転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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華奈「ストーム。グレランください」

ストーム1「へいお待ち。お代は百万円ね」

華奈「今晩の晩御飯で」

ストーム1「毎度あり」

アルトリア「うげっぇ・・・・・・・これはたこ焼きにも、おでんにも出来ないですねえ・・・臭いが・・・」

クー・フーリン「しかも大将首も取れないとはねえ・・・一点集中で行くか・・・」

マリー「・・・流石に、あれは少し気味が悪いですわ」

ジャンヌ「同感です・・・しかし、こんなものを使うようになったのですね。ジル・・・」

良馬『皆さん! 敵が動きを変えました! 三方向に分散、そのまま直進していきます!』

オルガマリー『おそらくだけど、そのままフランスを蹂躙するみたい! どうするの!? 流石にこの数だとアルトリアのエクスカリバーを乱発しても・・・!』

華奈「うーん・・・エミヤ様?」

エミヤ『なにかね?』

華奈「トレースさせたAF99、ゴリアス99。いくつありますか?」

エミヤ「そうだな・・・質も維持しつつだったからせいぜいが20前後だろう」

華奈「OKです。アルトリア様、任せました」

アルトリア「では、その武器をヤマジたちに持たせて私と一緒に行動。一隊を叩きに行きましょう」

ヤマジ「任された。それじゃあ300でそこに参加、その後はすぐに戻るぜ?」

オルガマリー『正面は華奈、ストーム1、側面の一つはアルトリア、銀嶺。となれば・・・ロマニ! 藤丸、マシュに連絡!』

ロマニ『了解! 早速通信、開きます!』



~藤丸サイド~

藤丸「俺たちはもう一つを叩くんですね?」

ロマニ『うん、華奈がそっちに英霊も数騎回しているみたいだから、安心して欲しい』

オルガマリー『それと、そっちの担当陣地は銀嶺の防陣、華奈も必要に合わせて部隊を回すそうだから、比較的ヘルプは回しやすいから安心して』

マシュ「了解です! そのまま戦闘続行! あの怪物たちを食い止めます!」

~しばらくして~


ちょっとだけよん。二度目の野営~ドロドロチーズたっぷりシチューとライ麦パン~

 「破戒すべき全ての符!!(ルールブレイカー)

 

 「アッーーー!!?」

 

 「・・・メディアさん。流石にためらいはないのですか?」

 

 結局、その後開かれたジル・ド・レエの救援と物量作戦の反撃に華奈達カルデアと英霊達のメンバーは食い止め、殲滅は出来たがまたジル・ド・レエとジャンヌオルタは逃げられることになってしまい、マスター、英霊達の消耗も大きかったのでオルレアンに近づかずに最初に作った防衛陣地に戻り、休息を取ることとなった。

 

 そして、その間に救援に来てくれた英霊。マリー・アントワネット、モーツァルトが対処してくれた英霊。気絶したまま拘束していたジャンヌオルタサイドの英霊サンソンに短時間ながら再び元、メディアをレイシフトさせ宝具をぶっ刺して契約解除。その後藤丸に仮契約を結ばせて疲労した銀嶺、夕方に合流してくれたメンバーらの手当に手を借りたいという考えから実行。何やら変な声を出しながらも契約は切れ、そのまま契約を行使。元らはカルデアに帰還。とはならずにその様子を眺める。

 

 「いやぁ助かります。疲れていましたし、医者の方にわずかにでも狂化で手元が狂っては大変ですからね」

 

 「しかしまあ、変な絵面だ。あ、スモークチーズもう良いな。卵も。どれ・・・よし、煙の風味がいい。良いチップで燻せた」

 

 拘束したイケメンにローブの女性が歪なナイフを突き刺して少年が手の甲の令呪を光らせて契約を結ぶというなんとも言えない光景を尻目にまたアルトリア、華奈、ストーム1は銀嶺の調理ができる面々と夕ご飯のシチューと燻製料理を作り、空きっ腹に活力と栄養をぶち込もうと食材と格闘を繰り広げる。

 

 「まあ、私はともかく、藤丸くんに姉上は消耗が大きいですからね。アレを使うには魔力も足りないでしょうし・・・うーん。パリパリ感と・・・ぐぬぬ・・・燻製肉に合うパンは・・・いえ、クレソンやレタスと合わせたサラダというのも・・・」

