転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 はい。亜種特異点始まります。とはいえ、二つだけ、理由としては華奈のぶっ放した弾丸での術式崩壊で魔神柱も割と多くが死に絶えたからですね。


怪異まみれ下総
日本の村へ


 「はー帰ってください。流石に今は貴女の稽古の時間もないのですから」

 

 

 「そこをどうにか!」

 

 

 自分のプレゼントがまさかの形で皆さんに求められ、包丁セット、そしてエプロンの作製のためにアヴァロンに召喚した私の領地、そこの鍛冶場を借りて包丁を打っていましたが、そこに突撃してきたのは武蔵様。

 

 

 私は初代翁様と鍛錬を重ねて更に剣技を鍛え上げていましたが、私と更に鍛えているのが武蔵様。最近はブリトマート様もいるのでより鍛錬に熱が入っているようで、まさかウチの誰かを説得してここまで来るとは。

 

 

 「駄目です。そもそも貴女はある程度鍛えているので後は私との訓練で一皮むけるとは思えないんですよねえ」

 

 

 「と、いいますと?」

 

 

 包丁のひとふりを焼入れして、一度金槌を振るう手を止めて武蔵様と向き合う。

 

 

 「ただただ訓練をするだけでは今の貴女は私達の領域に進めないということです。はっきり行って経験不足、その質もちょっと違うんですよね」

 

 

 「なんと! では、どのようにすれば・・・」

 

 

 「それの機会は時が運んでくれますよ。これをあげますので今はカルデアで愛しの元様と愛し合っておきなさい」

 

 

 懐刀を一つ放り投げて、顔を赤くしている武蔵様を掴んで縮地で移動してゲートを開いてカルデアにぽーい。

 

 

 ふぅー・・・実戦経験。それも本気で殺し合う相手に立ち会う、その上でハイレベルな実力者と戦って、死地を超えるのをいくつか味合わないとだめでしょうし真面目に今は私が教える段階じゃないんですよね。

 

 

 そこを越えれば・・・私や初代翁様のように概念を見る。捉えることができれば。まあスタートラインですか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「トホホ。華奈さんに追い返された。たしかにこの業物。しかも・・・何かある? これはもらっておくけど、御仏のくれる縁が来るまで待つのは少し殺生ですよ」

 

 

 「あ、武蔵。いたか。良かった。今すぐ一緒にカルデア管制室に来てくれ!」

 

 

 トボトボと懐刀を持って歩いていた武蔵を見つけ、私は急いで彼女を掴んで管制室に走る。なんか気の抜けた声が聞こえたが、気にしない。今はちょっとしたトラブルだ。

 

 

 「元。到着しました」

 

 

 「よし。揃ったね所長殿」

 

 

 「華奈がいないのは残念だけど・・・まぁー・・・いいでしょう。とりあえず話をしましょうか」

 

 

 オルガマリー所長、ダ・ヴィンチちゃん。そしてロマニに藤丸、マシュ。華奈とストーム1がいないけど、今下手に呼び出して作業が遅れるほうが怖い。主に華奈からのプレゼントを欲しがっている英霊の皆さんからのクレームが。

 

 

 「今回みんなを呼び出したのはほかでもない。特異点が観測されたからよ。それも、極小。一つの街、市位のサイズのね」

 

 

 「そこまでならぐだぐだ時空とかの微小特異点。ほっておけば消えるものだったり、人理への影響も薄いものだったりするものが多い。あとはまあ、あのゲーティアの起こした人理焼却と7つの特異点。あれはこの星に起きた大きな時空間の津波。こういうケースもあり得るというものだ」

 

 

 「ただ、問題なのはその強度でね。サイズ自体はすごく小さいけど、強度はゲーティアの生み出した特異点に匹敵する。しかも、時代的には大きな楔となり得る場所ではない場所に」

 

 

 ふむ。要はやたらと堅牢な杭が人類史のなかでは重要な場所ではない場所に打ち込まれていると。ゲーティアという首謀者が消えた後でこれが起きる。というのはたしかに変な話だ。

 

 

 「正直な話、この時代は基本穏やかな戦国時代を越えたあたりの日本。場所は・・・下総? っていうらしいわね。そこにできた特異点。そこにぜひ行ってもらいたいの。華奈たちがいないままで今回頼んだのは規模が小さいから、調査自体はすぐできるってのが一つ」

