転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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~華奈が受肉した経緯~

マリスビリー「ソロモンよ。英霊を召喚できないかな?」

ソロモン「どッたの先生」

マリスビリー「いやぁ。もう聖杯戦争始まって相手も倒したけど、瞬殺だからね。警戒した参加者同士で同盟とか結託された時の備えが欲しいのよ。敵は英霊。やっぱり何が起きるかわからないし」

ソロモン「アイアイサー。リクエストなんてある?」

マリスビリー「君の神殿とか魔神で火力と防御は申し分ないし、そうだね。この英霊はどうだろ(古ぼけた狼の記された旗を渡す)」

ソロモン「誰が来るかな♪ 誰が来るかな♪」

華奈「剣と騎兵の英霊船坂 華奈。参上しました・・・? え。私いりますかこれ?」

ソロモン「ブリテンの狼の旗で日本人が来た件について」

マリスビリー「私にもわからん。けど何だか知らんがとにかくよし。宜しくね」

華奈「??? ええ、お願いします。飯炊きでもしましょうか?」

ソロモン「お菓子作れる?」

華奈「砂糖天ぷらと水ようかんでも作りましょうか」

~聖杯戦争勝利~

マリスビリー「俺、すっげー金持ちになってカルデア何とかするわ。二人も願い事を言ってみたら?」

ソロモン「僕。人間になるんだ。受肉コースで」

華奈「私も。あ、ソロモン様。私を若返らせたりとか出来ますか?」

ソロモン「ん? そういう魔神に頼めばオッケー。いまやろうか」

華奈「はい。私の呼び出された年齢が20ですので・・・14くらいまで若返らせてください」

ソロモン「じゃ・・・はい大丈夫」

華奈(14)「わぁ・・・本当に・・・さて、受肉するはいいですがどこで生きていきましょうか」

マリスビリー「お前らウチにおいでなさい」

華奈、ソロモン「「お世話になります」」

~10年後~

華奈(24)「ロマン様~最新の医療器具どうしますか~?」

ソロマン「一応予備含めて3つで。あ、ドーナツも3つで」

華奈「あ、新作も含めて買ってきますから。好みのドーナツ屋さん、新作出てるみたいですね」


備品課の日常

 華奈が現在所属する組織、カルデア。ここには、大変な問題が一つあった。それは・・・

 

「周りは危険と寒さ、雪以外には何もない」

 

 事である・・・・・・・

 

南極にあるだけでも大変なのに標高6000メートルの雪山の中という驚きの立地条件。ご近所はせいぜいが南極探査隊の基地、若しくは南極に住んでいる動物の住処くらいだろう。

 

 そんな場所に数百名の人間が過ごしているという状況。気軽にコンビニも行けなければ旅行も一苦労。しかも様々な組織の関係上下手な行動すらも勘ぐられるから始末が悪い。

 

 しかし職員も人間。食に趣味、多くの欲を持っているのにこの辺境も辺境で缶詰は息が詰まるというもの。

 

 そういった意味では備品課の華奈達の買い出し、調達はとても助かるものでカルデアに必要な資材、道具の調達以外にも職員たちが欲しい物も一緒に買ってくれる一部酒保に近い部分もある。

 

 「はいはい・・・発電用の道具に予備の配線、PCの半導体ですか。カルデアの規格に合わせたものと電球。あ、トイレットペーパーもですね? 了解しました」

 

 カルデアの運営で必要なものから。

 

 「う、うん・・・本に、ロックのCD、コスメ・・・睡眠導入剤? ど、ドクターに一応は許可とか・・・大丈夫?」

 

 「ジャーキーにウィスキー、漫画に・・・メモ?・・・・・男の娘のフィギュア、その関連商品・・・・・・・ああ、はいはい」

 

 個人的に欲しいもの。所謂趣味、嗜好品。少し秘密に、内緒にしてほしいものなど。

 

 月に一度の買い出しの日は職員らは備品課に足を運び、思い思いに欲しいものを自腹を切って注文しにくるのだ。ただ、それだと私的注文とカルデア自体が求めるものが混在しかねない。そのためカルデアの備品、技師や魔術師が求めるものは華奈。それ以外の個人的に欲しいものは冬利、咲の二人にそれぞれに用意した窓口で注文してもらう。もし聞かれたくないならメモを渡しておくことも許可するので三人にとっては騒がしい一日となる。

