転生愉悦部の徒然日記 作:零課
ジャンヌ「マスター。修道院、教会風のルームができてミサができるようです。一緒に見に行きませんか?」
オルガマリー「んぐっ・・・昼からなの・・・? まあ、いいけども、神父様は誰がするのよ?」
(和風山芋パスタを食事中)
ジャンヌ「銀嶺隊で元神父、修道院の方が何名かいらっしゃるのでそちらが執り行うそうです。ワインとパン・・・酒はだめでもぶどうジュースはふるまわれるそうですよ?」
オルガマリー「あー・・・・・フランスでの物資・・・それに・・まあ、いいわ、行きましょう」
ジャンヌ「ありがとうございます。隣人にも、主にも素晴らしい教えや歌は聞いてほしいですし」
オルガマリー「(・・・まだ時間はたっていないけど、あの銀嶺隊のミサねえ・・・興味はあるし、新しい施設の完成に見学に行くのも長の役目か・・・というか今のカルデアって傍から見れば何なのかしら・・・?)」
エミヤ「ほう。ミサが開けるのか。そちらの宗教ではないが、あいさつや祝いのことも兼ねて行くとしよう。確かパンはキリストの肉と言われていたし・・・では、液体のパンといえなくもないはずのビールでも持っていくとしようかね?」
ジャンヌ「はい。フランスではあまり飲めませんでしたが、そちらもおいしいと聞いています。それに、信者でなくても親しき隣人の贈り物ならあの方も皆様も喜んでくれます」
エミヤ「ははは。そこまで信心深いつもりもなければ、良き隣人かもわからんがね。では、少しだけ量を奮発しようか。今のところ飲み物含めてこのカルデアの食料は数年は優に過ごせる量がある。瓶ビール数本増やしても構わないかい? マスター」
オルガマリー「いいですよ。心をほぐし、このつらい状況でも楽しめる機会です。ただ、強いものはやめてきなさいよ? 度が過ぎれば酒も騒ぎのもとよ」
エミヤ「了解した。少し度数の低いものや、水も一緒に持っていくとしよう。冷えたやつを・・・クーラーボックスは・・・よし」
~藤丸のマイルーム~
マシュ「先輩。トレーニングお疲れ様です。休憩がてら、新しくできた教会風のルームで行われるミサに行ってみませんか?」
(治療用カプセルでの定期治療帰り)
藤丸「え? いいけど・・・おれ、仏教だよ? 家の宗教。宗教違うけどいいのかな・・・?」
(トレーニング帰り)
清姫「まあまあ、ますたあ。一つ行ってみるのもいいではないですか? 宗教は違えどもどちらも人を救いたい、安らぎを与えたいと願うもの。それに。えーと・・・ダンカン? さん曰く『基本空気を楽しんだり、ご飯目当てで来るのもオッケー。楽しむのが第一さ』と言っていらしていましたし」
藤丸「うわっ!? 清姫!!? いつの間に」
マシュ「そ、そういえばいつの間に・・・アサシンを思わせる見事な背後の取り方でした・・・! もしや華奈さんのようなダブルクラス!?」
清姫「そんな大層なことはできないですわよ。私はバーサーカーのクラスですもの。で、どうします? ぶどうジュースにパン、それに、賛美歌や踊りもあるそうですよ?」
マシュ「あ、そこなんですよ。私、いつも映像でしか賛美歌やミサの光景って見たことがなくて、それに、当時の食事はどんなものだったのかも知りたくて」
藤丸「うーん、マシュがそういうなら、この後も特に予定はなかったし。いこっか。清姫もどう?」
マシュ「はい!」
清姫「承りました。おそばで楽しませてもらいます」
~華奈のマイルーム~
ダ・ヴィンチちゃん「よし、ストーム1! タレット置けたよ! 急いで戻って! ここからは迫撃砲と爆撃祭りだ!」
(エアレイダープレイ)
ストーム1「了解! ブーストジャンプ、ウィングフェンサーの機動力で大爆走だぜ!」
(フェンサープレイ)
紫式部「あれもストーム1様の物語のゲーム・・・ぜひとも物語・・・紙にまとめてみたいですね」
アルトリア「・・・・・・・・・」
(もくもくと読書中)
華奈「いやぁ、あれは大変だと思いますよ。ネームはこうして・・・ストーム、香子様、近くの資料7番と攻略本ください」
紫式部「はい」
ストーム1「そらよっ・・・ってカエルが面白い飛び方してんな」
