転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 次はアメリカに。アメリカから色々と本編も濃密になってきてよかったですよねえ~




小休止と武器の選択

 「よーし。ウォームアップ終了! 5分休憩の後、次のトレーニングに入る。今のうちに水を飲んでおくように!」

 

 

 「「はいっ!!」」

 

 

 華奈さんも無事にカルデアに復帰してからしばらく。新しいメンバーもそろってから僕らは早速鍛錬に励んでいた。大尉たちと一緒にいつ終わるかわからないマラソン。それを終えて汗だくのまま急いで水を浴びるように飲み、塩分タブレットを口に含んでいく。

 

 

 「まったく。なんで延々ずっと走らないといけないのですか。疲れは感じますがそれも英霊にとっては肉体の錯覚みたいなもの。ダメージを負わない限りこのカルデアでは無事。移動の際もマスターは運べばいいというのに」

 

 

 「もちろんそれが最適解だろう。ただ、これは精神鍛錬の意味が大きい。いつ終わるかもわからないゴールを目指して走り続ける体力と気力。今回のロンドンは早めに終わったが、人類史は長く、広い。広大な場所を移動する際には自分で歩く必要もあるはずだ。

 

 

 その際にも問題ない健脚、体力があるに越したことはないし、何よりその体力は藤丸君の疲労による判断力の低下を抑えてくれる。まあ、それを置いても育ち盛りの少年だ。みるみるたくましくなっていくのは面白いしな」

 

 

 「それはちげぇねえ。実際、ローマの行軍の時のように体力が必要かもしれないし」

 

 

 息を整えつつジャンヌオルタ、大尉、クー・フーリンの会話を聞きつつ、ふと自分の身体を見る。

 

 

 カルデアに来る前までは普通の中肉中背。くらいだったはずの身体は確かに筋肉が増して、背も高くなった気がする。数か月の間とは言え、皆と頑張った成果は出ているのかも?

 

 

 「うーん・・・そう? かなあ?」

 

 

 汗で重くなったシャツを脱ぎつつシミュレータールームの休憩室に置いている鏡の前で自分の身体を見る。少し割れてきた腹筋。胸板がわかり始めてきた胸襟。太く張りのある腕。

 

 

 うん。変わってきている・・・けど、クー・フーリンやヤマジさんの腹筋を見ているとまだまだだなあーとちょっと恥ずかしく思う。

 

 

 「ん・・・ま、まあ確かに? いい体には成ってきたとは思いますけどね。いい加減、そろそろハンドガンからマシンガンの一つでも持たせてはどうよ? その体なら、いいでしょう」

 

 

 「はい。先輩は本当にたくましく育っています。最初のころとは別人のように精悍で・・・ふふふ・・・」

 

 

 「オルタにマシュの嬢ちゃん顔が赤いねえ。ったくほの字か?」

 

 

 え? と思わず二人を見るとどちらも白い肌が映える奇麗な顔を真っ赤にして僕を見ていた。う、うーん。僕以上にいい男が多いカルデアでそれは自意識過剰だよね。と。考えておく。

 

 

 ・・・ただ、男としての自信をつけるためにも。腰のキャノン砲♂のあれこれは一応ヤマジさんに聞いてみよう。一応・・・

 

 

 「はぁっ!? 違いますけど! 最初にあったころのへなちょこよりは成長したってだけよ!」

 

 

 「え、えっとあの・・・な、なんといえばいいか・・・あわ・・・わぁわああ・・・」

 

 

 「ははははは。そうからかってあげるな。クー・フーリン。そして、武器の方は実際、アサルトライフルを既に用意している。これだ」

 

 

 慌てる二人をしり目に笑いつつ大尉が持ってきたのはストームや大尉が使っているのとは別のアサルトライフル。ただ、しいて言うのならマガジンが大きい?

