転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 頭にボーボボキメるといい感じに落ち着ける。あれはやはりいいもの


不利な状況こそ違和感を大事に

 「む・・・!?」

 

 

 グールの群れ。幸いにもそこまで強くないことも相まって私達もアーク・セイバーの射程内で問題なく対処できる。だからこそか。聞こえてくる言葉。

 

 

 「ォオォオ・・・イデェ・・・ナンデ、俺だけ・・・首、ガ・・・」

 

 

 「真ナル神・・・ハ・・・我が、心ノ中に・・・あり」

 

 

 「産マサレタのよ・・・でも、堕ロスコトモデキナイ・・・ドウスレバ・・・」

 

 

 「怪物たちが言葉を・・・??」

 

 

 「それに・・・うーん?」

 

 

 藤丸も感じたようだ。うん。今の発言は、おかしい。そして、同時にこの言葉はたしかにそれを言いそうな住人がいる。出会っている。

 

 

 消滅仕掛けている奴らにマーキングの魔術を飛ばしておき、魔除けの術式で撤退させておく。アメリカの原住民のゾンビに関する術式と、中国のキョンシーに関する。所謂骸を操り、そして退ける魔術形態を遣い排除。

 

 

 「っ! 危ない!」

 

 

 「ありがとうマタ・ハリ、エレシュキガル!」

 

 

 「アァアアア・・・」

 

 

 しかし、それでもまだ終わっていなかった。怪物たちが消滅し、あるいは立ち去っていく中見えてくる少女。ティテュバ。首吊りで殺されたはずの彼女が、グールのようになって歩いてきているのだ。

 

 

 彼女のその姿は、できれば見てほしくない人にも見えてしまったようで。

 

 

 「あれは・・・ティテュバではないのか・・・? 確かに、私は彼女を埋葬したはず・・・それだというのに・・・藤丸に、元にも見えているだろうか? まるで審判の日のように死者になったはずの彼女が彷徨いだしている・・・・」

 

 

 カーターさんにも見えてしまっていた。

 

 

 「元。流石に・・・」

 

 

 「マスターどうなさるの?」

 

 

 「短時間で決めよう。それしかない」

 

 

 なにか、普通のグールとも違うとわかる。

 

 

 「ふっ! 重いな!」

 

 

 哪吒がティテュバの短剣での攻撃を防ぎ、対処しながら対処していく。

 

 

 「ほう? なるほど・・・面白い呪詛。いや。それ以外にも・・・ああーなるほどなるほど。ふふふ。同郷のものとして冥府に送ってやろう」

 

 

 その中でメディアと思われる偽物が意味ありげにほほえみ、手を貸そうとしてくれる。が、偽物と思われる存在・・・

 

 

 「待ってくださいメディアさん。貴女はまだ疑いが・・・」

 

 

 「いいから! 私も戦列に加えるんだ! これで疑いを晴らせないけど、後でしっかりと話すから! 女神ヘカテーに誓う!」

 

 

 「分かった。そこまで言うのなら、頼んだよ!」

 

 

 ギリシャ神話の、しかも魔術や冥府の女神であるヘカテーに誓うというその重みを考えれば、信じていいだろう。

 

 

 「いよーし! それなら、速攻でかたをつけよう!」

 

 

 そう言ってメディアは姿を変え。いや、本来の姿に戻る。緋色の髪色に、白い肌に小柄、スレンダーな体に翼を持つ少女に変化。

 

 

 「哪吒。そのまま抑えておいてくれたまえ!」

 

 

 「・・・応!」

 

 

 哪吒もこの状況は早くするべきだと理解してくれたようで矛での動きを変えて短剣ごと体を上から押さえつけて動きを封殺。

 

 

 その間にメディア? の英霊が放つ魔力弾で見事に対処。

 

 

 「・・・ァああ・・・アビ・・・ゲイル・・・」

 

 

 最期にアビーちゃんの名前をつぶやきながら消滅していくティテュバ。ふぅ・・・本当に、どうにか済んで良かったのか?

 

 

 「・・・視線・・・」

 

 

 「二人。少女と。老人のようだな」

 

 

 今の戦い。できる限り早めに、かつ仕留めていたし、周りも狼との対処と思ってくれて周りの方も出てこなかったのに、感じた視線。そこに目を向ければラヴィニアちゃんと、老人がいた。

 

 

 また見ていたのか・・・私達に何を意識しているんだ?

