転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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フラム「ん~~♪ んん~んっ~♪」
(カルデア内部を散策中)

フラム「~♪ ん・・・? 何でしょう」
(壁を剥がして見る。爆弾発見)

フラム「はぁ・・・また。華奈の言うとおりですけども、多すぎでしょう。念入りと言えばそれまでですが・・・入れ替えておきましょうか」
(ダミーに入れ替え、本物は廃棄)

フラム「さて・・・今夜は何を食べましょうかねえ~?」
(壁をもとに戻して散策を再開)


心配と爆発

 カルデアのプロジェクトも大詰めになり、備品の配備に使用できるものを取捨選択していく。とは言え、こうなってくると準備自体は召喚課スタッフにオペレーター、レイシフトの準備するスタッフが忙しいが華奈のような前もって準備する部署はもう何もすることはなく、ただただゆっくり茶をすすって時間を潰すくらいだ。

 

 見学にも参加しても良いかもしれないがオルガマリーは認めない、もし切羽詰まった状況なら癇癪、ヒステリーを起こしてまた騒ぎになる。セレモニーがグダグダになりかねない。

 

 なので自室に・・・とはいかずカルデア内部を散策し、ある物を探しては壊したりしていた。

 

 「これで10個・・・はぁ、キリがないです」

 

 カルデアの内部に設置されつくされた爆弾。ご丁寧に施設の破壊よりも人を殺すことに主眼をおいた爆弾がゴロゴロ。ここ数年で幾つかは破壊してダミーにすり替える。そのダミーをフラウや冬利と制作しているのだが、数が増えてきている。仕掛け人のレフ・ライノールもいよいよ始めるつもりなのだろう。

 

 「尽く私の意見も潰したりする時もありましたからね。全く、オルガマリー様もほぼ依存するのが仕方ないほどの立ちふるまいや腕をふるっているので仕方ないですけども」

 

 華奈も警戒はしていたが、それのためにさりげない提案を幾度かしては却下。あれこれと理由をつけては通せなかった。その中でも大きかったのが「機材の保護や予備、内部からの攻撃に対する対策」への草案を却下されたこと。

 

 カルデアの組織はその運営に巨額の資金が動くこともそうなのだが、多くの組織の人材や技術が入り乱れて混ざったカオスな部分もある場所であり、それ故に一度何かの騒ぎでも起きれば圧力を受けて組織解体、乗っ取りもそうだが、何よりも何かが起きた時の配慮や備えが決定的に不足していた。

 

 一度テロ行為でも起きれば救援は遅く、破壊活動でも起きて精密機械が壊れればその間カルデアは動けず、万が一爆弾が壁を壊せば南極の標高6000メートルの寒い風と雪がお出迎え。

 

 外からの攻撃も魔術師ならこの雪山でも比較的軽装で活動できる魔術を使用できれば現代の防寒技術も馬鹿に出来ず魔術を使えずとも攻撃ができないわけではない。

 

 カルデアの混乱で生じる組織間の不和を狙うもの、利益となるものもいることを考えるとこれに対する備えもやっておいて問題はないだろう。

 

 その観点からカルデアの基礎の強化にこまめに信頼できるメンバーで点検。秘密裏に調査できる面々を用意するべきだと訴えたのだが予算の問題や時間がないと言われて却下。三度目辺りからは取り合ってくれずに門前払い。それからというもの聖杯戦争の同盟者、協力者ということからの意見提案も求められなくなり、メインの仕事からも外された。

 

 それでも腐ることはなかった。というかコソコソことを始めたのだが。

 

 「姐さん。こっちも一応は処理は出来た。が・・・これで全部じゃねえだろうな。どうする? もう時間も無い。さっき最後のマスターの藤丸 立香が来たようだ。フラム、良馬、元は今はあっちの準備で手が離せない」

 

 「でしょうね・・・全く、今までの処理で合計が百を超えた辺りから数えるのも億劫ですよ」

 

 レフの技術はカルデアの運営には不可欠な人材だったのは確か。爆弾の件も結びつけるのも証拠は足りない。普段の私生活も落ち度が見つからない。下手につついてもこれ以上はサブからも外されてカルデアを追われることになる。そうなればいよいよもってカルデアに干渉して手を打てることができなくなる。それこそ積みだ。

 

 なので家族とこっそりカルデアの内部を散策がてら爆弾を探し、解体。発信している電波や信号などの類を解析して同類のものをブラックマーケットなどで補充して爆発しないダミーにすり替える。これをこまめにやっているが、人のいない場所を狙ってふらついてやるのだが、効率が良くない。一応は重要区画、などはフラムや咲に依頼して強化の魔術で機材を保護、間に金属板で保護したりこれらの予備をあらゆる場所に分散して隠す。

