転生愉悦部の徒然日記 作:零課
華奈「そういえば、この大根ブレードとネギ。鞘ってあるんです?」
イグレーヌ「これかしら~?」
マシュ「(土ですね)」
藤丸「(土じゃない?)」
ジャンヌオルタ「(土じゃない・・・)」
アルトリア「いやいや母上。これはどうでしょう?」
ストーム1「(ぬか床じゃねえか・・・)」
ストーム2(大尉)「(ギャグか真面目かわからん・・・)」
信長「それぬか床じゃね?」
沖田「それならこれはどうです? 土方さんがたくあん樽ごと買ったときのものなんですが」
イグレーヌ「あらーこれも良いぬか床。じゃあ、これにはこれを」
(もう一本の大根ブレードを突き刺す)
華奈「じゃあ私の大根ブレードの鞘はアルトリア様のこれに」(アルトリアの持ってきたぬか床に自分の大根ブレードを突き刺す)
華奈「じゃあ、ネギの鞘の方はこれで・・・」
(水洗いしてから七輪の上において焼いてから醤油を垂らして蕎麦の薬味にする)
一同(アルトリアたちを除く)「「「「伝説の剣を焼いちゃったー! そして切ったー!!」」」」
イグレーヌ「あ、予備はあるから大丈夫よ~」
マシュ「ええ!!? いや、伝説の剣ってそんな安売りするものじゃないのでは!? そして魔神柱の攻撃を弾き返せるネギがこんなに!?」
エミヤ「この大根とネギは複製(トレース)しておくべきか・・・?」
出会いはいつだって突然
「ほふぁわ・・・んー・・・フローレンス様のお陰で早起きが楽になりましたねえ」
就寝時間を少し早めるようにフローレンス様から言われ、それをしないと鉄拳制裁かベッドが飛んでくることになるので早く寝るようになった結果早寝早起きが楽になるようになった今日このごろ。
なので今日はゆっくりと朝食の仕込みをしようと食堂に向かうと既に先客が。
「うーむ。やはりメアリー君のカトラスの改造は難しそうだなあ」
「もともとフォースブレードやハンマー系列の武装はフェンサーのパワー。まあこれは英霊故にどうにかなるとしても、あのサイズを用いての火力。機構を縮小化、サイズも軽量にするにはもう少し、アルトリア君たちのユニヴァース技術も必須だろう」
エジソン様とプロフェッサー様が缶コーヒーをすすり、おっきなチョコクッキーをかじりながら何やらアン様とメアリー様の武装についての改良をあれこれ。EDFの武装をもとにしようとしているんですか。
「おはようございますお二人共。ずいぶんとお早いですねえ。それと、改良案で?」
「おお、おはよう華奈君。そうそう。EDFの武装技術を学んで、元君も問題なくレイシフトできるともあって二人からの武装強化を頼まれてねえ」
「それでエジソンさんといっしょに話をしていたんですよ。アンさんの武装の方はマスケット銃。しかもあのサイズと連射が効くものをほしいと言っていたのでハーキュリーとバウンドガンの銃弾を使って威力、跳弾も思いのままの狙撃もある程度の速射も効く武器を作ったんだけど」
「メアリー君のカトラス。あれの改良案で少し苦労してねえ・・・徹夜で語り合って小休止と言ったところだ」
「あらら。徹夜ですかあ・・・疲れは大丈夫で?」
髪をまとめ、エプロンを付けつつ食材を仕込みつつ味噌汁の用意。案外日本食好きなカルデア職員多いんですよねえ。
そしてホント研究畑の人たちは武闘派の英霊とは別ベクトルでスタミナ、体力おばけですねえ。英霊とはいえ疲れに近い感覚はあるはずなのに元気なんですからこの二人。私なら徹夜は少しつらいのに。
「なに。常に新鮮な刺激をもらい、その刺激の完成形の武器を使えるゲームを遊べて、しかも人類を救うための研究。むしろ元気マシマシだとも! ただ、それはそれとして口寂しくてね」
「ふふふ。そういうことでちょっと食堂でおやつを」
「そういうことですかあ。ふーむ・・・じゃあ、朝ご飯も食べていきます? はい。ヨーグルトのメープルシロップ混ぜ。お二人ならチーズバーガーがいいですよね? すぐ用意しますよ」
「おお! わかっているじゃないか華奈くん! フレッシュなトマトも頼むよ。銀嶺領地のトマト。あれは最高だった・・・」
「いやー助かります。最高級のチーズバーガーが食べられそうだ」
ぱぁっと笑顔を開かせるお二人につられて笑顔になり、とりあえずバンズを用意し、ミンチにしていたワイバーンの解凍肉を焼いて塩コショウで味付け、ウチの領地のトマトスライスと、チーズ、ピクルスに、レタス。肉厚野菜たっぷりのハンバーガーに、口の中をリフレッシュするためのりんごも添えて・・・