 

 「ふむ・・・今日はあまり量がないですね。明日にも出ていって準備しましょうか」

 

 「あ、華奈。まだ大丈夫ですか?」

 

 「失礼します。船坂さん」

 

 この猛吹雪の山からも発進できる専用の輸送機のチェックでも。そう思っている矢先にやってくる二人の男女。男性の方は特徴的な黒髪、赤い目、丁寧な物腰、空気をまとった青年。女性の方は茶褐色の肌に金色の目、薄い金色の髪が特徴の女性。

 

 男性の方は華奈の部員時代からの友人良馬。女性の方は家族の一人、フラム。共にカルデアの職員であり、良馬は管制室スタッフ。フラムは魔術の方に重きをおいた技師。今日この時間に来るということは発注だろうが、このギリギリの時間に来るのは珍しい。いつもならメールで前もって発注したりメモを渡しておくものだが。

 

 「ええ、大丈夫ですよ。どうなさいましたか?」

 

 「ええ。外付けのハードディスク、クリアファイルを幾つか準備してもらいたいのですよ。どうにも幾つか情報を小分けにして置いたりしておかないと処理に不安が出そうでして」

 

 「私からは椅子などを幾つか。しかし、船坂さんも大変ですね。何というか、皆様からは雑用。丁稚のような扱いで。もう少し声を上げても良いのでは?」

 

 ふたりとも心配する通り、私自身のカルデアでの立場と言うのはあまりよろしくない。前所長マリスビリー・アニムスフィアの協力者であり聖杯戦争の協力者という触れ込みで入り、その見識、魔術への理解の深さは皆に認められはした。

 

 しかし、魔力量はあれど魔術師ではない上に技師でもないことからせいぜいが前所長の魔力タンク扱いだった、温情だろと邪推され、更には現所長のオルガマリー・アニムスフィアともある件から衝突してしまい、その資産運用、手腕を活かす仕事のみに当て振られ、カルデアのプロジェクトには深く関われないようにされている。機材などもメモを渡されて調達させられるものの、その程度。半ば冷や飯を食わされているようなものだ。

 

 その温和で物腰柔らかな人柄とカルデアの運用にかかるコストを理解してる面々、サブスタッフ等からは慕われているが、魔術師、ロードに媚を売りたい、魔術師達の多くからは白い目で見られていることも事実。

 

 「まあまあ。実際私にはフラム様のような技術もないですし、良馬様の様に知識もないです。これくらいでいいのですよ」

 

 「はぁ・・・相変わらずですね。謙遜しなくても古株な上に前所長の信を得ている。その気になれば副所長にもなれたでしょうに。欲が無いですね。華奈は」

 

 「らしいとも言えますし、そこが美しいとも言えますけどね。まあ、何かあれば言ってください。私も少しは言えることはあるはずですから」

 

 「っふふ。ええ、その時は存分に。キツイ時はお願いしますね?」

 

 周りからもその財や外で得たコネクションを使ってクーデターを起こさないのか、ここから離れて好き勝手にしないのか、オルガマリー・アニムスフィアよりもキリシュタリア・ヴォーダイムに接近して前所長の弟子であり、性格も出来ている彼を補佐し、庇護を貰ったほうが良いのではないのかと言われた。けれど

 

 「前所長の残した彼女を、そしていま勤めているこの場所をそう簡単には切れませんよ。それにまだ若い上に大変な境遇のあの子を見捨てられませんもの。恩もあれば長生きしている分支えてやらねば」

 

 と答えたという。

 

 普段から所長の無茶振りや関係のない癇癪すらもぶつけられるのにも関わらずそう答えてしまう華奈に感銘を受けたそうだが、実際は「ブリテンの無茶振りに比べたら子供の癇癪くらいは受け止められないといけませんよねえ」とある意味麻痺してしまった故の感性からの答えでもあるのだが、知らぬが花なのだろうか。

 

 「そうそう華奈。ロマンさんも注文まだなのでは? いつもなら楽しみにして一目散に走ってくるはずなのに」

 

 「あ~・・・ロマニさん。何度めかのマスターたちのメディカルチェックと職員の健康診断でてんてこ舞いで多分忘れているか日数感覚が狂っていると思うなあ」

 

