転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 魔女裁判のアレコレを調べるついでに吸血鬼を調べるとこれどう見てもキスマークや不倫の証拠をごまかすための言い訳やん? ってのもたくさんあって地域ごとにはいい具合に利用されていたようで。


 あとショタ、男の娘、美少年の子種を狙う吸血鬼もいるようで。なおその吸血鬼もとい吸血種の性別は知らん。興奮してきたな。


抑圧されちゃった町。なお自業自得

 「この町は、本当に抑圧されている。いや、自ら教えに従いすぎて、厳格にしすぎて自分たちで自分たちを苦しめているようだ」

 

 

 「特異点とはいえ他教の土地というのを見たけど、ウルクとは大違いだわ。誰もが活力をなくして何かに怯えているよう。銀嶺領の方と比べるのはおこがましいけど、流石にね」

 

 

 町の中で旅の一座ということで宣伝をしながら街を回ってきたが正直な感想はこれになる。

 

 

 教えを守ろうとして互いに互いを監視しつつ、そして鬱憤の発散の場も娯楽も少ない上に、大人同士、農園の地主同士はいがみ合う。

 

 

 仕方がないことではあるのだが、排他的な部分も含めてある意味今までの中でも一番いづらい特異点と言ってもいい場所だろう。

 

 

 「ふー・・・」

 

 

 「あ、座長さん。元気かしら?」

 

 

 「おや、アビーちゃん。元気かい?」

 

 

 「ええ。皆さんの執り成しのお陰でどうにかティテュバもお仕置きは軽くなったし。本当に感謝しているの」

 

 

 実は、昨晩のあの何らかの儀式。異教の呪いを教えたらしいティテュバというあのメイドさんへのお仕置きへも私達が間に入って一緒に謝ることである程度は軽いものになった。

 

 

 アビーもお陰で学校に元気に行けたようだし、その帰りと言ったところか。

 

 

 「それに、座長さんたちの催しも私の友達。ラヴィニアも気になっているのよ? 本当に、このセイレムは足りないものばかりだけど、みんな頑張っている。そこに座長さんたちが素敵なお芝居でみんなを楽しませてくれれば、これから良いことがたくさんあるはずだもの」

 

 

 「その通りねアビーちゃん。ふふふ。ウチの座長はしっかりと良いものを見せられるはずだからね?」

 

 

 ニコリと笑うエレシュキガルとアビーちゃん。先程までよそ者と少しギスギスした対応をされていたばかりに心が癒やされる。

 

 

 魔女裁判の起きた土地だが、その中でどうにか明るい時間を与えられれば幸いだ。

 

 

 このあと、港で怒号が聞こえたので行ってみれば藤丸と哪吒とマシュが船乗りと騒いでいた。哪吒が馬鹿にされたと暴れそうだったのを抑えていたようで。いやはや。危ない危ない・・・

 

 

 とりあえず、雑貨屋の店主さんにもここでいい芝居をすれば私達の評価も変わるかもと言ってくれていたし、頑張っていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜。お芝居の方はなんとか成功を収め、少なくても子供や明るい老人の一部には受け入れられた。とは思いたい。それで一息ついていたところに、外でまた騒ぎが。

 

 

 その内容は、ティテュバが異教の教えの人形を持っていたのだがそれを持ち出してしまった少女の一人が悪魔憑きとなって暴れてしまったというもので、その道具は呪物ではないか。意図的にそれを取れるようにしたのかと。それに関して判事を。しかもボストンから来た上級判事も参加しての裁判騒ぎとなりつつあるようだ。

 

 

 「っ・・・!」

 

 

 思わず動き出そうとする藤丸をメディアが抑えつつ、私とエレシュキガルでマシュたちの視線を一部遮りつつその様子を見る。

 

 

 始まってしまった。魔女裁判が。いよいよここからは告発と狂気渦巻く騒ぎが起こるのだと。

 

 

 ただ、その中で不幸中の幸いと見るべきか。カーターさんからの信頼を得ていたし、そもそもそういう道具を一切持たずに昼以降は催し物の準備のために協会にい続けた私達は不問ということで周りからチラチラ見るもアリバイがあるので何も言われずに住んだ。

 

 

 とにかく、今は傷心のアビーちゃんを慰めつつ、カーターさんの帰りを待ちつつ家で大人しくする他無い。

 

 

 全く・・・どうなるんだこれから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ホプキンスか・・・寄りにもよってあれが来るというのは・・・これからが不安だ」

 

 

