転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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~カルデア~

ムニエル「手が空いている職員と銀嶺の皆は来てくれー! 食料・・・というか解体されたワイバーンが山程送られてくるぞー!」

エミヤ「冷凍庫は用意してある。さあ、存分に来ると良い!」

ダンカン「皮とか骨、牙の材料になりそうなものはメディアさんやダ・ヴィンチちゃんに。肉は一度冷凍庫に入れて熟成。もしくは長期保存だ」

ヤマジ「部位ごとにラベルを貼らないとなれていない連中には分かりづらいな。咲さん。そういうテープみたいな物はないかい?」

咲「あ~・・・探してきます。兄さんたちが用意していたはずですから」

ロマニ「検疫もしておかなくちゃ・・・一度チェックに行こう」

オルガマリー「ワイバーンの肉を食べる・・・現代の魔術師が聞いたら激怒しそうよねえこれ」

メディア「ワイバーン・・・調理? あら・・・ま、華奈に聞きましょっか。しかし、いい仕事するわね。なかなかいい材料じゃないの」

~フランス・藤丸サイド~

藤丸「マシュ、クー・フーリン。ワイバーンを倒しに行こう!」

マシュ「はい! マシュ・キリエライト。全力でワイバーンを討伐します」

クー・フーリン「よし、いい準備運動だ。ついでに競争でもするかあ?」

???「皆さん! 水を頭から被る! 若しくは水を含んだ布を着けてください! それでもいくらかワイバーンの炎は抑えられます!」

藤丸「誰だろ。あれ?」


~???~

???「お? なんじゃ面白い奴らがいるようじゃの。少し暇じゃし見てみるか」



ワイバーン食堂、希望の大移民~ワイバーンの鱗スープ~

 「っはぁ・・・・はぁあぁ・・・・・」

 

 女は地面を這いずり、息も絶え絶えの状態でどうにか意識を保って前へ、前へと進もうとする。

 

 「ごほ・・・・っくそ・・・くそ・・・! くそ・・・・・っ!」

 

 身体にはいくつもの火傷に爆風で飛んできた破片に自身が纏う鎧が内側に食い込んで肉を切り裂く。焼け付く肌は地面から映えている草木に触れては痛みが走り、身体を動かす度に傷口から熱く鋭い痛みが走る。爆風を打ち付けられた身体は全身に鈍い痛みが常に走って鈍痛で気が失いそうだ。

 

 途中で掴んでいたワイバーンを離してしまい、地面を這いずる惨めな状態、それでも体を動かすのは復讐。このフランスへの、そしてその最高の舞台を蹂躙するのに邪魔だと思っていた羽虫・・・いや、あの英霊の面々を叩き潰して屈辱を与えるために。

 

 「ふざけんじゃないわよ・・・! あんなメチャクチャな・・・仲間ごと巻き込むようなイカレ連中だったなんて・・・」

 

 光の柱が目のつけた女英霊ごと遠慮もなく迫ってくる。しかもその間にいつの間にか女はいなくなってバッグに詰めていた爆薬と光の柱の挟撃。どうやったかはわからないが連携、打ち合わせをしていたのだろう。ただ、それが英霊を一歩間違えれば巻き込みかねない馬鹿げた作戦を平然とやっていく。自分のような復讐のみの連中ならまだしもまともな英霊であろうと思った。狂化を施したあの崇高な英霊とやらと同じ匂いがしたのにこれだ。

 

 認識を改めるべきだろう。あの英霊にヘルメットの軽口野郎。そしてあの光の柱をぶっ放したであろうマスターらしき女性。あれはとりわけ危険だ。行動もそうだが武器も危険だ。あのワイバーンの群れを活かした盾。あれも朦朧とした意識の中ではあったがあっという間に消えていった。武器、スキル。どれかはわからないが・・・あれは真っ向からぶつかっては駄目。

 

 生半可な化物ではすぐさま殺されて終わる。しかも失った戦力も大きい。時間が欲しい。自分が逃げるための時間。そして相手を調べて殺すための準備が・・・

 