 

 

 「後はその理由から拠点やアンカーポイントを作ればそこにすぐ撤退して一度戻れるのもある。それに君たちも特異点を越えたマスターたちだ。華奈だよりでなくてもいけるだろう?」

 

 

 「レオナルド・・・まあ、そういうわけだ。小さい特異点とはいえ、気をつけていこう。ぜひ戦力を選んで、特異点にレイシフトしてほしい。以上だ」

 

 

 「そういうわけで、日本人で、このあたりの時代を知っているかもしれない武蔵ちゃん。是非一緒に行ってほしい」

 

 

 「ふむ・・・ええ。そういう理由なら喜んで! 体力も有り余っていますし、おそらくこれが華奈さんの言う機会かもしれないですし!」

 

 

 何を話していたかは不明だけど、どうやら今回の特異点、武蔵ちゃんにはちょうどよかったようだ。ありがたい。

 

 

 「私も問題なく。アメリカで武蔵さんの実力は見ていますし是非一緒にお願いします」

 

 

 「僕も助かる。元さんもぜひよろしくね」

 

 

 後輩たちもそれで良いようですでに銃と盾を持って準備よし。だ。

 

 

 私も銃と礼装を用意してからレイシフトを開始。日本の下総に旅立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「うーん。家光公の時代で、かつ色々と違う点が見られると」

 

 

 「とはいえ、今のところはなにか大きな変化はないのでしょうか?」

 

 

 「都会のあれこれとか地勢の変化はあるけど。そのようね」

 

 

 特異点で出会ったおぬいちゃんと田助くん。この二人の。というよりは田助くんは赤子なのでおぬいちゃんと話してわかったが、なるほど鎖国する前後の、かろうじて都会に近いかどうか。位の場所にレイシフトしたようだ。

 

 

 「うーん。良ければだけど。お兄ちゃんたちじいちゃまの庵にくる? お茶も出せるし、色々話ができるかも」

 

 

 「おお、いいのかい? じゃあ私達もせっかくだし持っているお菓子を上げよう」

 

 

 「ほんとう? ありがとうお兄さん!」

 

 

 「きゃっきゃっ!」

 

 

 ふふふ。可愛いものだね子どもたちは。そして、おじいちゃんと言えるほどの老齢の方なら家康公の時代からいろいろな変遷を見ているだろうし、なにか変化も・・・・!?

 

 

 空が黒く・・・・?

 

 

 「・・・妖気!」

 

 

 「先輩! エネミーが出現! ゴーストタイプと、日本の鎧武者が来ます。対応を!」

 

 

 「了解! 武者の方は僕が足止めしておく」

 

 

 ドゥンケルの安全装置を外して構えていく藤丸に刀を抜いておぬいちゃんたちを守りつつ立つ武蔵ちゃんに戦闘モードのマシュ。

 

 

 私はドゥンケルを構えつつもスコープを使わずに周りを見れるようにしておく。

 

 

 「私が守るからまずはこの怪異の類を対処しよう。頼んだよみんな」

 

 

 空が黒くなると同時に現れた妖怪の類たち。なるほど今回の特異点らしい問題点が早速現れたというわけだ・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「これが山賊と間違えるほどに出てくるとは・・・うーん・・・これは、本当に気をつけないと」

 

 

 「幸いなのは、出現する際には空が暗くなることですか・・・」

 

 

 「とりあえず、気をつけて進む他無いよね」

 

 

 戦闘が無事終わり。空が晴れる。敵を倒したということだろう。しかし、私達だから対処できただけで、こんなのが何度も来るとならば油断も出来ない。都会などの大きな村や町では防衛が出来ているのかも不安だ。

 

 

 「いやいや、助太刀が遅れたか。見事な太刀筋、そして大盾に銃と面白いものを振るうものだ」

 

 

 とりあえず一息つけそうだと気を抜いていると、現れる額に十字の切り傷と見事な十文字槍をたたえた精悍で快活な笑顔が似合う。僧兵? らしき男。

 

 

 「む? 貴方は?」

 

 

 「拙僧か? 拙僧は宝蔵院胤瞬。しがない僧侶よ。仏僧としての教えと槍の教えを学び、歩んで過ごしていたが二度目のこの虚ろな生をこの場所に英霊として呼ばれたようで、いやはや知識はあれこれあるのだがこれまたどうしたものかととりあえず妖怪の類を切り捨てていれば貴殿らにあったという具合だ」