ダ・ヴィンチちゃん「日本の鳥獣戯画だっけ? あれなノリだね・・・芸術点の高いカエルだ。あ、そうそう華奈。そっちの言っていた計画、あれはどうにかなりそうだ。今後も特異点でそれなりの魔力リソースを聖杯以外でも用意できれば。今回の物資もろもろだけでも一応はどうにかなるかもだが念のためにもね」
華奈「これはありがたいです。あ、そうです。これもできますか?」
(数枚の紙束を渡す)
ダ・ヴィンチちゃん「ミッションクリアー。いやあ、機動力があると違うね。どれどれ・・・? ・・・・!!? ここまで精密、かつ細かな設計とは・・いいだろう。やってみようじゃないか」
華奈「ありがとうございます。さてと・・・あ、香子様。今回はこんな感じです」
紫式部「失礼します・・・・いいですね。では、おまけの書下ろしはこれで」
ストーム1「おー・・・・こりゃすごい。武器の書き込みに発砲から数コマでの飛んだ薬きょうの合計とマガジンの交換が弾数ぴったり」
華奈「冬利様と良馬様も助けてくれましたよ。資料が手に入りやすいので」
~図書館~
ジャンヌオルタ「うっく・・・・・ぐ・・・」
アンナ「力入れすぎなくても大丈夫よ。ガリ版でもないんだし」
ジャンヌオルタ「う、うるさい! これでどう!」
アンナ「うん・・・花丸とはいかないけど、合格。それなりに読めるわ。じゃ、次の文字ね。それと、今度は下敷き抜き。頼ってしまいすぎるとそのままペラペラの紙でも強く書いて破いちゃいそうだし」
クラーク「はい、鉛筆と握り方練習用の道具。少し頑丈なものを用意しました」
アンナ「あ、ナイスタイミングよ。じゃ、これを使ってしばらく練習しましょうか。みんな今頃ミサとかご飯の時間だし、特訓もし放題よ」
ジャンヌオルタ「貸しなさい・・・そうよ・・・どんなことでも取り込んで、学んで、アイツより上だとわからせてやるんだわ!」
~カルデア・菜園場~
クー・フーリン「っはー・・・一仕事した後の一服は気持ちがいいぜ・・・」
(茶をしばきながらたばこで一服中)
ジークフリート「うねは作ったが・・・そっちは何を植えたんだ?」
(二人ともツナギルックス)
クー・フーリン「外周にニンニク。で、中に二十日大根。もう一つには白菜。そっちはまた少し違う畑だったか?」
ジークフリート「たしか・・・人参、トウモロコシを作ると言っていたな。麦は保存できるから野菜を作っていくと」
クー・フーリン「小麦粉にして真空パックにでもつめりゃ長期保存もできるしな。ほれ、腰かけな。作業員用の茶もある。たばこ、吸うか?」
ジークフリート「いや、すまないがたばこは遠慮させてもらう。茶は貰う。ん・・・ふぅ。意外と、楽しいのだな・・・畑仕事も」
クー・フーリン「ここだからってのもあるだろうよ。天候に左右されねえし、うるせえお上もいない。収穫できりゃ俺らも含めて食べて楽しめる。やればやるほどおいしいってなあこのことだ」
ジークフリート「そうだな。では、もうひと働きするとしよう」
クー・フーリン「おいおい、焦るなよ?」
ジークフリート「焦ってはいないが・・・そうだな。こういう形で人を助けたり、笑顔にするのは楽しいと思えてな。戦いがない時はこっちで頑張るさ」
クー・フーリン「そうかい。っあ~・・・じゃ、おれもヤマジの旦那に頼まれたワイバーンの解体と燻製づくりに行きましょうかねっと・・・一応、たばこのにおい落としてからにすっか」
「ふふふーん♪」
ルンルン気分でカルデアの道を歩き、ご機嫌なジャンヌ。この極限の状況の中でミサが行えるとは思わず浮かれた気分を隠せずにいた。
アンケートには小さなもの、張りぼてでも構わない、数日はかかるかと思ったが昨日の今日で、しかも相当作りこんだものだという報告には驚きを隠せず、新しいマスターのオルガマリー、同じ契約している英霊のエミヤも巻き込んでカルデア初のミサに参加することとなる。
「私はあまりわからんが、やはりああいうものがあるというのは大きいのだな」
後ろからほほえましいものを見るようについてくる先輩英霊のエミヤにオルガマリーはそれを見てそれだけでも参加してよかったと思える。