 

 アルトリアの言う通り華奈は自身の軍団を召喚し、ストーム1の宝具をいくつも使用、自身もグレランを持ってジル・ド・レエの繰り出すタコのようなヒトデのような区別のつきにくい怪物とワイバーン、多くの怪物に打ち込みまくる。

 

 藤丸はそもそもの魔術回路の開発、変化が始まっているそうだが、その期間もまだ始まったばかり。そのくせに英霊達の長時間戦闘、宝具も低燃費とは言え使用。複数の英霊との契約。長時間戦場の空気や圧にさらされた精神的疲労。回路もメチャクチャすぎる酷使だ。ともかく、肉体的にも精神的にもカルデアのマスターたちの疲労は凄まじいもの。

 

 敵の大将は取れなかったが、やけになった相手からなにかこれ以上の手を打たれて対処が取れないよりはマシ。むしろ方位のための援軍がこうして多く駆けつけているのでむしろ有利にことが運べたとアルトリアは考えているのでさほど重くは考えておらず、むしろ燻製肉というパンには合わせづらい食材の一品に脳内の比重が大半を占める状況だ。

 

 「華奈さーん。チーズ、溶けてきましたが本当に入れるのですか~!」

 

 そして、その夜空のキッチンにマシュも即席で用意したエプロンを着け、特大鍋で用意したチーズを棍棒のようなかき混ぜ棒で混ぜ、ボコボコと沸騰していたことで声を掛ける。修羅場をくぐった直後だと言うのに楽しんでいるのか疲労の色は見えず、チーズの香りに時折匂いを嗅いでは楽しんでいる様子。

 

 「はい。私達の鍋に思い切り入れちゃってください。今日はよく冷えますからねえ。それと肉も一日置いて少しは熟成してきたので、芯からあたたまるものをと」

 

 「了解です。よいしょ・・・入れます! ここまでチーズを入れるシチューなんてはじめての体験で楽しみです」

 

 チーズの鍋を掴み、華奈の特大の魔女の鍋、芋煮の鍋を連想させるような鍋に煮立つシチューにマシュはチーズの鍋を傾けてチーズを入れていき、華奈がかき混ぜ棒でチーズを掻き出してはシチューと混ぜていく。クリームの優しい香りの中にチーズの主張ととろみが混ざりあい、昨晩のハンバーグとは別のベクトルでかぐわしい香りが漂い始める。

 

 「よし、これでいいですかね。はい、元様。これがカルデアの分ですね。仲良く食べてくださいよ?」

 

 「了解。じゃあ、メディアさん。そこを持ってください」

 

 「わかったわ。もう、こんなことなら坊やを呼んでくるべきだったかしら」

 

 ぶつくさいいながらもカルデアの分作っておいたシチューの特大鍋を受け取り、元と一緒に帰っていくメディア。後ろにはヤマジ達。それを華奈たちは手を振って見送り。

 

 「じゃ、マシュ様。完成したのでどうぞ皆様で食べてください。私は少し話がしたい方がいますので、少し離れた場所に行きますね?」

 

 残りの鍋にもチーズを流し込んで混ぜた後に自身の分を持って移動していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「では、あの方はますたぁの・・・えーと、先生? 上司? でいいのでしょうか。はい、あーん・・・」

 

 「うん、大体はそんな感じ・・・わわっ! ちょっ、まって! あつぅい! アツアツだから! チーズが垂れるぅ!!」

 

 そして始まるは愉快な晩餐。少し歩けばすぐ平野。廃城と防陣があるとは言え簡素な場所故に夜風は冷えるもの。そんな中でドロドロで冷めにくいシチュー、そしてわざと風味の強いライ麦パン、麦粥と更には燻製料理という熱く、濃い味の組み合わせは英霊、兵士全て別け隔てなく戦疲れと夜風の寒さを吹き飛ばし、炎を囲んで談笑しては酒や湯を傾ける。

 

 楽しい食事の時間の中で一番華やか、そして姦しいであろう集まりの中心にいる藤丸にはベッタリと清姫が付いており、スプーンでシチューを掬っては藤丸の口に近づけるが、冷めづらいようにと作ったせいでやけどするような熱さで来る上に落ちるシチューすらも熱い。ちょっとした夫婦漫才のような光景を繰り広げていた。

