転生愉悦部の徒然日記 作:零課
そして多分ここから華奈の前世での経験や記憶。そしてネタを散りばめていくと思います。
X月( ´,_ゝ`)プッ日
ブリテンに到着して一日が過ぎました。とりあえず栗毛も元気そうでしたし、私自身も健康そのもの。着いた港町で簡素な食事をとり、適当な宿で眠りにつきました。
朝になり、下の食堂に着くと何やら空気が重く、皆の表情が沈んでいます。何事かと問うと卑王ヴォーティガーン王と渡り合ってきたウーサー王が病に倒れ長いこと、それに比例してヴォーティガーン王の勢いが増し、兵力のサクソン人をどんどん入植していて治安が悪化しているらしく。ここも少し離れた宿で略奪騒ぎに会ったそうな。
「まるでブリテンの民を何とも思っていないような行い」と口々に愚痴っていたが、卑王の思想、志が如何なるものかぼんやりとしか覚えていない私には真意が読み取れずただ周りに合わせて頷くだけでした。
確かに良い知らせではありませんが、それでも朝から気が沈んでは勿体無いです。皆様を元気づけるために私のおごりで簡単な料理を作り、振る舞うとまた異変が起きました。皆様が無心に、いやがむしゃらに食事を平らげ涙を流していました。そして一同に感謝の言葉を尽くし、中には崇める者まで出る始末。一体どうしたのでしょう・・・?
宿の主夫妻から少し手伝って欲しいと言われ、先程の振る舞いで路銀も尽きたので承諾。あちらも住まいに馬の世話、食事は無料で提供すると言われ、少し戸惑いました。
あの・・・嬉しいですが、私・・・日本人、いうなれば黄色人種なのですが、肌の色や顔つきで災いの種にならないですかね・・・・・? ブリテンに自ら足を運んで今更ではありますが・・・・
$月¥日
宿屋の主人様の元で働きはや2週間ほどが過ぎましたが、分かったことがいくつかありました。まず、食事が壊滅的にマズイ。素材自体は神秘がまだ残っている分美味しいのだが、調理方法が駄目ですし、組み合わせも質素を過ぎて互いの良さを打ち消していく。旨味の残る皮や脂を捨てるわ出汁も灰汁と一緒に捨てる。骨から出汁をとらないし、香草やキノコを使用しない。肉は焼きすぎて最早黒い何か。野菜もそのまま出すだけか、煮詰めすぎて崩れて食感も何もない。はっきり言えばフランスの安宿でもここまで酷いものは出せないでしょう。出せば即座に何処ぞのやかましいおじさんが「この料理を作ったのは誰だぁ!」と押しかけることでしょう。
そして以前振る舞った料理も美味しすぎて感激したからとのことを教えてもらった時、軽くこの国の行く末に絶望したのも覚えています。
港町でこの食事レベルでは内陸の方々の食事はどれほどのものか・・・・・考えるだけでも悲しくなる思いです。
宿屋の夫婦様も私をコックとして雇いたかったらしく、私も夫婦様に出来る限り料理のコツを教え込んだ。嬉しいことにここの宿屋の料理が美味しいと評判となり、連日お客様で賑わっている。しばしば私にナンパするお客様や差別するお客様がいましたが、主人様が追い払い、逆に宿屋の主人様たちを馬鹿にする客は私が追い出しました。せっかくの食事で周りを不快な気持ちにさせてほしくないものです。
§月O日
世話になった宿屋の夫婦様に調理方法を纏めたレシピを渡し、こちらも給料と食料、と予備の日記を積み込み港町を出発。少し人のいる場所をでればさすがは神代の時代。幻想種が出るわ出るわ。完全に絵本の世界のものからホラーバイオレンスなクリーチャーまでバラエティ豊富です。何回か斬り伏せ、町々で情報収集していたらウーサー王が亡くなったとの情報が入り、それに伴いブリテンもかつての権威が完全に無くなったとのこと。すでに力のある有力貴族は独立や他の王家に取り入っているらしく、もう国はあってないようなものらしい。
・・・・・・・・・・・間違いなく、良くないことが起きる。馬鹿でも分かる。
とりあえず気は進まないがブリテンの領内で阿呆をやらかす連中がいないか見て、可能なら抑えに行こうと決心した私は早速栗毛に跨がり、移動した。
そして、その嫌な予感は的中。夜更けにブリテンの城下町に到着した私の眼前には必死に逃げているやんごとなき身分であろう親子とそれを追いかける貴族と取り巻きの騎士。これがあの親子の我儘に振り回される貴族や兵士なら兎も角、目に宿るギラついた目はとてもそんな忠臣、心配しているそれではない。例えるなら餌を前にした獣。
栗毛には隠れてもらい、私もこっそり後を尾行したところ、貴族はここ最近のブリテンで有力貴族がいなくなった後に宮廷を纏めていた弱小貴族で、親子はブリテンの姫と女王、モルガン様とイグレーヌ様らしい。
