転生愉悦部の徒然日記 作:零課
「さてさて・・・では、始めましょうか。ふふふ・・・読み聞かせなど何年ぶりか」
「この世界の、星の内海で鍛えられたという神秘の武装。神創兵器の話・・・すごい・・・」
いつの間にやらみなさんが私の部屋に図書館に集合しているのでスピーカーとマイクをセットして聞こえるように。
ではでは・・・・
「昔々。とっても昔。ある日、空から星が降ってきて、そこから白い巨人が現れました。
その巨人は妖精も人も大地も奪い、吸い尽くす怖い怖い巨人でした。これに妖精も、精霊も、神様も星の内海に逃げました。怖い、強い、嫌だ。そんな気持ちをみんなが持ちます。
だけどそれだけではだめだと誰かが言い、白い巨人を倒すための武器を作り始めます。そのために楽園の神様はたくさんの妖精たちにお願いします。とっても強い武器を作ってと。
妖精たちは頑張ります。ヌオーという水と土の妖精たちが中心に花の妖精に羽の妖精たち、いろんな妖精たちが動く中、納得がいかない6にんの妖精がいました。
『武器ができるまでの間、やられっぱなしでいいのか?』『僕らの逃げられなかった友達たちを見殺しにするのは嫌だ』『僕たちでもやれることをしよう』そう6人は口々に言い、楽園の神様に言いました。戦わせてほしい。もといる場所に出してほしいと。
妖精たちに楽園の神様は反対しましたが最後は彼らの勇気に負けて星の表に送りだしました。ビリー、オバマ、カズヤ、マッシ、タニオカ、アンパンの6人はみんなに悪いことをする白い巨人に向かって勇敢に戦いました。
しかし白い巨人は強く、たくさんの神様たちが、戦士たちが頑張っても追い返せない。妖精たちも頑張りますが傷ついて、ぼろぼろになっていきます。
そんな中、妖精たちの中の影と悪夢を操る妖精が頑張ってみんなを助けて休ませます。白い巨人たちと戦い疲れた妖精たちはそれでも頑張って立ち上がります。『勝手にやってきて勝手に荒らすだらしねえアイツに負けない』その気持が妖精たちを突き動かします。
大地が削られ、命が、みんなで積み上げた家がなくなるのに妖精たちは我慢できないと倒れても倒れても何度でも蘇っては戦い続けます。それでも白い巨人を倒せない中、大地の中からヌオーたちが出てきます。なんとたくさんの聖剣が、武器が完成していたのです。そして、それを握るための人間も次々に現れ、白い巨人に妖精たちと立ち向かい、なんと神様たちが倒せなかった白い巨人を倒せました。
みんなで白い巨人を倒したことを喜びますが、それでも削れた大地も、家も、森もないことにみんなは悲しみました。白い巨人に取られてしまったのです。
だけどなんとかしようとみんなで海から石や岩を持ってきて取られた部分をどうにかしようと動きます。楽園の神様と巫女もみんなで頑張っていきました。
できた場所ができれば喜び。作物ができれば宴をして、大きな石を持ってきてくれた神様に感謝をして、人も、神様も、妖精も、動物も、みんなで一緒に頑張りました。
そうしている内に、楽園の神様は妖精たちにいつか帰ってきてね。そして、『私の肉体を島に足していいよ』そう言って魂だけが楽園に帰り、その肉体は大きな大地となりました。ここでもみんなは頑張って働きました。休んで、遊んで。でも仕事は必死にこなします。
だけど、人間は、巫女は死んでしまいました。妖精たちと違い動物も、人間も動ける時間は限りがあったのです。みんなはわんわん泣きました。泣いて泣いて、ずっと泣いていました。そして、大事に大事に埋めました。神様の肉体の大地に埋めました。
大事な友だちを埋めた場所でみんなは過ごし始めます。沢山の花を埋めて、暑くないように木を植え、そしていつの間にかそこは花畑になり、森ができているではありませんか。
こうしている内に動物も人間も、妖精も増えていましたが巫女を、友達を知る妖精たちのようにいい子たちではなく、人に悪いことをする妖精も動物に悪いことをする妖精もいました。
みんなはだめだよ。めだよ。といいますが言うことを聞きません。喧嘩も起きてしょうがないと妖精たちは友達のお墓がある森で静かに暮らしていました。とても心優しい妖精に、不思議な妖精も増えていきながら長い長い時間が過ぎて、楽園に帰ろうにも行き方を忘れた時、その人間は突然きます。
『あなた達が妖精なのね。私は楽園に、星の中に帰る道を教えているの。話を聞いてくれないかな?』みんな驚きました。その人間は巫女の、だいじな友達の面影を持つ、自分たちに近いような動物たちをたくさん従える銀色の騎士と仲間たちだったのです。
