転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 復刻イベント二つも嬉しい


刀の用意

 「うーん・・・なるほどそうですか・・・」

 

 

 『あの英霊剣豪。霊基パターンがひどく変化していてね。バーサーカーの狂化以上の、多分元たちが見たような殺意の衝動と強化を与えるようだ』

 

 

 ロマニたちカルデアの解析情報を聞けば、やはりあれは何らかの形で狂うか何らかの方向性を与えていたというのがわかった。

 

 

 でなければこの世を地獄に変えるという集団に人を守り京を守った頼光さんがあっちにいるという理由がわからない。

 

 

 「そうなると、やっぱり・・・」

 

 

 『華奈のように後付のそのパターン変化を与えた術式を切り捨てる。などができればおそらく多くの英霊剣豪を味方につけられるかもしれない』

 

 

 「うぅむ・・・私はまだその段階には至っていないのが・・・どうしましょう」

 

 

 武蔵ちゃんも落ち込むが、こればかりはしょうがない。十代そこらで仙術の縮地と概念斬り、斬撃を飛ばすなど出来ていた華奈の方も大概剣士としてはいかれている部類だし。

 

 

 『英霊剣豪は強敵だけど、相手のその変化をどうにかできるようにしていければなにか隙をつけるかもしれない。華奈も今はアヴァロンでちょっと動いているようだし、死なないように。相手が未知の部分がある以上慎重にだよ』

 

 

 「はい。情報収集をしていくのと、なにせ人を殺そうとしている英霊剣豪にこの怪異の巣食う下総。可能な限り被害を抑えておくべきですし」

 

 

 通信を切り、とりあえず居間の方に移動すればすでに胤舜さんに、村正さん、そしておぬいちゃんと田助君、藤丸たちが話をしていた。

 

 

 「ほほう。大根やネギで死の槍と斬りあえるとは! はははははは!! とんでもない剣士だ! そんな英霊が世にはいるというものよ」

 

 

 「ったく。鍛冶師で剣客とおもしれえやつと思っていたらトンチキすぎらぁ。しかし、刀もすごいが剣技もあってこそ。か。まるで卜伝みたいなやつがカルデアにねえ」

 

 

 「あ、元さんに武蔵さん。おはよー」

 

 

 おぬいちゃんが気づいて私に手を振ってくれたので手を振り返しつつ縁側に座ってみんなで話す。

 

 

 「華奈だったら、冥界で女神に取り憑いていた神の悪意を包丁一つで切り離したりもしていましたし、多分皆さんも驚くほどの剣士かと」

 

 

 「うんうん。私も何度戦ってもまるで勝てる気がしないほど。本当に剣豪と言えるべき存在です」

 

 

 「ほぉう。儂もいずれカルデアに行ってみたいものだ。それと、おぬい。ちょいとそこの御坊と藤丸たちと一緒にちょいと外で食事と薪割りをやってこい」

 

 

 華奈の話をしつつ、村正さんが私達の考えを見抜いたようで人払いをさせて藤丸たちも外に出てから私と武蔵ちゃん、村正さんの三人に。

 

 

 「さてと。あの赤い空になるときに出てくるってぇいう英霊剣豪。その解析とやらはどうだったんだい?」

 

 

 「予想通り、普通の英霊よりも強化を受けているようでして。しかもあの頼光もいるようでして。それと、おそらく鬼種も」

 

 

 「全く面倒だなぁ・・・儂も一応英霊。お前さん等の手助け位はしてやるが、もとより儂は武人じゃあねえ。真似事はできるが流石に京の守護神、鬼殺しにはやれることはねえ」

 

 

 まったくどうしたものか。他にも多くの英霊がいる。最低でも6騎をどうにかしていかないとこの亜種特異点を攻略はできないはずだ。

 

 

 「ふーむ・・・む? あ、村正のおじいちゃん。その刀はなに?」

 

 

 「ん? あー・・・こいつはなあ・・・大業物と言ってもいいほどのもんだが、何でもかんでも斬りすぎる。もはや妖刀、そっちのほうに行っちまった刀だ。いかんせん大失敗作とも言えるんだが、できが良いのも確か。

 

 

 捨てるに捨てられねえってもんで、置いているだけだ」

 

 

 「へぇ・・・ねえ。良ければその刀。私に譲ってくれないかしら。少しでも英霊剣豪相手に戦える手札という意味では、なんかこれ、すごく良さそうな気がするの」

 

 

 刀を手に取り、その刀身を見て何かを確信する武蔵ちゃん。彼女の経験からくる直感か。

 

 

 「ふーむ・・・小娘とはいえ、一端の剣客くらいの腕は有るようだが・・・こいつぁなあ・・・む・・・おい。嬢ちゃん。その懐刀。儂にも見せてみろ」

 

 

 一方で、村正さんも武蔵ちゃんの、華奈からもらっていた懐刀が気になったようでよこせと言ってくる。

 

 

 武蔵ちゃんもそれを受け渡し、それを見て村正さんも唸る。

 