 「っ・・・・・ジルとの連絡が取りたいけど・・・アレの宝具は寧ろ彼奴等を引き寄せる・・・その前、に・・・」

 

 まだ爆音で耳がイカれて思考が歪む中でどうやって生き残ろうかと必死に思案する。ライダーは駄目だ。下級とはいえ竜種の海をあっという間に屠りさる火力を叩き込まれてはアレでも意味がないだろう。そして自分の信頼できるジルドレの気色悪い怪物ももしかしたらアレらには相性が悪いかもしれない。何よりも相談相手がここで万が一にでも死ねば最高の復讐への準備が遅れかねない。

 

 処刑人も遠距離で絡め取られかねない。血を求めるあのランサーですらも気づかれること無く英霊を回り込ませる連中・・・戦場を知らない処刑人ではいかに殺しの手腕が上手くても射程内で絡め取られておしまい。

 

 相手も馬鹿ではなく追撃もしているだろう。追撃を跳ね返せて遠距離戦が出来るとなればアーチャー。そしてあの馬鹿みたいな奇策にも対処できるキチガイにも問題なさそうな傑物。となればあの二人しか無い。

 

 「バーサーク・アーチャー・・・バーサーク・・・・めんどくさい・・・ランスロット・・・ここに私を追いかけてきた連中が来たら殺しなさい。そしてバーサーク・アサシン・・・私を抱えて戻りなさい。治療もしっかりね」

 

 女・・・黒ジャンヌは自身のクラス、ルーラーの、そしてマスターの特権で英霊を呼び寄せて壁とする。緑と黒を基調とした衣装に鋭い緑の目。薄い金と緑の混じった長髪にすらりとした肢体。弓を持つこともそうだが、人でありながら獣耳と猫のような尻尾を持つ美しい女性。バーサーク・アーチャー。

 

 全身を漆黒の鎧とモヤに包まれている偉丈夫の騎士。瞳の部分は赤く光って正直な話メカに見えてもおかしくはない。低い唸り声を上げて佇むさまはそれだけでも狂気を感じさせる。円卓の騎士ランスロット。それが狂気に染まった姿。

 

 そして黒ジャンヌを抱えて走りながら治療を始める優男。白髪に碧の瞳。そして白と黒の服に身を包んだ男性。もう一騎のバーサーク・アサシン。かなりの経験者なのか手慣れた手付きで傷を治療していき、黒ジャンヌには気の紛らわしにと強い酒を飲ませる。

 

 「覚えていなさいよ・・・この傷が癒えたら今度は地獄すらも生ぬるい炎で焼き切ってあげるわよ・・・!」

 

 痛みが和らいでいく感覚とは裏腹に言えることはなく激しさを増していく憤怒の炎。最高の気分と復讐できるはずの力を覆されてそれでも、だからこそより炎は燃え盛り、自身をこんな目に合わせた三人を殺す算段を立て始めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「では・・・あなた達もこのフランスを助けに?」

 

 「は、はい。まさかいきなりワイバーンと戦うなんて思いもしませんでしたが」

 

 フランスに無事に到着した藤丸ら一行。マシュにクー・フーリンともはぐれること無く一緒に来れていることに安堵した直後にいきなりの爆音。そしてはぐれていた華奈たちの反応らしきものがそれといういきなり爆発出オチじみたひどい話に皆冬木での再会を思い出し、忘れるようにのどかな自然の風景に謎の光輪。

 

 光輪自体の謎は残ったが特にマシュは今までカルデアから出ていなかった事もあって眼の前にある土、草木。風に感動して周辺を見回していきながら足を進めていくとワイバーンに襲われていた城。ワイバーンに抵抗する兵士や逃げ惑う民草に指示を与えつつ守るために必死に戦う女性と合流。

 

 流れのままに協力してワイバーンを討伐してから一段落・・・とはいかずに女性を見るや城の誰もが怯え、時には石も投げられたので一度離れた場所に移動して会話を再開となった。

 

 「助かります・・・その、私も今の力ではとても・・・」

 

