転生愉悦部の徒然日記 作:零課
「・・・・マシュはしょうがないとして、この大盾を、気配を覚えていないのですか? ギャラハッド。円卓の騎士の一人で私の養子です。そして、ベディヴィエール様。貴方の執事役でもある、最も忠義に厚い騎士だと言うのに・・・」
獅子王となっていたアルトリアは。ええ、美貌の成長に感じる魔力、立ち振舞い。本当に素敵な淑女になりましたとも。ただし、そのガワは。中身の方は、私のよく知るアルトリア様とは大違い。
マシュとはまあ、そりゃあ知るよしはないですがマシュに力を貸してくれている、実の子のように接してくれていたギャラハッドさえも、貴方の側役として常に支えていたベディヴィエール様も忘れるとは・・・
「そうか、ならば。我が円卓にこの後加わるがよい。我が聖槍で貴殿らも保護すると約束しよう」
「いえ、王は私に罰と、復讐をすべき相手。私を討つべきなのですから」
「なに・・・?」
ベディヴィエール様は銀の義手を解除して、偽装を解除。それは、一振りの聖剣。獅子王が、眼の前のアルトリアが還すよう託したもの。
「エクスカリバー・・・そうか、そう・・・か、あの・・・あのときの・・・」
エクスカリバーを見て記憶が掘り起こされつつある様子の獅子王。頭を抑え、眉間にシワを寄せてしばらくのあと
「それを還しに来たというのだな・・・まったく・・・私が忘れるほどの長き時間。呆れる忠義だ」
「いえ。これは私の罪、私の成すべきこと故に・・・・」
「その方法に決闘を選ぶか。そして、姉上・・・どうしても、戦うというのですね」
すこしだけ、記憶を思い出せたようでとりあえずあっちは大丈夫そう。そして、私に向き直り聖槍を構える獅子王。
「ええ。私は人理修復のために戦っている。そのために、そしてこの様な手段で私を守ろうとする馬鹿げた考えをする愚妹を止めるために騎士として、カルデアのものとして諫言をしに来たのです」
私の声に一瞬、ぐ。と硬い表情をした後にすぐに戻り。
「私は魔術王に一度挑み、そして敗走をしました。敵わない。そして完璧な計画に、人理ではなく人という種を存続すること。守護することを願った。そして、それ以上に、何よりも姉上。貴方を全てから守るために。
だから、そのために貴女をここで倒し、聖槍の中に収容します。受け入れないというのなら、無理矢理にでも・・・!」
「もとより決闘のオオトリ。そこで私とベディヴィエール様を倒せば円卓の騎士、聖剣、私が来ますよ。さぁ、勝負です!」
どのみち戦うしかない。この先は互いに強さが物を言う。それを伝えつつこの特異点できっと最後の戦いのゴングが鳴った。
獅子王の武力は、文字通り物が違った。
「ぐぅっ!! か、うあっ!」
ベディエールさんをたった一振りで吹き飛ばし、刺突で銀腕を突き更に押し返す。
「ぐっ! ぐぅ・・・・っ、ゴホッ!!」
剣技で言えば華奈さんが上だけど、それを超える速さ、力を持って技術を叩き潰していく。
嵐の王。聖槍の力と僕らが知るアルトリアさん以上に成長した竜の心臓と肉体。そして、この聖都。いや、聖槍の塔の一部での戦闘もあるのだろうか。
秋水一振りだけで珍しく両手で刀を握る華奈さんを何度も何度も地面に転がし、体中に傷を増やしていく。
「・・・ああ、華奈さん・・・! 母は、母は動いてはいけない。武者の戦いでの、決闘への横入りは駄目だとわかっていますがそれでも!」
「先輩、私は、私も動かないと駄目なんじゃないですか・・・! こんな、こんな戦いは・・・!」
頼光さんと、マシュが決闘に入ろうとしているけど、僕はそれを駄目だと首を横に振る。
「それじゃあ、華奈さんの作戦と、ベディヴィエールさんの思いが無駄になっちゃう。我慢だよ。マシュ。頼光さん」
