転生愉悦部の徒然日記 作:零課
「さてさて。ラーマ様も動けるようになり、腹ごしらえも済みました。なのでこれからの方針を定めたいと思いますが、私としてやりたいことは大きく分けて二つ」
「ラーマとシータの逢瀬による槍の呪いの解呪。レジスタンス軍との合流。この二つね。出来ればラーマとシータは出合わせたいけど・・・」
「エジソン王の所の機械兵や兵士たちに聞いてもそれらしい情報はなかったなあ。レジスタンスの方でもそういう話はないよな?」
「あいにくだが。そもそもあのケルト軍たちは略奪、殺戮などはするが捕虜の類は取らない。女子供だろうと容赦なく殺す。英霊となると扱いは不明だがまず彼らの領地の中にいる可能性は薄いと思う」
「ですが同時にそれだとエジソン王のもとにいた英霊は自身を含めて3騎と言っていたのでアメリカ側にもいない。まだ流浪の英霊としてさまよっているか、特例として何らかの場所にケルトの側についた英霊に囚われているか・・・になりますよねえ・・・」
腹も膨れ、改めて今後の動きをどうするかということになり、指針を二つ出してみても結局はシータ様の居場所がわからないということになり会える可能性があるのか? と望み薄になりつつある現状。
レジスタンスの方も頑張って捜索はしているんでしょうけど、それでもケルトの現在の領地。アメリカの半分近くを牛耳っているのでそこに入り込むのは至難の業ですしねえ。
うちの部隊にも斥候くらいはいますが、間者となるといないですし・・・うーむ。
「だが、シータは必ずこの特異点。アメリカにいるはずだ! どこかに隠れ潜んでいるかもしれぬし探したいのだが・・・」
「かといって単独行動をすればまた狂王にでも念入りに今度は殺されるでしょうねえ。英霊専用の軍も用意していたほどかつ各個撃破を専念しているケルト軍。広いアメリカの中で敵の海を潜り抜けて探すのも至難の技」
「そうなると・・・今はとりあえず現場で動く英霊たちと合流。そこで情報を集めつつ戦力を固めてケルト軍の幹部たちから情報を引き出せるチャンスをうかがうほかないかしら・・・・・・」
「あーそれなら、一つ意見をいいかなあ」
とりあえずやれることは合流をしていくほかないかなあという方針で決まりつつある中、手を挙げたのはストーム。
「それなら分散行動をしていかないか? ただ、大きな危険はしないうえで。だけど」
「ほう。どういったものをするんだ?」
「まずはジェロニモチームで現地の英霊と合流するチーム。で、せっかくだからうちらカルデアとしてもレジスタンスのトップと顔見せもしておきたいわけだ。そこに行くチーム。この二つに分かれて行動をしないか?
そこでの方針を知れば今後何をするか、出来るか。もしかしたらラーマの妻捜索部隊を増やしたりレジスタンスの情報網の中で何かを探すネットが広がるし」
なるほどとみんな納得。ちょうど今いる場所はエジソン王の領地から少し離れていつつレジスタンス領地にも近い敵地。皆で行くのもいいが同時にこの大人数。見つかる可能性も高いし、情報収集をするのなら味方の法にも呼び掛けるには早いに越したことはない。
「いい案だと思いますストーム1さん!」
「僕もいいと思う。だけど、チームはどう分ける?」
「まず、ラーマとナイチンゲールは確定。嫁さんを探したい本人と、それを看護する人材かつ英霊だからなあ。で、問題はマスターの方だが」
「あ、それなら先生はレジスタンスに行ったほうがいいと思うぜ。銀嶺隊っていう3500騎の戦力の大将が挨拶に行かねえのは流石にあちらさんに筋が通せねえだろ? ・・・・・・・・・・それにまあ、そろそろ行かないと大変そうだし」
最後のつぶやきは不明ですが、モードレッドの意見とストームの意見を合わせれば私、ストーム、ラーマ様フローレンス様はとりあえずレジスタンス側に。
「なら、護衛として私も姉上の方につきましょう。モードレッドも来なさい」
「おう! で、残りの方は現地の英霊たちの方についていくのはどうよ? ジェロニモとしては、銀嶺隊の戦力も欲しいか?」
「できればでいいから回してほしい。あの機動力と移動距離。戦闘能力。工兵としてもすぐれている。合流する場所から物資を持って帰るにも人手は欲しいからね」
「じゃあ私たちはレジスタンスの領地に入るので出来れば私たちを味方と分かってくれるよう人を数名回せばとりあえず2000騎を回しましょう。残りの1500騎はレジスタンス領地で何かあった時に使う労働力ということで。
うちの部隊の総指揮はオルガマリー様に。そして、ジャンヌ様、ジャンヌオルタ様には私の直下兵500騎を貸しておきます。これでいいでしょうか?」
「先輩はどうします? どちらの方に行きますか?」