互いにビールやワインなどの一応の祝いの品を手に抱え、完成と同時に追加されたポイントへと歩いていく。
「そうだと思うわよ。それにまあ、こうした小さな催しで少しでも皆の心情を楽にできるのならラッキーだわ。こういう環境になって、改めて部下へ意識が向けられるようになったというのは皮肉だけどね」
さすがに教会とまではいかないが、もう少し部下への当たり方を優しくできていればと過去の自分を思い返すオルガマリー。自分同様に苦しんでいたり落ち込んだりしている部下を見て、少し心が余裕ができた今だからこそ考えられるが、それにしたってもう少しあるだろうと。そう考えてしまう。
「逆境、苦境だからこそ人は育つともいうし、まあそこはそれぞれだろう。それにだ、支えてくれる人はいたんだ。巻き返しはここからだってできる」
励ますように、年下の妹を慰めるようにポンポン。と肩を軽くたたいて笑みを浮かべるエミヤ。その雰囲気や言動とは裏腹に一瞬自分よりも幼く、やさしい顔に一瞬戸惑うもすぐにこちらも笑顔で返す。
「もちろんです。私は、アムニスフィアは、カルデアはここで終わりませんし、今まで迷惑かけた分、ここで所長として頑張らせてもらいます。・・・・・ありがとう。エミヤ」
「どういたしまして、その強さと弱さは持っておくべきものだと覚えておきたまえ」
「あ、藤丸さん、マシュさん、清姫さん!」
談笑している二人をよそにばったりと出くわした藤丸、マシュ、清姫の三人に手を振るジャンヌ。それをみた藤丸らも手を振って応え、歩いてくる。
「こんにちは。ジャンヌさん、所長とエミヤさんと一緒にミサに?」
「はい。私のリクエストも通ったようでして。せっかくですから初めてのミサに参加しませんか? ということで誘ったら了解してくれたのです」
「カルデア内部の新しい設備とも言えなくはないしね。あいさつと、まあどんなものかくらいかは知るべきでしょう? マシュは、勉強かしら? 清姫さんは・・・付き添い・・・で、いいのかしら」
「はい、私ももしかしたら相談や、勉強できるかもですし、ミサというのがとても興味深く」
「何せ、神代の時代の人たちのミサですし、催しは気になります。それに、ますたぁとの婚儀の際も利用するかもでしょう? 知っておいて損はないものです」
一瞬ウェディングドレスに身を包む清姫を想像するものの、とりあえずはその場のほぼ全員はすぐに流し、ワイワイとあれやこれやとミサがどんなものかと現代の知識を話すもの、あるいはそこから想像を話すもの。愉快さを増して短い時間を歩いていると、目につくものが一つ。
部屋の前にある一つの看板。『教会、および懺悔室』と書かれ、十字を描かれたた看板。その看板の置いてある部屋に入ると、元が無機質、簡素な部屋とは思えない。魔術で空間を少しゆがめて高くした天井。木製の長いすに木目の床。柱の各所には天使の像を掲げ、絨毯は神父が立つであろう場所まできれいに続く。一番に視界に飛び込んでくる壇上の後ろの大きなステンドグラスには壮大な天国の様子がガラスで描かれ、後ろから照明で照らしているのだろうか、ガラスの色が藤丸らの肌に映る。
「わぁ・・・・・」
「きれいだ・・・」
銀嶺隊の工兵、大工メンバーと教会などにいた僧侶、牧師、神父らと資材を管理するメンバーで相談しながら作ったこの場所はどこか神秘的で、カルデアとはまるで別空間に思えるほど。
部屋の隅には何やら扉が二つ。懺悔室と書かれた看板と、酒の香りが漂うあたり、酒の保存場所の一つと懺悔室、ついでに相談部屋としてのものだろう。
「・・・ここまでのものを用意してくださるなんて・・・!」
教会に足を運んで祈りをささげた日を思い出しているのかジャンヌの目はきらきらと輝き、部屋中を歩き回っては隅から隅まで観察していく。
「西洋の宗教も、教会もきれいな場所なのですね・・・」
「ほほう・・・あの色はコーラの瓶だろうか? カルデアの物資を再利用しているものも多そうだ。しかしまあ、ここまでのものを作るとは」
「・・・この一室のための物資を問題ないというほど隠しているわ・・・これを数日で作るわ・・・はぁ・・・なんなのこれ・・・」
