転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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真面目にここの雰囲気はだいぶ怖かったですよねえ。



~アヴァロン~


華奈「はぁー・・・包丁セット完成・・・んー・・・ふぅ・・・おろ? 妖精さん。私の刀は?」


(・ヮ・)「しりあいたちがきたえなおすといってもっていったです?」


華奈「え? それって、ヴィヴィアン様とか、ヌオーちゃんたちが?」


(・ヮ・)「ですです」


華奈「うーむ・・・しょうがない。戻ってくるまで、畑仕事でも手伝いましょう。妖精さんにもおやつをあげるので、後で来るんですよ?」


(・ヮ・)「「「はーい!」」」


英霊剣豪

 「! また空が・・・え? 赤い?」

 

 

 「先輩!」

 

 

 「うん!」

 

 

 マシュの声と同時に感じる気配。妖気。というべきなのか。ひたすらにおぞましい、冥界で出会ったガルラ霊は試練としてぶつかったけど、ここの連中は最初から人を襲い、血肉を求めるえげつないもの。

 

 

 「はぁっ!」

 

 

 「むん!」

 

 

 武蔵ちゃんと胤瞬さんが前に出て荒武者たちを斬り伏せ、突き穿ち、僕らはおぬいちゃんたちを守りつつ、武蔵ちゃんたちの間合いからこぼれた場所から来る相手を対処していく。

 

 

 数は多い。が、まだこれなら大丈夫だろう。

 

 

 「ふぅむ・・・下総とはこのような妖怪の類の祭りとはなあ。いやはや、これでは・・・・な・・・」

 

 

 「うっ・・・この時代、島原の乱が終わった後のこの時代、この場所でこの匂いを漂わせるって・・・」

 

 

 「魔獣戦線バビロニアでの前線を思い出すような血肉の匂い・・・」

 

 

 ふと周りに訪れる気配と匂い、自分たちでもわかる。いやわかってしまう。特異点でいくつか経験した戦争での血肉の匂いでむせ返るほどの戦の匂いが。

 

 

 「むぅんっ!!」

 

 

 胤舜さんがその血の匂いの主の一人に槍を振るうけど、その攻撃を、なんと弓矢で弾き返すという神業を見せた。槍で矢を受けるのではなく、矢で槍を受けるという。どれほどの剛弓なのか。

 

 

 「まあ、なんて槍捌き。槍の鬼のよう。普通の英霊ならこれでおしまいだったでしょうね」

 

 

 優しそうな声でその悪鬼のような気配を放つ白髮の女性。

 

 

 「ほう。拙僧の槍を矢で弾くとはな。下総にはよほど強い女性が集うのか。そして・・・ふむ。これがサーヴァント、英霊の気配か。わかってきた。しかしまあ、これはあまりいい感じではないな」

 

 

 「左様。左様。我ら英霊剣豪六騎。二天一流を収めし宮本武蔵、その槍神仏に届くと言われた宝蔵院胤瞬、そしてカルデアのマスターたち。どうぞお見知り置きいただきたい。我ら六騎、この世を地獄に変えんがために現界したものでございますれば。

 

 

 我が忌み名はキャスター・リンボでございます」

 

 

 そう言って攻撃をしてくるリンボに武蔵ちゃんは対応するけど。いや、まだいる。

 

 

 「そっち!」

 

 

 「む。まさかマスターが対応するとは。しかし、甘い」

 

 

 レイヴンで弾幕を張るけど、あたったのは影。現れる小柄な女性の方も、あくまで小手調べだったのかも。英霊剣豪と名乗る6人の相手がいる。アサシンらしき存在にキャスター、搦手をされ続けるのは嫌だし・・・うーん・・・なにか・・・ガンドは多分読まれる。

 

 

 「せぇい!」

 

 

 「ふむ。天眼。その一撃をも軽々と防ぐか。おぬし、どうやってそれをした?」

 

 

 「いいえ。いいえ。さほど特別なことはしていません。私はあるがままに太刀を振るったまでの事です」

 

 

 「頼光殿・・・!?」

 

 

 「う・・・これは・・・」

 

 

 しかも、頼光さんも英霊剣豪として呼ばれている。最悪だ。華奈さんが金時と組んで、短期決戦で気絶させるためとはいえ深手を負ってようやく倒せるほどの剣士。ウルクでは華奈さんの本気のほうが数段上とわかったけど、だからといって軽く相手できるわけじゃない。

 

 

 元さんも顔色が変わりつつあるし。

 

 

 (どうする・・・この状況に、アサシンもいる。ここを突破するには・・・あ。あれをつかえばいい!)

