転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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ハッピーエンド。此方が本編の正史ルートにさせていただきます。


ハッピーエンド あの日から

 冬というのは、つくづくにして厳しいものだ。野菜も育てることが難しくなるし、寒さと雪のせいで動くこともままならない。そのくせ獣達も食料を求めて殺気立つものもいるから恐ろしい。

 

 そんな時は・・・

 

 「皆様~イノシシの味噌鍋と、カニ鍋が出来ましたよ~」

 

 「「「待ってましたぁ!!!」」」

 

 人は、自身の屋敷で暖を取り、暖かな食事で冬を乗り切るのが一番だろう。

 

 「蟹になりたいね!」

 

 「お前は相変わらずそれだなあ。俺と一緒に銀嶺に来たときから蟹大好き人間ぶりが変わらん」

 

 「はぁ・・・~猪のタンがすっごく美味しい・・・あ、華奈。鹿の刺し身も頂戴」

 

 「ギャラハッド様、お体の調子は大丈夫でしょうか? 良ければ私がよそいますけど」

 

 「大丈夫ですよ。クラークさん。もう元気ですから」

 

 「あら! このカニ味噌、出汁と混ぜて飲むの凄く美味しいわ!」

 

 「お祖母様。このビール? というのも合うらしいですよ?」

 

 「肉うんめぇ! カナ先生~~! お代わり~~!」

 

 「いやいや、まだ鍋にあるではないですか、モードレッド」

 

 「カナの鍋なんてずいぶんと久しぶりだなあ。皆で張り切ったよなあ。特にアグラヴェインが」

 

 「なっ・・・! 兄上こそ、誰よりもたくさん捕まえてやると意気込んでいたではないですか!」

 

 「ほらほら。そんな事で喧嘩しないの。今はこのご飯を楽しみましょう?」

 

 「はっはっは。ほぅれ、私がよそるから君も食べなさい。モルガン」

 

 あの警告から、ブリテン、オークニーは国を緩やかに世代交代させるために必死に動き回ることになりました。オークニーサイドは私の溜め込んでいたへそくりで戦費を蓄えた後、フランスと連動してローマに遠征、三ヶ月以上もの間軍事拠点を徹底的に叩き、主要の港を軒並み占領下に置いて国の交易路を破壊。

 

 ローマのサクソン人とのブリテンへの策略も書類や関わった人間を証拠として抑え、これ以上攻め込むのなら更に奥深くまで侵攻を再開するとローマを脅す。フランスの援助や連動のせいでオークニーがこの大陸で飢え死ぬことはなく、二方向で戦線を構えて作戦を考えなければならず、しかも私達の軍の進行速度や精強さも誤算だったのでしょう。

 

 不可侵条約に民族の大規模な移動やこじつけによる移民も禁止すると結んだ後に占領地も全てローマに返還。多大な食料と金品を賠償金として頂いて帰りました。

 

 その間、ブリテン、オークニーの両国での騒ぎにアルトリア様達は目を光らせ、話では鬼神を思わせるほどの気迫で警戒してくれていたとか。

 

 「よし。この肉は食べごろだな・・・」

 

 「ああ! ランスロット。まだ早いです! もう少し出汁が染み込んでから食べたほうが美味しいですよ。ほら、トリスタンのも一部まだ赤いですし」

 

 「・・・ベディヴィエールが鍋奉行? になりすぎて私は悲しい・・・ああ、凄くいい香りなのに・・・・」

 

 「まあまあ、こうして待つ時間も楽しみにしてしまいましょう。ほら、冷えたエールにエジプトから輸入していたビール? というものがありますし、飲みながらベディヴィエールが見定めるタイミングまで待ちましょう」

 

 「がっはははは! 細かいことはいい。この鍋会を楽しみ倒すだけだ。ほれほれ。ケイよ。お前も飲まんか。ローマが仕入れていたビールに椰子の実の蒸留酒。こんな遠方の上物、今飲まなければ損だぞ!」

 

 「ええい、その楽しい空気を貴様の大声で台無しにするなペリノア。俺は俺のペースがあるんだ。酔いどれの貴様に付き合わされてはたまったもんではない」

 