 

 「あら、失礼しました。では、ふーふーしてから渡しますね♡」

 

 「・・・せんぱい、私もしましょうか? は、はいあー・・・」

 

 「まってまって! 自分で食べられるから! ほら、こう・・・あっづう!!」 

 

 それに目を細め、嫉妬の表情を、マシュ本人は気づいてもないだろうが浮かべ、自身のシチューを掬って藤丸に持っていく。流石にこの状況はまずいと藤丸も自身の分を口に入れるが熱々のものを急に入れたものだから口の中で事故が発生してその衝撃で転げ回る。その中でもシチューだけはしっかりとこぼさぬように置いているところが尚面白く、みなはその光景を肴に夜を過ごす。

 

 「ウフフ。カルデアのマスターさんはとてもモテモテなのね♪ 後で私もしちゃおうかしら?」

 

 「やめたほうがいいよマリー。周りの兵士の視線が微笑ましいものから嫉妬の嵐になるだろうさ。銀嶺以外の兵は確実にね」

 

 「あ、あの・・・それはいいのですが、食べづらくはないですか? それと、そのぉ・・・は、恥ずかしい・・・」

 

 この光景を楽しむものは英霊にもいるようで、天才音楽家アマデウス・モーツァルト。革命の渦に飲まれた王女マリー・アントワネット。そして救国の聖女ジャンヌ・ダルク。三人もシチューをバケットで楽しみつつ、マリーはジャンヌに後ろから抱きついて微笑み、アマデウスはそれを見つつ、マリーの奔放な発想に釘を刺す。

 

 「あら、軽いスキンシップじゃないの。それに、フランスを救った英雄に王が礼を伝えるのは当然よ? 私も大好きなジャンヌにもこうして会えたのですもの。ほっぺにキスくらいは許してもそれは当然の褒美じゃないかしら」

 

 「い、いえマリー様。流石に・・・あの方々なら妥当ですが、その、褒章であればもっと厳粛な場所で執り行うべきでは・・・?」

 

 「大好き・・・光栄ですが、マリー様。私はさしたることは」

 

 釘を差されて尚勢いをますそのアイデアに流石にと思ったか。マリーたちに敗れ、狂化と契約を解かれて正気に戻っていたサンソンも戻ってくる。

 

 藤丸と契約をうつろな状態ではあったが結んだことで現界は可能となり、今はその技術を活かして怪我をしていた銀嶺のメンバー、そして救援に駆けつけたフランスの兵士たちの治療行為に従事していたが、自身が敬愛する王女の行動には驚いて声を掛けるが治療自体は続けていく。

 

 ジャンヌも自分の知る王とはまた違う、違いすぎるフットワークの軽さに翻弄されて頬を赤らめ、目が右に左にと泳いでしまう。

 

 「んー・・・まあ、たしかにそうだ。講演料を踏み倒すケチな貴族なんかよりは百億倍いいだろうさ。じゃ、礼は伝えるのはいい。けど、やりすぎは注意だよマリー。うん、これはいい肉だ! ワイバーンを食べるなんて、いいアイデアが出てきそうな気がした!」

 

 「まあ、それは良いこと! 皆を盛り上げる曲を作って頂戴。けど、下品な歌は駄目。ご飯が食べられなくなったらもったいないもの」

 

 「え~・・・ここまで皆の腹の面白い音や、ネタが出てくるのになあ、しょうがない、曲だけにしておこうか。作詞はまたの機会にして、その分ギャップでの破壊力を」

 

 そしてここでも始まる漫才じみたやり取り。後ろからジャンヌに抱きついたまま体を揺らしているマリーにシチューを何度もお変わりし、酒をかっくらってはケタケタと笑うアマデウス。その間で百面相を繰り広げるジャンヌに被害を出してはいなかったが狂化の際の自身の行いの贖罪と兵士の治療に熱を入れるもツッコミを入れるサンソン。ある意味新喜劇のようなやり取りが発生。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ハフッ、ハムハフッ・・・ングッ・・・なにこれ! すっごく美味しいわ! 熱々で、ドロドロなのにいやみったらしさがない。それに、チーズをこんなにたくさん入れているのに味のバランスが良い!」

 

