転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 今回ひどいことになるかも。まずキングゥファンには最初にごめんなさい。


華奈こわれる

 「ガウェイン様。あのエルキドゥ? 相手に時間稼ぎはどれくらい出来ますか」

 

 

 「ふむ・・・5分。ですね。ダメージの方も狙えますが、流石に周りの魔獣が邪魔しますし、皆様にも迷惑をかけたくないです」

 

 

 「ええ。守備に置いては連携が第一。穴を開けられると危ないですし勝負は一瞬。千年以上ぶりの戦というのにいい判断です」

 

 

 夜明けを見つつ茶をしばいて城壁の上から襲い来る魔獣の群れ。そこの中でも特に目立つ緑髪の・・・まあ、美少年でいいですか。エルキドゥ?

 

 

 あれに一か八かな賭けですが、使いたい物を使うために皆様に頼んで少しの間守備陣地を抜けての切り合いの許可をいただきました。

 

 

 「ありがとうございます。そして、平行世界とはいえ、獅子王の円卓のことは聞きました・・・同時に、あそこの私や皆様の気持ちも理解できる。だからこそ、魅せつけたいのです先生。私と先生が、カルデアが組めばかの英雄王が認めた意思を持つ神創兵器。偉大なる戦士と同じ強さを持つ相手にも策を撃てるとまず見せましょう」

 

 

 「ええ。ですが逸らずに。いいですか?」

 

 

 「「天使のように繊細に、悪魔のように大胆に」」

 

 

 幼い頃から教えていた言葉。ふふふ。本当に変わらない。愛しい一番弟子です・・・

 

 

 城壁から飛び降りて逆茂木から出て待ち構える。

 

 

 

 「おや、逃げ足は一級の女に、頑丈だけの騎士。旧式二人で僕に挑むのかい?」

 

 

 「ですねえー貴方の強さはわかった。そして、本腰を上げてきた女神の先鋒。勢いをくじかせてもらいましょう」

 

 

 「そういうことです。さあ、旧式二人相手に袋叩きをするためにもう少し話しますか? それとも、新型の、神代の最強兵器の性能を皆様に見せつけるので?」

 

 

 この挑発に相手の方もピクリと眉を上げたあとに残虐な笑顔を見せた。いやはや、美人が怒ると怖いものです。

 

 

 「いいだろう。その挑発に乗ってやる。それに、あのムカつく実況? も潰せればその分悲鳴も大きく響いてくれそうだしね!」

 

 

 「行きますよ、ガウェイン様!」

 

 

 「ええ、先生!」

 

 

 さぁ、いざ勝負。魔獣の群れがぶつかるまでの時間がリミット!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うぅーむ・・・まるで牛若丸様の戦いのよう・・・いや、あれ以上?」

 

 

 「おい。その舌を切る・・・と、言いたいが、うむ。華奈殿の剣技は美しい。そして、ガウェイン殿の剣戟と合わせてまるで舞を踊っているようだ」

 

 

 このヌリカベの言うことなので少し癪だが事実だ。華奈殿の剣戟はまるで天狗のように、あるいは浮雲のようにふわふわと舞い、相手の剣戟を交わし、受け流しつつも、時に瀑布のような鋭く思い一撃を放り込む。

 

 

 必要な動き以外はできる限り真っ向からは受けない我流の気質なれどその分雲のように千変万化の剣。それでいて美しい。

 

 

 そこに合わせるはガウェイン殿の剛剣。いや、剛よりの柔も交えた剣術と言っていいだろう。あの剛力と炎熱をまとう剣でエルキドゥを騙るものに攻撃をし、回避に関してはその豪快な力とは裏腹に華奈殿を思わせる防御の剣術や立ち回りを使う。

 

 

 地面から飛び出る無数の矢玉、エルキドゥを騙るものの手のひらから飛び出る無数の刃のついた鎖すらも受け流し、拘束をさせずに師弟揃って攻撃を叩き込む。

 

 

 「ほっ。ガウェイン様」

 

 

 「はいさ!」

 

 

 かと思えば華奈殿が腕を組んでそれを足場にガウェイン殿が上空に跳んで炎をまとった斬撃を連続で飛ばしたり。

 