 そのブリテン、円卓に方々も今回の鍋会に参加してくれました。半分くらいの方々しか来れませんでしたが、それでも十分で、私達銀嶺が大陸で手に入れた酒を楽しみながらこの宴会を満喫しておられて何よりです。

 

 今回の宴の名目はギャラハッドの聖杯探索からの生還と自身の身体の問題の解決、そして私の引退の祝いというもの。遠征の時にアルトリア様から頼まれていた聖杯探索。失敗はしたものの、聖杯の力を使ってギャラハッドの肉体の成長速度の問題は解決。目的は失敗ですが、誰ひとり欠けること無く生還し、円卓を超える才能を持つが短命が決められていたも同然のギャラハッドの問題が解決したことに皆が喜びました。

 

 銀嶺はギャラハッド、モードレッド様に託し、私自身は隠居してしまい、ヤマジ達もモードレッド様、ギャラハッドが銀嶺を扱いこなせるようになっていき次第引退していくらしく、今はもう少し残ってくれるそうです。

 

 引退に関しては公の場で既に宣言し、退任式も済ませたのですが、私的な場で気兼ねなく騒ごうということでこうして冬の銀嶺の拠点に集まり、飲み会ではしゃいでいる。

 

 「しかし・・・聖杯によってギャラハッドの身体が治るとは、思いもしませんでしたね。失敗したのは残念ですが、ギャラハッドが無事なのは幸いでした」

 

 「アルトリア様のお陰です。私を心配し、パーシヴァル様、それに母さんもクラークさんを寄越して後を追わせなければ私は死んでいたかと」

 

 「で、その後はその聖杯? は天に帰ったんだっけか。いいんじゃねえかな。ちゃんと持ち主に帰ったんならよ。ギャラハッドも無事に戻ったし、聖杯探索も失敗だけじゃないだろ」

 

 「本当にヒヤヒヤしましたよ・・・死にかけのギャラハッド様に聖杯。咄嗟にギャラハッド様を助けるために聖杯を使って助かりました。ただ、この後失敗の責で殺されるかと不安でした・・・」

 

 「聖杯が無くても、やりようはあるのです。それよりも、姉上の子が、ギャラハッドが無事に帰ってきたことが私は嬉しいのです。クラーク、ギャラハッド」

 

 「アルトリア様・・・ここまで私を気にかけてくれて感謝します」

 

 「僕まで気にかけてくれてたなんて・・・あはは・・・感謝の極みです」

 

 「二人がいなきゃ銀嶺じゃないからな。イイ男がそう簡単に死んじゃ、あの世でも神様にも怒られるってもんさ」

 

 「よく言うわよ。何やかんや冷や汗垂らしながら皆の無事を何度も案じていたのはヤマジ、貴方もじゃないの」

 

 酒を飲んで鍋をつつきワイワイがやがやと賑やかなことこの上ない。最低限の礼節はあるものの、王族が部下の騎士と同じ鍋を囲み、笑いながら杯を酌み交わす。大変微笑ましい光景、空気のせいだろうか。食の進みがとても早く、追加を準備しなければ間に合わないだろう。

 

 「追加の蟹、猪肉、鹿のスペアリブのタレ漬け、刺し身出来ましたよ~蜂蜜酒も飲む人はいますか~?」

 

 「華奈。蟹は私に頂戴? ハサミで切込みを入れたり、いろいろやるから」

 

 「猪肉は私も食べたいです。姉上、貰っていいですか?」

 

 「あ、蜂蜜酒は私と、トリスタンが飲みます」

 

 「おや、有難うございます。ランスロット」

 

 「うひゃ~! スペアリブ、いい香りだ~・・・流石カナ先生!!」

 

 追加のお肉に新しいメニューの追加に視線が私に集まり、持ってくるやいなや即座に振り分けられて鍋に突っ込み、飲み干し、喰らいつく。

 

 「もう、モードレッド。そんなにガツガツ食べないでも。ほら、口周りがタレでベタベタ・・・」

 