自分の知る神社仏閣とはまた違うつくりに素直に感心する清姫。ステンドグラスに注目するエミヤ。久方ぶりに精神安定剤を飲んでここまでの備蓄をあっさりと用意し、作って見せたことに驚きと隠し財産にめまいのする覚えのオルガマリー。
藤丸、マシュの二人はそのままジャンヌの後をゆっくりと続きながら興味深げにあたりを見回していく。
「おやおや・・・まさかこんなに早く来訪者が来てくださるとは。興味か、信心か。私も配慮が足りないのでしょうか」
そうしていると後ろから声が響き、一同が振り返るとやや小柄で丸眼鏡のをかけた中年男性が神父の衣装に身を包み、聖書片手にゆっくりと歩いてくる。
「ともあれ、ようこそおいでくださいました。ジャンヌ様の要望もあってこれから週一回に行われることとなったこのミサ。神への感謝、そしてみなとそれを分かち合う行い。平時は私たちがここで懺悔、相談、への協力。賛美歌などの練習を行っていますゆえ、宗派云々は気になさらずにご利用を。ここに参加できなかった皆様にも伝えてくだされば幸いです」
にっこりと穏やかな笑みを浮かべつつ壇上に神父が上がって聖書を開いていると後ろからカルデアの職員が数名と銀嶺隊二十名前後、狼も猪も数匹入ってきて一部は腰かけ、あるいは一部は賛美歌でも歌うのか左右に分かれ、一部は何かを用意していく。
「あ、ミサが始まるみたいですね」
「おっと・・・座らないと。マシュ、清姫、こっち空いてるよ」
「ではその前に・・・神父殿。こちらからの少ないがあいさつ代わりに。皆で分けてくれ」
「ふぅ・・・ま、ゆっくり見させてもらいましょ」
「少し、浮かれてしまいますね。いつかはここで式を挙げるのもよさそうです・・・うふふ・・・」
「私も十字架を・・・」
席につき始めた参加者の中に交じって藤丸らも腰を下ろし、先ほど用意をしていた銀嶺のメンバーにホチキスで簡単に止めただけの冊子をもらい、全員にいきわたったのを確認するといよいよミサが幕を開けた。
「っはぁ~・・・・・・姉上! この巻の続きはないですか?」
もとよりカルデアの古株。しかも一応は備品課のまとめ役ということでかなりの広いスペースを持っている華奈のマイルームでわちゃわちゃとゲームに興じるダ・ヴィンチちゃんとストーム1、何やら創作活動をし、それと今のこの状況を眺めて楽しんでいた華奈、紫式部。そしてその華奈の作った漫画を花子をクッション代わりに熟読していたアルトリアはひとしきり読み終わると次の巻をねだり、すでに読み終わった作品を片付けていく。
「あ、えーと・・・『永劫戦記・邂逅』ですと・・・あそこの未発表の枠に・・・って、もうあれ読んだのですか? 第一部は巻数こそ15ですけど、一冊400ページはざらですのに。しかもその邂逅編で完結ですが、未発表含めて7巻・・・早いですね」
「SFバイオレンスサイキックアクション。しかも別宇宙まで取り扱った激しい展開! 私も野菜の配達で宇宙怪獣は出ましたが、それに負けないくらい迫力も素晴らしいです・・・・! もう一回読み返したいくらいには!!」
「華奈様がカルデアに召喚されて、サバフェスに参加できず10年ほど。英霊の間では打ち切り、戻ってこないのかとファンの皆様が嘆かれていましたね」
また新しいファン。しかも義理の妹がはまるという事態に華奈も紫式部も苦笑いし、座から本体丸ごと呼び寄せられ、受肉して以降サバフェスに参加できず、けれど描き続けてはいた『未発表』の棚を指してアルトリアに教える。
アルトリアも丁寧に少し分厚いコミックサイズの漫画を奇麗に棚へとしまい、未発表の棚へと歩いていく。それを横目に一度ゲームの休憩にジュースを飲んでいたダ・ヴィンチちゃん。華奈のネームに目を通していたストーム1も興味がわき、おそらく華奈が描いていたであろう作品の棚に視線を移す。
「えーと・・・? 『こちら漢中王劉邦くん』『激突勇王ナイト・ライナー』『ごった煮学校生徒一同集まれ!』『騎士夫婦の献立』『永劫戦記』『永劫戦記・邂逅』『魔獣観察日誌』『白水のお断り』『美味しいものなら湧いて頂戴!?』・・・キャラクター資料にデザインのみのものまであるな」