 「どういう人なんです? 元さん」

 

 

 「そうだね・・・手っ取り早くいえば魔女狩り、魔女裁判のノルマを越えて多くの魔女を狩ればその報酬や昇格ができるとその制度を悪用した。火付け強盗まがいのことを法律と立場を利用していたやつだ」

 

 

 イングランドでは3年の間に300人以上が絞首刑にさせられ、更には狼男と思われる存在までもを多く処罰していたことをしていたそうだけど、それが逆に教会の逆鱗に触れて追い出された男。

 

 

 しかし、まだその時期ではなさそうなのが問題だ。

 

 

 「下手すれば、ティテュバを絞首刑にさせてしまうと・・・」

 

 

 「ええ。そのためにはあちらにそうさせることを無益と思わせるべきだけど困ったことに・・・」

 

 

 「魔女の存在や異教の呪術がこの町で起きたと思う騒ぎは既に始まってしまった。そのせいでもう彼を余計に刺激しないようにしながらどうにかするほかない」

 

 

 抑圧された。変にビクビクしながら動かないといけないし、暴れるのも得策ではない。面倒な状況だ。こういうときにシンプルに直感と策をすぐに弄する華奈やヤマジたちの存在がいないことが歯がゆい。

 

 

 アメリカで今は魔術協会やエージェントたちと工作やこの特異点の外で処理に走り回っているからカルデアに急いで戻れたとしてもその頃にはこっちも事が進んでいるだろうし、何より今からよそ者がここに増えるのも刺激しかねないのだ。

 

 

 「・・・とにかく、一度ホプキンスと話し合いをしつつ呪物というのを見る他無いのかもしれないわね。」

 

 

 「本当に、私の方もできる限り気をつけて進まないといけないわ。なにせまあ、下手すれば女性のなにかを理由につけて裁かれかねないし」

 

 

 「息苦しいのだわ」

 

 

 全く持ってその通り。ただ、頑張る他無い。このあとにホプキンスと話し合い、メディアを芝居に出さないことを条件にお芝居の開演を許可してくれた。

 

 

 メディアもその間にティテュバの動向を探ってくれるようだし、うまくいってほしいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回の演目はジャンヌ・ダルクを題目にしたコメディもの。魔女と言われて裁かれても天からの祝福をもって聖女と認められた彼女の作品を面白く、そして魔女というワードを多く出さずにだしていくことによって今回も成功。

 

 

 しかし・・・その間にホプキンスはティテュバをこの町の丘。処刑場として使われている場所に連れて行っていた。くそ・・・こっちが潔白を示しつつ、そして町の人の目を集めている間に仕事をするとは・・・かといって逆らえば悪魔扱いしていくのが関の山。

 

 

 せめてと埋葬することは受け入れてくれたけどとことん歯がゆく、そして魔女裁判で関係者が裁かれるその無常さを噛み締めながら私達は帰る他なかった。

 

 

 「ティテュバ・・・そんな・・・」

 

 

 「・・・大丈夫よ。アビー・・・」

 

 

 泣きじゃくるアビーちゃんをエレシュキガルが慰めている様子見ている中ふと背後に感じた視線、見えた異様に白い、蝋人形のような肌の少女の視線が気になった。

 

 

 たしか・・・ラヴィニア。アビーちゃんの友達だったか。このセイレムでは異端として扱われている家の娘だそうだけど・・・何を見ている。いや、何を感じているんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ・・・頭が痛い・・・まさかこうもあっさりと裁判で人を裁き、そして殺す自体を見るとは。戦は見てきたけど、同じ町に住む、不確かな証拠一つで命を奪うというのは・・・堪える」

 

 

 「我々でも妖魔の命乞いには一応耳を傾ける。ほぷきんす。あれは、冷淡にもほどがある」

 

 

 「全くね。でも、あれもまた人の一面とは言える。そして・・・ティテュバの様子を探る間も色々探って、試してみて分かったことがいくつかあるわ」

 

 

 ほう。ティテュバのことは至極残念極まることだが、それでも成果が手に入ったのは良いことだ。この胸糞悪くなる特異点を解決するための手立てであれば良いのだけど。メディアの話に皆耳を傾ける。

 

 

 「まず。わたしたちの霊体化できない状況は阻害されているというわけじゃないの。その逆で私達の肉体を形作る魔力やその機能が異常なまでに刺激している状況で意識的に抑えることができない。

 

 

 しかもそれを維持できるだけの魔力量を常にマスターやカルデア以外、この土地から与えられ続けられているからこそということよ」

 