 その女性は金の長髪を編んで一つにまとめ、変わった額当てを装着、チャイナドレスと鎧を組み合わせたようなこれまた露出がやや多めのバトルドレスと鎧に女性らしい成熟した肢体を包む。武装らしい武装は腰に差した剣に旗。柔らかな碧の瞳は見ているだけで心が落ち着き、笑顔になる華やかさがある。

 

 目の前で自分の力不足を憂う女性の名はジャンヌ・ダルク。この百年戦争でさっそうと現れて快進撃をこなし、二年という短い期間で歴史に名を刻んだ聖女その人。

 

 「いえ。ジャンヌさんの参加はありがたいです。能力もそうですが、私達はこの時代のフランスをよく知りませんから。現地の人でこの時代をよく知る。その上頼もしい仲間です」

 

 マシュも有名な英雄に、しかもこの時代をよく知る同性に会えて嬉しいのか少し上機嫌気味に話しかけている。

 

 「有難うございます。それでなんですが・・・私が処刑されてあまり日がたっていない時間に呼ばれたせいでしょうか? 私自身もあまり力が出ないというのが、後は・・・竜の魔女。なんでも黒い私がこのフランスを破壊していっているとか・・・」

 

 「ああ、そう言ってたな。竜の魔女がどうたらとか」

 

 益々沈む表情のジャンヌに城での出来事、民衆の会話を思い返すクー・フーリン。魔女として裁かれた直後なので魔女扱いはまあ分かるが、『竜の魔女』というワードにさっきのワイバーン。

 

 『あんまりいい話じゃないけど、ジャンヌ・ダルクを騙る偽物が暴れているか、本当にそういうジャンヌ・ダルクが暴れているのかもしれないね』

 

 『さっきの華奈たちのところにも大量のワイバーンの群れがいたみたいだし、とりあえずワイバーンを使役している誰かがいるということは確定していいんじゃないかしら? ミス・ジャンヌには申し訳ないですが、私達の方もまだ情報が定まっていないし少ないのです。情報を持っていそうな片方は今暴走して良馬が情報を聞き出しているみたいなのでもう少しだけお待ち下さい』

 

 カルデア側も情報を調べている様子ではあるがどうにも今は遠くにエネミーがまばらにいるだけであり、索敵範囲から得られる情報は今は地理と藤丸らの無事。そして英霊の数の確認くらいだった。

 

 そのことに謝罪をするオルガマリーに頭に霜が乗ってたロマニ。何やら少し後ろが騒がしかったし冷凍庫でも故障したのだろうかと一同は小首をかしげる。

 

 「そう言えば、華奈さんらはどうしたんだろう。あの爆音から何もないけど・・・」

 

 色々と変な部分はあるが余計なことは少ししかしないはずの冷静な華奈に戦場を潜り抜けた以上余計な騒ぎの危険性を理解しているストーム1、そしてあのアーサー王、アルトリアが意味もなく爆音響かせ放題のあの騒ぎを起こしてハイ終わりというのは少し変だ。

 

 カルデアもあの爆発の反応を調べられるのだから華奈たちにも通信ができたり、位置情報を教えて合流も出来ていてもおかしくはないはずなのだが。と考えていると目の前に一騎の騎兵が駆けてくる。それは藤丸らの前で止まり、ゆっくりと馬から降りた。

 

 「おーいたいた。みんな元気い? オジサンはお使いで少し疲れちゃったよ。あ~大将・・・華奈の大将のお願いと合流地点を教えに来たんだけど、大丈夫かい?」

 

 軽装の鎧に剣を一振り、黒い髪を後ろに流している中年男性。飄々とした話し方で此方に歩み寄り、一言断って手紙を出す。

 

 ややデフォルメされたアルトリアの笑顔が描かれた便箋に一同少し硬直すると改めて封を切る。

 

 「手紙」 

 

  

 

 藤丸様、マシュ様、クー・フーリン様。この手紙が来たということは無事に銀嶺の誰かに会いましたね? 無事なようでよかったです。私の方ですが、何やら黒ジャンヌ? に会いまして早速殺されそうになったので爆弾とエクスカリバーとバズーカで撃退しました。城一つ壊しましたけど。