 

 

 「M9レイヴン 現在我々レンジャーが使えるアサルトライフルでは最強の一角と言っていいほどのものだ。一発一発の威力、有効射程距離はスレイドに劣るものの、その分弾丸が小さく、装填数は1092発。近距離での制圧力、そして早々に弾切れしないのは藤丸君の身を守る上でも大事だろう」

 

 

 「・・・は? こんなマガジンに1092発も? しかも、あのスレイド、私も借りたことありますがあの破壊力以上ですって?」

 

 

 「も、最早アサルトライフルの形をしたガトリング、ミニガンですね・・・」

 

 

 「まあ、もっとやばいものもあるのだが、これに関してはシンプルに扱いのためにプロフェッサーや俺たちの方で講義を用意しておく。きっとオルタも気に入るであろう物だし、楽しみにしておけ。

 

 

 さあ、休憩は終わりだ。次の練習は市街戦、建物内を想定した模擬戦!」

 

 

 M9レイヴンを受け取り、前に教えてもらった扱いを思い出しつつ、マガジンの中身を確認すると柔らかいシリコン製の模擬弾丸。あ、実弾じゃなくてよかったと思っていると軍曹が手を叩き、端末を扱ってシミュレーションルームの風景が草原から石造りの建築物が映える街並みに変わっていく。

 

 

 「英霊たちの持つ武器は多少のものならそのまま壊して扱えるだろう。しかし相手も英霊。あるいはそうはいかずとも厄介なエネミーなどが群れを成してくる可能性もある。

 

 

 ロンドンの戦闘記録がいい例だ。なので、閉所の戦い、市街戦を想定した場所でその大きな得物をいかに扱うか、戦うかを訓練する。ちなみに、エネミーの配置や動き、対応は黒ひげ、アン、メアリー、沖田君とその手の戦いに慣れている英霊の皆に組んでもらったもの。油断すれば即座にあの世行きと思え」

 

 

 「たしかに、フランス、ローマ、オケアノスは広い場所で戦いましたがアステリオスさんの迷宮といい、ロンドンでは地下道などもありました。こういう時の対処術。私もこの盾、そしてサブの武器を考えておきます」

 

 

 なるほど。華奈さんたちからの授業を受けていると人類史のターニングポイントは近現代史でもたくさんある。そこで狭い場所で襲われる場所を。走り込んで小休止している時を想定していくと。

 

 

 僕も銃を握りつつ気合が入る。華奈さんたちだけに任せてはいけない。怖いけど、それでもやれることを増やしていきたい。ロマニのように、自分で選んで、進めるように。

 

 

 「私はロケットランチャーでも今度貰いましょうかね。遠距離戦でバカバカぶっぱなしたいですし」

 

 

 「俺は今のままだ。そら、先陣は俺が貰うぜ!」

 

 

 そういいつつ、敵を見つけたクー・フーリンが敵に突っ込んでいき、そこをジャンヌオルタが補助。大尉は後ろを守りつつスレイドで支援、マシュは僕を守りつつその盾を活かして敵の動きに蓋を置いて、その間にレイヴンで支援と。戦闘経験を積んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さてさて。とりあえず皆さんにカルデアの事で何か問題は起きていませんか?」

 

 

 次の特異点に行く前にまずは一度改めてカルデアの状態を調べて私が行く前にやるべきことの最終チェック。どうしても一度特異点に行くと料理とか備蓄とか、そこら辺でのあれこれのためにもどれませんしねえ。

 

 

 「うーん。特に問題はないかな。調味料からトイレットペーパー鼻紙に至るまで全部問題ない。ろ過、分解、浄化、再構築の魔術や現代技術のおかげでリサイクルの方もできているし」

 

 

 「わ、私の方も問題ないよ~あ、でもちびノブたちがレーザー兵器の方を触れたいって意見があったね。あと、カルデアの方にも自衛兵器を置くべきかどうかの議題が上がっている」

 

 

 冬利、咲様の方は武器関連以外は問題なし。と。そして、武装ですかあ。

 

 

 「では、ちびノブたちには明日から大尉様達にレーザー兵装の講習をできないか頼んでみましょうか。私もちょこっとしか使っていないですし、実弾兵装以外はまだまだなんですよねえ。で、自衛兵器に関してはやるにしてもあくまで足止めにとどめます。素人がそれを使用する状況なんて、パニックなって銃火器を使えるわけないですし。銀嶺隊の方で対処をしますね」

 

 

 「ま、それくらいだなぁ。あ、そうだ。モードレッドが野菜畑の方で働いているから顔見せてやってくれ」

 

 

 「元王様が泥にまみれて頑張っているよ~」

 

 

 あらあら。本当にアヴァロンに移り住んだ後はのんびりとした農民。農家ライフを楽しんでいたようですねえ。すぐさまここの畑に行くとは。ふふふ。いつか私の方も学びに行きましょう。

 

 

 「こっちの方はしいて言うのなら、扇風機とかを少し備蓄から出していいか。ってくらいですねえ」

 

