転生愉悦部の徒然日記 作:零課
(腰のポケットに手を突っ込んで掴んだものを出す)
(P○2のメモリーカード「THE 地球防衛軍2」のデータ入り)
華奈(もしかしてこれが触媒に・・・・・・・?)
ストーム1「ああ、契約完了。よろしくな。マスター。しかし、ひどい光景だな、空爆でもしまくったのか?」
(服のデザインは2のときと考えてください)
華奈「どうでしょうねえ。取り敢えず、私以外にもこの街に知り合いや家族がいるので合流をしようかと考えていますが、いいですか?」
ストーム1「まあ落ち着け、アンタが強いのは何となく分かるが、こんな状況だ、こっちも準備がしたい。銃を渡そう」
『・・・いない? 華奈が・・・? でも、ここでも・・・』
「待って! 待ちなさい!? 何でここでアイツの名前が出てくるのよ!」
一瞬ありえないと断定していた他のレイシフトしていたメンバー。しかもこれまた藤丸に次ぐ想定外の名前を出されて混乱するオルガマリー。ここにいないと分かっていてもディスプレイに移る胸ぐらをつかむように手のを伸ばして叫ぶ。
「華奈!!? あの船坂 華奈もここに飛ばされているっていうの!?」
『はっはははい!! そうです! カルデアの備品課課長で魔力保有量は馬鹿げたレベルで高いのに魔術の才能があんまりないあの華奈です!』
「聞いていないわよそんな事っ!」
新たな情報に食って掛かるオルガマリーに余計な情報を交えて話すロマニ。埒が明かないと先ほどヘルプを終えた良馬が戻ってくる。
『何しているんですか・・・ほら、ロマニさんも慌ててないで説明しないと。時間は大切に』
『う、うん・・・ボクが地下発電所に移動する際に彼女と出会って、そのまま中央管制室に行っていたのですよ。止めたのですが・・・』
『それと、レイシフトのログも先程フラムから渡されましたが確かにレイシフトしたメンバーは五名。藤丸くん。マシュちゃん、所長、元、そして華奈。緊急時とは言え間違いはないだろうと言っていますから、確実かと』
「・・・・・・・私は彼女がレイシフト適性を持っているとは聞いたことがないわよ!」
『・・・・・・・・・・・あ』
「何を隠しているのか・・・しっかり言いなさい」
思わぬうちに地雷を踏みぬいた事に漸く気づいた事に冷や汗を垂らすロマニ。そして、カルデアのトップに必要な報告をしていないことに青筋を立てるオルガマリー。気まずい空気が流れる。
『え、えぇ・・・と・・・その、色んな事情と本人からの口止めがありまして、所長や一部の人間には伝えていませんでした。・・・・・・す、すいませんでしたぁ!』
「・・・・・・・・・帰ったら覚えておきなさいよ」
『は、ハイ・・・・』
所長の帰還後に怯えるロマニ、また癇癪の種を一つ手にしてしまったオルガマリー。そんな二人をよそ目に藤丸達は周囲の警戒をしながら元に集まっていた。
「元さん。その船坂 華奈って誰なんです? 備品課とかどうとか言っていましたけど」
「私も少し気になるわマスター。美人なのかしら?」
一人は純粋な好奇心、もうひとりは少し別の思惑も含んで。
「ん・・・・まあ、そのまんまだよ。カルデアってすごい場所にあるだろ? 藤丸くんも入館の際に雪山でしばらく立ち往生で大変だったはずだ。あんな寒くて危険な場所にある施設にいる数十人、数百人の日常生活を送るだけの物資にカルデアの施設の運営に必要な物資を仕入れるにはお金も時間も必要。それを管理しているのが華奈。カルデアの財政や職員の生活を支える縁の下の力持ち。えーと、メディアさんの言う通り美人ではありますが、多分ストライクゾーンからは外れているかと思います。」
「ふーん・・・気になるね。その人。会えると良いけど・・・」
「あら残念。でもまあ、物資の管理人か・・・ならヘタに考えずに会えたら幸運。でいいでしょうね」
平凡な感想を漏らす藤丸に、着せ替え人形出来る美少女のゲットの機会を逃して残念そうにするメディア。人格に関しては物資の管理人、かつて経験した船旅での食料、物資を巡って起きる懲罰や争いを知っているだけに一応は大丈夫。生きているのなら儲けもの。と思考を打ち切る。
