転生愉悦部の徒然日記 作:零課
~冥界から戻る前~
ニトクリス「同盟者。私の方は礼装のクールダウンが終了するまで冥界でエレシュキガルと過ごします。とりあえずネギたちを栽培することをしようかと」
元「了解。でも、無理はしないでね? 何かあればすぐ来るから」
ギルガメッシュ「ああ、そうだエレシュキガル。冥界の鍵を貸せ。通信手段として使えるし話があるのでな」
エレシュキガル「なっ! ま、待ちなさい! あれは冥界の中でも貴重な宝、そ、そりゃあ三女神同盟に入っていた部分は悪いけど流石にあれは持ち出すのは・・・」
ギルガメッシュ「そうか? 実に残念だ。元とも連絡を取れるし、その機会も増えようというのに」
エレシュキガル「・・・ま、まあ・・・ええ。三女神同盟に加担していた贖罪もあるし、ええ・・・いいわ。か、貸すのだわ。? どうしたの? 顔がひきつっているけど」
ギルガメッシュ「気の所為だ。そして、受け取ったぞ(フハハハハハハハハハハ!! ちょろい! ちょろすぎるぞこの女神!)」
「いやはや、スゴイお祭り騒ぎだわ。花が飛ぶように売れる」
「はい・・・まさしくそのように」
先ほどギルガメッシュ王が冥界から復活を果たしたことで夕方から昼間でかけてのお祭り。祝いの花を求めて誰も彼もがこの花屋に押しかけていた。
私、銀嶺対部隊長のアンナと、アナちゃんで看板娘をしているのだけど実際盛花や水の入った瓶をとっかえひっかえ入れ替えたり水を入れて花瓶をあげたりするのはあの御婦人には厳しそうだもの。
「華奈さんとガウェインさんたち主導によるゴルゴーン、キングゥ撃退。イシュタル。エレシュキガルの引込。ギルガメッシュ王笑い死にからの復活。そして、ガルラ霊によって魂を抜かれていた人たち650人が蘇生。
一日にこれだけの騒ぎが起きれば・・・お祭りも納得です」
「ふふふ。ええ。あ、この盛花は銀2枚よ? あら、剛毅だこと。はい」
「あ、こちらは差し入れを? あ、ありがとうございます・・・」
アナちゃんもすっかり仕事が慣れたようで対応も慣れているし、可愛らしい美貌からたくさんのお菓子やパンをもらったりしている。
ふふふ。笑顔も少しは見せてくれるようになったじゃないの。
「こんにちは。家族に花を上げたくてきたのですが。おや、あのときのお嬢さん。元気でしたか」
「あ、門番さん・・・はい。こうして今は仕事を・・・」
「それは良かった。ここ最近はいい報告が続いて、私達も余裕が増えてきたのですがこうしてまた会えるのは素晴らしいこと。
おっと。あとが使えていますね。アナさん。銀1枚の盛花をください。そしてアンナさん。もう一束そちらのチョイスで」
「毎度あり。でも、何で分けるの?」
「一つは家族に戦勝祝いと王の復活祝いのため。もう一つは北壁で戦った勇者たちの兵舎への差し入れです。これくらいはさせてほしかったので奮発しましたよ」
わたしも盛花をチョイスしつつ、なるほどと納得。兵士としてと家族への。感謝と愛を伝えたいと。ふふふ。記憶力と振る舞いだけではなく心も誠実なのね。
「んーじゃあ、これでいいかしら。いい香りがする花を集めたから兵舎の戦士たちには癒しになるかも」
「あ、わたしの方も盛花のセットをどうぞ」
「おお、ありがとうございます。では、差し入れですが炒った麦豆に岩塩をふりかけたものです。お二人共動き通しでしょうし水だけではなくこれで塩を取りつつお腹を膨らませてください。
では、また何かの機会に」
そういって門番さんは去っていく。記憶力がずば抜けているようだし、どこでも歓迎されていればいいけどね。
「追加の花。用意しましたーアンナ殿。アナお嬢さん。お仕事お疲れ様です」
「ガウェイン様。大丈夫ですよこっちは。もう一山越えればいけそうだわ」
「お疲れ様です・・・あ、ガウェインさんにも差し入れ、ありましたよ」
後ろから大量の花を入れた荷車を引いてきたガウェイン様が戻ってくる。緊急で行われたこの大盛りあがりで花が飛ぶように売れるので急遽、ガウェイン様と私はウチの愉快で今日の大功績と大問題を同時に引き起こした隊長で家族のこともあって格安で仕事を受けたのだけど、日が落ちてもそのパワーは健在ね。
「おお、ありがとうねえ三人とも。この老いぼれの頼みにこんなに安く。無理はしていないのかい?」
「いえいえ。ウチの隊長の馬鹿のせいでもあるし。それに戦にきてこんなに花と触れ合える時間をくれて感謝よ」
「私もちゃんとお給金は王から支払われていますし、これくらい仕事に入りませんよ。先生もよくこういう手伝いはしておられましたし」