 

 

 まずこれ以上相手に付き合うのは得策じゃない。大尉たちにも習ったことだ。

 

 

 「武蔵ちゃん、胤瞬さん! 元さん! みんなで逃げよう! マシュ!」

 

 

 「はい! おぬいちゃん。田助くん。失礼しますよ!」

 

 

 「え! えっ!?」

 

 

 「逃がすと思っ・・・」

 

 

 うん。僕の言葉にみんなが意識を向ける。それは、視線が集まるってこと。その間にこれを!

 

 

 「「「「「「!!!?」」」」」」

 

 

 華奈さんが用意した特性のスタングレネード。フラッシュバン。この赤い空、竹藪の中をまるで太陽を直に見たような眩しすぎる光と、耳をつんざいて思わず耳をふさぎたくなる音が襲う。

 

 

 英霊剣豪。おそらく今の時点では武蔵ちゃんと頼光さん、胤瞬さんとあの女武者はほぼ同格か上。ここで6人一斉に相手するのは絶対に駄目だ。

 

 

 走りつつ、適当な影と方向に投げ入れておくのはもう一つの差し入れの設置型地雷のインパルス。対地、対空使用のあれなら、あちこちからの鉄の弾丸の雨と衝撃で面で相手に足止めを強いれるはず。

 

 

 その間に魔力を練って・・・電撃もセット・・・ガンド、それと武器をいつでも撃てるようにしつついかないと・・・とにかく走るだけだ。今は。

 

 

 予備のグレネードと、それ以外にもある変わったEDFの兵器の数々。とりあえず、今はどうやってでもあの状況を逃げ出す他無いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ・・・はぁ・・・撒いた・・・といいけども・・・」

 

 

 「い、一応大丈夫じゃないかしら・・・?」

 

 

 あれから数時間は走り続けたか。足跡を撹乱するように里を経由したり、獣道にそれてみたり、パルクールの応用で木々を飛び回ったりとでとにかく逃げ続けつつ、おぬいちゃんたちのお爺ちゃんがいるという庵まで走り続けた。

 

 

 距離的には短かったけど、直線で向かわずにわざと撹乱するようにしていたので、こうも遅くなったけどこれはしょうがない。

 

 

 「ぜー・・・ぜー・・・き、きつかった・・・」

 

 

 「いやはや・・・阿闍梨の人たちはこういう行を積んでいるのでしょう? 本当に御仏に仕える方々は凄まじいわね」

 

 

 「ははははは。現代の兵器はけったいなものが多いが、いやはや助かったぞ藤丸! 真っ事見事な健脚にその判断力、拙者の弟子にならぬか? いずれは大阿闍梨も目指せるやもしれん」

 

 

 背中をバシバシと叩かれつつ満足げな胤瞬さん。いやー出家するにも今は流石に難しいかも?

 

 

 「なんだぁ。ごちゃごちゃと。おぬいに太助。それに女の侍に、僧兵、奇妙な格好の男女とまあ、賑やかなこって」

 

 

 そして庵からでてきたオレンジ色の髪? を短くして、筋骨隆々の男性。何か仕事をしていたようで汗が見える。

 

 

 「あ、お爺ちゃん。ただいま。この人たちはね。私と太助を助けてくれたの。みんないい人だよ」

 

 

 「ほう。空が何度も黒くなったり、はたまたさっきは赤くなって、その間に今は夜だ。どうしたもんかと心配していたが、そいつは世話になったな」

 

 

 「いえいえ。こちらこそこの子達に教えてもらってここに来ただけでして。あ、私は源 元 カルデアという星見の組織のものです」

 

 

 「私はマシュ・キリエライト。えーと。英霊の力をお貸しいただいているカルデアの職員です」

 

 

 「藤丸立夏です。元さんと同じカルデアの職員です」

 

 

 「私は宮本武蔵。カルデアでしがない剣客をしています。に、してもお爺ちゃん? 若作りしすぎじゃない?」

 

 

 「拙僧は宝蔵院胤瞬。いやはや、この子らの助け合って悪鬼羅刹共から逃げ延びた所存。良ければ一夜でいいのでここで野宿をしていいか」

 

 

 「ふん。まあ、それくらいなら構わねえ。儂は村正と呼べ。それと、寝るのは構わねえが、気をつけろよ」

 

 

 気をつけろ。という言葉と村正の見る視線を追うと地面にそこら中に野ざらしにされている剥き身の刀剣の数々。

 

 

 「は・・・え!? 目利き下手な私でもやばいとわかる業物ですけど!!? え、これ野ざらし?!」

 

 

 「失敗作だからな。まったく。どうにもうまくいかねえもんだ」

 

 

 「いやいや・・・どれも名物となるほどのものばかり。どれほどの鍛造をしてこの極地になったのかわからんほどだ」

 

 

 「ふーむ・・・これはすごい・・・あ、それとなんですが村正さん。少し魔除けをしたいのと、その失敗作の刀、よければ何かと交換していただけないですか?」

 

