転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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 最初フォーリナーがでたときの衝撃はすごかったですよねーバーサーカーの攻撃が通用しない。ダメージ減少って。


ディアルガとパルキアの悪魔合体=魔女アビーちゃん

 最後のあがきか。カーターのあたまがちぎれて一羽のカラスとなって飛び出そうとしたところを藤丸のハーキュリーの弾丸が撃ち抜いて魔神柱は地面に倒れ伏した。

 

 

 そして、そのラウムは、最期まで呼びかけるアビゲイルによって無惨に踏み潰されて息絶えた。

 

 

 「・・・・・・・」

 

 

 健康的な白さを持つ肌は病的な白さに。髪の色は白髪に。そして額には鍵穴のようにも見える第三の目が。

 

 

 魔神柱に手間取っている間に彼女は魔女と。そして、神を降ろして受け止めたのだろう。

 

 

 「バラの香り・・・ああ・・・アビー・・・貴女は、もう・・・」

 

 

 「そう・・・おじさま。いえ。魔神柱。そして・・・私には、これをしてほしかったのね。人の身の最も尊い幸いはなにか。愛情も喜びもみんな色褪せてゆく。その中で・・・死霊になっても残るもの。それは苦痛。

 

 

 苦痛を持って生まれながらに罪を持つ全ての人間に報いを与える。苦痛を持って贖罪とする。それを、このセイレムで教えようとしたのね。ふふふ・・・それなら・・・私がしてあげる」

 

 

 「止めてください。アビー・・・」

 

 

 「そうだよアビーちゃん。私達はそういうことを望んでいない。それは私の救いではないよ」

 

 

 触手を空間から生やし、膨大な魔力をほとばしらせていく。神霊のそれ。まるでウルクで出会ったイシュタルたちのようだ。

 

 

 「ふふふ・・・大丈夫よ。それも贖罪してあげる。永劫の苦痛を。ね?」

 

 

 「あれはあびげいるであってアビゲイルにあらず。偽りの神。あれなるものを打ち倒せと我が魂魄が訴える。元。藤丸。戦うほかないぞ」

 

 

 「あら・・・できればやりたくはないけど・・・」

 

 

 そういいつつアビーちゃんは触手を襲わせ、更には両手に持つ大きな鍵を空間に突っ込んで壊し、そこかしこから思い切り現れる触手が追撃。

 

 

 「っつ!」

 

 

 「きゃっ!?」

 

 

 「むぅ・・・海の魔と似ているのに、まるで気配や力は違う!」

 

 

 みんなで切り払い、盾で耐えて、あるいは魔力弾で対応するもその威力に、何より空間をガラスのようにぶち壊してしまう攻撃方法。

 

 

 「私はすべての空間を繋げられるし、行けるの。みんなセイレムにしてあげる。つなげて永劫の痛みを・・・」

 

 

 『おあっちゃー・・・よりにもよってそれですか・・・』

 

 

 ふと通信が繋がり、同時に飛んでくる無数の斬撃がアビーちゃんと触手を襲う。華奈!?

 

 

 『いま、特異点の外の黒いモヤ、結界ですかね。が砕かれたんで即座に内部を調査して支援しましたが皆さん。とりあえず具体的かつざっくりとその可愛い魔女ちゃんの正体をいいましょう』

 

 

 「お母さん!? 今結界が砕かれたって! そ、それにアビーさんの神の正体を知っているんで!?」

 

 

 「外なる神を知っているの・・・?」

 

 

 『ええ。それは外宇宙に存在する高次元生命体。外なる神であり、同時にそれはある一人の人間の紡ぐ物語がそれらを見事に言い当てた。魔神柱はその創作神話の話を用いてこの宇宙にとっての『空想』を越えて外宇宙の『実在』とつなげてしまったのでしょう。

 

 

 私も愛読している作品や資料の一つですが本当にこうなるとは・・・全にして一、一にして全なる副王。時空間を自在に移動できる、干渉できる怪物です』

 

 

 はははは・・・ギリシャ神話でもクロノスなどの主神どころか神話の根源になるほどの存在。いわばティアマトなどを比較に出すような怪物の力を降ろしているのか今のアビーちゃんは。なるほど・・・とんでもない・・・

 

 

 『ですが、外なる神と比べればずっと弱い。今私とモルガン様、翁様で結界破壊の影響を抑えつつカルデアからの魔力供給ラインを繋いでいます。討伐は皆様にお任せします』

 

 

 あの斬撃も最初に不意をついてできただけ。今はアビーちゃんの行動範囲を縛るだけで精一杯。セイレムを外に出さないようにするためだけとは・・・だが、同時にそれをこなせるのは私達だけ。やる他無い。

 

 

 「エレシュキガル。全力を出していけるようにする。お願いするよ。令呪を持って命じる。外なる神を打ち倒せ。もう一画を持って命じる。ともに戦う戦士たちに最高の加護を。そして三画を持って勅命とする。最高の勝利を私達に!」

 

 

 「ええ。マスター! 今のこの場は私の最高の場! 冥府の場と化した死者彷徨うセイレム。冥界では私は最強。外なる神だろうと倒してみせるわ!」

 