「こっちは・・・・・ゲーム『銀嶺暮らし』『銀嶺暮らし2』もらい物だと・・・『ルーシーの手帳』『ザ・モーリシャス』本のもらい物も『ともあれラクを一杯』『キャプテン今川』『汚物消毒神拳』『激闘歌劇団旅行つれづれ』・・・これ以外にもいろいろあるんだね」
「ロボットもの、勧善懲悪時代劇アクション。エッセイ、学園もの、ギャグ作品。いろいろやりましたねえ。香子様というアドバイザー、編集者が来てくださってだいぶ楽になってついつい。恋愛ものはしたことないですが」
華奈も作業の手を止めて物珍しそうに本棚を見ているメンバーを見てほほ笑み、一度作業を中断して冷蔵庫から茶を取り出して全員分用意し、自分も作業用の椅子に腰を下ろして茶をすすり、息を吐く。
「確かサバフェスだったか? コミケのような感じで集まるって感じでいいのか。しかしまあ、あの劉邦のギャグマンガとか、良く描けたなこれ」
「あ、それならあとがきで許可は貰ったと書いていましたよ。劉邦軍のメンバーが毎回コメント書いているのも面白かったです。・・・ガウェインも言っていましたが、ここまで絵がうまいとは」
漫画に目を走らせながらつぶやくアルトリアにくすくすとほほ笑む華奈。
「それはガウェイン様たちのリクエストからですよ。教育用の絵本描いたら絵が下手だと言われて、練習したり、学習道具で新しいものを用意しているうちに上達して、引退後は趣味で書いたりしていまして。英霊になってからもみんなで描いたりしたり、サバフェスをするうちに上達・・・と」
「ネームも見やすいですし、絵全体に迫力を入れつつもキャラもいいですし見ごたえがあるのですのよね。宝具での人手で運営委員の手伝いになったりで、確か売上ランキングにはあんまり入らないですが、ふふ、なかなかの人気だと思いますよ?」
絵を描くきっかけが教育係として見やすい、楽しみやすい本づくりから始まって、引退後も趣味になるとは思わず過去を思い返す華奈。一緒に売り子、レジ計算で目を回すような思いでもまた楽しかったと懐かしむ紫式部。
「いろんなものが出るからね。あそこは。写真集に画集。CDにグッズ。ゲームに小説、漫画と。私も出そうかなあ~私の写真集とか、この最高の美女の写真集なら人気間違いなしだしね!」
「何せ美女が多いですし、本当に写真集は売れるでしょうねえ・・・毎回ランキングトップのどこかには入っていたりしますし、稀代の芸術家のダ・ヴィンチ様なら魅せ方も心得てますしね」
「もちろん! 華奈の漫画にゲスト投稿したっていいんだよ~? 代わりに華奈も写真を撮らせてもらうけど」
今までは気まぐれの参加、ここ十年はカルデアの技術顧問として華奈同様動きづらかったダ・ヴィンチちゃんも創作活動、その集まりに参加意欲がわいたか。両手を上げて声を出した後にそのまま後ろのクッションに身を投げ出しつつ先ほど取っていた漫画を一開いてパラパラとページをめくる。
「なら、開催されたら俺らでやるか? みんなでサークル参加してよ。お・・・ルート、というかスタートの部隊も選べるのか、で、部隊ごとのボーナスは違って・・・」
「あ、スタートなら華奈様の部隊からがいいですよ? そこでクリアして、二週目からほかの部隊のルートのほうが自由度高かったり、楽になります。それとクリア後の派生ルートもありましたし」
女性陣がみな漫画を手に取ったので興味はあるがゲームを先にやってみようと『銀嶺暮らし』を新たにプレイし始めたストーム1。それにアドバイス。チュートリアルにはない部分を教えていく紫式部。作品にすでに編集部分からかかわっている関わっている上にすでに図書館にも寄贈済みで読み終えたのか図書館ではできないゲームを一緒にプレイしたくなったか、途中からコントローラを持ち出して一緒に遊び始めることに。
「ここの皆様でサークルですか・・・いいですね。ふふ、でも、今の状況では開催どころではないですよねえ・・・あと、ダ・ヴィンチ様の提案は魅力的ですが、写真は内容次第で」
「星を喰らう大いなる魔物、成長・・・その軍・・・異なる宇宙に、さらなる存在・・・夜更かししそう。あ、それと私も参加します! 姉上のアシスタント兼秘書に立候補します!」