「ところでドクター。ここに華奈さんも飛ばされているのなら、その位置も感知できないのですか? 仮にも聖杯戦争の経験者。合流できれば心強いのですが」
オルガマリーとの間に割って入り、怒られる原因となった華奈の事を聞くマシュ。この街にいるのなら自分たちのように反応を探って場所を特定し、合流を促すことが出来るはず。仮にもレイシフト適性があるのならマスターとしてもここで何らかの英霊を呼んで戦力増強も図れるはずではないかと考えて。
『えっと・・・詳しい反応は今はわからない。一度強い反応があって、英霊を召喚しただろうことは分かるのですが、彼女がいつも付けている認識阻害効果を持つ礼装の効果でぼかされているというか・・・とにかく確認が難しくて、まるでアサシンクラスのスキル、気配遮断をされているようなものなんだ』
「そうですか・・・では、今は合流は・・・」
『うん、難しい。でも華奈は基本勝算、準備をしないでこんな事をしないし、危険ならカルデアのシステムを利用するためにわざと礼装を解くくらいはするはず。だから少なくとも今は大丈夫だとボクは考えているよ』
「・・・・・・・じゃぁ、通信が可能になったら教えるように。通信が可能になればあちらも合流が必要だと考える、若しくは近いところまで移動していることでしょうから」
『了解しました所長』
一応の話を終え、通信を切って調査を再開する調査チームであったが、未だ周辺の怪物に慣れないオルガマリーは怪物を見るたびに怯えては声を上げ、メディアから貰った精神安定剤を服用。暫くして活動再開と少しグダグダ気味のスタートとなったという。
「ほう、マスターも英霊なのか。しかも日本生まれ」
「ええ、英霊として昇華されたところはイギリスですが、まあそこは後で語っていきましょう」
華奈とストーム1はあの後すぐに藤丸達に合流することはなく互いに簡単な自己紹介をしながら深山で土の的を幾つか作り、屋敷の庭で射撃訓練をしていた。
理由としてはストーム1の「こんな地獄のような光景でありながら巻き込まれた人の気配、残骸も遠目からも見られなければこの状況を作った犯人や兵器も見当たらない。ちらほら見られる化物もそんな力や能力があるとは思えない。分からないことだらけの土地で合流にかまけて此方の備えを疎かにしては共倒れ、合流前に死亡も否めない。余っている銃を渡すから手札を増やそう」という提案に乗っかり簡単な練習と相成り今に至る。
華奈自身は現代の銃火器も幾つか触れているので慣れるのには時間はさほどいらず、すぐに渡されたアサルトライフルAF99の扱い方を覚えていく。
「そんで十年前の聖杯戦争で受肉して、若返って鍛え直していたらこの騒ぎ、銃の腕もその間に覚えたと」
「大体合っていますね。現在はなぜか何もかもが荒れ果てたこの街に十年ぶりに投げ出されて巻き込まれた皆さまと再合流をということで貴方を呼んだのですよ。ストーム」
話しながらも引き金を引き、作った土壁の的を破壊していく華奈。アサルトライフルシリーズの傑作の一つと言われるだけあり扱いやすく、あっという間に作った的の数々は全てなくなった。
「ん、問題はないようだな。じゃあマスター。この銃とそうだな・・・ゴリアス99を渡しておこう。魔力で装填されるからマスターの魔力がある限り打ち放題だ。魔力の残弾管理はしっかりな」
持っているアサルトライフルとは別に渡されるバズーカ砲。譲渡された二つを見やり、ゴリアス99は一度霊子変換してしまい込む。
「分かったわ。それと、足として私の宝具を準備するからストームももう一つの宝具で一つやってもらいたい事があるの。いいかしら」
「ああ、いいが・・・そうだな、これ以上は・・・」
互いに視線を感じて迎撃体制を整え、念話で先程までの会話の続きを伝えて視線を感じた位置を睨む。
一寸早く気付けたお陰だろうか飛んできた矢玉を確認し、それぞれが持っていた銃で応戦して撃ち落とす。おおよその場所の把握を出来たストームがバズーカを構え、華奈は右手に秋水、左手にAF99を構えて迎撃準備をするが、相手も不利と悟ったか気配が遠ざかり、矢玉も飛んでこなかった。
「今の英霊にも覚えが・・・?」
「ありますね。あれはかなりの戦上手です。・・・装備の変更を一度お願いします。早く合流して迎撃しやすい状況にしましょう」