 

 

 「アブサラム・ウェイトリーにラヴィニア・ウェイトリー。むぅ。このセイレムでも異端扱いされている人物たちだが・・・」

 

 

 「たしか、セイレムの皆が信仰する教えとは異なる教えや魔術を紡ぐ、セイレムの錬金術師だったね。いやはや。色々とことが動きそうだ」

 

 

 錬金術師に、異なる魔術。ふーむ・・・謎がまた増えた。が・・・とりあえず、まずはこのメディアに変装していたこの少女を問い詰めることから始めようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて・・・まずは、カルデアとこのセイレム、そして私の召喚と事象を合わせていくとして。まず私はカルデアに召喚されたが、その召喚はカルデアの意図したものではない。

 

 

 後から考えればこのセイレム。この現代の中に現れた特異点という異常さ故に特異点のある時代に干渉している現代のカルデア、そして私の弟子もいる縁あって呼ばれていたのだろう」

 

 

 メディアに変装していた魔女。まさかのメディアの師匠であるキルケーというビッグネームが出てくるとは思わなんだ。

 

 

 「つまり・・・この特異点の発生で現れたはぐれ英霊ってこと?」

 

 

 「そうだね。そしてだがこの異常な召喚の弊害のせいで現代の知識にも一部得られていないのもあるのだろう、カルデアという魔術組織の方を信用できずに逃走しようとしたが外は南極。どうしたものかと考えていればこの特異点だ。これは良いと思い利用することにしたのさ」

 

 

 「で、メディアさんに変装して一緒に特異点に行けばまさかの自分もうまく事を運べない状況になっちゃったと」

 

 

 「ああ、そのとおりさ。うまい具合にマスターを見つけて、私は私なりに特異点を解決しようとしたがまさかこうなるとは。まあ話をまとめると私もみんなもここの特異点を解決するまではカルデアとの通信もほぼ取れないだろうし、運命共同体。

 

 

 そのうえで君たちの振る舞いからカルデアのマスターである二人にある程度信じてみることを考えている。騙していたが、今後は私も隠し事をせずに協力すると誓う。どうだろう」

 

 

 「妖気、魔力は膨大。でも邪気は希薄・・・うむ・・・他意はない。とは思う」

 

 

 哪吒もそう言ってくれているし、実際に魔術工房含めて色々とこのセイレムの中で助けにはなっている。結果論だけで言うのなら信じていいが・・・稀代の魔女。しかもメディア以上に魔術師の神に近しい存在・・・

 

 

 ある意味では気まぐれはあれども本心で動くことが多い神霊以上に難しいぞ?

 

 

 「ふむ。なら私と仮契約を交わそう。英霊として私にいざというときの枷をつけておけばいいだろう?」

 

 

 とりあえずはそうする他無いだろう。不審な魔力の仕様があれば私の方で感じられるし。

 

 

 今はそれで信用する他無い。はぁ・・・どっと疲れが来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから、数日が過ぎた・・・お芝居をこなし、そしてその中で起きる魔女裁判によってウェイトリー家の長老が絞首刑にされたりと・・・ギスギスドロドロがましていて気が参る気持ちだ。

 

 

 ただ、情報は拾えてきた。同時に、ぶち壊すための、おそらくこの特異点を形作る根幹を壊せるためのものが。

 

 

 「ふぅ・・・ここでなら話せるだろう」

 

 

 「話というのはなんですか元さん」

 

 

 藤丸と一緒に話をしたくて、作戦を話していく。

 

 

 「まず・・・最初のグールとの戦いで私はいくらかのグールに魔術のマーキングをしておいた。そのうえでここ数日を過ごしてみて、そのマーキングをしているグール・・・の存在。それの反応がセイレムの町の住人から何名もでてきた」

 

 

 「! ・・・それって・・・」

 

 

 「ああ、おそらくだがこの特異点は魔神柱の魔力と、「セイレム」という魔女裁判の舞台を用いて何かをなそうとしている。

 

 

 ただ、そのやり方。もといリソースに限界があるから同じ人間に昼は普通の人間を。そして夜はグールに一部を変化させて悪魔や恐怖の演出をだして、誰かを・・・おそらく、私達やセイレムにもとからいる異端を首吊りで殺すことで何かをなそうとしていると思う。