 「ん・・・わりい。姉上」

 

 「ははは。いいではないですか。カナのご飯ですし、ガレスももっと食べなさい」

 

 「そういう兄貴こそ、大丈夫かよ。ベジタリアンなのは知っているが、さっきからスモークチーズとかサラダばっかりでさ」

 

 「ふぅ・・・お、この野菜と肉はもういけそうだ・・・」

 

 兄妹で楽しく団欒する時間。

 

 「ベディヴィエール、そろそろいいですか? この肉は」

 

 「ああ、問題ないですよ。この野菜も一緒にどうぞ」

 

 「ふぅ・・・頬肉というのもいけるものだ・・・あ、ペリノア、その酒を私にも分けてくれないか?」

 

 「おうおう。いいぞー! 私には刺し身をくれないか? 鹿の刺し身は新鮮でないと食べられないからな」

 

 「トリスタン。カニ鍋をくれないか? 少し酒と猪肉から気分を変えたくてな」

 

 同僚、ともがらで交友を深め合う時間。

 

 「アンナ、もう出来たか? 早いところこっちのリブの切り分けは終わったぞ」

 

 「はいはい・・・出来たわよ。カニしゃぶ。味噌と塩出汁、どっちでも好きな方を選んで食べてね」

 

 「はぁ・・・新鮮な身がプリップリ・・・これを、湯に晒すのですか?」

 

 「そうそう。軽く湯に浸して、蟹自身の味を楽しむのさ」

 

 「美味しそうです・・・今度、一緒にカニ漁に行かせてもらえませんか?」

 

 師弟同士の他愛のない時間。

 

「ふぅ・・・いい酒だ。この歳で酒にはしゃげる事があるなんて思いもしなかった・・・」

 

 「味わったことのない酒なのは分かるけど、飲み過ぎは駄目よ?」

 

 「ああ、分かっているさ。けど、少しくらいはいいだろう? こんな気楽な酒の席なんてそうはないだろうからね」

 

 夫婦での仲睦まじい時間。

 

 「おっとと・・・あちらも見に行きませんと」

 

 この光景を眺めていたいが、そうもいかない。幾つかの大きな肉塊や鍋を数種類用意し、別の部屋に移動し始める。

 

 「栗毛~花子、ハチ~お代わりは大丈夫ですか?」

 

 華奈の声に応えるように魔獣達を纏めていた栗毛、ハチ、花子、少し離れたところにレギア、イネンナが声を上げてすり寄ってくる。体高だけで優に人よりも大きい獣達のスキンシップは一匹だけならまだしもこの数だと流石に一度に受け止めきれるものではない。

 

 一度持ってきた食材を置いていなしながら鱗、毛の感覚を堪能、撫でて愛でていく。

 

 「おやおや・・・もうすっからかん。皆元気ですねえ。はい、まずは鍋と骨せんべい・・・? 後は・・・よっこいしょ・・・」

 

 鹿、猪の骨をわずかに肉を残してこんがり焼いたものに、少し薄めに味付けした魔獣達専用の鍋、一度それをたくさん置いた後、また戻り、牛、馬数十頭分の肉をどうにか魔獣達に配り、飲み水を準備。

 

 「私はまた戻りますから、喧嘩しては駄目ですよ?」

 

 モフモフだらけの毛玉。猪だらけの食事会場のじゃまにならないように抜け出し、自分たちの宴会場に引き返す。

 

 大量の肉を用意したりで宴会場に戻る時間が遅かったせいだろう。既に皆出来上がっており、何名かは寝ていたり、潰れていたり、他ももう眠りの世界に旅経とうとする秒読み開始と、もう二次会も何もない完全なお開き状態だった。

 

 「うふふ・・・皆様、いい笑顔で寝ていらっしゃる・・・明日の二日酔いが少し心配ですけど」

 

 風邪、というよりも凍死を防ぐために客人用の毛布、枕を引っ張り出して皆にかぶせ、酔ったままに起きて拠点を出ないように厳重な戸締まりを再確認。危険な鍋などは台所に避難させて漸く一息。

 