 

 「ターン、からのステップ」

 

 

 「一旦離れて、挟み撃ち!」

 

 

 手を組んで二人一組の踊りで避けて左右からの攻撃。踊りながら闘うというのはこのことかと戦場の誰もが目を奪われそうになる。

 

 

 「皆のもの! 盾を構え! 城壁のストーム3,4の皆さんは華奈殿たちが戻り次第急いで迎撃準備を!」

 

 

 しかし、その時間も長くない。単騎で急接近してきたあのエルキドゥもどきに追いつく形で昨日よりも多い数の魔獣が来ている。あれにも対処をしなければいけないが、少なくてもそれは華奈殿とガウェイン殿の二人が引いてからだ。

 

 

「ちっ! チョロチョロと!」

 

 

 「パワーもスピードもわたしより上。攻撃範囲もスゴイ。でも、その攻撃は見抜きました。はぁっ!」

 

 

 華奈殿がエルキドゥもどきの攻撃をかいくぐり、横腹にオレンジ色の三角錐を突き刺す。

 

 

 「エキス注入!」

 

 

 「くっ! 離れろ! 毒・・・でもない。何をした!?」

 

 

 その後はエルキドゥもどきに距離を取られるが、どうやら毒でもない様子。む? 華奈殿は一体何を?

 

 

 「さぁーわたしもよくわからない。賭けですね」

 

 

 「・・・うん。異常はない。なんだ、ただの虚仮威しか。それならその御礼として君たちをスクラップにしてあげよう!」

 

 

 エルキドゥもどきはそのまま反撃の攻撃として地面に手を当ててまた刃の雨を飛ばそうとしていくが、なんでか飛んでくるのは納豆。

 

 

 「!? な、何だこの臭い豆は!? こんなのだした覚えはない!」

 

 

 「隙あり!」

 

 

 「ぐはぁっ!!?」

 

 

 「・・・・先生。とんでもないものを用意しましたね」

 

 

 ガウェイン殿の攻撃がエルキドゥもどきの体を一部切りつけ、とっさに対処するもふっとばされるエルキドゥもどき。

 

 

 何人もの戦士を不思議な方法とはいえ、対処してみせたこの二人に喝采が沸くが、これを楽しんでいる余裕はない。

 

 

 「城壁部隊! 攻撃開始! 華奈殿、ガウェイン殿の周りを支援しつつ二人の帰る道を作りつつ魔獣たちを近寄せるな!」

 

 

 時間切れ。魔獣の群れたちが襲い来るので急いで城壁からの攻撃を開始。銀嶺隊、ストーム4、ちびノブ、ウルクの兵士たちの雨あられの攻撃に、ストーム3のガトリングガンやフラッシングスピアで削りつつ全体の防御はレオニダス殿に任せる。

 

 

 「エルキドゥもどき。そのエキスは毒ではないので死ぬわけではないです。ただ、アルプスの水の妖精の首領パッチというやつと思考がおなじになるだけです。ただ、まあエルキドゥ様と同じ事ができるのなら数日くらい後に効果を抜けきれるかも?」

 

 

 なんでだろうか。先程の納豆が飛んでしまうこともだが、それは凌辱や死よりも恐怖となるものだと何かが訴えている。華奈殿には喧嘩を売らないでおこうとこの牛若丸肝に銘じておこう。

 

 

 「妖精と同じ思考になるだと? 僕は正常だ!」

 

 

 先程の攻撃はなにかの偶然だと攻撃規模を更に広げるエルキドゥもどきだが、出てきたのは麦酒、馬鹿な顔をした胸像、ちくわ。

 

 

 「明らかに異常だー!!」

 

 

 そしてその生み出した粘土の生産物の攻撃はなんでか弁慶に。

 

 

 「おぶっ!?」

 

 

 「弁慶殿ー!」

 

 

 「いいぞもっとやれ!」

 

 

 ははははははははは!! ここまで愉快なことは初めてだ! あんなふうにあの王の全盛期と同じ強さを持つ戦士のまがい物を封殺するとは!! これが華奈殿か! なるほどあのガウェイン殿の師匠。滅茶苦茶だ!