 

 

 形は違えど、下総と同じようにこの特異点という舞台を選んで利用しているのだろう」

 

 

 そのうえでまずは私が得ている情報から話していく。信じがたい話だが、私達は死者たちが皮を被る街の上でわざわざ魔女裁判ごっこに興じていた。いや転がされていたという話は流石に驚く。

 

 

 華奈がいれば即座に状況を見抜いて元凶もろとも特異点をぶち壊してくれていただろうが、まあそれでもなんとかこの状況にたどり着けたのは一つ安心した。

 

 

 「じゃ、じゃあ・・・僕らはここからどうしていけば・・・」

 

 

 「一つは、このセイレムの中において異端・・・錬金術や魔術を知っている者たちと接触してみる。危険だけど、私に考えがある。そして・・・もう一つは」

 

 

 「漸く、出番が来た。という感じね」

 

 

 おそらくあの子が鍵となるはずだ。その鍵となる存在と協力を得ればまず半分。そしてもうひとりは、既に後ろに来ていた。

 

 

 「てぃ、ティテュバさん・・・!?」

 

 

 「声を抑えて・・・」

 

 

 「そ。ティテュバのほうはもう首吊りでこの腐った舞台から役割を終えた。死んだの。だからこそ、漸く私は本来の役割を持って自由を得たの。・・・あの人がいないのは残念だけど、ま、借りがあるのは確か。協力するわよ」

 

 

 ティテュバ。いや、セイバークラスで現界したメドゥーサだ。

 

 

 「よろしく頼むよ。キミなら、その魔眼と、アテナの武装に魔獣を生み出せる力ならこの舞台をひっくり返せる」

 

 

 「そうね。ただ、その機会を得るまでは私は隠れているから。んー・・・そうね。仮契約をお願いするわ。アビーもできる限り救いたいし」

 

 

 色々と・・・うん。色々含みのある発言だけどまあ、問題ないかな? とりあえず仮契約をしておいて魔力を問題なく扱えるようにしておく。

 

 

 魔の原初の一つと言ってもいい。魔獣を生み出せる能力を使えるらしい彼女ならこのグールまみれの町の化けの皮を剥がすにはちょうどいい。

 

 

 「藤丸。メドゥーサ。私達はいつもどおり振る舞い、お芝居をしたりするなか、魔女裁判が起こればそこで思い切りその裁判をぶち壊す。そこでこの虚構の舞台を壊してしまえば元凶は動くはず。その元凶を、魔神柱か。とにかくそれを叩き潰して聖杯を取れば事が済む。

 

 

 そうでなくても何かしらこのセイレムの状況にヒビを入れれば特異点の強度が緩んでカルデアとの連絡も取れるようになるはず。やってみないか」

 

 

 「わかりました。僕は思い浮かばなかった。魔術の利用と知識。本当に頼りになりますしお願いします」

 

 

 「こっちこそ藤丸の射撃とガンドの技術。胆力も体力も頼もしい。よろしくお願いする」

 

 

 「じゃ、私は一度隠れておくけど、できれば早めにね?」

 

 

 ひらひらと手を振って霊体化して消えるメドゥーサ。

 

 

 「それと・・・元さんはもうひとりは。誰に合うんです?」

 

 

 「ラヴィニア・ウェイトリー。カーターさんや他の人との話で魔術や錬金術に秀でている。それに、外なる神という存在が気になった。協力要請をしてみるよ」




 セイバーメドゥーサが来た理由。


 ぐだぐだでお酒と血液を交換してそれを用いてオケアノスでヘラクレスをぶっ倒すジャイアントキリングをするわ、姉さまたちを幸せにしてくれたりバビロニアで幼い自分(アナ)と魔獣に成り果てて利用されていた自分(ゴルゴーン)にそれぞれ目的を果たさせて、あるいは眠りをくれて、しかもさらなる戦いと元凶に一発くれたり。


 そんなこんな色々と自分の側面がお世話になっている。かつ好みのタイプの華奈に恩返しとあわよくばカルデアにお招きされてイチャイチャパラダイスしてお酒と本を貪ってしまいたいと来たけどティテュバになっちゃったというパターン。


 アビーの方もロリも悪くない・・・(じゅるり)となっているので保護者が必要ですな。
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