 「私は、のんびり月見酒でもしましょうか」

 

 外を見ればいつの間にか雪雲は晴れて月はその見事な輝きを白と黒に染まったこの世界にもたらす。この見事な彩りを眺めながら酒を煽り、残っていた御飯の残りを少しづつ摘む。

 

 「隣、いいかしら。お姉さま」

 

 起きていたのだろうか、それとも、起こしてしまったか。モルガンもいつの間にやら右隣に腰を下ろし、ちびりちびりと酒を飲んで美味しそうに喉を鳴らす。

 

 「そんなに飲んで、大丈夫ですか?」

 

 「あの人のお酒の飲み過ぎを監視していたから、あんまり飲んでいませんのよ。それに・・・こういう、静かな所でお酒を飲むのも、好きなの。お姉さまとなら尚更」

 

クスクスと愉快そうに笑い、酒を飲んでほぅ。とため息を一つ。空にポツンと浮かぶ月を何処か懐かしむような視線で見つめて笑みを浮かべる。

 

 「お姉さま・・・覚えておられますか? 私と、母さまに出会ったあの夜を」

 

 「勿論。あんまり、いい出会いとは言えませんけどね?」

 

 モルガン、イグレーヌを慰み者にしようとし、国の金蔵も掠め取ろうとするゲス共を皆殺しにして森に逃げたあの日。華奈がオークニーからブリテン、ひいてはアーサー王伝説に関わり始めた夜の邂逅。

 

 「確かに、最悪の国王ではあるけど、二人目の父を失い、皆に裏切られて私も母さまも女としての何もかもを失われそうになった。けど、あれがあったから私はお姉さまと出会えた。だから母さまも無事だった。あの人・・・ロットと結ばれた。ガウェインも、ガヘリスも、アグラヴェインも、ガレスも、モードレッドにも出会えた。アルトリアにも再会できた。あの夜は・・・私にとっては運命であり、最高の出会いだった・・・」

 

 月を眺める目には光が強く宿り、言葉には熱が入る。その出会いは間違いではなかったとしっかりと伝える。

 

 「私にとっては、最高のヒーローとの出会いが、運命を何もかも変えてしまった最高の夜でした。ありがとうございました。お姉さま。ここまで私達を、この島の国を助けてくれて、感謝しか言えないけど。本当に」

 

 「もう、言い過ぎですよ。私ではなく、皆で頑張ったからです。それに、これからが忙しいのですから、燃え尽きちゃ駄目ですよ。ね? アルトリア様」

 

 言葉に熱がこもりすぎて少し涙目になっているモルガンを撫でつつ、狸寝入りをしていたアルトリアに言葉を飛ばす華奈。バレてしまい、仕方ないかと頬を少し赤らめながら華奈の左隣に腰を下ろし、誤魔化すように咳払いをして酒を飲む。

 

 「むぅ・・・そ、その・・・私も姉上に感謝を言いたくて・・・は、始めはそりゃ魔女の手先だの悪魔だの・・・色々言いましたけど・・・姉上がいたからブリテンはどうにかこの十数年耐えて、円卓の皆と本当に笑い合うことが出来ました・・・きっと私だけじゃ、円卓だけじゃ駄目でした。オークニーが、姉上達がいたから、ここまで過ごせて、人間でいられて、国にこだわりすぎて民を苦しめることもなくなりました。あ、ありがとうございました」

 

 気恥ずかしさのせいで一気にまくし立て、頭を下げてお礼を述べるアルトリア。理想の王でもなく、一人の女として過ごせた僅かながらに過ごせた得難い時間。円卓の問題もどうにか解決させて絆にヒビが入ることも、盲信もなく一丸となって国のために走り抜けた。

 

 きっと、これはブリテンだけでは無理で、オークニーの助力があってこその結末。国は消えども、残る意思を託せるとまで考えたり、相談できた存在。銀狼の騎士に神の側面をも持つ魔術師の姉。この二人、そして多くの協力者がいたから・・・

 