 「確かに見ておられませんねえ。分かりました。一応は出向いてみましょう。・・・十中八九どこかでサボっているので少し散策しがてら見に行きますよ」

 

 一応は今日中に職員の皆からの買い出しを頼まないといけないのでメモを握りしめて少し早足に備品課の部屋を出る。忘れていたのなら、後日「楽しみが遠のいた~!」としょぼくれてしまうのは目に見えてしまう。

 

 「行ってらっしゃい。華奈。焦って転ばないようにね?」

 

 「今日からまた明日は出発ですか。忙しい方ですね」

 

 そんな華奈を見送る二人はそんなことをつぶやきながら遠のく背中を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ははは。見つかっちゃったぁ。やっぱり華奈には見つかるかあ」

 

 オレンジ色の伸びた髪を後ろにまとめ、それでも尚余るほどのボリュームの髪、エメラルド色の目、カルデア職員の制服に名札を首から下げているゆるい雰囲気をまとう人物。カルデアの医療チームのトップにしてサボりの常連。ドクターロマニ・アーキマン。昼のオヤツなのだろうかみたらし団子に舌鼓を打ち、ほわほわしていたのをどうにか発見できた。空き部屋の一つに隠れてパソコンを弄りながら。

 

 「ははは。じゃないですよ。今日が何の日か分かりますか?」

 

 

 「? 記念日とかでもないだろう? 上京記念日とかでもないしねえ」

 

 「どこの園長先生ですか・・・ほら、今日は買い出しのメモをまとめる日でしょう? ロマニ様は数日忙しくて忘れていたかもしれませんけども」

 

 買い出しの内容をまとめたノートを見せてみると思い出したのか先程までの落ち着いた表情は一転、焦りに変わっていく。

 

 「ええ! きょ、今日だったかい! てっきり明日かと思っていたのに!」

 

 「やっぱり日にち感覚がズレていましたか。今日までですよ。書き込むのは。ほら、まだ間に合いますからこのメモ用紙にちゃちゃっと書いてください」

 

 「有難う! いやぁ。一ヶ月も自分だけのスイーツがないのは僕の癒やしが抜けちゃうからね。それは避けなきゃいけないよ。潤いがなくなっちゃう」

 

 ピンチを回避できた反動かいつもよりも二割、三割増の笑顔で買い出しの品をかき込んでいくロマニ。重度のネットアイドルオタクで更には甘党。しかもわりかしサボってスイーツを頬張るということが潤いの一部なのだから少しどうかとも華奈は思ってしまう。

 

 医療、しかもこのカルデアのトップという重責。そしてある事柄から癒やしを求める。走るのは仕方がないのだが、休憩時間を多く貰うとか、有給について相談するとか色々逃げ道はあるだろうに。選択肢にある上であえてサボっているのか、それともただ思いつかないだけなのか。眼の前で少し前の雑誌を広げて流行りのスイーツや日本の菓子の写真の数々に目移りしている男性からは正直どれが正解なのかわからない。

 

 「うん。こんなところかな? よろしく頼むね。華奈」

 

 「・・・? あ、ああ出来ましたか? では、冬利様、咲様に渡しておきますよ。また暫くここを離れるわけですが、書き忘れはないですね?」

 

 書き終えたメモを受け取り、念を押す。通信機器の類で連絡を取れることは取れるのだが、数百人分の依頼。漏れや忘れが合っては困るし、後からの追加で予算や貨物機積載量の圧迫は避けたいところだ。

 

 華奈自身も一度目を通し、見事なまでのスイーツ一色なメモを見て少しクスリと笑みをこぼしてしまう。薬物、細かな医療機器が無いのは前回でカルデアのマスターたちへの準備に備えた結果なのだろう。

 

 「うん。これに保存魔術をかけてくれたら一ヶ月以上は持つからね。毎日おいしいオヤツが食べられる。いやぁ、僕のささやかな楽しみの一つをありがとう。またね」

 

 「はい。それでなんですが・・・さっきオルガマリー様が貴方様を呼んでいましたよ? 怒りながら。それで、私にも探すように言われているのですけども」

 

 先程までの空気が一変。ヘラヘラしていた笑顔はそのまま凍りつき、みるみるさっきまでの元気がなくなっていく。

 

 「ははは・・・見逃してもらえないかな?」

 