もう人と妖精は一緒にいることはない時代の中、あの時を思い出すような新しい友達にみんなは笑顔を浮かべて仲良く過ごしますが、その時間はあっという間。
美味しいご飯を食べて、遊んで、レスリングして、おしゃべりして、そして妖精たちは巫女のお墓と一緒に楽園に帰ります。こうして、ずっとずっと白い巨人から守った大地と世界を見続けた妖精たちは大事な友だちと一緒に新しい友達とお別れをしました。
そして、楽園でいつまでも幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。・・・・・・・これがふふ。セファールを倒した神創兵器を創る話ですね」
私の朗読、読み聞かせが終わるとみんなが拍手を何故かしてくれたので照れくさく頬をかいていると、図書室から私の部屋への直通の階段からエレナ様がすっ飛んできた。
「ちょちょちょ!! セファール!!? 一万四千年前の異星の侵略。あのハーヴェスターについての記述、当事者を知っているの!!? お、おおぉお、教えて華奈! いや、教えて下さい!」
「オリュンポス12神のトラウマ。あれにまつわる昔話を直に聞けるなんてわからないものね」
なんかすっごい毛並みと肌艶が良くなったアステリオス様とお菓子をほおばるエウリュアレ様も興味深そうに頷く。あーそういえばいろんな神様が戦って敵わないとあるのにオリュンポスの神々も入っていたんですね。
「一応言っておくとこの当事者の妖精たちは今もアヴァロン、楽園で健在で私達といっしょに農家と漁業をしているわよ?」
「私も生前アヴァロンに一度お邪魔しましたが当時の話を面白く語ってくれましたねえ。あと私の領地にも妖精が遊びに来ることもあったのでアメリカでもしかしたらモニターに写っていた子もいるかも? 今度Gen様と一緒に農業の手伝いがてら会いに行けるのなら会うかここに呼べます? モルガン様」
「どちらも可能ですよお姉様。ふふふ。タニオカとアンパンはパン工房とドライバーもしていて今も宇宙に美味しいパンと私達の作物をアルトリアと一緒に届けておりますので」
じゃあラーマ様たちとモルガン様たちの夫婦旅行ついでにエレナ様の探求のための取材にいかせますかあ。なんかオルガマリー様が泡吹いて倒れましたがまあ些細なことです。そちらもそのアヴァロンや妖精のプレゼントを貰えるんですから。
このあと、モルガン様とアルトリア様たちアヴァロン組はエレナ様からあれやこれやと色々質問攻めにされてしまい珍しいぐったり顔になっていましたよ。ふふふ。絵本一つから面白いことになりました。
「ふむ・・・合格。パソコン検定4級無事合格ですね」
「おぉ・・・やった。これで私もようやく半人前だな!」
「流石ですねえ。ですが、カルデアの雑務、備品課を手伝うにはもう少しパソコンを覚えてもらいます。まあ、今は休んでからまた」
ロット様がカルデアに来て以来、早速アルトリア様と一緒にパソコンの扱い方を実戦で学ぶために私が昔勉強用で持っていた本を元に頭に鉢巻きを巻いて早速練習に打ち込んでいます。
というのもロット様も確かに剣術は達人のそれなんですがモードレッド様やアルトリア様のような一線級の英霊には及ばない。逸話も基本内政よりなのも相まって前に出るタイプではないので基本銀嶺隊の手伝いと私の備品課の仕事をすることになったそうで。
アルトリア様たちはアヴァロンでユニヴァース? という不思議な宇宙空間で農家をする際に農業用の重機や道具、端末の扱いを覚えて、ロット様の方も召喚に際して現代知識はあるといえど知識があるだけで実践は別問題。ということで日々パソコンと格闘するお父さんとそれを応援するお母さんと娘、手伝う義妹という絵面ができております。
「ふぅー・・・一休みしたら少し散歩もしてこよう。今日はシミュレーターが賑やかのようだしね」
そういえば今日はうちの部隊でヤマジがジャンヌ姉妹たちを鍛えていましたね。見に行ってみましょう。
「うーん。力任せでもそのパワーで問題はないが、まあやっぱり経験者には劣るねえ。特にオルタちゃんは刀も使うのなら、動かし方は勉強するべきだな」
「くぅ・・・ムカつくけど、このガチホモやっぱり強いのよねえ・・・」
「うーん。旗の振りがこれではだめだとは」
シミュレーションの方ではヤマジがハルバードの使い手なので旗を武器にするジャンヌ姉妹らに、オルタの方には炎を使うのは厳禁でシンプルに技術を鍛えてもらっている最中。
まあ、ふたりとも戦闘経験は浅いですし、シンプルな技術と軽い効果とはいえ魔槍の類になるハルバードを使えるヤマジでは撃ち合えば負けないでしょうね。
