転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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考えてみると婦長ってニコラ・テスラと同じかそれ以上に魔術の付け入るスキがない合理主義と成果を出していますよねえ。


鋼の女

 「次の患者を。ああ、この方なら簡単な止血と、疲労を抜くための睡眠。それと、塩分を少し多めにした食事をとるように。水は多めに取らずに。次。その方は後です。それ以上に重傷の患者を。次・・・・その腕はもう縫合も意味ないでしょう。切断します」

 

 

 とりあえず恩を売ることに成功した私たち一行は野戦病院まで負傷兵を運び、手当と情報を引き出すことをどうにかしたいので向かいましたが、そこはこの時代の野戦病院のそれではなかった。

 

 

 簡易なキャンプと言えど清潔にされており、不衛生なものは一か所に集めて焼却処分。下水などの衛生管理も行き届き、何より負傷兵を地面の上に布を置いたようなものではなく簡易ベッドの上で休ませることで体温が地面に持っていかれること、ばい菌が傷口に入らないようにするなど現代医療では当たり前。

 

 

 でもこれを正確に理解するにはもう少し先の治療のためのノウハウを使っているものでした。

 

 

 「姉上の領地、戦地での野戦病院。診療所と同じ・・・相当にすごい人がいるようですね」

 

 

 「この状況です。ブラックジャックがいたってありえない話じゃないですが、ふーむ?」

 

 

 「おーい! 新しい負傷兵が来たぞー! 応急処置はしているけど見てやってくれー!」

 

 

 私と魔獣たちはその野戦病院で指揮を執り、トリアージをしている声が女性と分かっているのでブラックジャックはいないのかもですが、何やら面白そうな人がいるのは確定。

 

 

 ストームが声をあげて負傷兵が来たことを伝えつつ、衛生兵、軍医たちを呼びつけていく。その中に先ほどの声の主が。

 

 

 「ふむ。素晴らしい応急処置。いえ、最早治療の領域ですね。ほとんどが軽傷の域、もしくは翌日には復帰できるほどのもの。で、あればベッドで休ませるよりも軽い手当と診察。その上で栄養のある食事をとってしまえば問題ない。

 

 

 素晴らしい腕前のドクターがいたのですか?」

 

 

 灰色の髪に薄桃色がすこし混じったと言えばいいのか? な色合いの髪を後ろで一つにまとめて編み込み、赤い軍服とスカート、腰には物騒な銃器と医療器具を詰め込んだバッグ。

 

 

 先ほどの治療への対処の即断即決、そしてそれを判断できる確かな眼。

 

 

 医療の世界において女性でこれを成し、そして軍服に身を置いて戦場に出向いた人は一人しか知らない。

 

 

 「貴女は・・・フローレンス・ナイチンゲールで間違いないですか?」

 

 

 「ええ。それがなにか? そんなことより治療のジャマです。貴女たちは健康なら患者を搬送したことには感謝しますが邪魔なので出ていってくれれば。ここにはまだまだ患者が来ます。そのためのスペースの確保に忙しいので」

 

 

 「うわ、凄いわね。目がイッてるわ。行きましょ、私たちの目的は情報収集でしょう?」

 

 

 「んー・・・そのほうがいいだろうな。話を聞くのが一番だぜ」

 

 

 さらりと真名を答えてくれたフローレンス様。でもそんな私たちのことは眼中にないようで次の患者の治療へと向かっていく。

 

 

 まあ、実際にここは野戦病院。邪魔をしては銃をぶっ放されてしまってもおかしくないのでここは退散。

 

 

 ここで怪我をしている人らは何と戦っているのか、この人々の陣営は何をしているのか? 今のアメリカはどうなっているのか。それを聞き出すべきでしょう。というわけで外に出て警備兵たちに話を聞くことに。

 

 

 「今日は兵士さん。先ほどは大丈夫でしたか?」

 

 

 「ああ、あんたたちはさっきの! いやー助かったよ。おかげで被害もほぼなく撤退。むしろ敵に痛い目を見せられ気が晴れたよ」

 

 

 「いえいえ。それで、私たち実は片田舎から来たものでして、この戦争の事を良く知らないのですよ。よければ教えていただいても?」

 

 

 「それくらいでよければ。そうだなあ・・・まず、なんというか今のアメリカは三つに分かれている状況だ。まずは俺たち大統王の収めるアメリカ。そしてもう一つはレジスタンスたちを取り込んで俺たちとは別行動をしている陣営。陣営とは言うが、ほぼ国のサイズでな。協力して戦うことも多い戦友だ。

 

 