はい。こんなものでしょう。ふふふ。簡単にできて栄養抜群! 女性には少し変えれば一口で食べやすく可愛いサンドイッチにもできるのでいいですよねえー
味噌汁に豆腐と、お揚げを入れて、ふーむ・・・いい感じ。ウチの部隊も領地が召喚できたので指揮も上がったしご飯も満足に食べられているし、ふふふ。これならきっといい流れ・・・
『ああ・・・やっと、見つけた』
「!?」
なにか聞こえた声に、そしてゾワッと総毛立つ感触に答えて調理場から飛び出て食堂でチーズバーガーを頬張るエジソン様とプロフェッサー様の前で刀を構える。
「づっ・・・!! ぐ・・!」
光る馬上槍? みたいな。その全容は見えないがそれを二人からそらしましたが脇腹は貫かれてしまい、ざっくりとお腹が切られてしまう。
鈍色の銀色の鎧を身にまとう白馬に、ライオンのような造形の顔が見えないフルフェイスタイプの兜をつけた戦士。
『流石ですね・・・』
「どういたしまし・・・て!」
急に食堂に出てくる不審者はそのまま馬上槍を振るい、私も秋水と桜花で対処するも一撃一撃の鋭さはアルテラ。いえ、技の冴えはそれ以上。
「お二人共、避難を!」
「いや、私も多少は戦え・・・」
「神霊級、戦神レベルです! 急いで!」
エジソン様たちも武器を持って対応しようとしますが真面目に感じる武の匂いが凄まじすぎる。攻撃を守る、受け流す余裕もないし、下手に暴れればむしろカルデアが壊されかねない。
それに外から感じるドタバタと聞こえる。戦闘音で皆さんが駆けつけてくれる。合流してバックアップしてくれる方が・・・
いえ、それを許してはくれないようですね。
『・・・・』
「チッ・・・ああ、もう・・・頼みましたよみなさん! それと食堂の修理お願いします!」
「ま、待て華奈くん一体何・・・を・・・!」
槍に集まるとんでもない魔力。それを今ぶつけるだけでとんでもない被害が出てしまう。万が一シバのレンズ、カルデアス、コフィンに被害が出れば人理修復、今後に多大な影響が出る。そして、この戦士らしき相手が出てきた光の孔? はあるまま。誘われているんでしょうけど、ああ、しょうがない。
陽炎で思い切り、太陽拳レベルの光を見せて騎士の方ではなく馬の方を驚かせて、そこから馬の胸筋を持ち上げて押し込んで光の孔に入り込んでいく。
あ、あれ? まさかの空中!? あ、ちょ。トンネルを抜けたら空って天候どころの変化じゃ・・・これ・・・・やばいぃ!!
「(0M0;)うわぁアアアアアアア!!!」
「というわけで・・・華奈くんが行方不明になった・・・というよりは、おそらくだけど次の特異点にいる何かの罠に踏み込んでカルデアを守る形になったと・・・」
「申し訳ない・・・戦闘向けサーヴァントでないとはわかっていたが抵抗はするべきだった・・・」
「いいえ、貴方は悪くないですプロフェッサー。エジソンも気を落とさずに。あれはできる限りの最善手であり、必要なこと・・・聖剣エクスカリバーに匹敵する。いえ、魔力量はそれを超えるであろうものをカルデアの中で放たれればきっと華奈を助けるチャンスすらなかった・・・」
オルガマリー所長の言うことも正しい。監視カメラとデータを逆算してもあれを防ぐには華奈くんがあの英霊らしき。いや、神霊レベルの騎士を押し返してしまうほかなかった。相手が光の孔を閉じたのを見てもそれが作戦だったとしても、それが最善だった。
「特異点の場所はシバのおかげもあってわかった。だけど・・・結果が安定していない。時代証明が一致しないし、観測そのものができなかったりで今もかなりメチャクチャなんだ」
「うん。そこは私もアルトリアたちにも手を尽くしてもらったけど、ユニヴァース。星間航行ができるほどの超演算技術を足してもできない。この万能の天才に、そして異世界の超技術を持ってもだめ。華奈くんの存在はどうにか観測できるがそれも銀嶺隊に領地、ストーム1や契約している英霊とのパスを繋いでようやく。そこから出る結論は・・・今回の観測場所はカルデアスの表層に存在しない場所。いや、抜け落ちつつある場所になっている」
しかも、その場所はメチャクチャな状況になっていると来た。全く頭の痛い話が続くものだよ。