目的は二人を手篭めにして無理やり既成事実を結び王位につく。そして国庫や利権を手にした後は適当に国を売り払い、自身は何処とでも高跳びして二人を自身の欲望のはけ口にして暮らす。というものだった。
思い返せばアーサー王伝説ではモルガンの妨害や策略が描かれていたが、もしこのブリテンの臣下から裏切られ、母も自分を穢され、ロット王との安らぎもブリテン統一を掲げて武力でアーサー王が潰しにきたのなら・・・? 自分たちを護ることなく辱めた国を復興させようとし、更にはその矛先が自分の居場所にすらも向かってくる。私の知る騎士王への憎しみも納得がいくものだ。
それに、女としても目の前で起こるであろう悲劇は捨て置け無い。そう思うやいなや先導していた貴族の四肢を切断。取り巻きの騎士たちも数名鎧ごと斬り殺す。一瞬の出来事に漸く思考が追いつき、武器を構える騎士に逃げ惑う騎士全てを縮地で翻弄。殺しておいた。
状況の判断ができていない親子には失礼を承知で貴族に尋問を開始。謀反を起こそうとした逆臣、またそれに従う輩を全て聞き出し、約100名ほどを鏖殺。その間親子には近場の小屋に身を隠してもらい、合図をしたら出てもらうことに。
事が済んだ後に親子には何度も頭を下げて感謝を述べられましたが、正直こそばゆさが先行して頬が赤くなるだけでした。気を取り直して、流石にここへの長居は無用なので、人のこない、具体的には危険区域に移動することにしました。今は獣よりも人の方を遠ざけることが先決でしょうと考えた結果でしたが、親子も了承。鏖殺ついでに貴族の馬を数頭拝借できたのでそれに国庫の金と必要なものを幾らか積み、栗毛を呼んで移動。貴族からも親子からも許可は頂いたので問題はないでしょう。
親子の名前はやはりイグレーヌ女王陛下とモルガン姫。何はともあれ二人を救えたのは僥倖でした。
(`・ω・´)ゞ月>日
とりあえずブリテン国を離れ、人気のない山。代わりに幻想種のはびこる森にて過ごすことにしました。途中ワーウルフや巨人族に襲われるも事なきを得て現地の妖精に協力を取り付け小屋を建築。お礼にお菓子やご飯を振る舞ったら好評でちょこちょこお邪魔しては何気ない談話をイグレーヌ様やモルガン様と楽しんでいる。
合間合間にウーサー王の不義によるブリテン崩壊のきっかけの一つやマーリンなる魔術師の策略にドス黒い気が吹き出しもしましたが、その傷も少しづつ見えないようになり、今ではこの森での生活に慣れていました。
実はイグレーヌ様はお体を壊しており、アーサー王・・・アルトリア様を生む際に竜の因子を組み込んだらしく、その負担で体を壊していたそうだ。そして前日の騒ぎ。よく体が持ったものだと感心します。どうやらこの世界のアーサー王は女性で間違いないようです。今は妖精様の用意した薬草を元に私とモルガン様で調合した薬を飲ませ、栄養バツグンの食事で日に日に持ち直しています。
私自身は濃ゆい神秘にあてられ少し息苦しかったですが、それも漸く順応して今はお二人の身の回りのお世話と、時折やってくる馬もどきやビーバーのようなナニカ。そしてワイバーンを撃退している日々です。
その生活の最中、何故かなついた白い狼の兄妹や栗毛も成長して黒王号のような巨大な馬に成長していたりと色々友だちも増え、充実の日々。
ですが、お二人は王族でありロット王との婚約の約束もある。一日でも早くオークニー領に送り、婚姻を結び華やかな生活に戻らねばならない。勿論連絡は取るようにしている。縮地でオークニー領の端に移動。手紙を信頼できる兵士に渡し、指定した時間までに特定の場所に置いてもらい、それを私が回収する。というもの。女と侮られないように鎧で変装していますし、王印も刻んであるのですぐに信用してくれた。
内容はモルガン様とイグレーヌ様は現在心身ともに疲弊しており、そちらまでの長旅への不安、そしてブリテンの混乱から野盗崩れや貴族たちの手が伸びてくるかもしれない。と連絡をしたところ、あちらも快復したら来てね。こちらも手を打っておくから。という大変親切なもの。それ以降は手紙を定期的に送り、こちらの回復具合を手紙に綴り、あちらも対策を逐一報告してくれています。
この対応には結婚する予定のモルガン様も少し気が楽になったようで手紙が来ることを少し楽しみにしている御様子。私も一度拝見しましたが、洒落のきいた気さくそうな方という印象が強かった。これならお二人も安心でしょう。
というわけでモルガン、イグレーヌ救済ルート。この二人は救われてアルトリアと仲良くしてほしいなあと思いこうしました。
そしてしれっと殺戮をしている華奈。前世が幕末を生きた剣客に部員。いざという時は戦に参加することに抵抗はありません。