたんだよ。ソロモン王に。しかもそのソロモン王が英霊として呼び出した英霊が。だよ?」

 

 

 「うーわ。英霊、戦力を呼んだと思ったらご意見番するわ、しかも家政婦のまねごとをさせる? あんた、よくそんな扱いされてへらへらしているわねえ。殺そうとか思わなかったの?」

 

 

 「あー・・・お母さんならやりそうです・・・」

 

 

 「わははは! マスターはそんなことしていたのか! ソロモン王に掃除に料理をさせるとかこりゃ傑作!!」

 

 

 あちこちからの笑い声。いやそうだよねえ。冠位の資格持ち。未来を見通せる千里眼持ちの英霊にさせる仕事じゃないよこんなの。それはそうだとロマニも笑うけど、だけどとてもその笑顔は晴れ晴れとしていた。

 

 

 「いやいや、あれは全部僕のためだったんだ。ソロモン王じゃない。ただのソロモンとして、王様ではない個人として誰かに何かをする。仕事じゃなくて生活するうえで何をするのか。人の生活を、思いを学ばせるためだったんだ。それは本当に刺激的だったし、何より僕を対等に見て、いや、あれは弟かな? のような扱いをしてしっかりと自分を見ていたのが嬉しかった。

 

 

 何か大きな間違いをしたり、毒舌をかましたりしたらおやつ、晩御飯抜きにされたり、初めてのお使いをさせられたり。掃除や料理で魔神たちに力を借りようとしたらげんこつされたりとね。そして、銀嶺隊の皆とも遊んで、本を読んで、倒した英霊のデータを調べてどんな人生を歩んだのかと考えたり。天体観測しようと星を見たり。テレビを見て笑ったり。

 

 

 マリスビリーも引きずって冬木の拠点の近くの定食屋でみんなで食事をして周りにいる人や料理人の顔を見たり、本当に、今まで考えたこともない生活があったんだ」

 

 

 「王様ではない、個人の時間。ですか・・・・・・・・・・ああ・・・実に、実に姉上らしい」

 

 

 昔を思い出しているようで、しばらくして帽子を深くかぶりつつうんうんと頷くアルトリアさん。

 

 

 「ギャラハッドも、アルトリアさんも、お母さんのそういう優しさと、王であろうとも言う時は言う。そう言う優しさに救われていたのですものね」

 

 

 「ついでにサウナでケツを掘ってやろうかと思ってたが、いやー惜しかったなあ。まさかこんなに近くにいたとは」

 

 

 「ちょおっ! だから君やたら銭湯に行きたがっていたのかヤマジ! 本当に君はさあ! 偵察ついでに公園でツナギ姿で男漁りとかしていて!!」

 

 

 お尻を抑えながら後ずさりするロマニ。悲報、グランドキャスターとカルデア前所長。ホモに目をつけられていたしあわや貞操の危機があった。香子さんは急いで筆を走らせているけど。ちょ、何かいているの!?

 

 

 「コホン・・・で、まあそんなこんなでいい時間を過ごしていたけどこの時間は聖杯戦争あってのものだ。最後のひと組になったら自害しないといけない。魔術師たちが目指す根源に至るほどの奇蹟を起こすには、華奈はまだしも僕は必要な費用だったはずだからね。

 

 

 だけど、マリスビリーはそれを望まず、いや、それを求めていただろうけどそれよりも巨万の富を選んだ。人理保障。その義務と聖杯という抜け道ではない自分なりのやり方で根源を求めつつ、聖杯に財を望んだ。ただ、そうなると当然聖杯のリソースはダダ余りだ。魔術的なものでもなく、奇蹟でもない。金銀財宝、紙幣なんて用意するのは軽いもの。

 

 

 余ったリソースを僕たちが使っていい。それならと僕と華奈は受肉。華奈は若返って最後自分を鍛え直すことを選んで、三人とも新たな道を歩むはずだったんだ」

 

 

 聖杯戦争への事はロンドンで聞いていたために、その事実に魔術師を知る者は人も英霊も関係なく啞然。いや、それはそうだろう。何せ自分の英霊も最初から生贄にするための儀式で勝利した魔術師と英霊、さらにはその英霊の召喚した英霊も願いが叶い万々歳で終わる。普通ならそれでハッピーエンド。

 

 

 華奈さんはおそらく剣術を基本とした武芸の披露。ロマニさんも医者としてか、それ以外の道があったはず。ここからなんでまたこの過酷な道を歩んだのか。

 

 

 「最高だったとも! これで自由だ! やりたいことに挑戦して、好きなことをして生きられるんだって。力もいらない。自由に生涯を選んでいける・・・そう。そう思えたんだ。だけど、僕は見た。いや、見てしまったんだ」

 

 

 喜色満面の笑顔のロマニの顔が、ふっと青ざめ、悲痛なものに。そう。何年もずっとまとわりついてきたトラウマを思い出すかのようなものになっていく。

 

 

 「星が焼けていく。崩れ行く未来。滅びていく都市。あらゆる歴史が消えていく。人類の終焉を英霊ソロモン王から只の青年になるその直前に千里眼で、見てしまったんだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふーむ・・・この程度で技を売りにしている大鬼? いやぁ・・・聞いてあきれますねえ」

 

 

 次の大門。もとい第二の関所? ではどうにも技が売りらしい大鬼との対決となりましたが、まあ―はっきりと言えばこれは相性の面で私が有利すぎるの一言に尽きました。

 

 