「さらに言えば、観測できないということは人理の流れから外れつつある。ありえないはずの、あってはならない歴史になりつつあります。これはカルデアの今までの特異点の戦いの中でも異質も異質。放置してしまえばゲーティアの人理焼却をリセットできたとしても、とんでもない被害を追うことは確定」
「其の上で華奈を狙う、聖剣レベルの武器を持つ槍使いがいる。アメリカ以上に予想もできず困難なものになる。何もかもが特殊ということだ・・・はぁあああ・・・・・・・・」
いつもは軽いふるまいのシバも流石に義妹の、しかもアメリカでの大立ち回りを見た華奈くんがいない。そしてこの特異点の状況を観測、割り出した分だけ異常さがわかるロマニは頭を抱える。それもそうだろう。
ただ、その中でバァンと机を強く叩く二人の女性。アルトリア、モルガン姉妹だ。
「そんなことはどうでもいいです。どんな場所だろうと姉上を拉致した相手は殺す。それだけです。急いでレイシフトは、特異点にはいけないのですかロマニ!!」
「そうです。私の魔術でも何故か観測ができない、故に機材を買い込んでカルデアの設備を整えました。それの成果が出ないというわけではないでしょう? さあ、急いでいきましょう」
見る人が、いや私も含めてほとんどが寒気を感じるほどの殺意を見せつつ急いでレイシフトに行こうとする二人。この二人の声はカルデアの全員の声の代弁者であり、しかし周りがどこか尻すぼみするのもわかる。
正直言って今までカルデアのこの破竹の勢いは華奈くんとストーム1くんらの立ち回り、戦術に物資に戦略。あらゆる面で支え、その実績が大きな精神的支柱となっていた。
みんなや現地の英霊の協力込みでだが冬木ではアーサー王を撃破し、オルガマリー所長を救い、フランスでは敵サーヴァントを多数撃破。邪竜すらも退けた。ローマでは魔神柱にアルテラを倒し、オケアノスではあのヘラクレスを罠にはめて毒殺。ロンドンでは魔神柱8本を瞬殺。アメリカではクー・フーリンにメイヴ、28本の魔神柱を倒してしまう。
カルデア内でも藤丸君の良き師匠、マシュの寿命問題を解決。オルガマリー所長の心の棘を抜き、礼装や武装も英霊に通用するものをストーム1君の武器を複製して用意。美食に読書に娯楽に物資問題解決のための人手を用意して自分でできない、足りないものは専門家に任せて手っ取り早く解決していく。
『軍隊っていうのはいわば市民全員が武器を持って移動する町。故に色々できるようにしていくべき』という言葉と軍は兵站第一、準備第一という理念で動くので用意はバッチリ。特異点の状態にも対応できる柔軟性。必要なら人に丸投げして協力を取れる。そんな人材が抜けてしまったのだ。
かといって特異点に全力を向けようにもゲーティアが未だに観測できないゆえに難攻不落になっているはずのカルデアに入り込めたあの槍兵を警戒して最低でもマスターを置くべき。ならオルガマリー所長をおいておくという話はまとまっていて、藤丸くんとマシュちゃんの二人と英霊に任せることへの不安。
カルデアの守りをしつつアメリカ以上に特例づくしの、何が起きているかも何が起きるかもわからない場所に放り込むべきか。余計に戦力を失うのではという不安。それにフォローをできる一番の人材の欠如。困難と不安と例外づくし。だからこそ特異点に行く。その一歩が踏めずにいた。
それに、カルデアスとシバのレンズ以外にも華奈くんに任せてもらっている「例のアレ」を守り抜くには戦力は多く割けないし・・・まいったね。やっぱり軍事関連は華奈くんに任せていたからこういうときの采配は鈍る。この天才ダ・ヴィンチちゃんとしたことが。
「申し訳ありません。お待たせしました!!」
戦力采配をどうするべきか。迷ってたときにブリーフィングに参加が遅れていた元君と後ろには改造された銃を持つアン君とエレナ君がそこにはいた。
「レイシフト適正増幅礼装の最終調整が終わりました! カルデアの4番めのマスターとして、藤丸君のサポートとして源 元 参加できます! 是非私を入れたうえで再度会議をお願いします」
「ふふふ。会議が止まるときにナイスタイミングだよ元君! いやあー流石華奈くんの『家族』だ!」
こんなときでも君の縁が君を救うとはね。まったく。無事に生きていてくれたまえよ。華奈君。準備を早めてすぐにでも向かうからね。
「あだだだ・・・・ペッペ・・・ひぇー・・・死ぬかと思いましたぁ・・・」