 

 食品、資材、その他諸々をこっそりカルデアのスベースや建築の際の隙間や作っておいた隠し部屋にしまいこんで「何があっても最低限の準備ができる」くらいには備えたつもりだ。

 

 その最後のあがきとして職員の目が集まる集会の目を盗んで出来る限りの爆弾処理に勤しんでいるのだが、数が多すぎる。

 

 「ふぅ・・・・・・冬利様。欺けていると思いますか?」

 

 「半々と言っておきましょうかねえ。レフが気づいていないから爆弾の処理、すり替えが出来る。俺たちが気づけていない爆弾の威力に自信があるから俺らを泳がせている。どっちにも取れるわけで。どちらにせよ被害軽減ができるこの状況には感謝しか無いと言っておきますか。いやまあ本当なら爆弾処理をする必要がないほうが良いわけですけども?」

 

 「まぁそうなんですが・・・」

 

 談話を続けながら信号を探る探知機をしまい一度部屋に戻ろうとした刹那、爆音と地響きが轟き、先程までの明かりは消え、黒が視界を覆った次の瞬間には赤が視界に混じり始める。

 

 《緊急事態発生。緊急事態発生》

 

 赤と黒の交じる視界に更にはけたたましいアナウンスが走る。どうやら爆弾テロが始まってしまったようだ。

 

 「姐さん!」

 

 即座に冬利が緊急用の端末を投げ渡し、華奈も持っていた携帯端末と何色もの鍵が入っている鍵束を投げ渡す。

 

 「赤の鍵で鎮火の道具を! その後は緑の医療機材、薬品の準備も! それと・・・皆の安否確認を合流できたスタッフと行ってください!」

 

 《中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。中央区画の障壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第二ゲートから退避してください》

 

 「では後で! 私はけが人の救護を行います! 冬利様はその怪我人の収容と場所の確保をお願いします」

 

 言うが早いか即座に場を離れて道中の壁を幾つか破壊して備えの一つの消火剤とマスクを撒き散らして生きながら走る。

 

 《繰り返します。中央発電所、及び中央────》

 

 どうにも出来る限りの爆弾処理はしたようだがそれでもこの破壊規模。自分たちに気づいて気づかないレベル、若しくはそれ以上の爆薬を仕掛けて念入りに破壊しておきたかったのか。中央発電所も予備の機材はあるがその損傷の度合いが分からない。この火事を鎮火、カルデアスの火を維持しつつ状況を探る。それまでは緊急用の発電機器、その場しのぎの小型発電機でどうにか賄うしか無いだろう。

 

 《動力部の停止を確認。発電量が不足しています。予備電源への切り替えに異常 が あります。職員は 手動で 切り替えてください》

 

 悪い予感は当たるものだ。地下の発電所を急遽起動し、それの補助も起こすことでどうにかなるだろうか。それと同時に職員も発見次第無事な場所の情報を教えて行ければ最高なのだが。

 

 そこまで考えて、この状況の酷さとその被害にあったカルデアの職員・・・家族、そしてマシュ。彼女たちは無事なのだろうか。家族は爆破の旨を知っていることで装備も準備している。カルデアの職員の服にも密かに耐爆や防壁を展開できる仕様にはしている。けれど・・・それでも心配には変わりない。冷や汗を垂らし、全速力で走り抜けた先で

 

 「うわお!? 華奈! どうしたんだいこんなところに!? ここは危険だ。早く避難、そうでなくても消火活動を・・・!」

 

 ロマニが走っていた。行先を考えるに、発電所だろう。此方も速度を合わせておく。彼も長くカルデアにいる以上、カルデアスの火を絶やさぬことの重要性は理解している。

 

 ・・・・・・・彼に任せても良いかもしれない。

 

 「私は・・・・・・・まだ奥にいるかも知れない職員たちの救助活動に。冬利様、咲様達が緊急の避難場所の確保をしています。これを渡しておきますのでお願いします。後、移動しながら緊急用のマスクと消火剤を転がしておいたので皆様に通達を」

 

 「は!? マスク!? 消火剤!!? い、いや危険過ぎる! 華奈はすぐに下がって・・・」

 

 問いかける時間も惜しい。家族用の端末を渡して再加速。後ろからロマニの呼び止める声が聞こえるが無視して走り抜ける。

 

 《隔壁閉鎖まで あと 40秒 中央区画に残っている職員は速やかに────》

 

