転生愉悦部の徒然日記 作:零課
~アヴァロン~
華奈「よしよし。二匹ともいい子ですねー」
グガランナ2号「モー」
エール(エレシュキガルについてきたらしい鹿。命名は華奈)「ピー」
華奈「ふふふ。とりあえず、ウチのハチ、花子、黒介、マチ子、栗毛たちと一緒に遊んで、ご飯とお風呂はしっかりしますよー」
グガランナ2号「ぽえー」
エール「ぴむ」
華奈「うふふ。あ、こら。麦を食べに行かないの。そこも教えないと。ちゃんと雑草を食べて、毒草は教えるようにしないとですねえ」
「いやー参りました。なんか祭り上げられていたら埴輪になっていまして。あ、それと感謝を。私は上杉謙信です」
「え。まさかのあの越後の龍? まじで? 女性だったの??」
「まさかあの上杉謙信が斯様に凛々しい女性だったとは・・・」
埴輪の群れを率いる妙に強く、そして妙にネコみたいな鳴き声で襲ってくる埴輪を卑弥呼パンチで砕いてもらったらでてきたのは白髪の美女。
いやはや・・・今度は上杉謙信かあ・・・大真面目にビッグネームじゃないか。この分だと武田信玄も出てきそうで怖いなあ。
「そうですよ妙にめんどくさい剣筋をしていた貴方。もっと自由に気持ちよく。でも読めないメチャクチャさを持ちなさい。そう。華奈殿のように」
「そいつはお褒めに預かりこうえ・・・え? 華奈さんって人知っているの?」
「? ええ。英霊の座にいるときに度々ブリテンの塩と料理と酒をもらいまして。ついでに何度も切り愛をしていまして。いやーあれは楽しかったです。本気出してもまるで敵いませんでしたから」
「ええ・・・」
「華奈さん。英霊の座でもこんなことしていたんですね。そりゃあ、私も圧倒するくらいはしちゃう? いやでも、沖田さん天才ですからね。すぐに追いつきます!」
「あはは。おや、貴女も華奈さんを知っているのですね。カルデアという組織にいると聞きましたが。ま、とりあえず話を聞きたいのもありますが、ちょうどいいので付いていきます。面白いことが起きそうですし」
そんな理由で良いのか・・・いいのか・・・? まあ、いいかあ・・・とりあえず頼もしいし、義で動いてたという戦国武将なら信頼も置けるはずだし。
お酒の方、木苺とか、米酒とかは作ったけど、魔術での熟成。川での揺らしができているかなあ。
「よっ。マスター。あー藤丸だよね。今ちょっといい?」
「ん? どうしました?」
大きな石を使って水洗いした貝殻を細かく砕いて肥料にしようとしていたらふと来た一ちゃん。以蔵さんとも無事に仲良くできた。というよりは卑弥呼のあのお仕置きと食事がストッパーになっているのか喧嘩はせずに過ごせているのが嬉しい。
あとまた神殿を攻略して埴輪から出てきた上杉謙信も防御柵の設置に勤しんでいる中だけど、どうしたんだろう?
「いやね。ちょっと話をしたくて」
「あ、じゃあそれならこれどうぞ。笹の葉茶と、どんぐりクッキーの木苺ジャムサンド」
「ありがと。うーん・・・うまい! で、大したことじゃないけど沖田ちゃんのことさ」
沖田ちゃん? どうしたのだろう。
「いやね。昔と違うんだよな。あの頃の沖田ちゃんといえば敵からは無闇に斬り殺すやべえやつ。味方からも鬼の師範代と恐れられてなあ。そんなやつだから味方からも距離を置かれていたんだわ。笑う時も近所のガキと遊ぶときだけで、それも笑うしか無いって感じでな・・・」
「沖田さんがそんな感じだったんですか・・・」
うーん・・・重い・・・
「僕と沖田ちゃんは試衛館時代からの付き合いで、まー相手が幕府ゆかりの偉い人だろうと容赦なくしばくし、いいとこの子供だろうと容赦なし。その頃はまだ心から笑えていた。だけど、新選組に入ってからは辛気臭く笑うことが増えてな・・・」
新選組、同じ旗のもとに集っていても身内の粛清が多すぎるし、あの時代でどれだけ頑張ってもことが好転しない。色々と背負う重圧と、病のせいで心身が参っていくのもあったんだろうね・・・
本当に、それを知っていると。うん。今の沖田さんはすごく違うよね。
「新選組を始めて、終わって、沖田ちゃんの最期は立ち会えなかった。だけどさ、久しぶりに再会してみれば華奈さんとやらの話をすれば頬を赤くしてまるで恋する少女のように朗らかで、銀嶺隊の話をするときは心底楽しそうで、嬉しそうだった。あの沖田ちゃんをそうさせるほどの女傑ってのはどんな人なのかねって。
・・・・・・・いや、というか何なの? 沖田ちゃんの不治の病も即効で治すわ、明るく人斬りも排除もするけど、それはそれとして色々自由度増しているからさあ。どういう人なの? あの上杉謙信も認めるほどの、埴輪状態でもクソ強いあの越後の龍に認めさせるって」