「ジャンヌちゃんは押しの力はいい。だけど旗を振り下ろす、振るう際に引く動きをもっとシュッと引いてよりキレを良くしていくほうがいい。
で、オルタちゃんの方は派手に振るう攻撃は確かに見た目もいいし派手に見えるけど、その実脇も甘いし、簡単に弾かれる。アメリカで馬上槍もうまくいかないのはそれだな」
「うーん・・・こうです?」
「しょうがないわねえ。ちゃんと覚えていかないと。・・・アメリカで鍛えられた武人たちの技術を見たし、流石に力技だけじゃ足りないわ」
「その意気だ。じゃあーとりあえず演武、型を教えるからこれと素振りを毎日やろうか。俺等英霊は鍛えられないが技術は磨ける。俺が非番の日は同じ槍、薙刀の使い手をよこすからな」
さすがアルトリア様相手に粘れた武人。ふふふ。いい刺激になったようですね。ほんと・・・男漁り、ホモですがいい男ではあるんですよねえ。
「銃を使うのもいいが、やはりその反動を抑えるためにも鍛えるのは必要。さあ次は八極の型を教えていこう」
「はい、李書文先生!」
「同じ盾サーヴァントとして、改めてストーム1さん。今日はお願いします!」
「ははは。じゃあ、色々と技を叩き込んでいくからそれをしのいだら反撃。の練習をしていくかあ。俺の攻撃はちょっと激しいぞ?」
あっちでは藤丸さまと李書文様が武術鍛錬。マシュはストームと思い切り盾をぶつけ合い、ガンガンとぶつかり合う光景は派手なもの。
「さすがはインドの大英雄。見事なものよ。さあ、このスカサハに武を示せ!」
「いいだろう。ここからだ!」
そしてあっちではスカサハ様とカルナ様の大激突。こっちまで空気がビリビリ震えてしまうほどで思わず見入る。太陽と影の激突。金と赤のやりの激突は見て気持ちがいい。いやはや素晴らしい。周りに既にしばき倒され・・・もとい、手ほどきを受けて転がっている銀嶺隊兵士とクー・フーリンはおいておきましょう。うちの250人将の一人は恍惚の笑顔を出していますし。
「はぁー・・・平和平和」
(・ヮ・)「へいわです?」
(・ヮ・)「ぎんれいたいではよくあったこうけい」
(・ヮ・)「すぽどりおいしいです」
・・・・・・・・・・・・あれぇ~・・・? なんで妖精さんがここに? 私が顔を向けるとわーっと驚きつつも笑顔を見せる。
とりあえずお菓子で釣りつつ、周りを見ると・・・うん。いない・・・いない。ですよね?
「うーん・・・カルデアの職員さんには見つかっちゃだめですよ?」
(・ヮ・)「「「はーい!」」」
フォウ様に連れて行ってもらい、ひとまずなんか変な空気をごまかしつつ私も鍛錬に参加。言えないです。流石にカルデアに妖精が紛れ込み始めたとか。ああー私が色々仕込んでいた隠し扉とか、収納スペースが魔改造されていませんように・・・
「フローレンス様。お茶とお菓子をどうぞ」
「華奈さん。まだまだいけますのでそれは結構です」
「医療従事者がいざというときにちゃんと動けないとだめでしょう? 機械にも手入れと休憩を必要なように人間、英霊も休む時間は同じ。糖分と水分、エネルギー補給をしましょう?」
「ふむ・・・了解です。ああ、よければこちらの紫式部にもお願いしても? まったく・・・徹夜をしていて図書館業務もおろそかにするほどで」
「ヒィん。そ、そのぉ・・・イグレーヌ様から聞いた華奈様の話にもうついつい創作意欲が湧きましてぇ・・・」
「言い訳しない。軽食を取ったあとに仮眠を取ったら退室を」
いやはや手厳しい。まあ、私の方も夜ふかししていると容赦なく突撃してきそうになるので最近は創作活動が少し鈍りましたがそこはしょうがない。私が招いた仲間ですしね。
「マスター。あら、そこにいたのですね」
「おや、頼光様。どうしましたか?」
「うふふ。新作の料理が食堂に並びまして。良ければご試食をどうぞと思いまして」
ふむ。鍛錬後に治療と差し入れついでに来ましたがそろそろ御飯の時間ですか。いいですねえ。
「では参りましょう。フローレンス様もちゃんと食べに来るんですよ~香子様は、仮眠を取ったあとにご飯を。あ、図書館で食べちゃだめですよ~」
いままでは食堂からのデリバリーもしていましたがそれもできないでしょうしね。涙目の香子様をおいて私は食堂に。ああ、アメリカの激闘のあとにこの時間。癒やされますねえ。
この世界の妖精は多種多様。そしていい妖精も多かったので華奈とフォウ君が領地で一緒にいて問題なかったわけですね。尚すでに一部勝手に紛れ込んできている様子。妖精も妖精♂も