 

 

 「くそっ! それなら肉弾戦で!」

 

 

 「それならこのガウェインがお相手しましょう! 居合い切りボンバー!!」

 

 

 「おぶっ!」

 

 

 もはや大地や自分の体を武器に変えるのは無理だと判断してその持ち前の肉体で圧倒しようとしてきたエルキドゥもどきですがそこはガウェイン殿の、太陽のもとでは夜でもあのとんでもない馬鹿力を誇る力が更に三倍。

 

 

 その太い腕ででの薙ぎ払いは見事エルキドゥもどきの首を捕らえて魔獣の群れを十数匹巻き込みながらふっ飛ばしていく。

 

 

 「皆のもの! お二人に負けることなく眼の前の魔獣を打ち殺せ! でないと手柄を取られるぞ!」

 

 

 「「「おぉおー!!」」」

 

 

 撤退してくる華奈殿とガウェイン殿と入れ替わるように兵士たちで防陣を再度固め、魔獣たちを押し留めている間にやりで突き殺し、城壁からの支援で仕留める。

 

 

 エルキドゥもどきは華奈殿の言葉が確かなら数日はアイツはあの頓痴気な状況で強みの1つを封じられている。魔獣もストームチームなら他愛ない相手。

 

 

 このまま押し切るぞ!

 

 

 「む・・・これは・・・来ましたか」

 

 

 「タイミング的にはありがたいです。同時に相手したらまず勝てない相手ですよあれは」

 

 

 華奈殿が自分の首にあの三角錐をブスリと指しつつ、見ている方向を見ると大地を鳴らすほどの巨体と膂力、鱗をもつ。大蛇のようなもの・・・

 

 

 「あ、あれは・・・あれはティアマト神だ! ・・・ひッ・・・う、牛若丸様! 撤退を! あれは、あれは敵う相手ではないです!」

 

 

 「ぐっ! 尾を払うだけでこの風圧とは・・・! 牛若丸様、お下がりを!」

 

 

 弁慶に引かれつつも、その威容はなるほど、魔獣の女神と呼ぶにふさわしい。黄金の鱗に黒い腹の巨大な尾、黄金の翼に紫色? の髪は先端が無数の蛇に変化しており、赤く鋭い瞳は魔性のもの。金と黒に彩られたその鎧と、美貌は女神と呼ぶにふさわしいがその体躯も尻尾ほどではないが十分に巨人の領域。

 

 

 「あれが魔獣の女神・・・ティアマト神か!」

 

 

 「騒がしいな、人間ども。人類の怨敵『三女神同盟』が首魁。貴様らが魔獣の女神と恐れた怪物。百獣母神ティアマトが姿を見せたのだ。平伏し、祈りを捧げるべきだろう?」

 

 

 「あいにくと八百万信仰ですがここまでひどいことを現在進行系で行う女神はお断りです。ウルクへも立入禁止で」

 

 

 「ええ。それに、なにがティアマトか。貴女は別の女神。いや怪物でしょう?」

 

 

 あの威圧感、巨躯にも全く怯むことなくティアマトの前に立ちはだかる華奈殿とガウェイン殿。先程のエルキドゥもどきとは体格差も、女神故の権能もあるであろう相手というのに怯えすらない。

 

 

 「ご機嫌麗しゅう母上。そして申し訳ありません。眼の前の銀髪の騎士に私の機能が封じられ、露払いを遂行できずに・・・再生の日まで大事に使うべきお体をこの様な場に来てくださったというのに」

 

 

 「なに、流石にあの事態は捨て置けぬ。それに我が子を勝手に弄った相手への罰を与え、魔獣を退けた愚か者への神罰を下すためにも必要なことよ。

 

 

 そして・・・目の前の女がそうか? カルデアの生き残りとアヴァロンの戦士。今持って人間の世にしがみつく虫とは」

 

 

 「ええ・・・そして、魔獣を、貴女の子をお遊び感覚で滅ぼした一角です」

 

 

 「ふむ・・・ならば、石にしてみようか。・・・魔と共にあった白銀の勇者。銀狼の彫像であれば我が神殿に飾る価値はありそうだ」

 

 

 全く好き放題言ってくれる。こちらもまだ戦意は衰えていないというのに! 前に出ようとする私を、手で制するのは華奈殿。あれに二人でいいというのか?