 

 で、そのときにワイバーンも沢山駆除してしまいまして、腐らせるのも勿体無いのでカルデアに送るために城の跡地で銀嶺の皆で解体作業をしています。そこを合流場所にしましょう。必要なら足も用意します。

 

 それと、ワイバーンだけしか遭遇していませんが、どうにも相手の札は多いようです。民草を多く巻き込むのは本意ではないですし、特異点崩壊。私達の敗北になる可能性もあります。というわけで私達の花火を利用した檄文を用意しました。

 

 これです。

 

 

 

 竜の魔女は現れた。かつて国を救うために戦った聖女は裏切りと侮蔑、辱めを糧に炎と竜。悪魔と怪物を呼び出して蹂躙する。

 

 戦場はこの国となり、怒りが闇と業火となって襲いかかる。

 

 しかしそれは聖女の望むべきものではなく、聖女を信じた民草が殺されることをこの国が、かの神が望むわけもない。

 

 それはなぜか? 聖女は自身の苛烈な未来を感じて尚気高く戦い、国のために戦った。聖女に与えたこの過酷な試練に最後まで応えた聖女を天の国へと迎えた神もこれ以上この迷える子羊に、世界に試練を望んではいない。

 

 世界もそれを良しとはせずに竜の魔女と戦うものが現れた。先程のあの黄金の柱は何か、紅蓮の爆発は何か。あの竜の群れを、雲を殺し尽くした青の光は、高速の爆発する矢はなんだろうか。見えなくともあの音はなんだろうか。

 

 それは始まりである。竜の魔女に抗う戦士の戦いの狼煙である。

 

 竜の魔女はかの聖女ではなく、聖女を騙り、よく似ている何か、別物だろう。彼女をよく知るものであればそれはよく知るところだろう。しかしその力も数もかつての戦いの比ではなく、苛烈な戦いが起こる。竜の魔女を倒すための戦士の戦いが、竜を倒す英雄たちの物語が始まる。

 

 だからこそ皆心を強く持って生き抜くことを考えよ。希望はここに再び現れた。力なきものは手を取り合って生きるためにこの過酷な戦いからはなれよ。

 

 この暴虐に抗う力を持つものは牙なき人の明日を作るために戦い抜け。

 

 神は民草の安寧と明日を手にすることを望み、戦う戦士も巻き込まれることを望まない。生きることこそ戦いであり、守ることこそが望みである。故に民は避難し、戦士は守ることを良しとせよ。

 

 さあ、動くときだ。汝の隣人を愛して手を差し伸べよ。国を覆う試練を生き延びてかの神の作った素晴らしい世界の明日を見るために、誰かに見せるために動くときだ。

 

 

 

 ・・・とまあ、こんな感じです。少しくどいかもですがこれくらい大仰な方が良いかもしれませんし、銀嶺の魔術師のメンバーで音声も流れたり複数準備して既に檄文として流しています。いずれ動き始めるでしょう。そのときにここに呼んだ銀嶺の皆様もまた準備をさせています。

 

 情報もここで交換しがてら今後の方針を打ちたいと思いますが、いいですね? 私も少なくとも夜には戻ります。どうかご武運を 

 

                                     船坂 華奈

 

 

 

 「こんな感じだ。大将は三人でツーリングに行っていたから、すぐ戻ってくるだろう。どうだい? オジサンと一緒に合流しに行くかい?」

 

 手紙を読み終わった反応を見ていつの間にかタバコを咥えてニタリと微笑む銀嶺の一員であろう中年男性。マシュも筆跡を見て華奈だと理解しているし銀嶺の使者に内容と自身らの情報の合致。問題はなさそうに思える。

 

 とりあえず城が一つおじゃんになったことなどには目をつぶるとして。だ。

 

 「ん~行ってみようかなあ・・・どの道ここに居ても怪物が来るだろうし、合流できる方が良いや」

 

 「私も賛成です。魔力反応からも嘘はないでしょうし、カルデアの騒ぎの内容もどうやら華奈さんらが原因らしいですし」

 