「僕はジェロニモチームに行くよ。とりあえず敵がこれ以上来る前に合流して戻れればいいなあ」
「私の方もジェロニモチームね。華奈から部隊も借りたし、敵地の方に踏み入れるのなら戦力は多めがいいわ」
じゃあマスターのほうは私がレジスタンス領地。藤丸様、オルガマリー様、藤丸様はジェロニモチームで決定。英霊の方もそのように分けていくことで話は決まりました。
うちの部隊の方は攻撃に秀でた部隊を貸したのでまあ、何かあっても藤丸様達を避難させるくらいは楽勝ですかね。
「あ、そういえばなんですが一つ気になることがありました。兵士さんいいです?」
「ん? ええ、私で答えられることであれば」
少数でレジスタンス領地に向かう中、ストームの用意した戦車ギガンテスと、戦車がけん引している荷車に乗せているレジスタンスの方と野戦病院からついてきてくれている兵士さんに話をかけるとエジソン王から離れた方が応えてくれる。
「エジソン王の統治政策。というか方針はどのようなものになっているんです? 一応彼からこういう感じだよっていうのは聞いているんですが」
「そうですね。具体的に言えばエジソン王を独裁者とした状態で民間人は一定の年齢なら性別を問わずに工場に強制的に移住させて機械化歩兵を大量に生産するように動いています」
「まさしく国家総動員状態。いや、それ以上の状態だな。大東亜戦争末期のソ連か、ドイツか、日本みたいな状態かあ」
「ケルト軍に殺されるよりはまし。ということで逃げ込んだのですが、こっちはこっちで監獄にいるようなものです。私の場合、体力があり動けたので機械化歩兵が出来るまで時間稼ぎで戦っていたのですがそのままずっと前線に」
うーむ・・・ストームの言う通り文字通りの官民一体。エジソン王が私たちに言っていたことは大きなことではなく既にやっていることと。
同時に、アメリカは本当にいざ戦うとなると動きもその規模も段違い。そのためのシステムもしっかりありますが、それはこの時代より未来の話。エジソン王の考えでここまでやれるとは・・・うーん。発明王。なのに何というかその手腕は権力者のそれですね。
「じゃあ、今度はレジスタンスの皆さんに聞きますが、レジスタンスはそういうエジソン王の独裁状態から嫌がって離れた感じで?」
「ええ。そんなところです。あまりにも強制的かつ人の身体を考えない状態。私の娘も働いていましたが身体を崩しまして・・・こういう状況なのでしょうがないと思っていましたが、レジスタンスの方でならもっと違う戦いが出来るのではないかと一縷の望みをかけまして・・・」
「その判断はどうでした?」
「今は正解だと思っています。此方も王が。サー・・・いえ、英霊が収めているのですが人種も性別も差別なく、女子供に仕事はさせますが無理のないもの、しっかりと区別をつけたうえで短時間の労働のみ。今現在は防衛をしておくべきだと言って守備のための施設を作りつつ英霊たちを集めている状態です」
ふむ。中々にいい統治と。同時にその発言で今更ながらに思い出したことが。そう言えば、私たちが最初に寄った野戦病院や荒野の戦場。あれ。考えれば防護柵とか、銃撃戦で使いやすいための陣地らしいものがなかったような?
「そういえば、防衛陣地に関してはエジソン王らはどうしているんです? いわゆる要塞とか」
「そういうのは作っていますが、数で押し返す。弾丸の雨が壁であるということで重要拠点意外には作っていません。それにそういうのを指揮する指揮官も不在で・・・・」
「何? 守りというのは味方を守り国を守り、有利に相手に損害を与えつつ次にすすための足場だ。それをしないとはエジソンとやらは戦がわからないのか?」
「もともとはラーマの方でいえば学者とか、技術者だからなあ。そりゃ戦に関しては詳しくない部分もあるだろうさ」
「・・・・病気の気もしますがね。いずれ直にあって診察するべきでしょう。トリアージ的にも今はラーマ君を最優先です」
「・・・姉上を欲しがった理由がわかりますねえ・・・総構えをできるようにした城塞都市を自分の領地に造りましたし。機動防御もよくしていましたから」
「特に先生の直下兵はやばかったなー。気がついたら飛んできて敵兵を蹴散らして、すぐさま別の場所に行くんだから」
そばにいたエレナ様も確か史実だと魔術師ですし、戦事は貴族などの教養で知っていたとしてもそこまで深くないでしょうし、カルナ様も戦士ですがインドの場合、技一つで大地がわれるだの数万人が吹っ飛ぶとか普通なので陣地作成とかにはあんまり触れていなさそうですし・・・
うーん。真面目に物量と鉄の暴風による武具の距離の有利でどうにか食い止めている?