「わかったぜ。少し土蔵を借りる・・・除くなよ?」
「ふふふ・・・私はマチコ先生でも何処かの女教師でもないですからそんなことはしませんし起こりませんよ」
気さくな会話を交わしつつも先程の攻撃予想地点を睨み、武器は構えたままの華奈。此方は準備万端。機動力も手段も多い。最悪二騎、三騎同時に相手しても大抵の相手、それも先程相手した影の英霊なら問題はない。だが
(藤丸様はまだ未熟。元様もレイシフトの適性はさほど高くない。成功していても負担の面から長時間の戦闘は不利。もしあの弓兵が私達の状況をすべて把握して他の英霊に指示を出せるなら・・・少し厄介なことになりそうですね)
下手な策を打たれる行動を起こすべきだろう。自身の宝具も準備し、ストームと即座に行動出来るようにしていく。
「華奈さんはどんな人か・・・ですか?」
「うん、俺は元さんから一応カルデアでどんな事をしているのか。っていうのは分かったけど、性格というかこう・・・人となりがまだぼんやりしていて・・・」
「と言いましても・・・私も生憎と華奈さんとは接点が特に・・・備品、嗜好品の依頼でもさほど私は物を頼まなくて」
「ん~俺が言ったら、どうも贔屓して言っちゃうだろうしね。所長の目から見てどう感じます?」
この特異点の原因、異常性を調査するために探索をしている傍ら、藤丸の言った言葉で皆が少しばかり意識を向ける。この目を背けたくなるような地獄を調べるという苦痛から気を紛らわすためか、それとも単純に気になるのか。
藤丸の質問にマシュは普段の物欲のなさ、世間をよくわからないことから欲しいものが思い浮かばずに関われていなかったことで藤丸に情報を教えられず肩を落とし、一方で華奈びいきの元は正しい判断を狂わせると思い組織の長であるオルガマリーに質問を放り投げる。
「・・・・・・・私は華奈と長く関わっていないこと、そしてあくまでも私の主観ということを忘れずに聞いて頂戴。いいわね?」
「はい」
仕方ない。と一呼吸を間をおいた後、少し表情をきつくさせ、オルガマリーは語り始める。
「私から見ればあれは何かが欠けた、訳のわからない人間よ」
「・・・・・・・はい?」
先程の元の言葉をひっくり返すような発言に目を丸くする藤丸と同様に驚きを隠せない元。その吐き出すような独白をオルガマリーは続けていく。
「私が彼女・・・華奈を知った・・・正確には彼女の細かな事情知ったのはカルデアの所長についてから。一応はお父様の友人と、聖杯戦争の協力者、同盟者と聞いてはいたけど、その細かな事柄や話はあやふやだったり、話してくれなかったの。そして、私はこのカルデアに触れ、細部まで事情を理解、経歴を調べていく途中で華奈の経歴、カルデアでの活動を調べて・・・絶句したわ」
訳のわからない。意味がない。あり得ない。そんな思考が目に移り、混乱を思い出すオルガマリーの口調は段々と強いものになり、精神安定剤の効果を振り切り始める。
「カルデアの運営には多くの資金や資材が必要・・・それこそ小国の国家予算もかくやというくらいの物が・・・だからこのカルデアは国連、魔術協会、アトラスの協力と、権力の間に挟まれ、制約を受けつつ運営を続けているけど・・・その運用資金の何割かは華奈が何処からともなく用意し、資金、触媒。本当に何もかもを用意しているの。前にカルデアの足元を見た要求を跳ね除けたこともあったそうよ。・・・十代の年齢の時期から」
「国の予算クラスの資金を十代の年齢で用意してみせる手腕? 神話でもそんなやつそうはいないレベルだけど、賢者の石でも持っているのかしらね?」
「しかも彼女が家族と呼んでいる・・・元、咲、冬利、フラム。親友と呼んでいる良馬。彼らはメイン、サブのスタッフを問わず優秀な職員。彼らを引き抜いて独立して、その資産運用でカルデアのスポンサーにでもなってしまえばもっと自由に・・・カルデア内部の職員、特に魔術師や魔術師上がりのスタッフに影でどうこう言われる声も聞かずに済むはずなのよ・・・私も時折思い返しても酷いことや無茶な頼みを押し付けることだってあったし・・・・・」
一同の曖昧な表情にも気づかず尚続けていく。