 ポリポリと頭をかいて藤丸は立ち上がると手紙を便箋にしまいこんで男性にお願いしますと頭を下げる。それに続いてマシュも頭を下げ、ジャンヌもそれに続く形になる。それをみて男性も苦笑しながら頭をかき

 

 「いやぁ。素直な子たちだ。とりあえずこっちも足を準備するけどしばらく時間が必要だからその間は歩こうか。ほら、藤丸くんにマシュちゃんも乗って。オジサンは久しぶりの散歩するからさ」

 

 藤丸らを馬に乗せて男性は手綱を引き、ゆったりと爆破された城に向かってあるき始めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ・・・・・・ワイバーンの速さも久しぶりですと読み違えますかね?」

 

 黒ジャンヌに思い切り爆撃とミサイルの嵐を降らせた後にストーム1の用意したバイク、フリージャーシリーズにまたがって爆走、追跡していた華奈たちだが、姿を見失っていた。

 

 遠目からでも意識が朦朧であり、ワイバーンの妨害もバイクの装備であるミサイルやマシンガンで撃ち落とし、ミサイル片手に追いかけていたがいやに此方の障害となる地形を選んで飛んでいたせいで距離は開くばかりでついに視界から遠ざかり、今現在準備している武装の射程外になってしまう。

 

 「それよりもあの底力というべきでしょう。あの状況でああも耐える根性に衰えない気炎。フランスへの復讐でしたか? あながち、軽い言葉ではないようですね」

 

 アルトリアも黒ジャンヌの気力に思わず感心していた。自分なりに力を込めたエクスカリバーにC70爆弾の爆発、飛んで逃げ場のない空中でのプラズマボンバーの爆風。あれを浴びて尚ワイバーンにしがみつき、朦朧とした状態であろうとも掴まり続けて逃げおおせた。移動中に華奈から聞いた情報でのすり合わせで聞いたフランスへの復讐。本気であり、この程度で参る者ではないだろうと警戒を引き上げていく。

 

 「しかし、愛しのジャンヌちゃんにはこうして逃げられたし・・・これくらいで・・・!」

 

 「ストップ」

 

 「ええ・・・嫌な感じですね・・・」

 

 軽口を叩きながら最早遮るものはないバイクでの追跡をしていた三人だが突如バイクを止める。華奈は経験で。ストーム1はそのガンナーのクラスでの超越した視力、そして殺気を感じ取る。アルトリアは直感ですぐさま動きを止める。

 

 自身らの目の先にある森。この中、若しくは先に嫌なものがある。何というか、今そのまま行けば少なくとも被害を被ることは確定だろうと。

 

 『よし、ようやく通信ができた。幾ら何でもバイクの追跡は骨が折れますよ全く』

 

 ようやくバイクでの移動が止まったことで存在を保つための測定だけではなく通信も使えるようになり、華奈たちの斜め前に良馬の映像が移り、声が聞こえ始める。

 

 数百キロで爆走するバイクの追跡には骨が折れたようで少し表情が疲れていた。

 

 「ああ、申し訳ありません。上手く行けば一発解決だったもので・・・それで、失礼しますが、良馬様。索敵範囲を広げることって可能ですか?」

 

 『ん? え、ええ。十キロ以上でも問題ないです。ですが・・・あの森を調べればいいので?』

 

 「頼みます。何と言いますか。嫌な感じがしまして」

 

 言われるがままに良馬はコンソールをすぐに叩き、華奈たちの目の前にある森、周辺を調べていく。エネミー反応。毒物の検出や生きた人間がいるか。数分の細かな検索の結果は

 

 「ああ、いますね。一騎はあやふやですが少なくとも二騎。しかもどちらもかなり強力な反応です。エネミー自体は少ない、ばらばらで多分相手の用意したものではないでしょう」

 

 英霊が二騎、そしていくらかのエネミーという結果に落ち着く。数では勝っている。ただ強力な反応。タイミングからして自分らに立ち向かえる、若しくは打倒し得る戦力が来ている。最悪なのはこれに手間を取らされて自分らが包囲殲滅される。若しくは藤丸たちや民草に向かうこと。