 その肉切り包丁を身体ごといなし、攻撃の勢いを利用して大鬼の耐性を崩したり、自分の攻撃の勢いに利用してのカウンター。

 

 

 やはり体躯が大きく、同じサイズの鬼相手ならその技量で詰められるのでしょうけど私相手にそれをするのは無謀。もとより体長数十メートルのドラゴンから人の形をしたドラゴンかつ剣術の達人相手に、土着信の血を引く天才魔術師だったりと戦ってきた引き出しの数は無数。

 

 

 ちょっと大きくて器用なだけの相手とは積み重ねが違いますよ。

 

 

 「ほらほら鬼さんこちら。手のなるほう・・・へ~・・・・・・フッ!」

 

 

 それにまあ、ちょっと餌をばらまくだけですぐに引っかかる。シンプルな身体能力の高さこそが鬼種の厄介さ。技を極めたと言えどもこの範疇なら正直な話ヤマジ達でも十合打ち合えば後半はあしらって終わりです。

 

 

 ある程度相手の頭に血を登らせつつ、余計な引出しを出してくる。冷却期間を置いてほしくないのでそのまま腕、足、首、頭を真っ二つという順番で対処を終え、腰に下げていたカギを使って第二の関所を突破。次の場所へと足を進めていく。

 

 

 「うーん・・・・やーっぱり。ここ、どうにも変ですねえ。鬼たちの要塞というよりもまるで腕試しの場所。遊び場というか、ずれている?」

 

 

 「あー・・・やっぱそう感じるか? だよなあー無意味なコースやまるで峠攻めのためのような場所。かと思えば畑まであった。誰かを迎え撃つ。殺すという気配もない。いくら適当と言っても見当違いにもほどがあらぁ。

 

 

 ミス・ブルーが今まで特異点であってきたやつらってのは、大小の違いはあれども本気でカルデアにぶつかったり、試すにしても本気だったんだろう? だってのに、大鬼たちと戦う時に弓矢を射かけてくる鬼すらいねえ。石を投げるやつも。だ。妙に手ぬるい。大鬼は強ぇが、集中してやり合える」

 

 

 「魔の類をけしかける。孤島に私を送るっていうのはまあ、いい采配。でもそれ以降は私への殺意もなく、何かを作る合間の防備程度。数はいるけど本気で殺すってわけでもないですしねえ。あと一つの関所に歩くこの合間も罠の一つもありゃしない」

 

 

 こう。なんでしょうねえ。魔術王から聖杯を受け取って、狩場というか、特異点に近しいものを作った。鬼と言う戦力も置いた。だけど、それ以降の動きがどこかちぐはぐ。最終目標が不明。何かを作りたいのなら、鬼たちを動かしておいて人間は食料としてやせ細らせるよりも動かさずにおいたほうがいい。

 

 

 侵入者が堂々と暴れたりしているのに全力を向けるわけでもなし。

 

 

 一本道で鬼たちをしばきまわしているのに門を開けても手洗い歓迎も無い。

 

 

 なんというか。上に来るのを待っているかのような。あるいは自分たちを見て楽しんでいるかのような。そう言うノリがする。

 

 

 「頂上にとんでもない罠とか、あるいは私たちが来ることで完成する。心も体も壊すようなものがあるんですかねえ・・・?」

 

 

 「さて、なぁ・・・かといって、鬼たちの会話を盗み聞きしたり、ミス・シルバーが来る前にドライブしてみても宝物庫の一つや何かをしまうような場所は一つもなかった。あって木材や石置き場くらいで」

 

 

 「なんといいますか、こういう催しをするような知り合いいます? 鬼でもいいです」

 

 

 「んー? あー・・・酒呑のやつなら・・・やりかねねえ。けど、鬼をあんな感じ動かさせるのは茨木のやつだ。あいつならまず自分が食って掛かるだろうし、うーん・・・うちの大将なら剛毅にやることはやるけど、あれは家財道具を提供したって感じだし、そもそも鬼が大嫌いだしなあ・・・」

 

 

 頭をひねる金時様ですが、流石に島一つを改造してやりたい放題するような輩はいないのと、魔術王という人類史を焼くような輩に聖杯をもらってまでこんなことをする奴がいない。後味が悪いことをする人を思いつかないようで頭を左右にゆらゆら。

 

 

 結局罠があっても私もここを抜け出すためには島を調べ尽くしてどうするかを考えないといけないので動くしかないとはいえ、なんか情報がかみ合わないのは嫌なんですよねえ。はぁー・・・次の大鬼、門はどうなっているのか。




 ~どこか~


 シバの女王「ああ、ソロモン様! こんなところに! 今すぐにでもお会いしたく・・・ってええ!!? あ、あの銀髪の騎士は実質、ソロモン様の先生で、お義姉様!!? ななな、どどどど、どうしましょう! 菓子折り! お礼の品! あいさつのための品はどうすれば!? ああ、でもその前にこの話を聞き終えてからでも! それと、ソロモン様の処女は私のです!!(?)」
(お目目ぐるぐる)










 華奈、ロマニの情緒教育にも一役買っていた。後ロマニはケツを狙われていたのがわかる。そして正体ばれで再度ロックオン。「ゆるふわな優しいイケメンドクターとミステリアスでイケイケ風な偉大な魔術王二つのイケメンが同居するのね! 嫌いじゃないわ!!」


 というか魔神を大量展開できるキャスターと人懐こい半分魔獣みたいな狼や馬、イノシシたちにまたがる精鋭軍団を呼び出せるセイバーとライダーのダブルクラスの英霊コンビってかなりひどいですね今思うと。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。