「ええ、いいですよ~では、まずは道具からですね。一式の予備、ありましたっけ」
元気よく挙手をしてやる気満々のアルトリア。近くで大声を出すものだから花子も思わず耳をぺたりとたたみ、しっぽをたらす。どうやら相当に漫画を気に入ったようだ。
その意気を華奈も買い。早速ペン、定規にインクの予備がないかと引き出しを探し始める。
「あら、アルトリア様も参加ですか? ふふ、次回のサバフェスはこのサークルがよりにぎやかになりそうです。あ、ストーム1様。案山子を立てておいたほうがいいですよ。序盤は本当に食糧確保が難しいですから少しでも対策を」
「俺は・・・うーん・・・お茶くみ、荷物持ち、雑用がせいぜいだろうな・・・・・ん? でもこれだと木材が・・・伐採に出ながらキノコ、香草が拾えることを祈るか」
「・・・いえ、何でしれっと最高難易度でやってるんですか?」
ガヤガヤとやかましいままに昼下がりの時間は過ぎていき、ほぼ全員がそのまま華奈のマイルームで漫画とゲームに没頭しては盛り上がった。
「もう一度! もう一度聞かせてください!」
「アンコール! アンコール!」
ジャンヌたちはミサに来たにもかかわらず、心が落ち着くどころか大いに楽しみ、アンコールをリクエストするほどにはしゃいでいた。藤丸も肩を揺らして歌を楽しみ、エミヤは苦笑。
マシュとオルガマリーは自分の知るミサではないと呆然とし、清姫は間違った知識を脳内に叩き込まれる。
理由は当然銀嶺隊のミサで、最初は滞りなく進んでいたが、歌の合唱になるとこで変わった。厳かで、清らかな歌声、コーラスどころかゴスペル、ポップにアレンジした合唱をかまし、それに合わせて踊る連中までいる始末。
そのくせ内容はばっちりしている上に皆生き生きと楽しむのだからいつの間にかカルデア職員らもエキサイトして手拍子をしたりするわで教会全体がミュージカルの舞台、イベントに思える様相を呈してきた。
「これが賛美歌ですのね・・・うふふ、楽しそう」
「随分とエキサイトな祈りを伝えるものだ」
アンコールも無事に歌い終わり、締めのあいさつをしてミサは終わり、その後は語らいの時間ということでワインにパン、ビールにぶどうジュースをふるまい始め、休憩時間の職員はジュースとパン、非番の職員はワインやビールでのどを潤して先ほどまでのことを語りだす。
「あの・・・いいですか? 所長。これが、昔のミサ・・・」
「ないわ。とりあえずこんなハジケたミサは記録にも記憶にもないわよ。時計塔にだって・・・あったら間違いなく一部の学生は楽しむでしょうし」
映像記録や想像をことごとく壊されて思わず所長に聞くマシュをバッサリと切り捨て、同じく熱から覚めて思い返して訳が分からんという表情になるオルガマリー。自分の知るミサはここまでお祭り騒ぎだったか? と記憶の引き出しを片っ端から開けて、閉めてを繰り返し、やっぱりないと困った顔を浮かべる。
「おや、所長様。マシュ様、お二人もぶどうジュース、いかがですか? ほかの皆様はすでにいただいているようですが」
「あ、いただきます」
「ええ・・・ありがとう。いただきますわ」
困り顔をするマシュとオルガマリーの二人の前に先ほどの神父が現れ、コップに入れたぶどうジュースを両手に持ってニコリとほほ笑みかけてくる。それに対して二人も笑顔を返して受け取り、のどに流す。程よい酸味とぶどうの心地よい甘み。予想外の情報の波をぶつけられて少し疲れた頭に糖分が送られ、気持ちの整理がつく。
「えーと・・・あの、その、このミサ・・・なんでここまでハジケているのかしら」
「ああ・・・それですか、華奈様と・・・私、あそこで歌を歌っていた皆様の提案でして・・・昔に・・・・」
そうして語りだす、このミサまでの経緯。目の前の神父もついさっきまでノリノリで歌いまくっていた現況の発生源を語りだす。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~過去 銀嶺隊・拠点~
華奈「しかし・・・ここにも教会は必要でしょうかねえ。やはり心のよりどころ、神への祈り、交流の場は必要でしょうし」