 

 

 宝蔵院胤舜。日本の槍術、武芸者の中でも知らぬものはない。槍さばきは李書文と同様神仏に達すると言われるほどの絶技を振るうまさしく武芸者の極地の一人だろう。

 

 

 その名前にマシュと武蔵ちゃんも目を丸くする。なにせまあ、華奈も知っていて機会があれば手合わせを願いたいと言っていたほどの戦士だから。

 

 

 「いやはや。胤瞬さんですか。私達はカルデアという。えーと、いわゆる胤瞬さんとおなじ英霊たちと協力して特異点。いわゆる世界や時代の歪みを調査、修正するのを仕事としているものでして。私は元。こちらは藤丸にマシュ。そして、武蔵です」

 

 

 「ほほう。カルデア。うむ。その名前は聖杯で知っておる。星見の組織、当世風の陰陽師組織といったところか。なるほどのお。しかしだ。その星見の組織の戦士が鯉口を鳴らすのは良くない。抜き身の刀、狂犬でもあるまいに。名を知るや挑発とは大いに良くない!

 

 

 そちらの腕前もかなりのもの、思わず構えて襲いかかりそうになったわ。子どもたちや、戦意のない面々がいなければ危ないところであったぞ」

 

 

 「ごめんなさい。私のくせで。強い人を見るとついつい・・・」

 

 

 胤瞬さんの説教に頭を下げる武蔵ちゃん。いやはや全く・・・剣豪。武芸者の極みとなるとスカサハやクー・フーリンに若い頃の李書文のように好戦的になるか、ストームチームに華奈や初代翁のように必要なら買う。かの2極化になるのだろうか。

 

 

 「まあよい。貴殿のような強き剣士と立ち会える機会を逸したのは残念ではあるが同時にそれ以上に理解のある剣士を、それも花のように美しい女性を傷つけたくないのでな。禁欲中の身ではあるが欲はあるもので」

 

 

 「あ、あはは。私も御坊とは切り合う機会を逃したのは残念ですが同じ気持ちです。善き僧兵、それもこの妖怪変化の類を討ち果たす英霊ならカルデアの助けになりそうですし良ければ同行はいかがです?」

 

 

 「うむ。ではよろしく頼み申す」

 

 

 「こちらこそ。それと、胤瞬さんもあまり甘い言葉を出さずにですよ? そちらの美貌。惚れる女性も多いでしょうに」

 

 

 ちょっと警戒をしつつ武蔵ちゃんの前に立って一応ブロック。いやはや、殺し合いの危険がすぎればこれとは。

 

 

 「おおっと。コレは今度はこっちが失礼をした。貴殿の女性であったか。それは失敬。しかし、綺麗であることと強い剣士であることは認めてほしい」

 

 

 「え! あ、あの、元さん。えーと・・・そのお」

 

 

 赤くなる武蔵ちゃんと、その名前を聞いて胤瞬殿が宮本武蔵は男ではないの!? と驚いたりとで愉快な仲間が増えてそのまま歩いていくことに。

 

 

 『ふぅ・・・ようやく一息つけそうです。こちらモルガン。元。藤丸。聞こえるかしら』

 

 

 「モルガンさん。どうしたんですか?」

 

 

 歩いている途中に通信が入り、モルガンの顔が映る。畑仕事の後なのか、少し疲労の顔が見える。

 

 

 『いえ、今しがたカルデアからそちらの状況を聞いて、メディアとエレナと協力して即席ですがそちらの宿用にと結界を作れる魔道具を作りました。

 

 

 そこそこの自信作ですし、なにやらろくでもない気配を感じるので寝泊まりをする、休憩する際は使ってください。お姉様からも差し入れがあるので。では』

 

 

 そう言って通信が切れて、目の前に落ちてくる長財布のような四角い箱に、華奈のお手製クッキーが一籠ぶん。そして何でかグレネード。おお・・ありがたい。ただ、グレネードは・・・スタングレネード? いやなんでこれを?? あ、あとえーと・・・EDFの設置型対地対空用の改良型インパルス。

 

 

 何を想定しているんだろうか。華奈は。




 下総編スタートー胤瞬さん。すごくいい人ですよね。
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