僕も参加したい。マシュのマスターとして気持ちを汲んでやりたい。でも、それはしてはいけない。人という種の守護のために見定めたもの意外を虐殺することも、華奈さんをそこまで守りたがるのかがわからないし。
その考えにはっきりと違うと突きつけるのはきっとあの二人じゃないと駄目。僕らが水を差せばきっとそれも駄目だという予感がする。
「ふん。母子という関係が目を濁らせるか。見ておけ。そら、動くぞ」
オジマンディアス王がそう言って僕らもしっかりと戦況に目を向けると
「ハァアアっ!!」
ベディヴィエールさんの剣が獅子王の槍の攻撃を受け止めても倒れず。
「ふっ!」
「ぐっ・・・!?」
華奈さんの秋水の一振りが獅子王をあの聖槍ごとふっとばしていく。
『嘘だろ・・・!? 獅子王相手に拮抗し始めている! 一体どうなっているんだ!!?』
そう。二人が獅子王相手に押されていた状況が変わり、互角に打ち合っているのだ
「おぉおお!!」
しかも、槍の薙ぎ払いを華奈さんが弾き飛ばし、そのまま斬り伏せようとしたのを獅子王が防ぐも、力押しで負けつつあるのだ。
「っっ・・・ツァあっ!」
「はっ・・・ぁ!」
「甘い!」
それを魔力放出だろうか。そのブーストで華奈さんを押し返し、ベディヴィエールの攻撃をしのいでいくけども、さっきまでの一方的なものではない。
「・・・キングハサンとの戦い。いえ、違う・・・これは。アルテラとの戦いのときのような・・・」
「隻腕の騎士はひたすらに怨念とも言えるほどの忠義と目的のために。そして、獅子王の力はたしかに凄まじい。だが、その対極にある力を持っているのが銀狼殿だ」
「対極・・・?」
眼の前では互角に。それでも華奈さんとベディヴィエールさんの傷は、ダメージは増えていくのが早いけど、でもさっきのように獅子王の攻撃で膝をつかない。倒れない。
たしかに両足で踏ん張って二人は剣を振るっている。
「そうだ。聖槍を握り神霊に近づき、同時に人の視座が、人との繋がり薄まりつつある獅子王。目標がどうであれとことん個の力とは真逆。
概念を斬れるほどの、人の域を超えつつある武芸を身に着けつつも人の身であり続け、関わる者たちの想いを紡いで、束ねて戦う。まさしく英雄。勇者の力だ」
「ラぁアアアアアアアアア!!!!」
「っっ・・・・・・・」
華奈さんの気炎をぶつけるような一撃に大きくふっとばされて片膝をつく獅子王。
今まで常に先手を打とうとしていた獅子王の動きが止まり、少ししか変化を見せなかった表情にも大きな変化が起きる。まるで、華奈さんだけではない。ベディヴィエールさんだけではない。もっと多くの、もっとたくさんの人と戦っているような。
ダメージは少ない。かすり傷もないはずなのに、聖槍を動かせずに二人を見ている。ふたりともすでに全身傷だらけ、時折痙攣もするほどで、血の出ているというのに、反撃に移っていない。
「貴女は確かに人から、神へと高みを得たのでしょう・・・でも、そのせいで多くのものを忘れて、こぼしてしまった・・・人のときに、私と過ごしたときのものがないから・・・貴女の刃は冷たく痛いだけで・・・
あのときの、騎士王として、アルトリアとしての刃の重みがまるで無いんです!!」
「うぐっ!! それでも、貴女を人理にも、魔術王にも抹殺させるわけにはいかないのです!!」
「っっづぅう・・・! ま、まだまだぁ・・・・・!」
「!!? なぜ、なんで人理がお母さんを抹殺するというのですか!!」
華奈さんが再度吹き飛ばし、獅子王に初めての肩口への切り傷がつき、追撃をしようとするものの、獅子王も聖槍の石突で床を叩いて踏ん張り、吹き飛ばして叫ぶ。その内容に。戦意をたぎらせている華奈さんと内情を知っているであろうベディヴィエールさん以外が、僕も驚愕の内容に染まる。