 

 「「「・・・・・・・・・・・」」」

 

 勢いを殺さずにこのまま相手の大将首を手に入れることは大きな進展だが、一度合流と思い切り暴れても問題ない戦いの場作り、そして情報交換に切り替えたほうが良いだろうかと一同が思考を回す。

 

 「帰りましょう。そして戦力の確認と避難民の援助。ついでにこれらを大々的に宣伝してあの黒ジャンヌらに私達に徹底的にヘイトが向くように仕向けるように考えていきましょう」

 

 「敵がゲリラ戦という選択肢を選ばせないための挑発か。となればあの檄文の発行元をばらしてふっかける。逃げるさまを映像にして流しまくってやる・・・加減が難しいな。あの姉ちゃん、見るからに沸点低そうだし」

 

 「短気は損気というのに。戦でそれは死へ足を突っ込むようなものです。じゃ、今日はこれで引き上げる。でいいですか?」

 

 アルトリアの声に一同が頷きバイクの方向を反転。最早ワイバーンの解体現場とかした廃城のあった場所へとバイクを走らせていく。

 

 「あー・・・そう言えばソースとかはカルデアから送ってもらいましょうか。ワイバーンの肉に合うものと鱗のスープを作るための布に茶漉しにブラシ、ハンマー・・・野菜に関してはそこらへんの野草でいいですかね?」

 

 「暖かい飯なら尚良いな。ついでに連絡で一つ注文を銀嶺にしておいたがいいか?」

 

 「姉上。レシピを書く紙は無いですか? ワイバーンは妖精郷でも害獣として大変なんですが、最近レパートリーを増やしたくて」

 

 『私の方から用意しておきますよ。情報提供も含めて安全運転でお願いしますよ?』

 

 とても戦争をおっぱじめた主犯とは思えないほどに和やかな会話をしながら。




~廃城・爆破解体後現ワイバーン加工所~

アシェラッド「うーし。次は荷車に馬車、薬草に携帯食料の増産だー馬を使って各方面の村々に配ってついでに檄文ぶちまけてこい」

タルヴェラ「ただいまーっと。藤丸君ら無事に連れてきましたよっと」

藤丸「・・・なにこれ?」

マシュ「ワイバーンの加工に周辺の木材で馬車や荷車・・・工場というか何というか」

ジャンヌ「あの・・・銀嶺ってあの銀嶺ですか?」

ロマニ『うん。多分考えている通りの銀嶺だと思うよ』

クー・フーリン「お、いい匂いだ。飯でも作ってんのか?」

~華奈サイド~

ストーム1「あー・・・これ良いなあ。薬草だらけだ」

アルトリア「少し摘んでいきますか?」

華奈「ふむ。栄養にもいい薬味になりますし、おお。これは体温調整の薬草も・・・野宿は藤丸様には堪えるでしょうし摘んでいきましょうか」

良馬『あ、そうでした。ワイバーンですが生まれてすぐだったり、この環境ではワイバーンに寄生する寄生虫がいないのかそのまんま食べられそうです』

華奈「あら、助かりますね。念入りな血抜きと解体に気を使えば問題ないですから今晩は肝の串焼きも作りましょうか」






自分の爆破攻撃を避難のきっかけと英霊たちへの檄文、ジャンヌオルタへの宣戦布告へと利用。神の戦、にいくつかの聖書からの引用での檄文。とっさに考えた作戦ですがどうなるか。

ストーム1の追加注文は避難の助けになるための荷車に薬草などの準備。

そしてストーム1の準備したバイクは地球防衛軍シリーズ5で登場したバイク。フリージャーシリーズ。誘導ミサイルからマシンガンなど攻撃手段も様々。特にマシンガンの火力は凄まじいです。これを利用した周回引き撃ちでの殲滅をした人も多いはずです。

次回でようやく合流。もしかしたら食事から始まるかもしれません。

最後にUA 65304件 しおり 164件 お気に入り466件 有難うございます! また次回もよろしくおねがいします。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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