あの騎士といっしょに空にほうりでたあと、空中戦、カルデアではないので気にせず斬撃と組討をしてどうにかこうにか落下しつつあの騎士を城塞都市の方に蹴り飛ばして自分もその反動で砂漠に落下と言うか、墜落しつつ一時的に逃げることができました。
ただまあ、その際にも体には傷ができたし、脇腹の傷は妖精の宝石箱から魔力を水に変えるアクセサリーで傷口を洗い、医療用瞬間接着剤で傷口にたっぷり塗ってくっつける。
「あづづづうぅぅうううう・・・・!!! うぅ・・・染みる・・・はぁー・・・体に傷が増えましたねえ・・・」
人理焼却が始まって以降アルテラ、頼光様、そしてこの槍兵と本当に規格外ばかりとやり合うのと治療がままならない、治療しても残る傷が増えてすっかり傷だらけ。一応きれいな体だったはずですが、はぁー・・・頼光様のきれいな体とは反対にボロボロです。
ただまあ、生きていれば儲けもの。カルデアの方には戦力を残すためにもここに銀嶺隊を呼べないですし、どうにかここの状況を知るために動かないと・・・
「む・・・? あれは・・・」
どうにか歩けるので砂漠を歩いていると女性を取り囲むマスクをしてボロボロの布をまとい、刃こぼれの激しい剣を持つ連中が。
追い剥ぎ・・・いえ、殺す気でしょうねえあれ。
「おーい! 待ちなさい! あだだっだだ!! その女性をどうするつもりですか。なにか恨みでも?」
「チガウ・・・食う・・ころす・・・乾いた・・・ああ、うまそうな女が増えた・・・きヒヒヒ!!」
「あ、あの・・・感謝します・・・って貴女も傷が・・・! しかも・・・」
「気にせず・・・しかし・・・屍鬼になりつつある人間・・・それほどに厳しい場所・・・と・・・ふぅ・・・しょうがない。一つ、いえ、二つ人助けをしましょう」
私の傷を気に掛ける女性。いえ、英霊は美しい小麦色の肌にきれいな黒髪を長く伸ばしいわゆる姫カット? に左右対称に白いリボンと美しい大輪の花飾りをしているスレンダーな美しい肢体を包む純白の衣装に黄金の装飾。間違いない。あの方の妻。あの太陽神、神王が敬愛したネフェルタリ様その人。
これは、必ず救い出し、そして届けなければいけませんね。あと旅の仲間が増えそうで嬉しいです!
「さて・・・ようやく送り出す準備ができた。今回の場合、カルデアにも防御を置かないといけないので少数精鋭になったが・・・大丈夫だね?」
「はい、いつでもいけます!」
「私のほうが特異点攻略は後輩。藤丸くんを支えつつも最終決定は基本従いますよ。よろしくねみんな」
「もちろん! お母さんを助け、必ず特異点も攻略してみせます!」
「母としてマスターを守れぬ不覚は取り戻し守り抜くことで取り返します。金時。留守は任せましたよ」
「なぁに。かの武人頼光にこの私。そしてメンバーもこれならきっと大丈夫だろう」
「うふふ。この新型の銃の性能テストをしつつサクッと華奈さんはお救いしますわよ♪ それに、華奈さんは海賊視点で見てもそうそう死ぬような人じゃないですし、きっと大丈夫でしょう」
「未知の探索に仮定を組みつつの対応ね。アメリカとは理由が違いすぎるけど仮定、仮説を考えて挑む、調整するのは探求者としての本分。カルデアの支援が多くを望めない分は私達キャスタークラスが補うわ」
あれから数日。どうにかこうにかレイシフトの準備を整え、持ち込めるだけの支援物資を前もって用意しての日々。ようやくレイシフト準備がスタート。今回挑むメンバーは藤丸君、マシュ、元、アン、エレナ、頼光、そしてこの私ダ・ヴィンチちゃんだ。
ストーム1、アルトリア、モルガン等には華奈の用意や帰る場所を守り抜いてほしい。ここが潰れたら本当に終わりだと懇切丁寧に、粘り強く説得してどうにかこうにか守りに行くことで納得。あと、銀嶺隊に領地が消えていないのもあってまだ生きているという状況証拠が最後の一押しになった。
とはいえ、イグレーヌは号泣して取り乱し、紫式部は泡を吹いて気絶。栗毛にハチたちや魔獣も混乱してと本当に皆を落ち着かせるのが大変。
それでもようやく終わり、特異点に。13世紀のエルサレムにレイシフトできる。私の、ロマニの親友を、大事な仲間を助けに行けるんだ。
「フォー!! フフォオオ~ウ!!」
フォウ君もマシュのコフィンに入ってやる気満々。ふふふ。さあ、急いで救いに行こう。遅くなったけど、何があるかわからないけど、それでもかならず行くよ。
謎の乱入者。一体誰なんだー(棒)