 「固いわよ、アルトリア。もっと気楽にいかないと駄目よ? もっと肌を寄せて、子供みたいにはしゃいだり、甘えたりするくらいしたほうが。ほ~ら、こんな風に」

 

 「わわわっ! ちょっ!? モルガン様!??」

 

 

 華奈の腰に手を回して胸に遠慮なく頭を載せて子供っぽく微笑むモルガン。姿は若いままだがここ二十年くらいしていなかった密着してのコミュニュケーションに華奈は困惑し、アルトリアは少し固まってしまう。

 

 「ん~♫ ガウェイン達がよくしていたし、モードレッドも膝枕をねだっていたわけよね~相変わらずいい香りだし、柔らかいし・・・幸せ・・・♪ ほら、アルトリアも・・・?」

 

 「いえいえいえいえ! 姉上にご迷惑でしょう? そ、それに・・・少し・・・・・・恥ずかしいですし・・・」

 

 「もう~・・・酒瓶が空・・・モルガン様ったらいつの間にこんなに飲んで・・・ふふ・・・仕方ないですね」

 

 この後、華奈、アルトリアの声に驚いたみんなが起きて酔が抜けぬままに三人の光景を見てバカ発言に暴走、妄想、それを見て肴にして傍観をするものとアホ騒ぎに発展し、思わぬ形で徹夜の二次会が発生したとか何とか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 華奈の引退、隠居から数ヶ月後、アルトリア・・・アーサー王はオークニーの大陸での遠征を成功してサクソン人、後ろ盾のローマの侵攻の手を引かせた功績を称えると同時に長くこの島で共にあり続け、ブリテンを支えてくれた事へ再度の感謝。

 

 また理想の王と謳われながらに自身の国、円卓、独力だけでは成せなかった事への自嘲、自身の体も跡継ぎは作れるものではなく、後継者たる養子も見つからなかった。

 

 自身の求心力の低下も自覚している。これ以上王座にしがみつくのも愚王の道なのだろうと王座を放棄。そのブリテンの領地、空白の王位をアーサー王はガウェインに譲り渡し、ブリテンはオークニーへ吸収、合併される形で終焉を終える。

 

 ガウェインは円卓も解散させ、第2世代の円卓を再構築。かつてのブリテンの剣、アーサー王の大駒たる円卓も主を失う以上、その衝撃や、無理に新たな主に仕えさせる事を嫌って、それによる叛意の芽を出さないための配慮だった。

 

 グリフレッドにペリノア、ボールスなど何名かは第2世代の円卓には入らずに故郷、自身の国、領地に帰るものもいたが、トリスタン、ランスロット、等、多くが次の円卓に残り、空いたその席には新たに今は引退して行方知れずの華奈の元で暴れまわった騎士たち、モードレッド、ギャラハッド、クラーク、アンナが時代の円卓として参加。

 

 ガヘリス、アグラヴェインも円卓として参加して島の覇者となったオークニーを動かし始める。

 

 手始めに今まで幾度となくこの島へと攻め込んできたサクソン人に対して入植の受け入れに関する法を制定。遠征で叩いて不可侵を結ばせたものの、いつまで持つかは分からぬもの。ならばいっそ受け入れてこの島の住人として過ごしてもらう。法も、道理も倫理も学ばせる。そして先祖の恨みや殺し合いも無くなる日が来て手を取れるように、百年先まで争いを無くせるように今起こすべきことなのだと行動を開始。

 

 幾度も攻め寄せても跳ね除け、果てには大陸にまで攻めてローマですらも旨味がないと思わせた国からのこの政策方針の転換に驚くものの、騎馬民族ですら来れない果ての島国、争いもなく過ごせるというのならとあまり怨恨のないサクソン人らが多く入植を始め、それに続く形で規模は増え、あらされた畑は直されていき、大地を切り拓き、共に汗水を流して仕事に励もうと歩み寄る。

 

 無論、諍いも犯罪も多く起こり、快調な滑り出しとは言えないものであり、叛意を見せる諸侯、元がよそ者故に怯え、自衛の形で起こる暴動を鎮圧させるために兵を繰り出す等、規模は小さくなれど平穏は訪れるのは先に感じられた。