 そして、三つ目だが、何やらケルトだのなんだの言って女王と狂王が収める国。こいつらが突然東海岸から現れて侵略を開始した」

 

 

 うわぁー・・・・・・・思った以上にカオス。ローマのころ以上に変な状況っていうか。

 

 

 「三国志みたいな状況だなあ。精強なケルト・・・まじで? なケルト軍と、それの侵略に対抗するためにアメリカ陣営とレジスタンス陣営。いや、最早第三国が協力してどうにか立ち向かっていると」

 

 

 「かーなり状況は悪いですがまだ踏ん張っている。土俵際少し前にじりじり押されている感じかもですねえ」

 

 

 おじさんの話を聞けばアメリカが三つに分かれて、しかも片方はイギリスじゃなくてケルトと来た。そりゃあ強いわけです。私たちより前の時代の兵士たち。雑兵であってもそこそこ動けるのも納得する。

 

 

 「おぁあああぁあああ~~~~~!! 絶対にメイヴじゃねえか! 何をやらかしたんだあの阿保! やりかねえけどさあ! そりゃああの男狂いで色情魔なら欲望のために国滅ぼしはするだろうけどよぉお」

 

 

 で、頭を抱えて悶絶するクー・フーリン。あらぁ・・・・・顔見知りでそれをするような人がいると。やっぱこの人含めてケルトはぶっ飛んでいますね。

 

 

 時代と同じ世界で生きた同郷と言ってもいい存在が、しかも顔見知りが絶賛特異点を作ってなんか王様と一緒に国を滅ぼそうとしていて魔術王に協力していまーす。ってそりゃ。私だったら気絶して思わず頭がパーンするでしょうね。

 

 

 これにはクー・フーリン様と腐れ縁のエミヤ様も何とも言えない顔で口元を抑えるほかない。

 

 

 というか、私鬼ヶ島といい知り合いが魔術王から聖杯をもらって協力しているのに悶絶したり苦悩する男性を連続で見ているんですが何でこうなるのか。音声録画したら素材に使えませんかねえ。と思わないとやってられないほど嫌な状況に私も苦笑するほかない。

 

 

 「??? ま、まあとりあえず。だ、今はアメリカ大陸は我らの陣営と、ケルト陣営で大きく二つに分かれ、南部分。メキシコだったか? に近いあたりはレジスタンス陣営が存在して戦っているというわけだ。

 

 

 で、今日の戦いもどうにか増援が来てくれて第二防衛人は守れたから感謝しか・・・!!」

 

 

 「来ましたか!」

 

 

 『え? え? あ、エネミー! 先ほどの敵が来た!』

 

 

 「敵襲! 敵襲ー!! 動けるものは銃をとれ! 敵が来たぞー!」

 

 

 急いで走ってくる伝令さんの言葉が来る前に私の勘とカルデアの方がエネミー、ケルト軍ですか。を捉えた。私たちの後をつけていたか、あるいは弱い所から刈り取るためにここを狙ったか。まあ、いいです。あっちを遠慮なくぶっ殺していいのなら遠慮なく。

 

 

 「行きますよ銀嶺隊! 藤丸様、オルガマリー様、兜首はそっちにあげます! ストーム。フェンサースタイルで、スピア6と名刀。もう一つにはミサイルです!」

 

 

 「おうよ!」

 

 

 「え!? は!?」

 

 

 「兜首・・・分かったわ。藤丸! 貴方の英霊は動かさないで。エミヤ。汚れ仕事になるわよ。いいかしら?」

 

 

 急いで銀嶺隊。2000名を呼び出してそのまま栗毛に乗って突撃。ストームには戦場をひっかきまわしてもらうための装備を用意してもらい、藤丸様達には敵の指揮官をぶっ潰す奇襲部隊の役割をお願い。

 

 

 さてさて・・・ダンカン、私、モードレッド様、マシュの部隊を出して、これでひとまず当たっていきますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「進め。その先に敵陣地がある。先ほどはサーヴァントに負けたと言っていたが、それには私たちが対処する」

 

 

 「ええ。このオディナ・ディルムッドが如何なる敵も打ち払い、この槍で仕留めましょう」

 

 

 「はははははは。流石は我が最高の臣下であり雄姿。頼もしいなあ。その際は是非是非『違えては』ならぬぞ? 最後まで我が槍としてな」

 

 

 「はは・・・! それはもちろん!」

 

 

 んー? いや、敵は馬鹿ですかねえ。これでもうケルト軍は確定。しかもまあ、のんきに陣形も組まずに歩いているだけ。迎撃するだろうと暢気に構えて銃声が聞こえたら動けばいいとでも? 円卓の銀狼騎士の前でそれは・・・ただの餌です。全く。念のためにと聴力を強めていればこれですものねえ。慢心駄目絶対。