 「それで私まで明日の準備が遅れたら二重に私達が説教されたり最悪職員の皆様からひんしゅくを買う可能性もありますが? ほら、早めに怒られちゃうほうが良いですよ。怒りを長引かせないほうが良いですから」

 

 「そ、そうはいったって説教が長いし皆の前で怒られるのが恥ずかしいじゃないか! それに、マギ☆マリの更新も・・・」

 

 そう言ってパソコンを覗こうとするロマニの肩をしっかりと掴み、万力のような握力で離さないようにし、部屋の外に引きずり出す。

 

 「ネットアイドルのブログ更新ならいつでも見れますから・・・っ! ビクビクしながら見るよりも怒られた後に癒やされてください・・・!」

 

 「嫌だぁ~~! 僕は今日はこの部屋、楽園でずーっとマギ☆マリのブログを見るんだあぁああ!」

 

 「えぇい! いい年の、それも医療関連のトップがそんな駄々っ子じみた事を言うんじゃありません! 最悪パソコン没収しますからね!?」

 

 そんな二人の怒声と悲鳴がカルデアに響き、その後二人揃ってロマニのサボり件と大騒ぎしていたことでオルガマリーに延々と絞られ、それを皆から「いつものことか」と笑われたそうな。




写見 良馬(うつみ りょうま)
性別 男性
部署 管制室スタッフ兼食堂臨時スタッフ(ヘルプ的扱い)
元の所属 機械技師(専門はコンピューター)

魔術師の家の次男で家督は長男が継ぎ親の許可を得て表の世界で機械技師となった。
魔術と機械、両方の知識を持ち合わせているためサブスタッフに近いメインスタッフとしてスカウトされた。

元々長男が家督を継承するまではマリスビリーと同じ時計塔の天体科所属でそこから噂を聞いたオルガマリー、ロマニに話を通じスカウト。基本物腰穏やか、広い知識や料理によるコミュニュケーションでメイン、サブスタッフの人材潤滑も行っている。

因みに料理の腕は錬金術に興味が出て、そこから料理に傾倒。暇があれば咲、ロマニ等と試食会などを開いている。


フラム・ヴェルム
性別 女性
所属 整備技師
元の所属 フリーランスの魔術師

カルデアに所属する技師の一人で、元はフリーランスの魔術師。
偽名を多数持っており、詳しい過去は不明だが、『船坂 華奈』の前世では家族関係だった模様。

属性魔術、降霊術、空間魔術、黒魔術等、魔術系統に於いては広い方面で精通しており、

“広く浅い”でも“狭く深い”でもなく、“広く深い”とも形容できる程に造詣が深く、その腕を買われてカルデアにスカウトされた経歴を持つ。
その知識でカルデアを────延いては華奈と前世の家族達を全力でサポートする。

また、レフ・ライノールと同じく技師としては異例でカルデアの制服を着ておらず、
赤黒いインナーと裾の長いスカートを着用しており、その上から真っ黒なローブを纏っている。このローブは礼装の役目も持っており、

対衝撃効果の他、防水といった魔術を複数仕込んでいる。

本人は茶褐色の肌に、金色の瞳と薄金色の髪をした年齢不詳の女性で、誰に対しても物腰の低い態度で接する。
しかし、服装と物腰が不一致な為に、時偶相手に不信感を与えてしまう事がある。


このお二人もいずれ立ち絵を用意したいと思います。少々お待ちくださいませ。

備品課って本当に大変だと思うんですよね。カルデアみたいな場所や組織なら尚更。南極だけでもあれなのに更には高すぎる標高。しかも多くの組織の思惑や監視の目、人数も数百名くらいの人数が居住できる巨大施設。

日用品。万が一、日常的に消耗、交代される道具、更には食事に飲料水、南極でもあの服装で過ごせるだけのエネルギーの用意。

そして多くの重要機器の電力。本当に少し考えるだけでも運用維持費が恐ろしい。よくあれを動かす重圧にオルガマリー所長は耐えたんだなあとしみじみ思ってしまいます。

最後に UA 40071件 しおり 131件 お気に入り 344件 UA4万超えとは・・・本当に皆様の応援が嬉しいです。もしかしたら一週間毎、またはそれよりも遅い更新になるかもしれませんがどうか宜しくおねがいします。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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