 

 「ほぉ・・・いい刀だ・・・ふむ・・・しかも、なんだ? 清めの力か・・・? 何かの気配を感じる・・・

 

 

 おい。その刀はくれてやってもいい。だが、代わりにこの懐刀を儂によこせ。こいつをもとに一振り打ってみたくなった」

 

 

 「え。こ、これを・・・? う、うーん・・・あのびじ・・・じゃない。華奈さんからの貰い物を・・でも、いまはなあ・・・どうしましょう・・・・・・・・」

 

 

 「うーん・・・武蔵。いいと思うよ。きっと華奈も、いやむしろ彼女はその判断を喜ぶと思うから交換してしまうといいと思う」

 

 

 ちょっと下心がでていたけど、まあ華奈の、クー・フーリンが即席で扱うのに困らない槍を作れるくらいの技術。それで作った懐刀を手放すのは惜しいというのはわかる。

 

 

 ただまあ、この状況を切り抜けるヒントになりそうな業物を手にできる機会。それなら今はその機会を逃すべきではないはず。

 

 

 「まあ、儂も鍛冶師、出来上がった刀はお前さん等に渡してやる。そのうえで出来栄えを教えてくれりゃ問題ねえ。どうだ」

 

 

 「・・・・・わかりました。実質私のもとに二振りの刀が来ると思えばむしろ得ですし、ええ。お願いします村正のおじいちゃん」

 

 

 「おう。それじゃあ早速刀を解体して、皮鉄の練り具合や折り返しを見せてもらうとするかあ。本来はご法度な行為だが、まあもう儂のものだ。構いやしねえ」

 

 

 悪い笑顔を浮かべつつ早速鍛冶場に移動して何やらバキィン!! と大きな音が聞こえた後に色々とつぶやく声が聞こえてくる。

 

 

 「とりあえず、今はここで大人しくしておこう」

 

 

 「ですね。その間は胤瞬殿と軽い模擬戦を持って腕をなまらせないようにしておかねば!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「折り返しが・・・3万? この懐刀にコレほど・・・ほほう・・・鉄、刀だってのに、清流のような気配・・・清め、禊を相当にしているようなものだ・・・

 

 

 うーむ・・・儂のあの刀とは真逆のようなものだが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ・・・さて、と。これがお前らにやる儂の新作だ。いい玉鋼、刀を使えたのでな。なかなかの自信作だ」

 

 

 あれから2日後。出来上がった一振りの刀と、十文字槍。胤瞬さんの分まで気合を入れて作ってくれたその刀と十文字槍は華奈の渡した懐刀も混ぜて作ったようで、ここで見た失敗作と言う業物たちよりも格が違う出来栄えなのがよく分かる。

 

 

 「わぁ・・・! これは・・・」

 

 

 「ほぉ・・・素晴らしい・・・これほどの業物をいただけるとは。感謝いたします村正殿」

 

 

 「気にするな。人斬り包丁の刀剣に槍。だというのに清めすすぐという考えを持つあの刀が面白かったんで儂も頼んで刀を打てた。しかもまあ試し切りの相手も英霊剣豪と来たもんだ。お前さんらにゃちょうどいいだろうさ」

 

 

 刀や槍を持ってその出来栄えに感嘆の息を吐く二人に上機嫌っぽい村正さん。感じる魔力量もだけど、質もすごくきれいだし、まるで神社の神酒のようだ。

 

 

 「さてと・・・これでひとまず仕事はした。が、お前さんらこれからどうするんだ?」

 

 

 「一応、村正さんの庵にいる間にカルデアのセンサーで調査をしまして、土気城のある場所がわかったのでそちらを目指して行動していこうと思います」

 

 

 「僕も。それにもしかしたらあの英霊剣豪から城下町を守っている英霊もいるかも知れないし」

 

 

 そういうこと。あれほどの濃密な血の匂いと殺気をまとうほどの英霊たちがいてまだこの特異点が保たれるほどに人がいるのは、やはりまだそこまで血が流れていないはず。

 

 

 ここの庵からでていないので確証はないが、大きな変化をカルデアも感じていないのでまずは情報収集と仲間を探すためにも大きな街へ行くことだろう。

 

 

 「ふむぅ。そんなら、儂もついていくか。おぬいと田助の守りも必要じゃろうし、ま、それに大前さんら剣豪たちの戦いを見れるやもしれんしのぉ」

 

 

 「おやおや。じいさまも男の子で。ま、ありがたいわね。刀の手入れも手伝ってくれそうだし」

 

 

 「そういうことならみんなでいきましょうか」

 

 

 頼もしい仲間と可愛い子たちでみんなで向かうは土気城。さてさて、なにか情報があればいいんだけども。

 

 

 

 

 




 刀鍛冶村正さん。依代のエミヤさんのせいで華奈の刀を叩き壊して解析。まあ、原作からして他人の武器をコピーして戦っているのでね。これくらいはするよね。
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