「お、見えてきた。あれがレジスタンスの場所か?」
「そうですそうです。マジカル☆ウルフルズの拠点。王が住む場所です。少々そこでお待ちを。国王夫妻に私が伝えてきますので」
「その必要はないよ。彼女は私たちにとっては最高の来訪者。此方から動かないと礼をかくのでね」
見えてきた白い大きな議事堂。そこにはためく旗はなんかコミカルな狼がジャーキーをかじっている絵。どっかで見たころあるような絵柄と、なんか、緩いなあーと思っていれば目の前に現れたナイスミドル。ピシッとした赤のスーツに奇麗で豊かな金髪をオールバックにした服の下からでもわかる鍛えた筋肉と長身。
「ロット王!!」
「義兄上!? な、なんでここに!?」
「父上。久しぶりー!! いやーマジで呼んでいたんだな母上は! あれ? その母上は?」
そう。ロット王その人。私がオークニーで仕えていた愉快なおっさん兼私に自由な戦いをさせてくれた人です。そして私のある意味弟。え? モードレッド様。母上ってまさか?
『ちょ、まさかのロット王!? 華奈の元上司にしてガウェイン、ガヘリス、アグラヴェイン、モードレッドら子供たちがそろいも沿って円卓級の人物という。まさしく円卓の父親と言ってもいい人だよ!?』
「ほぉ。華奈の王。円卓の騎士の多くの父親か。これはこれは。余はラーマ。コサラの王である」
「フローレンス・ナイチンゲールです」
「ストーム1だ。今は華奈のもとで英霊やっている」
「かしこまらなくていいよ。今はただのレジスタンスのまとめ役のおじさんだ。それよりも・・・」
「お姉様~!!!」
「ぐはぁっ!!」
みんなであいさつをしているとロット王はほほ笑んで気にしないでと気さくに対応。そうこうしていると後ろから土煙を上げて走ってくるモルガン様。ああ、変わらない綺麗さで・・・と思っていたらそのまま思い切り飛び込んで抱き着いてきたのでそのまま私も吹っ飛んで転がる。
あ、相変わらずのパワーで・・・元気そうでよかったですし、ふふふ・・・ぐぇええ・・・・!!
「ああ、お姉様・・・!! お会いしたかったです! モードレッド、アルトリア。連れてきてありがとう。後でおやつあげるわ!」
「お、おう母上・・・先生。首を極められているけど大丈夫か?」
「本当に、姉上は。よくここまで我慢出来ていたものです」
「ハハハハっ! マイハニーも華奈の前では。いやお義姉さんの前では一人の少女だね! でも、流石に話をする前に気絶されても困るからちょっと力を弱めて」
「あ、ああ失礼・・・! はぁ・・・本当にお姉様。英霊として会えるとは・・・! あのろくでなしの言うことも聞いてみるものですね」
「ああー・・・眠くなるところでした。とにかく、ロット王、モルガン様。ご無沙汰しております」
「すげえなーマスターを速攻でKOしそうなほどとは。あれがモルガン・・・マスターの・・・義理の妹だっけ?」
意識がもうろうとするほどに首を抱きしめられていたのですがみんなのとりなしで無事に立ち上がって一息して拝手の姿勢でご挨拶。同時にあの緩い狼の旗も思い出しました。あれイグレーヌ様の絵柄ですね。お母様も来ているとは・・・
「改めて挨拶を。レジスタンス。マジカル☆ウルフルズの代表ロットだ。元王様だけど、気楽にね。もう王様じゃないし。それと、新たに招いた戦力もいるが君たちが来てくれればより賑やかになりそうだ」
「妻のモルガンです。お姉様や娘がお世話になっております。戦争状態ということで大したおもてなしは出来ませんがここに来てくれたということは相談もしたいでしょう。どうぞ議事堂に。お姉様にも懐かしい顔がたくさんいますので」
そういって二人そろって頭を下げて直々に議事堂への案内をしてくれる。合間にここに住んでいる皆さんとも気さくに触れあっていて、相変わらずの様子。そして、懐かしい顔。イグレーヌ様以外にもいるんですかね?
はい。ということでモルガン登場。こっちの世界だと自分の国も持った経験あるし愛する旦那も子供もいるし自分にとってのヒーローの義理の姉の華奈もいるしで結構エンジョイ勢。表情コロコロ変えるクール系の面をかぶった面白お姉さん。華奈と銀嶺隊ガチ勢。
ロット王はパプワ君のマジック元帥そのままの見た目。英霊になっていてモルガンがアメリカで召喚しましたとさ。