 

 

 そして、よく見ると華奈殿の装いが変わっていた。銀と木、布で作られた白銀の狼の鎧はいつの間にか純白の革の、当世で言うところのジャケット? に変わっていて、背中には大きな文字で『HAJIKE』と狼の模様。頭にはハンチングキャップを被っている。

 

 

 「ほほう。石化の魔眼ですかあ。貴女、ゴルゴーンですね? 全くティアマトを騙るとは・・・己の名前に嫌気が差して使わないんで?」

 

 

 「言うではないか貴様・・・! ならば、その勇者として散らせてやろうではないか! 王も、竜も、魔も認めし戦士よ!!」

 

 

 そういってティアマト。いや、ゴルゴーンは華奈殿に魔眼を向ける。

 

 

 「っ!」

 

 

 「先生!」

 

 

 「うわぁあ~~!!いちごになっちゃうよぉおお!!!」

 

 

 しかし、石像、彫像になるのではなくてなんでか真っ赤な美味しそうな果実に変身していく華奈殿。

 

 

 「なんで!!?」

 

 

 これには思わずゴルゴーンもツッコミを入れるというもの。いやそうだ。魔眼で本来の形にならない。女神のそれでこうなるとは!?

 

 

 「ええい! ならばもう一度!」

 

 

 「おわぁああああ~~~~!! なんのぉおお!! 元に戻れ元に戻れ元にもどれ!」

 

 

 流石に女神もこの不可解さにはもう一度魔眼を使うも、華奈殿が気合で念じると・・・・・・

 

 

 「いよっしゃーもとに戻りました!」

 

 

 巨大な要塞となってゴルゴーンや魔獣に砲撃を開始し始めた。いやだからなんで!!?

 

 

 「あ、あれは無敵要塞ザイガス!」

 

 

 「なぬ! 無敵要塞ですと!?」

 

 

 目の前でゴルゴーン相手に砲撃を持って攻撃をし対応している華奈殿? ザイガス? を見て驚くガウェイン殿に、無敵要塞と聞いて思わず聞き耳を立てるレオニダス殿。

 

 

 「ええ。万人とて突破を許さぬ堅牢無比な要塞。ある妖精の所有物ですが・・・凄まじい」

 

 

 「ぬぅううう!! 何なのだ貴様! まるで意味がわからぬぞ!!」

 

 

 「はははははは! このハジケを理解できないのであれば女神も、新たなヒトとやらもウルクには届きませんよ! そして、良いのですかねえ? 私、ザイガスだけを見ていて」

 

 

 「な、・・・おごっぉおお!!?」

 

 

 ぽふん。と人の姿に戻った華奈殿の言葉と同時に空から降ってきてゴルゴーンの後頭部に直撃する二足歩行の巨大なへんてこな兵器。

 

 

 「プロテウスの最新バージョン。プロテウスシグマ。届けましたよストーム2!」

 

 

 「よぉーし! ストーム2乗り込め! 反撃開始だ!」

 

 

 そこにストーム2のメンバー4人が入り込んで機動。その片方の砲門から放たれる光線にもう片方は砲撃。その威力の連射速度に更にミサイルや何やら小箱からも光線が雨あられとなって光線と砲撃の雨あられ。

 

 

 ゴルゴーンは愚か魔獣たちさえも抑え込むその鋼鉄の異形の巨人が女神を抑え込んでいるこの光景は先程まで絶望で覆われていた戦士たちも奮い立つ。

 

 

 「ぐぐぅう・・・! おのれぇ!」

 

 

 「ぐぅっ! なんて一撃だ! だが、EDFの武装はタフだぞ!」

 

 

 「大尉様たちに遊んでいて良いんですかねえ? 目的は私でしょうが! 喰らえハジケ攻撃、ウルク版清姫伝説!」

 

 

 巨大な尾でプロテウスなる巨人を吹っ飛ばすもそれではまだまだ壊れないようで砲撃は続けられる。その間に華奈殿がさらなる攻撃。いや、清姫伝説ってもしや?