 「ええ・・・チーズは食感と保温。それに・・・風味でしょうか? 微かにハーブのような風味もありますし、そのまま食べても良い。風味の強いライ麦のパンでパンとシチューの風味のダブルパンチを味わっても良い。ドロドロな分口に残りますが、それをまた燻製肉やワインで切り替えたりもできる・・・」

 

 『ふぅ・・・これはお腹にもたまりますし身体がポカポカしちゃいますね。さて、今回の協力を感謝します。ゲオルギウスさん、エリザベート・バートリーさん』

 

 食事、それも混乱期でまともに食料を作れない、用意できない状態のフランスで味わう食事、エリザベート・バートリー、もといエリザベートは貴族故に毒味、完成から届くまでの時間の長さで冷えた料理が多かったこともありこの熱々のシチューは大変好評。ゲオルギウスにもこの味は受けたようで噛みしめるように、ゆっくりと、ゆっくりと食べていた。

 

 オルガマリーも画面越しではあるがカルデアのメンバーと一緒に飯を食べようというクラークの提案に半ば流されるままに従い、一応は同じ鍋の飯を食べ、少しの間料理の感想で談笑しつつ楽しみ、そして場の空気もちょうどよくなったところで今回の参加に頭を下げる。

 

 一緒に同じ食事を食べ、同じ話題を話せたのでいくらか気は軽く、正式な顔合わせは思わぬ事故でドタキャンになったのにもかかわらずこうして海魔との戦いにも参戦し、そのまま残ってくれたゲオルギウス。出会いは最悪な状況でもなんとなくでついてきて、そのまま戦ってくれたエリザベートに心から感謝し、微笑みを浮かべた。

 

 「いえいえ。あの怪物を町に入れるわけには行きませんでしたし、それにあの檄文でフランス軍、混乱していた軍をまとめたジル・ド・レエ元帥も来たおかげで街の守備と安心を手に入れましたからこうして動くことが出来ただけです。私こそ、このような美味しいシチューをありがとうございます。冬にミサで振る舞えたらと思ってしまいますよ」

 

 「ええ、私の専属マネージャー・・・にはまだわからないけど、行きつけの料理店くらいにはしてもいいわ! それにあの怪物も気持ち悪かったし、いいストレス発散になったから大丈夫よ。悪いのはあの蛇だし? それより、この燻製肉もいいわね。おかわりあるかしら? アイドルはエネルギーが必要なの」

 

 反応自体は悪くない。そして、アイドルと自称して何やらおかわりをねだるエリザベート。思わぬワードに頭の中に? が浮かぶが抑え、改めてオルガマリーも水を飲んで一息つく。

 

 『ともあれ、お二人はそのまま戦ってくれると。では、華奈の作戦をこちらの方でつなぎますが、いかがしますか? 意見なども出せるようにしておきますが』

 

 「いえ、アーサー王に円卓の騎士、それに現フランスの元帥が策を練るのです。見せては貰いますが、そこまで口出しはするつもりはありませんし、見せてもらえるだけでも十分です」

 

 ゲオルギウスの意を汲み取り、早速コンソールを操作して華奈たちの映像をつなぐオルガマリー。あちらへの邪魔をしないようにあちらには見えないように、ゲオルギウスの方からは声などが届かないようにとしておき、感度、映像のチェックを始める。

 

 「ああ、あの派手な爆発をしたやつだっけ? 良い演出、大道具スタッフになれそうよね。一人はかなりごつい見た目だったし、残りの二人も私のバックダンサーとかに選抜して。ほら、髪の色もあってバラエティ豊かな感じがしない?」

 

 「流石に派手すぎてステージが壊れてしまいそうですがね。彼らの場合だと」

 

 黄金の光の柱に赤の爆炎、更には青の光球と赤の爆発を遠慮もなしに撒き散らして更にはその中央で歌を披露するエリザベートという光景を想像し、なんとも派手かつ目に悪いと苦笑しつつ自身もおかわりを貰って眼の前に映し出されたモニターの様子に意識を傾けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ともあれ、まさか元帥様までも動いてくださるとは。ご協力ありがとうございます。お蔭でかなり楽になりましたし、あの怪物を討つ際も砲撃支援が助かりました。この混乱の中、よくこれほどの戦力を」

 

 「いえ、まさかジャンヌにまた会える・・・それも、この窮地に来てくれたことはまさしく神の啓示。しかも円卓、あのクー・フーリンまで来てくれるという騎士としては最高の瞬間に立ち会えました。こちらこそ感謝します。カナ殿」