 隔壁封鎖の直前に滑り込めたはいいが、目の前に広がる光景は酷いもの。轟々とうねる炎、瓦礫の山。遠目に見えるコフィンの様子を見ても起きるマスター達はいない。あの爆弾で意識を持っていかれた、そうでなくても重傷は免れないだろう。

 

 「深山・・・」

 

 刀を即座に一振り出し、コフィンの周辺の炎からコフィンを守る壁を作っていると聞き覚えのある声とそうでない男性の声が聞こえてきた。

 

 一人はマシュ、そしてもうひとりは・・・・

 

《中央隔壁 封鎖します。 館内洗浄開始まで あと 180秒です》

 

 「・・・一応は無事なようですか・・・」

 

 朧気な記憶ながら部員時代の記憶、もし自分の知る通りなら助かるだろう。そして藤丸も巻き込まれはするが・・・・・・・何やらアナウンスがしきりに煩いが聞こえない。バラバラ死体になっていない、一応は生きている。その事が脱力感を生み出し、動作がゆっくりしたものに。

 

 深山で崩壊しそうな壁を補強し、無事な奥への誘導マークを書きながら奥へとゆっくり向かう。瓦礫は切り捨てる。壁も切り裂く。何よりも確実に会うことを選びたい。

 

 「さて・・・あの二人は生きている。家族はどうなっているのでしょうか・・・」

 

 

《コフィン内マスターのバイタル基準値に 達していません レイシフト 定員に 達していません 該当マスターを検索中……発見しました 適応番号48 藤丸立香 及び 適応スタッフ 船坂 華奈 及び 適応スタッフ 源 元 を マスターとして 再設定 します》

 

 

《アンサモンプログラム スタート 霊子変換を開始 します》

 

 緊急措置の際にレイシフト適性のある人物を代員として当てはめるプログラムが作動したようだ。漸く瓦礫を細切れにして崩し、声がはっきり聞こえた辺りで霊子変換がスタート。

 

 徐々に意識は薄れ、霊子変換の際に見える光の粒を見つめながら刀を収める。こうなった以上はレイシフト先で合流する他ないだろう。力を抜き、徐々に夢見心地の感覚に移っていく。

 

《レイシフト開始まであと3》

 

 

《2》

 

 

《1》

 

 

《全工程 完了 ファーストオーダー 実証を 開始 します》

 

 このアナウンスを聞きながら華奈の意識は途切れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・目を覚ましたら、そこは火災現場でした。って感じでしょうか。いえ、若しくは戦場?」

 

 目を覚まし、身体を起こすと目の前に広がるはカルデア以上に燃え盛る業火、そのせいで融解したり真っ黒になっている鉄骨、瓦礫。町も多く剥がれ気になって崩れ去り、かつてあったはずの景色も何もあったものではない。

 

 地獄と呼んでもいいほどの酷い景色にこれまたその住人にふさわしい歩く骸骨。ご丁寧に武装までしてメルヘンやファンタジーの世界に迷い込んだ気分だ。

 

 その住人たちは此方を殺す対象と見たのか矛先を向け、ジリジリと近寄ってくる。

 

 「さて、マシュ様、藤丸様、元様は何処に飛ばされたのやら・・・」

 

 此方も刀を抜き、臨戦態勢を整え、構える。十年前にかつて戦った町、冬木でもう一度華奈は剣を取りここに飛ばされたメンバーと合流するべく動き始めた。




~元サイド~

元「ん・・・飛ばされて・・・ええと、冬木だったか・・・さて、こっちも召喚しなければ変えることも難しいかな?」
(華奈に渡したものと同じアクセサリーを取り出す)

元「誰が来るのか・・・部員時代だとイシュタルとの縁も深かったけども・・・今の自分には制御が難しいし、この町の縁でどなたが招かれるか・・・」
(簡易召喚開始)

メディア「あら? 貴方がマスター? ずいぶんとひどい状況ね。それで? 何をしてほしいのかしら」

元「この冬木から生還する間だけでも良いので一緒に戦ってください」

メディア「ふーん・・・ま、良いわよ。じゃ、契約完了ね。目的、若しくは今すぐしたいことは?」

元「それじゃあ、自分たち以外にもこの場所に着いたマスターたちがいるので彼らと合流したいです」

メディア「了解したわ。それじゃあ、それなりには頑張りましょうか。面倒くさいけど」



次回から冬木での探索スタート。オリジナル英霊も出せたら嬉しいですね。オリジナル英霊二騎のコンビで挑む馬鹿騒ぎ。が実現できたら良いなあ・・・


取りあえずこれからどうなるのか。

最後にUA 43062件 しおり 128件 お気に入り 353件 応援感謝します。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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