 

 「ようは・・・常に本来の魔力量を超える量を与えられてパンパンになっているからこそおきている問題ってこと? パソコンを充電しすぎて過電流になっているみたいな」

 

 

 「そういうことね。それほどの魔力を持って私達に魔力供給がこの土地、特異点から行われているせいでカルデアからの魔力を持っての干渉ができない。英霊という独自性を失い、肉体を持つことでこのセイレムという土地に流れ着いた生身の存在の一人にされている。

 

 

 更にいえば、それをされている時点でこのセイレムを形作る魔術形態に取り込まれていると言って良い」

 

 

 ・・・想像以上に悪い情報が来てしまったといえば良いのだろうか。無理やり受肉されてしまい、しかもそれはこの特異点の元凶の手のひらの上にいるようなもの。と。

 

 

 「でも・・・そうなると一番問題なのは・・・」

 

 

 「せいれむでの死は霊基の消滅となる。ということだな?」

 

 

 「その通り」

 

 

 「うーん・・・困ったわね・・・この中では一番の戦力になるはずのエレシュキガルちゃんに、メディアさんの出力ダウンに、私は本当に一般人より少し強い程度。そのうえでこれって・・・がんじがらめすぎるわ」

 

 

 全く持ってそのとおりだ。EDFの予備の兵装。軽いものに限って持っているが、本当にこの状況を切り抜けるには早く魔神柱を倒す他無い。それに。

 

 

 「その情報は感謝するけど、メディア。キミは一体誰だ?」

 

 

 「なっ、何を言っているのかしらマスター?」

 

 

 「いや、うまい具合に私に幻術、感覚を鈍らせていたけど魔力のラインが繋がっていない。そのうえで戦闘はなく、食事もしていないから消耗は少ないとはいえ気になっていたんだ。マタ・ハリのお陰で気づけたけど」

 

 

 「そういうことです。今なら逃げ場もなく、色々聞けますしね。教えて下さいますか。メディアさんの偽物」

 

 

 「む、むぅ・・・しょうがないか」

 

 

 そう言ってメディアが正体を晒そうとする中、カーターさんが帰ってきた。しょうがない。話はあとだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁ・・・本当に・・・痛々しい・・・ホプキンス以外のみなは・・・本気でこれが悪魔を対処できる存在だと思っているのもまた・・・」

 

 

 「しかし・・・警察も、ホプキンス以外のみなは本当に恐れている。ティテュバという女性の魅力や、実利と言ったものよりも恐怖があったと?」

 

 

 「そのとおりだ。魔女への恐怖、もしくはそれ以上のなにか。それを恐れているとしかいえないような振る舞いと顔だったよ」

 

 

 カーター氏から聞かされる情報はどうにもホプキンスや判事以外のみなは本当に職務に忠実で仕事にかまけた、利用したあれこれを考えてはいない。むしろ仕事をいち早く終わらせてしまいたいというものだったという。

 

 

 そこまで悪魔を、魔女を恐れるというのは。いったいどういうことか。

 

 

 「ホプキンスへのおそれではなく・・・恐怖・・・」

 

 

 「そうなると最早恐れるのは神の怒り以外ないと思うけど、一体どうなっているのかしら?」

 

 

 「・・・神。かね」

 

 

 少し話がこんがらがりつつありそうな中、外に感じる気配。

 

 

 「臭う、臭うぞ! 魔の臭いだ! カーター! あびげいるは屋敷で籠もっていてくれ!」

 

 

 「マタ・ハリさんもお願いしたい。守りに入ってくれ。これも・・・」

 

 

 こっそりとマタ・ハリさんにペイルウイングの補助兵装、ショートセイバーとその使い方のメモを渡しつつアーク・セイバーを構えて外に。藤丸とマシュも銃火器を構えて出れば、思わずその光景に唖然とする。

 

 

 「ぐ、グール・・・!?」

 

 

 「い、いやいや・・・ここは冥界じゃないのだわ!? なんでこうなっているのよ!」

 

 

 「狼のほうが良かったと思えるよ本当に・・・!」

 

 

 ノロノロと襲い来るグールたち。強さは不明だが、とにかく対処をしつつ行動する他無い。全く・・・メディアの偽物の件といい、問題が次から次へと!




 サクサク飛ばしまくりつつ進めるセイレム。いや私が下手に書くと冗長になりすぎるんで頑張るのはぐだぐだか水着に本気を入れたいっす。
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