 

 「ほれ、ぶどうジュース。兄ちゃんもどうだ? 英霊とは言え、気分的にゃ喉も乾いたろう?」

 

 「すまない・・・しかし、賑やかなものだな、少し前まで怪物に振り回されていたフランスとは思えないほどの賑やかさだ」

 

 「まあ、その軍隊に姉上の部隊、しかも料理で騒いでいますしね。ちょっとした行軍、撃退に成功したいわば勝ち戦ですしそうなるのかもですねえ」

 

 皆がワイワイと騒ぐ中、その喧騒から少し離れた場所に作られた天幕。その中ではカルデアの現地調査員代表になっていた華奈。その補佐のアルトリア、ストーム1、今いる対竜の魔女、ジャンヌオルタ軍の代表であるこの時代、フランスに生きるジル・ド・レエ元帥、ストーム1に引っ張られる形で連れてこられた男性。白髪の髪に精悍な顔つき、体格、巨大な長剣を持ち、ただならぬ剣気をまとう豪傑。英霊の一騎。ジークフリート。

 

 現在のフランスの状況とカルデアの今までの行動を伝えあい、情報交換、そして今後はどう動くべきかという相談、作戦会議を行うために集まっていた。

 

 「外ではアタランテ様が警護をしているので問題ないとして、始めましょう。まず敵の目的はフランスの蹂躙と壊滅。まあほっておいてもあちらは出てくるでしょう。本人が出なくても何らかの手段でフランスを荒らしたい、復讐したいと考えているのなら負けっぱなし、穴熊は一番したくないでしょうから」

 

 「その英霊も私達の方は増えましたが、あちらは今日の戦いでことごとく失う、私達の方に加勢してくれました。どんな英霊を呼び出すかは不明ですが・・・正直、今のメンバーならある程度は戦える、その間に対策を打てるでしょう。私達を打ち崩すほどの大英雄ならむしろあちらも制御はし辛いはずですし」

 

 「怪物の方なんだが、無事に出てきた分、逃げなかった奴らは全て倒した。フランス軍の大砲、それとジークフリートがワイバーンを七面鳥でも撃つみたいに簡単に倒していたからなあ」

 

 今日の戦いでの戦果、行動をざっくりと上げていく。事故こそあったが結果的にはフランスに散らばる英霊の参加、フランスの軍隊も無事に合流。受け入れてくれた。怪物への対処も銀嶺が前に出て小隊規模まで対処の仕方を実演して見せてフランス軍を手助けすることで被害も最小。

 

 物量に対してもジャンヌの鼓舞や華奈たちが大いに前線で暴れまわったことで奮い立ち果敢に立ち向かってくれた。合流してくれた英霊達の応援もあって撃退成功。包囲網はより堅牢なものとなる。

 

 「部隊編成、再調整もそうですが、相手がもう一度ここに来るのなら問題はないですな。ロングボウ、クロスボウ、大砲。対処策も銀嶺の皆様に見せてもらいましたし、この防陣もいい。移動してもこれを参考にすれば簡単と崩れはしないでしょう」

 

 「ああ、それに、相手の攻撃も手数こそは多いが、それでも俺には届かなかった。俺を盾にして、あの爆撃をしてくれれば・・・・・ッ!!!」

 

 現在の布陣、地図を広げて今後の行動、戦術を組み立てようとしている際にジークフリートは突如表情が一変し、緊張したものとなる。それは一同が感じ取り、更にはカルデア側からの通信が飛んできた。

 

 『姐さん。連絡だ。先程オルレアンから大きな魔力反応・・・それも英霊とかの規模ではなく、昼に見えた怪物の種類・・・それも竜種のそれが検出された』

 

 冬利から告げられる報告に一同が理解する。おそらくドラゴンスレイヤーとしての本能が察したか、ジークフリートはその特大級の竜とやらに反応、感じ取れたのだろう。

 

 「ああ、この感覚は・・・わかる。おそらくだが、あれが来たのだろう。俺に触発されたか、それともあの強さをうってつけとしたのか・・・邪竜」

 