 

 「魔力の方は現在英霊が増えても問題なし。例のスペースと、倉庫の方もあってなお魔力はカルデア中の残滓、わずかな余剰のものもガルバリズムシステムで蓄積しています」

 

 

 「ほうほう。扇風機?」

 

 

 「あーその、アルトリアさんやモードレッドさんの持ってきてくれたあちらの宇宙世界? で使われるPCシステムや、カルデアの方もシステムをアップデートしていたらそれらを冷風するためのものがちょっといろんなところに置けるものが欲しくなりましてね?」

 

 

 「ジョーンズさんとかが見てくれているんですが、ちょっと温度が高い場所もあるそうで」

 

 

 ふーむ。PC、サーバーなどのシステムの冷却に扇風機を追加。で、起きたいと。端末の方で備品の在庫状況と、延長コードのほうも・・・・・・・ありますね。

 

 

 「問題ないかと。とりあえず5台持ち出して使ってみてください。それでだめなら絶賛研究所に缶詰め中のニコラ様とプロフェッサー様にも手伝わせますので」

 

 

 「助かります。機能はそのままにできる限り小型化、メンテのシステムを良くして熱を籠らないようにしているんですけど、いかんせんカルデアのシステムを維持しながらとなると遅くなるので」

 

 

 「私たちからはこれくらいです」

 

 

 良馬様、フラム様の方はこれくらい。と。では最後に元様。ですね。

 

 

 「では、元様の方はどうです? 英霊の皆様の事で何か」

 

 

 「伊吹童子がいろんなお酒が欲しいっていうのと、信長がギターの練習をしてうるさいから防音壁を用意する、角のボイラー室の横に置いてくれっていうこと以外は特にはないかな?」

 

 

 「あー・・・お酒の方は今畑で果実酒とかも作っているのと、私が英霊の皆さんからもらっているものを一部渡しましょう。私どうせお酒弱いですし。で、本当にそれだけで?」

 

 

 私図書館でそのまま香子様と寝たり、自室も課長特権ってことで広めですから気づきませんでしたが信長様新しい趣味に目覚めたんですねえ。いや、音楽や踊り好きなので現代の曲を取り入れたのかも? で、まあそれだけじゃないでしょう? と視線を向けるとタハハと頭をかく元様。

 

 

 「うちの部隊の狼や、皆から聞いているんですよ。夜のプロレスが激しいのはいいけど、その後の掃除とかもしないし食事もデリバリーした後にそのまま片づけないからにおいもする。汚部屋になりつつあるって。

 

 

 相手は船乗り。しかも海賊なのであれくらいは慣れっこなんでしょうけど、貴方が契約した英霊ですし、お願いしますね。メディア様からの苦情もあるんですよ」

 

 

 「いやー申し訳ない。何度も誘われちゃって。その後は僕も仕事で」

 

 

 「あなたほどの色男なら優しくしちゃうし誘われるのも分かるんですけどねえ・・・私が前線に出ている間英霊の皆様の住む場所の管理人は元様ですし、お願いますよ」

 

 

 了解と言質をもらい話は終了。

 

 

 「じゃあ、お昼のおやつにしましょうか。今日はブルーベリーパイと紅茶ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「は、はひー・・・はへぇ・・・つ、疲れた・・・」

 

 

 「お疲れ様です先輩。今日も大変でしたね」

 

 

 あの後、模擬戦はひたすら続き、ロンドンのように相手の英霊にもマスターがいることを想定して華奈さん、オルガマリー所長とエミヤのメンバーと戦い続け、そしてオルガマリー所長の魔術講座。

 

 

 射撃練習。リロードの練習。分解清掃。とにかく体を鍛え続け、動き回り続けた。そしてすべてが終わり、シャワーを浴びてプロテインを飲み、マシュと一緒にふらふらと食堂に向かっていた。

 

 

 「本当にね・・・でも、こんないいものをもらえたのは嬉しい」

 

 

 「M9レイヴン。ずっと打ち続けても尚弾丸がある。本当に不意の弾切れに気をつければ私も頼りになる名銃です。先輩ならあっという間に使いこなせるはずですよ」

 

 

 「反動が少ない。って大尉たちは言っていたけど、連射がすごすぎて大変だったよー」

 

 

 僕の新しい武器。EDFでも最初は上澄みの精鋭隊員にしか渡されていなかったM9レイヴン。ゲームでもかなり使えるアサルトライフルを実際に自分のものとしてもらえるように。

 

 

 嬉しくて頑張って使ったけどスレイド以上の瞬間火力と連射速度は結局弾丸が小さい故の反動が少ないもの連続で来てしまうので銃身が跳ね上がるのを抑えるのに大変で、終わった後は腕も手もプルプルしてシャワーの蛇口をひねるのにすら一苦労するほど。

 

 

 これをずっと使い続けて暴れ続けて平然としているストームは一体どうなっているのか。そしてあの弾丸の豪雨をよけきってしまうクー・フーリンの技量と矢避けの加護はどれほどすごいのだろう?