「・・・私の世界の姉上は。我が国を緩やかに解体するその直前に我が国事潰そうとしていた抑止の派遣した兵士と戦い。そして殺された。
きっと、本来はもっと早く我が国が限界を迎えるはずだったのだろう。それを姉上が伸ばし、そして、その分だけ幸せを私達にくれた。その姉上を。銀嶺隊を殺したのだけでも許せぬが・・・姉上の存在自体をなかったことにした。
私の世界では姉上を英霊として呼び出すことも、冥界にもいない。完全にあの世界の人理という世界から消されたのだ」
「そんな・・・お母さんが・・・」
「なるほど。そして神霊に近づいた貴様は聖杯戦争かなにかに乱入して聖杯を手にして試したと。しかし、それは叶わなかった」
「そのとおりだ太陽王よ。そして幾多もの並行世界を渡り歩いて尚姉上の存在がある世界はなく、漸くたどり着いたこの世界では姉上は二度目の生を謳歌していたが、魔術王の人理焼却が襲ってきた。
わかるか? この絶望が。人も、獣も、魔も、神も、妖精も受け入れ、ともにある生き方を示し私に人としての時間を。騎士たちに癒やしをくれた。私達を救った。
その姉上が生きていて、しかし再び死の危険のある戦いに身を投じ、自分の都合のためには私の世界からは存在を消滅させた抑止のある人理を救うために・・・どう転んでも危険がある。だから、私は、いや、私達は姉上を救うためにこうしているのだ。
姉上から手を引け。カルデアの戦士よ。私の槍の保護に入ってください。姉上。そうであれば、私はこの特異点から身を引き、人理修復への道を塞ぎません」
涙を流して自分の思いを吐露する獅子王の顔は、苦悶と懊悩と、憎悪の入り混じった顔でこちらを見渡す。
あの獅子王に、アルトリアに道を譲っていいかも知れない。そう思っていたときに、この空気を壊したのは、華奈さんだった。
「なるほど・・・ね・・・よーくわかりました。同時に、マーリンの手引と、私がなんで座から直々に来れたかも・・・あの魔術師は全く・・・
それと、そこまで私を思う騎士たちの思いは伝わり、アルトリア。貴女の愛も感じます。でもね、一つ聞かせなさい。円卓の騎士。ガウェイン、トリスタン、ランスロット、アグラヴェイン。貴女に付き従う騎士はこれだけ。ベディヴィエール様はここにいますが・・・
残りの騎士たちは、どうしましたか?」
「我が声によって円卓を全員呼び、会議をしました。姉上を聖槍で保護すると。それに反対したものは私の意見に賛成した者たちで争い、殺しました。特にモードレッドは最後まで戦い抜くほど勇猛でした。
そしてガレスは・・・この聖都を用意する際にでてきた偽りの十字軍。魔神の如き軍の首魁を討つ際に死亡をしました」
「円卓の騎士で同士討ちをしたというのですか!!? そんなことを・・・!」
「いやいや・・・付き合いは短いが、それは華奈は望まないだろ。それよりもいっそ・・・」
「ええ・・・! それなら最初から私と、カルデアの皆で話して、同盟なり、なんなりと別の手段を取ればよかった!」
会話の間に傷の応急手当と、ベディヴィエールに妖精の宝石箱の道具を一部渡しつつ華奈さんの顔にも先程以上の。文字通り鬼子母神の如き迫力を見せていく。
多分、獅子王も見たことのない顔。本気で怒りを見せた顔なのだろう。思わず後ずさってしまいそうになるほどだ。
「いかに神様に近づこうとも! 聖槍を持って成長しようとも、貴女は私の妹! 心臓一つ、命一つの人間! それなら、最初から何でもしようとせずに頼れば良い! それをこんな血染めの道の先にある塔での生活なんてまっぴらごめんです!!