 『ジークフリートが言うのなら、そうだろうなあ。奴さんら、英霊で頭数を揃えるよりも怪物で攻めるつもりなんだろうさ。オルレアンにはどんどんエネミーの反応が増えてきている。すでに今日の分よりも多いとカルデアの方はデータを叩き出している』

 

 「ジークフリート殿の言う反応にあれ以上の数ですと・・・! いくらここで迎撃が叶うとしてもアレを何度もぶつけられて竜まで来ては・・・・・・!」

 

 フランスの軍を率いて戦場にあり続けたジル・ド・レエ、そして自身の逸話、英雄譚、倒したかつての凶悪な竜。それを思い浮かべるジークフリート、これをデータで、何度も再計測してもむしろ悪化する敵の情報で不安の色を画面越しに感じられるカルデア。それとは別でストーム1とアルトリアは問題ないと笑い、華奈に至ってはどこ感度した表情すら浮かべる。

 

 それに周りが気づくと不安の表情は疑問の表情に変わり、視線が三人にい集まる。

 

 「御しやすいほうを、もしくは英霊では埒が明かないと考えましたかねえ? 下手に小細工軍略考える輩が呼ばれなくてよかったですよ。これならアレを使えます」

 

 「アンナから貰ったこれもありますからね。質の種類を変更、手数で来るならむしろ楽で済むのでありがたい」

 

 「俺個人としても英霊よりは怪物のほうがやりやすいわなあ。マスターの考えがあたったし、明日はアレでいくとしようか」

 

 むしろ何の問題もない、楽でいいとすら言ってしまう始末のメンバーに呆然としてしまう面々。その中でストーム1はジークフリートの肩を軽く叩き。微笑む。

 

 「明日は頼むぜ。あんたの言う邪竜なら、倒しやすいようにお膳立てはちゃんとやるからよ」

 

 「あ、ああ。頼もしいな。しかし、やつ以外でもあれだけの怪物をどうするのだ?」

 

 「それも問題ないです。少なくとも、ワイバーンならフランスの兵士の皆様でもいい演習扱いにまでできるようにしましょう。それでは、早速明日の陣地布陣、防衛手段の補強と新たな追加ですが・・・」

 

 「私の方はグレランを藤丸君にも渡しておきましょうか。確かガス式とバネ式のやつがあったはずですし。姉上。あれ、どこの区画にしまっていましたっけ?」

 

 『ああ、あれなら姐さんの自室の隣にいくつか・・藤丸くんが使うとなれば、電動式のモーター駆動のやつも用意しておきましょうか?』

 

 「では、そうですね・・・ロングボウは後ろに、騎兵は・・・守りの陣地ですから砲弾運び、伝令にして防陣の補強にしましょう。重装歩兵は長槍でも持たせ、あの不気味な怪物、リビングデッドの対策に砲兵と入れ替わりで最前線に出るように・・・」

 

 夜は更けていき、決戦のための再配置が練られていく。そして夜明けには布陣を配置し終え。敵を今か今かと待ち構えていた。




~早朝~

アルトリア「はい、藤丸君。これ、と・・・これですね。使ってください」
(グレランと弾薬を数発渡す)

藤丸「??? なんです? これ」

アルトリア「まあ、そうですね、タイミングを図って連絡しますので、その時に敵の中に撃ってくれたら大丈夫です。モーターでバネを引いて撃つのですがグレランが重いので反動も抑えめです」

藤丸「りょ、了解です(何をするんだろ・・・?)」

華奈「あ、きましたねえ。あれが噂の邪竜でしょうか?」

ストーム1「大きいねえ!」

ジークフリート「やはり俺が呼ばれた理由はこれか・・・ファヴニール。しかしまあ、頼もしい仲間がいる。すぐに退場してもらおう」





皆様あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいします。

フランスに行く前から怪物を想定していたストーム1、華奈達の備えの一つを次回で使っちゃいます。華奈も竜自体はヴォーティガーンや妖精郷に送る際にいくらかの経験を、ストーム1はそもそもが怪物特化の英霊。下手な戦略云々を考えたり思わぬ手を使いかねない英霊よりも二人にとってはそっちが楽な相手だったり。

アンナからもシチューをカルデアに送る際に頼んでいたものを手に入れているのでこれまた次回。

皆様、良い新年を、楽しい時間をお過ごしいただけたら幸いです。どうか風邪にはお気をつけてお過ごしくださいませ。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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