 

 

 「私も盾を使い続けていきますけど、何かサブの武装を持つ方がいいかもですね。狭い場所で戦う時、あるいは距離が離れている敵を攻撃。味方を支援するために何か持っておいたほうがいいかもと思えましたし」

 

 

 「マシュが使うのは、何がいいんだろう? ライフル? ショットガン? あ、ブレイザーとかどうだろう? マシュは頭もいいし、きっとすぐ使えると思うんだけど」

 

 

 「い、いえいえ! 流石に中に関しては先輩より経験も足りないですし、まずはハンドガンから教えてください先輩」

 

 

 「え? あ、うん。僕も色々教えるね? あ、それと華奈さんもハンドガンは持っているから聞くといいかも」

 

 

 「お母さんにも。じゃあ、三人で学びましょう!」

 

 

 ニコニコと笑うマシュの笑顔に少し元気をもらいつつ、食堂につく。

 

 

 「お疲れ様ですマスター。マシュさん。今日は何を食べますか?」

 

 

 「あれ? 玉藻? 食堂で働くの?」

 

 

 食堂につけば既にワイワイとみんながご飯を食べつつ、おいているテレビからアニメを見たり談笑する中、エプロン姿の玉藻がニコニコと近づいてくる。模擬戦はパスと言っていたけど、ここにいたのか―

 

 

 「はい。やはりどんなに体を鍛えても、動かしても食を取らなければ、よい食事を血肉に変えなければやせ細り、善き食事は日々の活力になります。この玉藻、前線で暴れるだけではなく女として、貴方の英霊として裏方の方からも支えたく♡

 

 

 マシュさんもそれは同じ。たとえ英霊の力を持っているとしても運動経験は少ないと華奈さんから聞いています。疲労を抜くためにも、色々な食事をより楽しんでくださいまし♬ ささ、今日のご注文は? 腕によりをかけますよ」

 

 

 尻尾をゆらゆら耳をピコピコと可愛く揺らし、人懐こい笑顔でタブレットを取り出してメモを取ろうとする玉藻。ああ、頼もしいお兄さんお姉さん、先輩なのに後輩なマシュに、皆がいて。幸せだなあ僕は。

 

 

 「豚肉の生姜焼き定食と、オレンジジュースを」

 

 

 「私もそれを」

 

 

 「かしこまりました。注文はいりまーす!」

 

 

 「ふぅー・・・気がつけばこんな時間か。あ、玉藻さん。私はチーズバーガーセットを」

 

 

 「私はサバの塩焼き定食を。金時は何を選びますか?」

 

 

 「俺っちはこのゴールデンな肉じゃが定食。うーん・・・ジャガイモの輝きが実にゴールド!」

 

 

 「あーいい汗かきましたあ。ジャガイモもですが、ゴーヤーにキュウリもいいものが出来そうです。ここの畑は規模は小さいですが害虫に悩まされないのがいいです」

 

 

 「ゴーヤー苦いんだよなあ。叔母上。もやしとかも一緒に育てない?」

 

 

 「うふふ。ピーマンはいけるのですがモードレッド様はゴーヤーが苦手ですかあ。じゃあ、今度美味しく食べられる料理を私が作りましょう」

 

 

 いつの間にやらどたばたとみんなも入ってきて食堂はさらに大盛り上がり。

 

 

 「急ぎましょう先輩。いい場所取られてアニメをベストポジションで見れなくなります! 今からホームズ君の放送時間なんです!」

 

 

 「あ、と、まってぇええ~僕足ががくがく!!」

 

 

 マシュ。最初よりだいぶアグレッシブというか表情豊かになっていないかな?




 藤丸も無事アップデート。後恋の予感も。ペペさんいたら絶対マシュの反応含めて楽しんでいるはず。
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