アルトリア。貴女は・・・! 絶対にお仕置きをしてやります!」
「王よ! 私は貴女に聖剣を還す。そして、その先を・・・! 華奈殿・・・お願いが」
「わかっていますよ・・・」
ふたたび始まる剣戟の激しい応酬。でも、獅子王にも傷が増えていき、聖槍も弾き飛ばされては、聖槍の先からも裁きの光と言われる攻撃を放つも、華奈さんはそれさえも受け流し、あるいはベディヴィエールさんも隻腕に集約させた魔力を用いる絶技で対処してしまう。
神槍の裁きさえも、忠義と聖剣の加護で。あるいは人の力の極致と言えるもので受け止め、受け流し、立ち向かい続けていく。
互いに互いを想い合う関係だったはずの、騎士と王の戦いは苛烈で白亜の玉座の間が三人の血で汚れてしまう。
「アルトリア!」
「我が王よ!」
「ぐぅっぐ・・・ま、まだ・・・! 私は・・・・」
華奈さんと、ベディヴィエールさんの二人の刀と剣が獅子王の聖槍を押さえつけ、聖槍にヒビが入っていき、そして、その一部が砕け散ってしまう。
「ようやく・・・ああ・・・これを。王。よ・・・・私は、このために・・・」
無手となった獅子王に華奈さんも刀を収め、ベディヴィエールさんは聖剣を還して、僕らの眼の前で土塊となり、焼け焦げた灰のようにサラサラと風化していくように消えていった。
このために1000年以上も生き続けていた忠義の騎士は、漸く長い長い旅を終えて、笑顔のまま去った。
すごい、男だった。騎士だったよ・・・ベディヴィエールさん。
「ベディヴィエール・・・・・・卿・・・姉上・・・」
「これで・・・聖槍の、貴女を獅子王たらしめる者は砕いた・・・獅子王・・・いえ、アルトリア。貴女はきっと、女神にありつつ状態を砕き、本来死ぬはずだった運命を戻した・・・訳では無いでしょう。
恐らく、その運命は、貴女の血と、その愛が・・・既に砕き、命を繋いでいる」
全身がボロボロ、キングハサンのときと同じかそれ以上に傷だらけになって一息つくように床に座り込む。
本来、ベディヴィエールさんが成すべきだった聖剣の返還。これを成したことで死ぬはずだったはずの獅子王の運命がなくなっている。その内容にオジマンディアス王以外が不思議そうにしている。僕ももちろん。
「どういういう・・・ことです・・・?」
「貴女の心臓はブリテンの赤き守護竜の心臓。それが成長し、聖槍の神性を失っても尚、もう一つの・・・ブリテンのまつろわぬもの、妖精たち、幻想種たちをアヴァロンや星の内海に送るあの土地の管理者たる土地神、女神の末裔の血・・・イグレーヌ様の血を引いている。
長きに渡る聖槍によってあった時間は確かに聖槍により、神により過ぎたゆえに、聖槍を砕き、聖剣を返された今は死ぬと思ったでしょうけど・・・
聖槍の、女神ロンゴミニアドの代わりに今度はそっちの血が、ロンゴミニアドの神聖が高まるのと同じように高まっていた神性が、竜の生命力が貴女を支えているはず・・・どうです・・・? カルデアの計測機器では・・・ふふ・・・ゴホッ、ゴブ・・・!」
血反吐をどぼどぼと吐きながらも笑顔で微笑む華奈さん。急いで僕らで全力で治療をする間、ロマニの方からの通信が届いた。
『うん。確かに神性が変化している。ロンゴミニアドとしての女神、化身としての側面は弱いけど、代わりにもう一つの・・・モルガンやイグレーヌと同じ神性の類の反応。竜種としてのエネルギーも最高。
さっきまでは女神ロンゴミニアドというべき存在だったけど、今はいわゆる複合神性。ブリテンの守護竜の化身、ブリテンの幻想種の管理者たる女神の分霊。その神性が獅子王。いや、平行世界のアルトリアを形作っている。
不老不死とは言わないだろうけど、きっと寿命とかはある半神・・・いや、4分の3が神霊? の感じだと思う』
「そもそも、けふ・・・貴女は遠い遠い。もしくは近いかもしれませんが並行世界のアルトリア。聖剣の加護だけで生きていたベディヴィエール様とは違い、死ぬはずだった運命もここの世界にはなく、傷も1000年以上もあれば癒えているでしょう。
だからまあ、決闘を挑んだんですよ。聖槍を砕こうと、この聖都を最悪ぶち壊そうとも貴女の家族の血と、あれな話ですがマーリンとウーサーの用意した心臓があって死なないってある程度計算できたので」
