転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 セイレムやそこら辺の歴史を少し調べるとそりゃアーカムとか色々とあの神話的生物のでてくる舞台にもなるよなーって。色々と便利。


夜遊びは程々に

 「あら。あなた達は?」

 

 

 「私はマタ・ハリ。そして隣の子は哪吒太子ちゃん。所謂はぐれサーヴァントって言うべきなのかしら? ちょうど少し前に召喚されて、町を目指していたの。ふふ。日頃の行いかしら? すぐにマスターが二人も来てくれるなんて」

 

 

 「うん、ボクらは運が良い。良ければ手を貸してくれないかな。具体的には仮契約とか」

 

 

 セイレムの森にレイシフトで到着して早々に私達を出迎えてくれたのは踊り子衣装にたわわな肢体を詰め込んだ美女マタ・ハリ。そして西遊記でも有名な哪吒太子。

 

 

 世界で最も有名な女スパイと天界の武将がいるのは心強く、そしてそれに即座に気づいてくれたメディアに感謝しか無い。

 

 

 「こちらこそ。よろしくね。哪吒太子。マタ・ハリさん。えーと。僕はどっちと?」

 

 

 「こちらにはエレシュキガルが居てくれているし、藤丸に戦闘力の高い哪吒を側に居てくれたほうがいいかも。お願いしていいかな。で、マタ・ハリさんは私のサポートを」

 

 

 「了解。藤丸。よろしく。いや、マスター」

 

 

 「こっちこそ。しかし、哪吒太子かあ。カルデアの三蔵ちゃん聞いたら驚くかも?」

 

 

 「む? 悟空の師匠になった法師か。彼女もいるとは」

 

 

 「では、お願いしますマタ・ハリさん」

 

 

 「ええ。素敵な殿方だけあった既に周りにいい子ばかりのようで」

 

 

 「なっ、そんなこと無いのだわ!?」

 

 

 「声を抑えてエレちゃん。ふふ。嬉しいことを」

 

 

 互いに仮契約を済ませて、無事に魔力のラインが繋がったのを確認して一つ状況確認。コンパスと地図でセイレムの街に行く方向を割り出さないといけない。

 

 

 「えーと。ここに行けばいいのか。ふむ・・・しかし、セイレム。清教徒たちが生きるかの土地、そしてインディアンや、他の領地同士でも争う状況・・・

 

 

 ・・・・・やはり、ここは座興などの一座とするべきか?」

 

 

 「サーカスとか、旅芸人ってこと?」

 

 

 「なるほど。確かにサーカスや旅の一座、芸人などは迫害を受けた人々の受け入れ先や、基本的にはその土地に根付いた行動を長くしないので赦される、その場所に受け入れられる側面があります。

 

 

 日本人。東洋の人種を見た経験がまるでないであろう当時のセイレムの人々にも旅の一座で遠くから来た人種と見てもらえればいいのかも」

 

 

 あと、サーカスの場合見世物だから生まれつき障害持ち、体が普通より背が小さいとかそういう差異を活かした芸を見せらるのが逆にお金を稼ぐ手段になり、あるいは見世物としていいものになるからね。

 

 

 そういう意味ではこの方針は悪くないだろう。

 

 

 「その方向で行くしか無いのかもね。で、とりあえず歩いていくとして、でもわたしたちの格好はどうするの?」

 

 

 「メディア。簡素な服などの用意は頼めるかな。なにせ美女が多いし、下手に肌の露出などを見せればそれも騒ぎのもとになりかねない」

 

 

 「分かったわ。全く。正教だか知らないけどほんと堅苦しいわね」

 

 

 それにまあ、魔女裁判、魔女狩りのさいは魔女を裁く。痛めつけるのを記すというこじつけ理由で女性の裸婦画、女体を描くという、当時そういう絵を描くことすらも禁止されていた時代の抜け道になり、場合によっては自分の手の届かない女性の裸体を見たいために密告したという話もあったとかなかったとか。

 

 

 騒ぎのもとは些細なものから消すべき。本当、華奈が英霊時代にブリテン時代で大陸から来たキリスト教の教えとの折り合いに苦労したと言っていたのを少しわかる気がする。隣人を愛せと言っている聖書があるのに隣人を欲望と恐怖で差し出す時代があるんだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「む・・・あれは・・・」

 

 

 しばらく街を目指して歩く中、見かけた少女たち。何やら焚き火を囲んで木の枝を持ち、踊ったり何かをしている。茂みに隠れて遠目から見ているが何らかの儀式だろうか。

 

 

 「儀式・・・?」

 

 

 「・・・ええ。それと・・・やっぱり変ね・・・ここに来て魔術的感覚が鈍る。不便を感じるわ。マシュ、マスターたち以外のみんな。霊体化とかできる?」

 

 

 その儀式のさまを探る。魔術の流れを見ようとしていたらしいメディアが眉根を寄せながら皆に話す。メディアの発言に試していくが即座に気づく。霊体化ができないようだ。

 

 

 「うそ・・・どういうこと?」

 

 

 「確かに。受肉した・・?」

 

 

 「え・・・ここに来た瞬間からってこと?」

 

 

 「たぶんね。そうだとしたら相当に魔術がこの特異点に練り上げられているのと、私がすぐに気付けなかったのからも大分私の知る魔術から外れているものってこと」

 

 

 メディアすらも気づくのに遅れるほどの術の精度、そして英霊を受肉させているというよくわからないがそれをたやすくできること。

 

 