「はい・・・それに、おばあさんも、大丈夫です? もう夜ですが・・・」
「大丈夫だよ。私は目が見えていなくてねえ。こんな偏屈ババアの我儘でこうして過ごせるんだ。若返った気分だよ」
思わず驚く。まさか盲目だったなんて・・・それでここまで普通の人のように過ごせる・・・どれだけの聴力と経験を積めばこうなるのかしら・・・だけど・・・
「ちょっと失礼するわね?」
「どうしたんだい?」
体を触診しつつ、ちょっと魔力の流れを見ると・・・やっぱり。栄養失調が一時あったせいかしら。そのせいで体力が落ちてしまってそのままというところね。多分女神たちが攻めてきて、最初の混乱期の間に食糧供給が止まった時期に起きたのかしら。
でも・・・うーんこれくらいなら・・・
「アンナ殿。行けるのですか?」
「ええ。これくらいなら。アナちゃん。果汁を多めに入れたお水を持ってきてくれる? 出来れば3杯分」
「え? ええ・・了解しました」
アナちゃんに水を用意させている間、魔術で体内の治療と解毒。それをしつつ、ガウェイン様に店番を頼んでお店の中で簡単なマッサージ。
ふぅ・・・こんなところかしら?
「あ、あの。水を持ってきました・・・」
「ありがとう。それじゃあ、これをのみつつ、ゆっくりと目を開けてみて。おばあさん。お陰んいかがかしら?」
「・・・・・こ、こりゃあ奇蹟じゃないかい・・・! 目が、はっきりと見えるよ! ああ・・・こんなに、こんなに美人さんだったんだねえ・・・ふたりとも・・・」
「そんな・・・私なんて・・・」
「いやいや。この市でも一番の美人になるよ。そして・・・優しい顔をしているのねふたりとも。ふふふ。孫が増えた気分だ」
うん。これくらいなら問題ないわね。本人の生命力もだけど、病気の影響が多くなかったのも良かったわ。
「ささ、水と、果物、ああ、細かく割いた鶏肉とかも食べて行けばまだまだ死ぬには早いわよおばあさん♪ 今も水を飲んで体の毒をじゃんじゃんおしっこで出せばその分明日は快調になるからね」
「老い先短いのにこんなことをして・・・まったく。どんなお礼をすれば良いのやら・・・」
「じゃ、今度アナちゃんみたいな美人に花屋のお礼として花冠を。私はそうねえー・・・あ、うちの隊長とあってくれると嬉しいかしら。話で聞くとあれだけど、すごく美人で優しい人よ」
ふふ。それにせっかく花屋をしているのにきれいなお花を見れないのはもったいないしね。心から花も楽しんでこそ花や生活も潤うものよ。
「そうですね。話で聞くよりも、いい人は多いですよ、銀嶺隊は。あの人は一番揺るがない正義を持っています」
「あらあら。それはいいわねえ。ふふふ。美人と聞くし楽しみだわ」
「華奈さんが、一番揺るがない正義を?」
「ええ。正義というのは見方、立場でそれは違います。ガラリと変わることもある。だけど、その中ですべての立場に、そして人々に共通する変わらない正義があるとしたら、それは献身と愛。お腹が空いている人にご飯を。困っている人を助ける。これが正義であり、騎士として武力を振るい誇るよりも、常に続くこの戦いをしなさいと言われました」
「戦いは終わればそれで戦士の役目は終えるかも知れないけど、お腹は毎日すくし困りごとはいつも起こり得る。だからそれを手助けしていき、守るのが騎士だ。と言っていたわねえ。そういう意味では、アナちゃんもヒーローで、立派な正義を持つ女の子よ」
皆でアナちゃんの努力を褒めつつ、目が見えるようになったおばあさんと一緒に花屋の仕事は夜更けまで続いたわ。
「さて・・・来たな藤丸、マシュ、元、イシュタル。女神攻略の時間だ。次に行く場所は南の森の場所に行く。一応そこの女神の情報は割れている。南米の最高神ケツァル・コアトル。翼ある蛇、太陽神と呼ばれるものだ。そしてその配下という形だがこれまた神霊。ケツァル・コアトルにて期待していたテスカトリポカの配下にして優秀な戦士ジャガーマン。
こやつらがエリドゥなどを今現在占拠している」
『は、はぁい!? 一神話の最高神! ゴルゴーンよりも神格が上の可能性もありえる存在だぞ!? で、でも男性神のはずだったのに、なんで女性なんだ?』
「あー南米の神話のあり方はだいぶ特殊なのよ。あの神は宇宙から降ってきた隕石に付いてきたなにか。それがその大地の、南米で神となるものを生み出した。その際に人の器に入ることで神となるんだけど、その器の中で女性の時があって、その側面がでているんでしょ」
はぁー・・・要は宇宙から降ってきた生命体が人に乗り移って神様となる。要は実在する生命が巫女、依代となる存在の人と合体して初めて神様として過ごせるという感じ?