 

 「ふみ。それなら私も支援しよう。わが女神、信仰するヘカテーは魔術の神でもあるが冥界の神でもある。冥界の女神エレシュキガル。存分に暴れてくるといい」

 

 

 加護を二重に得て水を得た魚のようにイキイキしていくエレシュキガル。

 

 

 「はぁあっ!」

 

 

 「門よ開け!」

 

 

 地面から飛び出てくるトリケラトプスの頭蓋骨と触手がぶつかり衝撃が走るがその勢いはトリケラトプスの頭蓋が勝ち押し込む。

 

 

 「くうっ! なんの!」

 

 

 「遅い!」

 

 

 ふっとばされるも受け身を取り鍵を空間に突き刺して回すことで私達の周りに飛び出てくる触手たちを哪吒が脚の炎と矛でふっとばす。

 

 

 もとより妖怪たちと戦い抜いてきた天界の名将。多数の敵を切り払うのはお手の物か。

 

 

 「戦闘は不得手だけど・・・これなら行けるわね!」

 

 

 「先輩、元さん、ラヴィニアさんは私から離れずに! 守り抜きます!」

 

 

 そして取りこぼしもマシュとマタ・ハリが守り、私達は魔力の補給や礼装での支援に努めて行ける。

 

 

 この戦いは冥界と空間を操る神の何方がこの空間を制圧して勝利できるか。アビーちゃんがエレシュキガルとキルケーの冥府の領域と加護を壊せるか。私達がアビーちゃんの力を抑え込む。あるいは今神降ろしの状態となっているのをどうにかできるか。それにかかっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ・・・どうにか・・・どうにかなった・・・ね・・・」

 

 

 「ええ。みなさん。本当にごめんなさい。私は・・・」

 

 

 「問題ないわ。悪いのは魔神柱。アビーちゃんは利用されただけだもの」

 

 

 一昼夜かけた激闘の果てにどうにかアビゲイルを正気に戻す。もとい今はその外なる神の力を発散させたか、あるいは眠らせることに成功したか。一息つけることができて骸と死臭塗れる陰気なセイレムの街から離れて海の見える小さな丘で一息をつく。

 

 

 アビーちゃんもこうして何度も謝罪をしているけども、真面目に魔神柱が悪いであろうことは察しが付いていた。いたいけな少女の心を利用してああするやり方はたちが悪い。

 

 

 「ふぅ・・・崩壊寸前だが・・・ようやく来れたか。セイレムに」

 

 

 「「「なっ・・・!!」」」

 

 

 ラヴィニアちゃんたちとこれからどうするか。そこを考えていた矢先、後ろから歩いてくる男性。いや、カーター。魔神柱がまだ生きていたかと急いで構えるが。

 

 

 「いや、待て。魔の臭いはするも彼自身は魔の気配も、邪気もない・・・魔神柱・・・じゃない・・・?」

 

 

 哪吒が疑問を浮かべ、そしてカーターも両手を上げて無抵抗のポーズを見せた。

 

 

 「勘弁してくれ。私は強くないし戦う意志もない。私は・・・そうだな。時空を旅する紳士と思っておいてくれればいい。そして。おそらく君たちが私に警戒しているのは私の肉体を奪ったものじゃないかな?」

 

 

 「え・・・じゃあ、本物?」

 

 

 「おそらくはそういうことだろう。私はある使命。キーワードは海。そしてタコ。を追うために深い眠りについて精神世界に移動していたのだが、その間に肉体を盗まれてしまったようでね」

 

 

 「それが魔神柱だったと・・・?」

 

 

 「そうだ」

 

 

 なんというか・・・魔神柱はどこまで人に迷惑をかけるのか。少なくてもこのセイレム、そして現実のアメリカ市民数万人。そしてラヴィニアちゃんの一族に、そして本物のカーター。たった一柱だけで、数ヶ月の準備期間でここまでのことをできる当たり、腐っても魔神柱。か・・・

 

 

 「それにこのセイレムは私にとっても縁深い。先祖の土地でもある。故に、縁をたどり、あるいはそこに行けるのは私はできる。このように。それに、私はどうやら怪異に巻き込まれやすいようでね。下手にこの土地をひっかき回せる存在が来るのはあの魔神柱。ラウムにとっても嫌だったのだろう。

 

 

 だから乗っ取られた肉体を使われたわけだが・・・申し訳ない」

 

 

 「いえいえ。それは貴方は何も悪くないですもの。気に病まないで。でも・・・肉体は一体・・・?」

 

 

 「あの魔神柱は非常に、いや悪魔らしく律儀な性格なようでね。間借りしている肉体は死に際に五体満足で返却してもらっている。

 

 

 ただ、そのおまけというべきか。その肉体に刻まれた情報をたどり君たちのこともある程度知っている。アビゲイル・ウィリアムズ。そしてラヴィニア・ウェイトリー。私は君たちを求めてはるかこのセイレムに来たのだ」

 

 

 うーむ・・・あれほど悪辣なことをしたというのに、契約に遵守する部分は変容しても下の魔神の部分か? 一応ソロモン王のもとで神との契約に基づいて仕事をしたり、認めた相手には加護を与える魔神も多くいたようだしなあ。

 

 

 そして、彼が来た理由は、アビーちゃんとラヴィニアちゃん?