 

 

 「陣形を三又フォークに。先頭を私、ダンカン、モードレッド様。アルトリア様は私と一緒に中央に入ってもらいます。いいですか?」

 

 

 「もちろん。ふふっふふふ・・・あとくされのないブッパと暴れが出来る・・・さあ。見えてきましたね」

 

 

 「ケルトの軍団だろ? しかも早くも敵将がみえた。サクッとやってやろうぜ!」

 

 

 「敵軍がみえた。数は・・・3万!」

 

 

 「問題ありません。陣形を作って敵の将軍首を取って帰りますよ!」

 

 

 お二人も気合ばっちり。左翼に配置したダンカンも問題なさそうですし。とりあえず密集陣形を作り三又の槍の形態に。

 

 

 「む。敵襲! しかも騎馬・・・いや、狼に魔猪に乗っています!」

 

 

 「打って出てきたか! しかし、なんだそれは? オオカミやあの魔猪を懐かせているだと!? 方陣を組め! 伍を組んで備えろ!」

 

 

 「間に合いません! 敵の足が速すぎる! ぶつかります!」

 

 

 敵兵が気付くももう遅い。加速の時間をくれた分だけうちの部隊は早い。まして・・・乱戦激突突破戦なら・・・・・・・・

 

 

 「エクス・・・・・カリバー!!! カリバー!! もういっちょぉお!!」

 

 

 「おらおらおらぁああ!! 剣で喧嘩してやるからいくらでもかかってこいやぁ!!」

 

 

 「ぶっ殺せ!」

 

 

 「「「オォオオオオオオ!!!」」」

 

 

 うちの軍隊は、負け無しなんですよ!! さあ、油断していたツケを払ってもらいましょう。

 

 

 「そらそらそらぁ! 敵将はあの金髪男にあのイケメン! 投槍! 攻め上がりなさい!」

 

 

 「いよっしゃあああ!! 手柄首は俺のものだぁああ!!」

 

 

 「私よぉお!」

 

 

 「イケメンコンビで将軍なのね。嫌いじゃないわ!」

 

 

 「ぬぐっ! く! 皆のもの! 不意を突かれようとも勇猛なるケルト兵がぶつかり合いで負けるな! くっ・・・ぐ! 槍の雨が絶えない! 一度下がりつつ、陣形を組みなおしてぶつかりなおせ!」

 

 

 「主殿は一度お下がりください! 陣形はもはや半壊! しかもあの敵軍。強い、我らを集中的に狙うことで混乱を解けないようにしながら錐型突撃を三つに分けて攻め上がるほど。もはや前線の兵は捨てて仕切り直すほか!」

 

 

 ほほう。うちの部隊の意図がわかりますか。三つの錘型で突撃したこれは突破力よりも、前線の兵士を殺す、潰すことに特化した陣形。三つの刃で切り崩された敵軍はそのまま挟み撃ちの形で刃の間ですりつぶされ、後ろに逃げようにも友軍が邪魔をしてそれを容易に許さない。

 

 

 その上で見る。うちの軍が殺すさまを。三方向包囲されたうえで魔獣たちにも食い殺され、喉笛をかみちぎられ、はらわたをぶち抜かれて広げ、踏み砕かれるさまをありありと。これにビビれば進むこの三つの刃殺し間を進めながら敵軍の頭をぶち抜くために突っ込み続けるだけです。

 

 

 それを理解しているあのイケメンはまあ見どころはありますし、その大将も下手に下がればむしろ狩場が広がるのを理解している。うーん。流石生前に仲たがいしたコンビ。互いに数秒慌てる間に数百以上の兵士の首が飛ぶ。

 

 

 この場合、後ろに思いきり逃げるか左右どちらかに逃げて逆に挟み撃ちにしてしまうなりしてしまうのが正解なんですが、それも鉄壁の守りを見せるギャラハッドの部隊を後続に備えさせているので生身で鉄の城壁に体当たりするようなもの。

 

 

 さらにさらに、今は最新の英雄もいるんですよね♪

 

 

 「ミサイルロックオン。さあ、吹っ飛ばすぜ!」

 

 

 「ぎゃぁあああああっああああ!!? な、なんだ! 空から爆発・・ぐふえ!?」

 

 

 「今度はこれをお見舞いするぞ! こちとら異星の人類滅ぼしているんだ。今更人間相手だろうと敵に向ける刃に躊躇はねえ!」

 

 