『解説ありがとう女神様! いやとんでもないなあ南米は!』
「まあ、それ故に生き残れた部分もある。ストーム3、ストーム4がその神代の戦士であり神、最高神の領域、密林に入り込んで生き残れたのはその異星の生命体という存在と、神に特効が入るゆえにな」
「なるほど・・・ストーム1、2が異星の脅威、そして、神性特効スキルがあるから、ストーム3,4も同じスキルで火力や対策ができたと・・・」
「はい。あのチームは見事に対処をして情報を取れましたが、同時に生きて帰り情報を持ち帰ることがせいぜい。しかし、同時に重大な情報があります。マルドゥークの斧に、太陽神殿があると」
マルドゥークの斧に、太陽神殿? それが大事なのだろうか?
「えーと。すいません王様。その斧はどういうものですか?」
「先輩。これは神話に遡るのですが、神々を生み出した母なる女神ティアマトの話になるのですが、かつてティアマトは多くの神々、イシュタルさんやエレシュキガルさんを生み出して世界を作りました。ですが、その神々が権力を欲してティアマト神に戦いを挑みます」
「その際にティアマトも対抗するために11の子供。まあ、合成魔獣だな。を生み出して対抗した。その中でマルドゥークと呼ばれる神が持つ斧がティアマトの喉を切り裂いたと言われ、その斧は今から貴様らが向かうエリドゥ市に保管されていた。
これに関してもある事自体はストーム4が調べて証拠の写真もある。この斧を使いティアマトの名を使うゴルゴーンを討ち果たす。ティアマトの名を使う以上、この斧の効き目は凄まじいであろうよ」
「まあ、私達もあのときは派手に喧嘩しちゃったし・・・死ぬかと思ったわ。もう二度としたくない。で、その斧をゴルゴーンにね。悪くないんじゃない?」
なるほど。うん? でも同時に気になることがあるな。
「えーと。すいません。再び質問いいですか?」
「なんだ藤丸。好奇心や疑問を持つのは良いが、我は忙しい。手短にな」
「ゴルゴーンが魔獣を生み出せるのはわかるけど、ティアマトの名前を持つ必要あるのかなって。確かメデューサの時点でもその血で毒蛇や毒虫を生み出せるんでしょ?」
「ふむ。良いところを突いてくるな。花丸をやろう。で、まあその答えはゴルゴーンはどこまで行っても魔獣であり片田舎の神の端くれ。毒虫や毒蛇を生み出せても母神、地母神のように魔獣を生み出す。生命を生み出す能力は雲泥の差がある。
『百獣母胎』神々を生み出し大地の土台となる母神、女神なら持ち得るこの権能。そしてかつてティアマトが生み出した11の子どもたちを最高の強さと恐怖を持って生み出すためにその名前と能力を手にしたのであろう。
ゴルゴーン自身が持つ人への憎悪。そこにかつて自分を殺した神々が生み出した人間を憎む魔獣たちを生み出せばあの様な憎悪にまみれた多種多様な魔獣軍団の出来上がりというわけよ」
なるほど・・・この大地で一番の力を出すためにその名前を名乗り、強さを手にするために、兵力を手にするためにゴルゴーンではなくティアマトと名乗る・・・
そういえば、華奈さんが撃退したときも最初は兵士たちもすごく怯えていた映像があったし。うん。怖いよね。
「石化の魔眼にその血は猛毒足り得る蛇の魔獣であり神の成れの果てがこの大地の母神の力を手にしているのは強大。だけど、だからこそこちらも三女神同盟を崩しつつ、その武器を手にして最後の一角、北壁のゴルゴーンを落とすための準備をする。
そのための一歩がこの任務ですね? 賢王様」
「然り。そして相手が太陽神である上にその力を引き出すであろう神殿。そこにはあの女神の神具があるはず。それを壊し、力を落とせばたとえ最高神が相手でもイシュタルで十分であろう。
故に命ずる。南の森とかしたウル市、エリドゥ市に向かいケツァル・コアトルの太陽神殿を破壊したうえでやつを撃破! マルドゥークの斧を確保せよ! 貴様らと同行する戦力は既に門で準備をしている。ぬかるなよ!」
「「「はいっ!!」」」
「はいはーい。ま、やるだけやってみますかね」
賢王様の号令に答えて僕らはジグラットをでた。ここを攻略できればいよいよゴルゴーン。ここの特異点攻略ももう一歩だ!