ヤマジ「じゃ、早速作るか。うちらの働き者なやつらのためにこれくらいのケツ持ちはしないとな」
(完成後)
華奈「うーん・・・せっかくの祈りや皆様がこうして元気だとも伝える場でしょう? どうせならどこまでも楽しく歌って、踊って、今信じられることの嬉しさ、幸せだということを見せるためにもっと自由に歌いません?」
(一通り見て)
神父「いいですねえ・・・では、歌のアレンジや、踊り、場合によってはちょっとした劇もしていきましょう。華奈様のような信者でなくても隣人も楽しめる。宗派にかかわらず手を取り合える場所にしていきたいですからな」
銀嶺隊員1「じゃ、踊りは少しエキサイトにしたり・・・」
銀嶺隊員2「小道具とか演出は魔術も組み合わせてもいいな」
銀嶺隊員3「その後は語らう場所と、時間の用意もいいな。意見も欲しいし、改良もしていきたい」
~過去 ソロモン、華奈受肉後~
ロマニ「あ、華奈。面白い曲があるよ」
華奈「・・・・・・・おお・・・このCD、借りていいですか?」
ロマニ「いいよ。僕も聞き終わったし」
華奈「ありがとうございます」
(移動)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「という感じで現代の音楽も勉強しながらアレンジしていったりとして今の感じになりましたよ」
「そう・・・うん、まあこのほうが私もいいけど」
「私もです。なんだかこう・・・皆様がすごく楽しそうで、イキイキとしているのが良かったです!」
まさかの発案を受け入れ、そこからの斜め上か下の改造をした歌の数々。現代ゆえに多くの音楽を知るオルガマリー、マシュもこのアレンジを気に入ったか反応の差はあれども受け入れ、マシュに至っては目を輝かせて受け入れていた。
「現在でも形を変えて主を思う、たたえる歌ができているのは素晴らしいです。アレンジもよかったですし」
「おや、では、確か咲、フラム様がCDを持っていたので聞かせてもらうといいかと。ロマニ様もお持ちでしたかな。私たちの歌を録音した道具もあるので、ジャンヌ様にお渡しします」
少し懺悔室のほうに移動した神父がしばらくして何やら木箱のようなものをもってジャンヌに渡す。その後、簡単な説明をして操作を始めると小さな音量ではあるが歌が聞こえ始め、音量の調整とともにあたりに広がる。
「華奈の家族と、古い付き合いのドクターか。十年近くもあればこれくらいはできると。ワイン、いい味をしている。よければ数本食堂に分けてくれないかね? 料理にぜひとも使いたいのだが」
「もちろん、かまいませんとも。あとで包んでおきますので、今は皆様と楽しいひと時を」
その後は用意されたパンとぶどうの飲み物にビール。お菓子も加えたちょっとした茶会、ないし飲み会が開かれ、畑作業から帰ってきたクー・フーリン、ジークフリートも参加。宴会騒ぎになったところでオルガマリーが全員を食堂まで引っ張り出し、水と酔い覚ましの薬を飲ませたとかなんとか。
華奈の描く漫画の画風は「魔法使いの印〇所」に近いイメージをしてくだされば幸いです。教育のための努力が趣味になって英霊になって1500年以上続けたせいです。
ミサの歌のイメージは某名作映画「天使にラ〇ソングを」という感じです。あの映画は今見ても色あせない名作だと思います。
もらい物も英霊、英霊になっていてもいいレベルかなあと思う方々、もしくは題材にできそうなものを選んだつもりです。
今回から少しづつ出てきた作品の簡単な説明を加えていきたいと思います。サバフェスもいずれやりたいですがかなり後になるのは確定ですので読み飛ばして問題ありません。あとでまとめも用意しておこうかと。
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筋が通らなきゃどんな奴だって成敗。風来坊白水と出会う人々とのほんのひと時の縁を記す人情物語。
次回はなぜなにアル華奈になるかと思います。
それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。