 

 

 「私を・・・?」

 

 

 「え・・・なんで・・・?」

 

 

 「ふむ。まず。アビゲイル。君は既に生ける銀の鍵となっている。あらゆる時間と空間を開き、行き来できる存在となっている」

 

 

 「え・・・で、でも私は今はそんなことはまるで。お兄さんたちと戦っていたときはできた気がするけど・・・」

 

 

 「それを使いこなすにはコツがいる。その力は人の身でありながら神々と対峙する、身を守るには有用な力だ。そこで、君たちには提案をしたい。選ぶのは君たちだ。一つは銀の鍵を永遠に封印して記憶の一部を忘却して望む時代に向かうこと。

 

 

 もう一つは私と一緒にこのセイレムを出て見果てぬ時空、深淵の宇宙への旅をするか。だ」

 

 

 いやいやいや。情報が多すぎる。まず。記憶の忘却術に、あの時空間を行き来、操れる力の制御方法を知っている!?

 

 

 「す・・・すごいのですね・・・紳士さんは・・・」

 

 

 「時計塔にいればあっという間に冠位の位をもらえていると思うよ・・・」

 

 

 同時にあまりの胃痛の種になるのは目に見えているから、まあ・・・下手すれば封印指定案件だろうけども・・・それくらいにはこの人の言っていることややろうとしていることはぶっ飛んでいる。しかもその目や口ぶりから嘘でもないのは感じられる。

 

 

 「弥勒のようだ・・・しかし・・・それは聞こえはいいが・・・」

 

 

 「うむ。聞こえはいいがその実この時空、宇宙の船から飛び降りるというようなもの。ただ、ここで消失を迎えるよりはいいと思う。二人でしばらく考えておくといい」

 

 

 そう言ってカーター氏は偶然であった二匹の猫と対話をして彼らも連れて行くことを決めたようだ。しばらくアビーちゃんたちもどうしたものか。色々と考えて話していたが、答えはほぼ決まっていたようで。

 

 

 「私達、おじさまについていきます」

 

 

 「私も・・・一族の悲願は果たされた・・・その神がアビーにいるのなら・・・その神の・・・お側にいるのが、役目だし・・・・それ以外の外なる神も、見てみたい・・・」

 

 

 アビーちゃんは友達と一緒にちゃんとした大人と猫とセイレムを出て旅に。ラヴィニアちゃんは家族を失ったけど一族の悲願を果たし、しかもその依代と言ってもいいアビーちゃんという友達であり信仰するべき神の存在といっしょに旅をする。

 

 

 カーター氏もアビーちゃんたちの知識と力を失わずに済む。まあ、彼女たちに自由意志と選択を選ばせている以上最悪彼女たちがここで消えるのを選ぶ。記憶の忘却を選べばそれも良しとしている以上それでもよかったのだろうが、彼の旅の助けになる力故にその幅はこれから広がるはず。

 

 

 「なら。共にゆこうか。いかつい中年だけならまだしも猫ちゃんもいる。きっと良い旅になるだろう」

 

 

 「うふふ。おじさまも素敵よ。それに、この力を学べばいつか座長さんたちのいる場所にも助けに行けるかもだし。ね?」

 

 

 「う、うん・・・今度は、私達も助けに行きたい・・・恩返しを」

 

 

 最期はふたりとも子供らしい笑顔を浮かべ、三人と二匹で空間をわたり、私達の前から消えた。またね。アビーちゃん。ラヴィニアちゃん。また会えることを。

 

 

 「ふー・・・今回は色々とあってすごかったけど、少しでもお役に立てなら嬉しいわ。じゃあね。カルデアの皆さん。ふふ・・・また会えれば嬉しい」

 

 

 「うん。いつかまた。力が必要なら呼んで欲しい」

 

 

 「はぁー・・・まったく人騒がせな特異点だった。私の弟子のいるカルデアに行くのもいいが・・・君たち気が多そうだからなあ。うーむどうしたものか?」

 

 

 マタ・ハリと哪吒、キルケーもセイレムの崩壊にあわせて退去。最初から。というかまさかの同行した英霊すらもイレギュラーまみれだったけどそれでもどうにかこのセイレムを乗り越えられたのは良かった。とりあえず・・・グールたちを相手し続けているのもあっていまひどい匂いだろうし・・・帰ったらシャワーを浴びたいなあ。




 セイレムはこれにて終了。次回は召喚。


 思えばゼパルにラウムとことごとく魔神柱ら女性を利用しようとして目的へは行けそうだけど快楽堕ち捺せられたり踏み潰されて死亡したりでろくな目にあってないね。というか素質を持つ人材を選ぶのと環境はグッド。ただ、その可能性の上振れというか潜在能力を見抜けなかったのが敗因?
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