 

 この激務に体調を崩したガウェインはモードレッド、アグラヴェインに代理の王権を譲り、養生。その際にモードレッドはクラレントを受け取り、緊急の女王として国を回して入植の政策を推し進めていく。

 

 数年後に女が政を取っていることに不満を持つ、アルトリアに叛意を持っていたものが親族である自分らにもいい気持ちを持っていない貴族が増えていることを悟ったモードレッド、ガヘリスはガウェインと相談。

 

 今尚多大な影響力を持つギネヴィア、そしてその伴侶でありこの島の生命線のランスロット。二人の間に生まれていた子に王権を譲り、自身らも身を引くべきときなのだろうと考え、ランスロットらと話し合い、王位を譲り渡し、自身らは妖精郷に去り、表舞台では病死、戦死とされた。

 

 そのランスロット、ギネヴィアの間に生まれた子はその後サクソン人の娘と婚姻をしたことや、ガウェインらが進めていた政策でこの島にも多くのサクソン人が住んでいたこともあってブリテンの民、サクソン人の入り交じる国家が成立。歴史の表舞台からはウーサー、アルトリアの親族、血を引くものは完全に消えていくことになる。

 

 

 

 

 後に綴られたアーサー王伝説はこの島を脅かすヴォーティガーンとの戦いやかつてのブリテンの再興を目指す若き理想の王、アーサー王が騎士の王となり、素晴らしい騎士と出会い、諸侯に攻め入り、時には血を分けた家族との争いや、それを通しての和解、多くの家臣、同盟国に支えられて国を再興。

 

 その後の大陸との戦いや円卓の問題を家族、同盟国と共に解決していきつつ、自身のミスもありながら穏やかな世代交代をして次世代に託していく騎士たちの、アーサー王の英雄譚として広く親しまれていくことになった。

 

 その中でも特に変わり者、人種も分からず、戦い方すらも異なり、男性主体の社会に紛れ込んだ女騎士。けれど率いた部隊も獣を多く入れた部隊は神速、突撃突破で名を馳せ、円卓の剣の師、国を富ませた文官としてもかなりの手腕。

 

 銀狼の騎士、剣姫、こう呼ばれた騎士であり、アルトリアの母、イグレーヌの侍女でありつづけた一人の女性、カナ・フナサカ。彼女もまたアーサー王伝説で人間関係の潤滑剤、相談役、多くの英傑を育てた英雄として親しまれ続けた。




これにて華奈の物語は終了。

引退した後はモルガン、イグレーヌと共に妖精郷に去り、ランスロットの子供に世代交代するまでの間過ごし、その後はまた人間の世界で隠居生活をし、人間として寿命を終えて死亡。

ダンカン、アンナ、ヤマジ、クラーク、ギャラハッドも同様に第二世代の円卓を支えた後に引退して天寿を迎える。

アルトリアにガレス等、アルトリアの一族らはみな妖精郷に移り住んで過ごし、ハチ、花子、レギア、イネンナ、栗毛も妖精郷で寿命を迎えて死亡。

抑止が手を伸ばす前に国家解体は終え、抑止が手を出す意味がなくなった、理由がなくなった頃に人間界でまた過ごして穏やかに逝けたわけです。

この後といいますか、時間はかかりますが、少しおやすみを頂いた後、FGO編もかいてみたいと思っています。自分でも無謀すぎない? と思っていますが、やってみようかと。

時間はかかりますし、大変でしょうがやれる限りはやろうと思います。オリジナル英霊と一緒にギャグ多めに作りたいなと。華奈の家族も出していきます。これ以上にアクが強いと思いますが、それでもよければどうぞ見てやってくださいませ。

改めて、このような作品を見て、応援してくれることに感謝します。ひとまずの完結までこぎつけることが出来て本当に幸せです。この多くの素晴らしい作品の数々のなかでこの作品を見てくださったことにもう一度、有難うございます。嬉しいです。

最後にUA 34782件 しおり 114件 お気に入り 312件 応援有難うございます!! ここまで見てくれてありがとうございました。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。

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