 

 

 再び空から降り注ぐ巨大な釣り鐘。それがゴルゴーンの体をすっぽりと入ってゴォーんと鐘の音がウルクに響く。

 

 

 「ぬぐぅうおぉおお!!!?」

 

 

 「そしてぇ! カネのなる木! 妖精さん印!」

 

 

 「先生! それ鐘違いです!」

 

 

 自分の声が反響して更にうるさくなってゴルゴーンに響くという悪循環をしつつ、更に地面に種を植えれば魔獣の死骸を栄養に育つ大樹に鈴なりの鐘。金ではないのですか!?

 

 

 「そぉーら! そのまま除夜の鐘突きです! 煩悩退散! 煩悩退散! 煩悩退散!!!」

 

 

 ゴルゴーンの体にかぶせた鐘を深山と大樹を支えに少し釣り上げてから作った足場でボルケーンハンマーZDを振るい豪快な鐘撞き。爆音と鐘の音が無数にゴルゴーンの頭を覆う釣り鐘と大樹に実る釣り鐘の音が鳴り響いてまさしく大騒音。

 

 

 「む・・・! 牛若丸様! 魔獣たちが弱っています!」

 

 

 「あ、あの鐘の音、魔獣に、いや清めの力が効いているのか!? い、今のうちに矢玉を打ち込め! チャンスだぞ!」

 

 

 「おわぁああああーーーー!!」

 

 

 「って華奈さんも効いているようですが!?」

 

 

 「あの人魔獣部隊はいるけど本人は人ですよね!? なんで!?」

 

 

 「選手交代、今度は私が女神の煩悩を晴らしましょう! そらそらそら! 千本ノックで鍛えた、餅つきで鍛えたハンマー使いはどうですか!」

 

 

 「うぐっぉぉおおおおおおおおお!! 五月蝿い五月蝿い! いい加減に止めぬかぁああ!!」

 

 

 「ならば今度はこれで対応しましょう! エクスカリバー・ガラティーン!!」

 

 

 ならばと太陽の聖剣の熱戦、炎熱で鐘とゴルゴーンごと焼くガウェイン殿。

 

 

 「はははははははははは。はっははははは!! き、清姫の立場のはずのゴルゴーンが逆に鐘ごと焼くとはまるであべこべ! め、メッチャクチャだ! こ、これが円卓の騎士ですが! あはははははははは!!」

 

 

 三女神同盟の首魁。このウルクの偉大なる母神の名を持つ大魔性をこうも手玉に取るのか! ハジケというのは凄まじい。是非後で華奈殿に教えてもらわねば!

 

 

 「昇竜螺旋! 行きますよガウェイン様!」

 

 

 「はい、先生! この聖なる鐘で作りしは・・・女神を、魔性を封じる鉄の拘束に!」

 

 

 「「大女神アイアンヒートロック!」」

 

 

 「ぬぐぉおぉおおぉおぉあおおおお!!!?!!??」

 

 

 華奈殿が飛ぶ斬撃でボルケーンハンマーと、ガラティーンの熱で熱くなった巨大な釣り鐘をまるで皮むきのように螺旋状に斬り、それを篭手をしたガウェイン殿と華奈殿で動かして釣り鐘は巨大な、焼けた鉄の拘束具となってゴルゴーンを焼きながら縛り付けるという新技を披露。

 

 

 「は、母上! ここは一度引きましょう! 我らの敵は人類だけではなく女神も。そのために母上の体にこれ以上の負担を与えてはこれから先の計画にも支障が!」

 

 

 「く、口惜しい・・・くそ・・・この様な辱めをして・・・殺す。必ず殺すぞ銀狼! 太陽の騎士! 傷が癒えた後に、必ず八つ裂きにしてくれる!!」

 

 

 そう言って尾で体を立て直してエルキドゥもどきと一緒に撤退していくゴルゴーン。

 

 

 「勝ったのか・・・・・・あの大魔性、八岐之大蛇の如き、この大地の神々の母神を名乗れる相手を・・・・」

 

 

 「その通り! たとえ三女神同盟! 魔獣の女神であろうとも! ティアマト神であろうとも! 我らと華奈殿がいればウルクは健在である!!