頭からクジラのように血をぴゅーぴゅー出している華奈さんの笑顔は。作戦が大成功したと行った具合にいたずらっぽい笑顔で、最初からこのアルトリアも生かすつもりだったのが見える。
「ですが・・・私の目論見は、大望は潰えた・・・姉上を守る手段も・・・」
「ええ。でもまだ戦える。その聖剣も、聖槍もこちらのアヴァロンにある。そして、私はまだまだ備えを用意しています。魔術王にも、この先にも使えそうな手札を。ね。
この決闘の勝者である私からアルトリア。そしてあそこで転がしている馬鹿騎士たちに頼みがあります。カルデアに来てください。そこでここでの愚行に、同士討ちをした馬鹿をへの禊をするために、そして、私の備えを見極めて、守るために。姉妹として、戦士として、何より一個人として、来てください。アルトリア」
確かに聖槍は砕けた。でも、聖剣もある。聖槍も、というかなんで過去このアルトリアさんは聖剣を二振り持っている。何だったら惑星間航行をしている宇宙規模の農家をしているので異性の神創兵器を用意してもらうのも良いかも知れない。
獅子王という仮面も在り方も完全に砕いた勝者からの、姉からの提案に獅子王はまた滝のような涙を流して手を握る。
「ふぁい・・・おねがい、します・・・姉上・・・わだぢを・・・わだじだちを・・・もう一度、一緒に・・・」
子どものように泣きじゃくり、嗚咽をこぼす眼の前のアルトリアは。さっきまでの獅子王ではなく、会いたい人に漸く会えた。不安で不安で仕方なかった子どものように泣き続け、戦闘の疲労も相まって華奈さんと揃ってふたりともばったりと倒れてしまった。
「ははははははははははははは!! 見事。実に見事! 獅子王に、聖槍の女神にひたすらに人の力で、想いで立ち向かい勝利する! まさしく勇者、いや、猛き、そして美しき狼である!!
成すべきことを成した。そして・・・戦士として、人としてとことん魅せつけてくれたものよ・・・余も銀狼殿へ下賜するべきものを渡さなければな・・・」
愉快痛快と大笑いしたオジマンディアス王は慈愛の笑顔を浮かべて、聖杯を取り出して華奈さんの胸に取り込ませて格納。
これで、獅子王の、人理を崩壊させていた聖都も崩れ、聖杯もカルデアにわたり、崩壊したこの13世紀のイスラエルの聖都での戦いが終わったんだ。
『しんみりしていたいところ悪いけど! 聖槍が壊れたせいでこの聖都も崩れそうだ! 皆急いでレイシフトを! それと、太陽王オジマンディアス様、華奈さんからこれ預けるから後で返してねっていうものが!』
ただ、ロマニの言葉で見落としていた、この聖都も聖槍の一部。聖槍を華奈さんとベディヴィエールがぶっ壊したので当然機能は崩壊していく。都市としての形を保てなくなる。
あまりの激闘にあたりが既にぼろぼろだったので見落としていたが天井にもヒビが入っているのを見てやばいとすぐにどたばたしつつレイシフトの準備が始まっていた。
一方で、ロマニはオジマンディアス王に何かを手元におくる。
「ほう・・・フハハハ!! 銀狼殿はとことん備えるな! 相わかった! では、次に相まみえるときを楽しみにしているぞカルデアの者たちに銀狼殿! そして獅子王・・・いや、騎士王よ! 勇者殿も乗ると良い。さあ、ここを出るぞ!」
それを見て大笑いしつつしまい込むオジマンディアス王はスフィンクスを呼んでアーラシュさんを乗せてあっという間に聖都を飛び去っていく。
本当に頼もしくて、愉快で、同時にアーラシュさんと華奈さんのファンだったのが面白いくらいの人だった。
「先輩・・・私達も帰りましょう。ここの騎士たちも・・・お母さんのためにも、私達のためにも」
そう言ってモルガンさんの魔術でもう一人のアルトリアさんと、円卓の騎士たちを送り、僕らもカルデアに戻った。
とはいえ、目を覚ました華奈さんは一体あのメンバーにどういう罰をするのだろうか? それが頭から離れなかった。
これにてキャメロット決着。
まあ、女神の神性一つが壊れても他の神性もあるし、竜種の心臓があれば平行世界での死の運命は関係なく弾けるよねって。
竜種で存在のかけらからも命を生み出したり、生きながらえる可能性があるのはメリュジーヌを見ればありえますし。生身でハイ・サーヴァントみたいな状況になっちゃいました。メルトリリスとか水着BBちゃんに近しい存在。