 ハイサイクル・ハウンドとFGXR高高度強襲ミサイルでの空から降り注ぐミサイルの攻撃に吹っ飛ぶ敵陣営。そして着地するはフェンサースタイル。まさしく動く黒鉄の要塞と言ってもいいストーム。

 

 

 ミサイルを撃った後に次に持った武器は電刃刀 八閃 とフラッシング・スピアMW6 の近接の鬼の組み合わせ。8つの斬撃のエネルギーをぶっ飛ばす大太刀と一度に6個の飛ぶ槍をマシンガンのようにぶっぱなす質量とエネルギーの暴力の乱打は数十メートルサイズの怪生物ですらも耐えきれない代物。

 

 

 これを神代とはいえうちの部隊より格下もいいところな雑兵に食らわせてしまえばどうなるか。簡単スプラッタショー、EDF版コマンドーの開幕です。爆発するミサイル! はじける鉄の筋肉! 飛び散る血潮! 戦う男はかっこいいぞー!

 

 

 まるで敵兵がいないように、オモチャやドミノのようにばっさばっさと肉片に早変わりしつつ吹っ飛んでいくのだから痛快。まあ、もとより像とかそれ以上の怪物専用の兵器を人間にぶっぱなせばそうなります。

 

 

 「一騎打ちする価値もこいつらにはない! みんなで囲んで殺しなさい!」

 

 

 「「「イェエエエエェエエエイイイッ!!!」」」

 

 

 「姉上のご褒美は私のもんだー!!」

 

 

 「叔母上にもダンカンにも、ストームにも負けるか! 飯は俺のもんだ!!」

 

 

 「なぬ! マスターの飯は俺の!」

 

 

 「「「「(俺)私らのもんだー!! その首寄越せええ!!」」」」

 

 

 「な、なんだこいつらは! どっちが侵略者か、攻めているのかまるで分らんぞ!」

 

 

 「どうやらわれらはとんでもない怪物の尾を踏んでしまったようだな! 迎え撃つぞ!」

 

 

 真っ向からぶっ潰して進む私たちと、敵陣の真横から豪快に一人台風となって進むストームで最早敵も立ち向かうほかないと向かってくる。そしてこっちも私の作る手作り料理やご褒美求めてさらに加速。

 

 

 金髪イケメンが私たちの方に意識を向けるその瞬間。

 

 

 「おいおい・・・背中がお留守だぜ、オラァ!!」

 

 

 ストーム1が暴れ散らしておいた場所から縫うように迫っていたクー・フーリンがその朱槍がディルムッドが主と仰ぐ男。恐らくはフィン・マックールの心臓と、頭。見事に霊核のある場所でもある弱点をぶち抜いて即死。

 

 

 「主! おのれ・・・!」

 

 

 「心配している暇があるので?」

 

 

 「な、カハッ・・・・! お、の・・・!」

 

 

 そしてディルムッドの方もフィンの方に意識を向けた瞬間に両手の槍を手首事切り落とし、遠くからエミヤ様の矢がこれまた辞世の句も残せぬ合間に眉間と心臓をぶち抜いて無事終了。

 

 

 「あらあら・・・残りは残飯処理になりますが、まあいいです。精々、逃げ回りなさいね?」

 

 

 あっという間に自分の軍の将軍がそろって二人もやられたことに混乱しているその間隙の間も私たちの攻撃は緩むことはなく、エミヤと一緒に待機していたジャンヌオルタ様がプロフェッサー様からもらっていたグラントMTZを乱射。

 

 

 「ひ・・・退け! 退けー!! こ、こんな滅茶苦茶な奴らにつき・・・あばふっ!」

 

 

 「ひでぶっ!」

 

 

 「たわばっ!」

 

 

 「ま、待ってくれ! おいてかないでくれ・・・ぎゃぁあああああっああああ!!!!」

 

 

 爆炎に巻き込まれて吹っ飛ぶもの。私たちの軍に切り殺され、踏み殺され、穿ちぬかれ、魔獣たちの餌になり、追撃もしばらくして敵兵を9割8分皆殺しした後に追撃は終了。

 

 

 「これで下手な兵士よりこっちの方に目を向けてくれるので被害も減ればいいのですがねえ」

 

 

 とりあえずアメリカでの最初の手柄はおそらくケルト神話でのディルムッド・オディナとフィン・マックールの二騎。悪くはないですね。さてさて、野戦病院に戻りますかあ~




 史実の方がぶっ飛びしている方。いやほんと凄いですよねえ。医療においてこの人の功績はでかすぎる。


 今回のストームの武装

 FGXR高高度強襲ミサイル ハイサイクル・ハウンド

 電刃刀 八閃 フラッシング・スピアMW6
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