「あー・・・えーと・・・そうですね。戦術の方はすごく鋭いけど、何より備えを考える人で、剣術は化け物で、そうですね・・・多分一番変な人だからその刺激を受けたのかも?」
新選組でも距離を引かれるような剣術、強さでも華奈さんは子どものようにあしらうし、銀嶺隊の隊員たちもそれを見て「すげえ剣術だ! 勝負お願いします!」「いやーかっこいい。指導をしてもらいたい! 無理でも実戦勝負の経験をいざ!」「ああ、その突きも切り払いもいいわ! もっと私を痛めつけなさい! ありがとうございます!」って感じでむしろその強さを学ぼうとしたり、なんかマゾがこぞって来たりするし。
魔獣たちも懐くしでまあ、距離を取らないし強さも異質さも問題なく受け止める。うん。変人かつ個性的、そしてそういうのも受け入れる素養と華奈さんが一番変な人だからあれくらい問題ない。ってのが応えなのかも。
それを話せば一ちゃんも苦笑。
「なるほどね。変人かつ、その変人たちを受け止める器、許容量があるからこそ沖田ちゃんが子どものように、いや。子供らしくようやく振る舞える時が来たんだな。
ありがとう。そしてよろしくな。あ、そういえば今日はなんか美味しいご飯を貰えるみたいだし、頑張ろうな」
そう言って手をひらひらと降って見回りと防御策の用意に戻る一ちゃん。うん。華奈さんも私もしっかりと沖田さんと仲よく過ごすよう頑張るよ。
「にゃー雑味はありますがシンプルに味の良い塩! そして・・・ほほう。まるで瓜や金平糖を混ぜて飲んだように甘い果実酒・・・! こういうのもあるのですねえ・・・美味しい! 塩の次は甘みを・・・うーん。どんぐりのクッキーもいいですねえ」
「わははは! おまんもいける口か! この酒も飲めい! 良い米酒だぞ!」
「どれ・・・うーん・・・スカッと透き通る味に突き抜けるような酒精。ふむ。炭で綺麗にした水と、そして米の質が良ければこれほどに・・・いやーこれは止まりませんね」
「あの、流石に飲み過ぎでは・・・?」
「いやー・・・これ、製造が追いつくかしらね?」
まさしくザルとはよく言うべきか。いやワクか。どんどん酒を飲んで楽しんでいる以蔵さんと謙信さん。なんというか仕事を終えればすぐさま真っ昼間からでも飲む当たり、ホント時代だなーというのもあるが、飲み過ぎである。
流石酒と塩を飲みまくった挙げ句トイレで乙ったという呑兵衛毘沙門天の化身。私も果実酒と米酒は魔術と言うか錬金術の応用で発酵、熟成を利用してたくさん量産しているけど、いや真面目にこれはどうなるか・・・?
生産体制にこの二人にも手伝いをさせるべきかと考える中聞こえるレイヴンの銃声。新選組もどきか!?
「先輩! 元さん。皆さん急ぎましょう!」
「おうよ・・・っっと・・・くそ・・・水をっと・・・!」
「おやあ、ふふふ。今の私は加減が利きづらいのに、ま。いいでしょう。民草を荒らす輩。容赦はいりませんね」
藤丸たちが危ないと察知して即座に武器を持って移動。酔ってふらつきつつ水を飲んであとからついていく以蔵さんに、すぐさま戦闘モードに入って槍を持って私等を追い抜いていく謙信さん。うわぁ・・・本当に凄い早い。
「新選組もどきです・・・! 人も操っている?!」
「ちっ・・指揮官から潰していくべきだね。マシュ。藤丸を頼む」
「了解です!」
「マシュ、元さん。沖田さんと謙信さんのサポートをお願い!」
謙信さんと沖田さんが豪快にバスバスとゾンビ新選組もどきをぶっ飛ばす。ちぎっては投げちぎっては投げというのがこれほどにわかりやすいほどの無双ぶりはそうなない。
「おっとと・・・少し酒を抜けてきたきに。死ねやぁ!」
そこに以蔵さんも加わり凄腕剣士二人と、戦国武将切手の武闘派が暴れてどんどん蹴散らされる。それでも三人ゆえに数の有利ですり抜けて来るやつはマシュが叩きのめす。
私達もライサンダーとドゥンケルで支援を続けていく。
「信勝くん。避難の指示をお願いして良い!?」
「あー! もう。だから戦は嫌なんだ! そして分かったよ! 集落の人間を何人か呼んで気絶したやつとか子供を避難させるから、その持ち場を下げるなよ!」
「助かる!」
「支援するわよ。元。みんな!」
人を呼ぶために戻っていく信勝くんと入れ替わりに敵の横腹を突くエレナのスタンコプターと魔力弾の挟撃。挟み撃ちのような形にできたのが良い。
「ずいぶんと久しぶりじゃないか」