「いやあー暑いなあー・・・サウナのようだ」
「あつ・・・鎧がきつく感じるのは何時以来かしら・・・は、もしかしたらこれもプレイの一種に!」
「密林と森って・・こんなに違うんですね・・・」
「弱音を吐くな。と言いたいが・・・何度来てもこれは同感だ。自由にフライトしたいものだがなあ」
僕らと合流してくれたストーム4,元スプリガン隊隊長と銀嶺隊からヤマジさんに250人将のテンシさん。さん人もさすがの暑さにマシュと一緒に、僕と一緒にこのうだるような暑さに辟易としつつジャングルを歩いている。
「あ、あの・・・ヤマジさん。銀嶺帯から魔獣の皆さんは借りられなかったのでしょうか?」
「うーん申し訳ない。ウチの大将も賢王様、マーリンの三名で仕事があるようで、それに銀嶺隊。カルデア、アヴァロンにいるメンバーも引き出しての総出での仕事を依頼されたようでなあ。だから向かわせる戦力で良さそうなのってことで俺等になったんだ」
「馬、狼一頭までも全部使っての仕事だし、多分ゴルゴーンへの決戦への備えでしょうね。なんやかんや今まで城壁の補修とか、道路のインフラ整備とかも激しい魔獣の侵攻でだましだまししていたからあちこちボロが出つつあったし、そこの修繕を本格的にして、戦力の再調整ってところじゃない?」
「三女神同盟の一角を落とし、イシュタル神を引き抜いた。ゴルゴーンも動けない。鬼の居ぬ間に洗濯というやつだな。それに、銀嶺隊も負傷者はでている。死者こそいないが、再編成と休養は必要だろう」
なるほど。たしかに基本ウルクの郊外や、激しい戦闘がある場所に行っていないから見落としていたけど、あの戦いで、あれほど精強なウルクの戦士たちでも危ない戦場。銀嶺隊といえども負傷者は出る。死傷者がいないのはスゴイけど、来る決戦に備える意味や再度都市を強化、補填の見直しのためには大勢でとはいかないのかあ。
でも、それでもこれを考えるのはいけないけど、馬の一頭でもあればなあ・・・あ、暑い・・・
「地図上ではあと南に一キロほどの距離でウル市につきます。それまでの辛坊です。先輩」
「ふ。貴様らヘナチョコではガイドもなければ明日もなし! これに懲りたら密林に入る前は現地人にマネーを渡して地面に頭を擦り付けながらこう言うがいい! 『ブエノス・ノーチェス! セニョリータ!』『セニョールセニョール、ペヨーテ食べるか?』と!」
謎の声が上空から響き渡る。それを聞いて
「また来たかジャガーマン! 相変わらず馬鹿なことを吐く珍獣め!」
ストーム4が苦虫を噛み潰したような顔をしながら武器を構えていく。神霊ジャガーマン!? もう来たのか!
「ちっ! 動きが早いわ! 私の弓で捕らえるのも難しい!」
「カバじゃねぇー! なんで誰も彼も私をカバと喩えるのかなあ!」
イシュタルが矢を打つも捉えきれず、そのまま上空から降りてきたのはトラ? の着ぐるみを付けた多分美女のへんてこな存在。
「なんじゃこりゃ!? 珍獣だ!」
「のー! 私は誰でもない! あえて言うのなら密林の化身、大いなる戦士たちの具現! その名はジャガーマン。サーヴァント、ジャガーマンここに見参! ここであったが三度目だなストーム4! そしてなんか変なご一行!!」
多分この時、変なキャッチコピーが見えそうなジャガーマンを見つつ僕らは全員こう思ったはず。
((((ああ・・・華奈(さん)無理にでも連れてくればよかった・・・))))
って。
アナちゃんとおばあちゃんの絡み。良いよね。
そしてなんと外見が史実どおりでおなじみジャガーマン参戦。いやほんと、あの着ぐるみがだいたいジャガーマンの外見の情報をゆるくしたらあっているって知ったときの衝撃よ。でもポジション的には破天荒と天の助を足して割らない感じでボーボボ世界の住人でしょといいたくなった思い出。
藤村さんちょっとハジケすぎやしませんかね。