 

 

 皆のもの! 英雄華奈殿とガウェイン殿へ喝采を、勝鬨をあげよ!!」

 

 

 まだ魔獣は襲い来るが、それもあの二人を見た後では大したものに思えない。それ以上にこの勝報は凄まじい気力と士気を我らにくれた。

 

 

 ああ、なるほどこれは王が銀狼と認めるのも納得だ。まさしく賢く、強く、そして我らが国では大神と言わしめる孤高でありつつも群れに優しい獣。それと美しき銀を合わせて名乗るのもわかる。

 

 

 この様な武者にあえて牛若丸は幸せです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いやぁーモルガン様はいいものくれますね♪」

 

 

 「母上と先生に何度も『ヒロインは私のものよー!』とけんかを売っていたあの妖精のエキスとあそこまで相性がいいとは。お体は大丈夫ですか?」

 

 

 無事にゴルゴーンとエルキドゥもどきを退散させて戦果報告にウルクを歩きつつジグラットに向かう道すがらガウェイン様とのんびり談話。

 

 

 ふふふ。ハジケは私もしたかったですし、いやはやエルサレムでのあの騒ぎのストレス発散になりましたし良かったです。ただ、相当に消費はすごかったので、しようは気をつけないとですねえ。

 

 

 「ええ。ただ、あんまりにも消費が激しいので使用時間は制限をつけるべきですね」

 

 

 「ふむ。まあ、あの魔眼すらも受け流して反撃できるのはスゴイですが納得。なら、カラータイマーでも着けます? それと名前もスーパーウルフ3とか」

 

 

 「どこの光の巨人とサイヤ人ですか! うふふ。でも、そういう機能はいいかも。後で考えておきましょう」

 

 

 「本当ですか! ではでは早速後で家族会議を・・・リモートで良いんでしょうか?」

 

 

 何やら前々から変なことを考えていたようでブツブツ呟くガウェイン様。私を光の国の戦士のコスプレか防衛隊員のコスプレをさせようとしていませんかねえ?

 

 

 ジグラットの階段を歩いていると息を切らしたシドゥリ様が。

 

 

 「はぁ・・・はぁ・・・! か、華奈殿にガウェイン殿!」

 

 

 「シドゥリ様。どうなされましたか。藤丸様、元様たちに異変ですか・・・?」

 

 

 「い、いえ・・・! そういうわけではないのですが・・・その、お二人は急いで玉座の間に!」

 

 

 なにかただ事ではならない雰囲気と焦り具合に私達も先程までのゆるい空気から切り替えて臨戦態勢を整えて急いでジグラットの奥、賢王様のいる場所に。

 

 

 「賢王様! 戦果報告となにかあった・・・あれ? 賢王様は?」

 

 

 「いつもはここで政務をこなしていたはずですが・・・というよりも、この重苦しい空気は一体・・・」

 

 

 「そ、その・・・大変申し上げにくいのですが・・・私達も投影魔術によりそちらの戦いぶりを見せていただいていたのですが、それを見て大爆笑していたギルガメッシュ王が死にました・・・死因は、笑いし死にです」

 

 

 「「・・・・・・・・・ハァ!!!?」」




 はい。ということで首領パッチエキスをぶち込んだキングゥは行動不能。ついでに華奈は臨時と言うか一日3分限定でエクストラクラス「ハジケリスト(見習い)」を習得した。


 尚モルガン曰く「女神対策で敵に使うと思っていたけど予想外過ぎた。まあ、お姉様の行動を予想できないわたしも悪いのですが」とのこと。まあ華奈がアメリカでイグレーヌから首領パッチソード(長ネギ)と魔剣大根ブレード(大根)を受け取っていた時点でお察しでしょうけど。


 型月世界の湖の乙女とアルプスの天然水の妖精と縁がよくある華奈。
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