 魔神柱の一柱。それだけで英霊数騎で立ち向かわねば対処できない怪物だったが、それ以外にもなにかあるのか・・・

 

 

 「それと・・・さっきから見ている子もいるのだけど・・・同時に、この焚き火と女の子たちの騒ぎに獣が来ているわね・・・どうするマスター?」

 

 

 「・・・座の一団として旅の際の護身術、ある程度の武力の備えはあると言い訳するとして、助けよう。ただ、今回は近接戦の武器だから、できれば支援は期待しないで」

 

 

 「問題ないです。私も猟銃ということで隠しているものがあるので」

 

 

 「僕は・・・うーん。これ?」

 

 

 アーク・セイバーにフラクチャー、ハーキュリーを構える私達と、彼女たちの悲鳴が聞こえてくる。判断する時間も余裕もくれないらしい。

 

 

 「行こう!」

 

 

 私の合図ですぐさま少女たちを守るように飛び出し、オオカミたちとの戦闘を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あれ、ケモノというよりも魔獣。どうにも、変」

 

 

 「確かに・・・お母さんの軍のオオカミたちよりは格段にしたでしたが、このセイレムの時代に魔の気配を持つ狼とは・・・」

 

 

 「受肉のことといい、なにか大きな変化がおきていると考えるのが妥当かもね。それと。みんな。大丈夫だった?」

 

 

 「あ、はい・・・ありがとう。お姉さんたち。あなた達は私達の命の恩人よ」

 

 

 泣きじゃくる少女たちの中でリーダーらしい金髪の美少女が腰を抜かしながらも僕らにお礼を言ってくれる。それをマタ・ハリさんが抱き寄せて優しくなでつつも、私達が感じた違和感。

 

 

 「・・・私の出力。大分落ちていないかしら・・・? これが生身の肉体・・・人間の体なの?」

 

 

 「エレシュキガルさんほどの神霊もパワーダウンさせている・・・私はある程度大丈夫ですが力は落ちているのを感じましたし・・・ただの受肉。だけではなく英霊としての出力も落ちている・・・?」

 

 

 「うーん・・・今回は大分力を抑えて勝てたけど、この特異点。僕らもだいぶ前に出てサポートをより頑張らないと厳しいのかも・・・?」

 

 

 「まさか今回になって遠距離支援が大事になりかねないとは・・・かといって物騒すぎる武器は多く持てないしなあ・・・」

 

 

 うーん。石とか、釘とかに魔術の術式を組んで威力を上げるとか、肉体強化の術式で威力を上げるとかも考えるか。石ならポケットに忍ばせられるし。拾える場所は多い。

 

 

 「それにしても、皆さんここでは見ないですが、旅の人たちですの?」

 

 

 「あ、はい! 私達はボストンから来た旅の一座のものでして。ここセイレムでも楽しい時間を用意したくやってきたのです」

 

 

 「まあ! お芝居やサーカスね! 私そういうの生まれて初めてなの。楽しみだわ! あ、自己紹介がまだだったわね。私はアビゲイル・ウィリアムズ。気軽にアビーと呼んでほしいわ。それで、座長さんは何方で?」

 

 

 「あちらの元さんという方ですね」

 

 

 「まあ・・・すっごくかっこいいのね。それで座長さん。お芝居はいつにするのです?」

 

 

 目をキラキラと輝かせて先程まで狼の群れに襲われていた恐怖はどこへやら。明るく喜ぶアビーにくしょう。子供はたくましいものだ。

 

 

 「もう少し後だね。わたしたちも旅で少し疲れているし、許可を取らないといけない。ところでアビー。今日の日にちは知っているかな? 我々歩き通しでちょこちょこ曜日感覚が鈍るんだ」

 

 

 「? 今日でしたら、4月21日です。そして、一応西暦は1692年です」

 

 

 (((よりにもよって・・・でも、仕方がない・・・)))

 

 

 あの魔女裁判の時代とは・・・でも、しょうがない。解決しなければ行けない事態だ。しかし、英霊の強制受肉化、加えて出力ダウン。これはハンデが大きい。

 

 

 思案にくれそうな中、一人の中年と思われる男性がでてきた。アビーちゃんのおじさんらしい。

 

 

 しばしの話の後、アビーちゃんたちを救ってくれたお礼に自分たちの屋敷に住んで。一時の宿代わりにしていいとこ許可を得た。

 

 

 とりあえず、住まいの問題はどうにかなったとして。カルデアから華奈も呼べない分、慎重に動くほかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「皆様。お疲れ様です。軽食でもどうぞ」

 

 

 あれから一晩過ぎてカーター家で失礼になりつつ裏で情報収集を重ねて談義している中、入ってきたこの屋敷の使用人らしい少女。紫色の髪を長く伸ばし、帽子を被りメガネを付けている知的そうな美少女。

 

 

 「ありがとう。ところでキミは、いつからここの屋敷の使用人に?」

 

 

 「そうですね・・・この屋敷のご主人、アビー様の旦那様にお仕えしていましたが、とあることからお亡くなりになり、後見人のカーター様が来ていなければ大変なことになりまして。

 

 

 ・・・これ以上は流石に話すのは失礼になるので私はこれで。仕事がありますゆえに」

 

 

 そう言ってでていく少女。ふーむ・・・

 

 

 もう少し周りの話を聞くほかない。大真面目にこの時代。戦乱のない時代だが、狂気をはらんだ場所の特異点。しかも下総とは違い外敵がいないような状況でうまく立ち回るにはどうするべきか。色々と調べていくべきだ。




 セイレムも濃いですねー
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