エレナの攻撃が敵の群れの意識や陣形を揺すぶることで沖田さんたちがズバズバとより簡単に敵を切り捨てていく中奥にいた一人のガッシリとした体格の新選組の羽織を羽織った。髪を後ろに流してまとめている中年くらいの男性。
彼を見て沖田の剣が止まり、それと同時にみんなの動きも止まる。
「芹沢さん・・・どうしてあなたがここに・・・?」
「どうしたもこうしたもないだろう。新選組の『筆頭局長』であるこの私が新選組を率いているのは当然じゃないかね」
「つまり・・・この迷惑略奪集団を率いていたのは本当に新選組の人だったと・・・」
「なるほど。顔見知りだったのですね」
いやはや・・・まさかの新選組もどきだったのは、本当に新選組の人物が、しかも色々と・・・新選組創設の際に色々とコネ、つてを用意して新選組が表舞台に立つ際に本当に助けたけど、素行の悪さも相まって粛清された芹沢さんか・・・
少し前に以蔵さんが言ってた身内を裏切った一人がこうしてくるとは本当に皮肉だ。
「・・・・・いえ、新撰組の局長は芹沢さん。貴方ではありません」
「ほほお。では誰だというのかね? まさかあの近藤とでも言いたいのかな? 総司くん」
「なんじゃ、あの新選組もどきどもの元凶がこいつとしたら、また内ゲバのせいでこの騒ぎになってんのか? どこまで言っても変わらんのお。裏切りもん等は」
「・・・・・・」
「局長。壱与様が・・・」
空気が張り詰め、その間に隊列を戻して芹沢を即座に討てない状況の中何かを話している新選組の隊士と芹沢。それを聞いて怒りを見せていた芹沢の表情が余裕を持つ。
「ふむ。そうかわかった。では今日はここで失礼しよう。なに、今日は野暮用でね。君たちの始末は次の機会にする」
「おや、敵将の首をみすみす逃すとでも?」
「逆だよ逆。女王の手前君たちを見逃すと言っているんだ」
彼の言葉とほぼ同時に現れる赤い髪を長く伸ばした美しい女性。まるで別物な雰囲気や姿になったけどその声と魔力のかすかな感覚は彼女だった。
「出迎え大儀であった」
「信長さん!?」
「え? どういうこと? あれが女王!?」
「狂王のクー・フーリンみたいな感じなのか・・・?」
変わり果ててはいるけども、信長とわかるようなパーツが有りわかる。
「控えよ! 志も持たぬ愚昧ども! 邪馬台国が女王壱与様の御前であるぞ!」
「壱与・・・ですって・・・?」
え。信長ではなく壱与? どういうことだ?
「・・・帰るぞ」
「かしこまりました。壱与様。では失礼するよ総司君にそこの君たち」
そう言って靄の中に消えていき姿が完全に消えていく芹沢と信長? 壱与? を見送る他なかった。
「姉上は彼奴等に操られているんだ! いや、でも姉上がそんな・・・!」
「操られているからこそああしてきたんでしょ。とりあえずはおつけないだろうけど大声出さないで」
柵の修復と怪我人の治療を終えてみんなで集まれば、信勝くん等の方でも壱与と名乗る信長? と出会っていたようで、しかもその際に信勝くんを無視というかまあ、ないがしろにした様子。
それに加えて本人も壱与と名乗ってしまいますます困惑するわ、信勝くんは愛しの信長にあの扱いされたので自分で思う無敵の姉がああなっていることに困惑してさっきからこの調子だ。
「ただまあ、あの芹沢とかいう男が壱与となった? 騙らせている? 信長を使って悪いことをしようとしているのは事実。当面の敵として考えておくべきでしょう」
「ええ。あの新選組もどきたちを率いてた以上どのみち撃退しないといけない。あの神殿の靄のことは・・・新選組、壱与との関与はわからないけど、まずは当面の脅威と考えて良い」
「漸く敵の正体が分かったと思えばこれだもの。でも、そこは幸いと言って良いかもね。なにせあの芹沢とかいうやつを倒してしまえば信長を助けられて一石二鳥。情報も得られれば更に良し。そう考えましょう?」
エレナと謙信さんの言う通り。今はそう考える他無いし、それに仲間と倒すべき標的も見つけた。そこはモチベーションにも上がる。と考えていいか。
お虎さんの華奈の評価:人の身で仙術に概念、無いものをあると捉えて切るなどメッチャクチャ強いのに人のまま。しかも優しく人も魔も神仏も共にあって面白い。なにこれ・・・信玄に負けないほどええやん・・・(ニチャア)
華奈の評価:人のことを学ぼうとするのもまた人らしいと思いますがねえ。まあ、閨の誘いがあったのでいずれ抱きます。あと、車懸りの陣は私相手に使うのは悪手ですよ。
もし武田信玄がカルデアに来たら多分クー・フーリンと銀嶺隊のガチムチかつ個性豊かなホモたちといっしょにくんずほぐれつしている。