 

 「アン? いや、そいつは構わねえけど、見たところ大した荷物もねえだろうに、何を出すってんだ」

 

 

 元さんはなにか思いついたのと、魔除けの許可をいただけので早速華奈さんに送ってもらっていた長財布のような四角い箱をぱかっと伸ばすとまるで特撮のグッズのように木箱が伸びて中の木彫りの神社が見えるとあたりに強固な結界が張り巡らされていく。

 

 

 なんでも、ロンゴミニアドの塔としての機能と守りの機能。そこにモルガンさん流の結界術を更に練り込んだ、いわば完全防御シェルターのようなものだとか。しかも気配遮断、隠蔽のおまけ付き。これで、ひとまず英霊剣豪たちがこない、時間稼ぎができればいいけども・・・

 

 

 「こっちはカルデアから木炭とか、玉鋼を用意できるので、そちらが刀剣作製に使用したものを補給できるのですが、どうでしょう。えーととりあえず試供品を・・・」

 

 

 「ほぉ? 魔術とかで拠点から送るのか。しかし、一体どれほど・・・な・・・なんだこの神代の気配をまとうもの、しかも木炭の出来に、玉鋼もそのまま数打ち、ためしものを作れるくらいにはいい出来栄えじゃねえか!

 

 

 お前さんらカルデアの組織には、鍛冶師がいるってのか?」

 

 

 「あ、私のお母さん船坂 華奈という方が鍛冶師・・・ではあるんですが、どっちかといえば・・・何でも屋?」

 

 

 「一応本職は騎士。えーと、いわば西洋の侍なんですが、武将でもあったので領地経営のためにあれこれしていたんですよ」

 

 

 「ほほう・・・まあ、色々気になるが、予想外にいいものをくれた。もとより儂にはこの失敗作の供養と使い道に難儀していたところだ。持っていけ。それと、御代替わりと言っちゃ何だが、ここで飯くらいはだしてやる。今晩は休んでいくといい」

 

 

 まさかのすぐさまここでの休憩をもらえるとはラッキーなことだ。ちょっと堅物っぽい気配があったけど、華奈さんのお陰で大助かり。

 

 

 「あ、そういえば・・・よければ、これもどうぞ。クッキーと言って、お菓子の一種ですけどみんなで食べませんか?」

 

 

 「ほう。どれ・・・・うめぇ! こいつはつかれた体にいいな! その一籠丸ごと入っているのか? ふむ・・・よし、寝泊まりも許可する。代わりに。だ、明日以降でいい。華奈って女のあれこれ聞かせろ。儂もカルデアに興味が湧いたのと、これほど多芸な侍ってぇと、どこぞの独眼竜や藤堂高虎公を思い出す。

 

 

 それになんだかこの身体が嫌にこの飯に反応してなあ。まあ、なんだ。儂にとっちゃー良い客であり商人が来たと思っておく。さっさと来い」

 

 

 「やったわ! タダメシに宿までゲット♪ いやー華奈殿様々ね。コレはウルクでの話とか、色々話してもっと色々貰えれば幸い」

 

 

 「流石にそれはがっつきすぎだぞ武蔵殿・・・とはいえ、実際に華奈殿とやらのお陰で至れり尽くせり。しかも庵の結界に更にこの防護。あの妖怪変化に英霊剣豪とやらを相手にここまで安住の場所をくれるとは、感謝しか無いのぉ。

 

 

 あ、そのクッキーとやら、肉や酒は入っていないよな? うむうむ。それならぜひ拙僧もいただこう!」

 

 

 兎にも角にも、疲れた。元さんと一緒にカルデアにもらっていいという失敗作の刀剣を大量にカルデアに送り、これを華奈さんが再度全部溶かして鍛造して、再度刀を作るための板金にするというデスマーチを再度させることになったのは御愛嬌。

 

 

 いや、数百本もあるって、倉庫からも大量の刀がでてきたときは流石にギョッとした。ふぅー・・・英霊剣豪。なんか、気配が違うんだけど、カルデアの方の解析を明日に聞ければいいなあ。




 華奈が下総にこない理由はメタ的には村正の刀がなくても概念、業切りをすでに使えるし更にフォウ君のプレゼントで強化もされているので翁と一緒に行けばリンボたち勢揃いした最初の場で全員切り倒しておしまいにできるからですね。土気城も要塞化してしまってもストーム1が軽々破壊できますし。


 藤丸君がすぐに逃げる判断ができたのはプロの軍人のストームチームに鍛えられたのと、作戦を練ることの大事さを華奈がウルク、ソロモンで見せているので逃げるが勝ちと考えるようになっています。備えない武勇は無謀なだけ。という。
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