「言いがかりや、このカルデアの古株なのにも関わらず下に見られる扱い。けど華奈自身は十代から聖杯戦争の経験者でお父様も認めるほどの手腕。それだけの才覚を持ちながら不満をいだいてもすぐに受け流してこの扱いにも甘んじる。分かる? 何処でも大成功して、自由にできるほどの才覚を持ちながら今の立場をわざわざ選んで稼いだ金銭もすぐさま湯水のように使われてまた走り回る・・・自分から選んで奴隷になっているようなものよ・・・・・・・」
この言葉にほぼ全員が納得する。自分の才能で得られる贅や自由を手放して小間使いに甘んじる。しかも多少の不満も無茶ぶりも受け流してこなしていく。人としても何もかもがズレている。苦行を積む必要もカルデアに留まる必要もない、最悪どうにかしてしまうほどの才能を進んで飼い殺しにしている。
パッと見では立派な心がけかもしれないが、余りにも大きな物を手放しすぎている。それはオルガマリーから見れば歪、異形そのものだろう。
「しかも私がカルデアの方針でぶつかって遠ざけた後も「恩があるから」「先達として支える」とか言って結局こんな状況にも巻き込まれた! 分かる!? 義理だの何だとで余りにもこだわりすぎて自身の利益や合理を捨てている。こんなの馬鹿よ! ド級の馬鹿か壊れた人間! そうでなくてもアイツの定規は何もかもがズレていたり規格外すぎるのよ!!!」
「・・・なんというか・・・」
「っ・・・・・・!」
「所長・・・幾ら何でも・・・」
華奈を馬鹿と言われて憤るも一度クールダウンさせようとする元。一方でマシュも一瞬だけ怒りを出したように表情を歪めていた。まるで何かとても大切なものを踏みにじられたような。そんな表情に。すぐさまそれは治まり、マシュと契約をしていた藤丸以外は分かることがなかったが。
「まあ落ち着きなさい。こんなんでいちいち目くじらを立てても何もないわ。今はこの特異点の調査、そしてその華奈との合流。その際にでもその理由を心ゆくまで聞けばいい。そうでしょう?」
鎮静の魔術をかけてオルガマリーの興奮を抑えていくメディア。ただでさえこの訳のわからぬ状況に放り込まれたのだ。話すのは構わないが、思考を削がれすぎたり調査が止まるのだけは御免だと念入りにかけてクールダウンさせる。
「・・・すいません・・・少し取り乱しました。確かに私達の目標はここの調査。勿論華奈との合流も兼ねて行いましょう」
「はい。所長」
「了解しました」
互いに元気に返事をするマシュと藤丸。マシュの声色も先程の怒り? を含んだものではなく、何時も通りの調子に戻っていた。一瞬だけ感じた感情も誤魔化そうとしたり、それよりも前向きに行こうと頑張っているのだと捉えた。
その事に気が行き過ぎたせいだろうか。それとも英霊が二騎いるからとどこか気が緩んでいたのだろうか。
調査を進める藤丸ら調査チームに向かって飛んでくる刃の群れ。そして二騎の黒い影が迫っていることに彼らはまるで気がついていなかった。
自分たちの剣であり盾でもある英霊。それに抗し得る者が来ていることを。
華奈「さて・・・久しぶりに頼むわよ? 栗毛」
ストーム1「おまたせ~・・ってなんだこりゃ! 黒王号かあ!?」
華奈「いえいえ、茶色でしょう? この子は栗毛。私の宝具で愛馬です。さ、乗ってください。聞き分けのいい子ですから大丈夫です」
(栗毛に乗る)
ストーム1「おう。こんなバカでかい馬なんてばんえい競馬くらいでしか見たことねえな」
華奈「ま、いつもあんなバイクを乗り回している貴方もすぐ慣れるでしょう。飛ばしますよっ・・・と」
(首をぽんぽんと叩いて指示を出す)
栗毛「フフン・・・」
(疾走開始)
前回の話のラスト。ストーム1が名乗りを上げた時何だかスーパーヒーロー戦隊みたいに背後から爆発が起きていそうだなあ。と思っちゃいました。
ストーム1が華奈に武器を渡して練習していたのは5の最初のシーンです。いい人たちですよね。軍曹さん達。
最後にUA 45986件 しおり 132件 お気に入り 366件有難うございます!
それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。